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DAZN観戦 2023年J3リーグ第35節 愛媛FCvsFC今治

2023-11-13 16:02:07 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 愛媛ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

残り4試合で、とうとう昇格リーチまでこぎ着けた愛媛。
同時に優勝にもリーチで、勝利かつ2位・鹿児島の敗戦でJ3優勝の栄冠を手にするという今節。

以前にも述べた通り、1点差勝利が大部分を占める厳しい戦いを続けてきた今季。
その躓きは開幕節の岩手戦での大敗(1-5)とは良く語られる通りですが、13節・YS横浜戦の逆転負け(2-3、福田にハットトリックを喰らう)も正直精神的にくるものがあったでしょう。
それでもブレる事無く、昇格争いをリードする位置を保ち続け。
ここに来て4連勝と、ブーストのように2位以下のクラブを突き放して王手を掛けるに至りました。

そんな状況でのこの試合、同県の今治を相手にした「伊予決戦」で締められる事となるのか。
そのダービーの最初の決戦を前年観た際は、かなり今治の方にチーム力の差が傾いているような内容でしたが、現在の状況は逆転。
やはりどれだけ時間を掛けても、最後に立っていた方が勝者だという事を如実に表している感があり。

試合が始まると、昇格争いの渦中で後の無い今治がハイペースを掛け。
夏の補強で加わったヴィニシウスAのポストワークを利用して攻め上がり。
しかしそれは同時に、愛媛ディフェンスの激しいチャージによりフラストレーションも高めてしまう事に繋がります。
前半5分、右スローインのボールを収めにいったヴィニシウスA、小川のチャージを受けてロストし再度スローインに。
するとロングスローに備えて中央に戻る小川に対し、激しくヒートアップし詰め寄る一幕が発生するという具合に、早くも緊張状態に。

このヴィニシウスAをはじめ、千葉・土肥など補強を敢行した事(に加え、ドゥドゥをはじめとした個人昇格)により、前半とは異なる顔ぶれの前線となった今治。
監督交代も敢行する(高木理己氏→工藤直人氏)等、昇格チャンスを何とか掴まんとする立ち回りを見せていますが、残り試合的にかなり厳しいという現状であり。
10分にはゴールキックでのロングフィードから、ヴィニシウスAフリック→Mヴィニシウスドリブルという、それらが噛み合っての攻め上がりでコーナーキックに持ち込み。
そして2本目の右CK、中央へのクロスを千葉が前へ落とし、ヴィニシウスAが体勢を崩し低い位置でヘディングシュートを放ったもののオフサイド。
13分には反則を受けたのち素早いリスタートで再開、ミドルパスを収めたヴィニシウスAが千葉とのパス交換を経て右奥へ切り込んでクロス。
クリアされるも、彼と入れ替わるようにFWの位置に居たMヴィニシウスが左で拾い継続、ここからクロス攻勢を仕掛けます。
そして4本目のクロスは、目先を変えて下口が右サイド手前から入れる形となり、ニアで三門がフリックで合わせた先でMヴィニシウスが脚から跳び込みましたが僅かに合わず。

一方の愛媛、大一番でのプレッシャーか、攻撃では硬さが見られ中々好機を作れず。
ワンサイドに人数を掛けてのパスワークから、薄くなった逆サイドを突きたいというやり口は以前から変わらずも、サイドを変える事が出来ずに序盤は難儀します。
17分にゴールキックからショートパスでの繋ぎ、GKに戻されたのち辻が右へフィードを通し。
そして森下が裏へ一気にロングパスを通さんとしますが、エリア内に松田が走り込むもGKセランテスに抑えられ繋がらず。
22分には左サイドでこぼれ球を回収、今治のゲーゲンプレスに遭いディフェンスにこぼされるも、それにより再度繋いだ事で右へ展開する隙が生まれ。
そして曽根田が入れ替わりから前進せんとするも、山田に倒されてしまい好機とはなりません。(反則無し)

今治のハイペースは尚も続き。
ビルドアップの段階で下口が偽サイドバック的に位置取る、前線に運ぶと左サイドハーフの新井がボールサイドの右に寄って来るなど、流動性を高めてのポジショニングも絡め好機を量産していきます。
それでも先程のクロス攻勢よりは、得点期待値の高いポケットを突く方を優先させる攻撃を重視。
24分に右サイドを三門・Mヴィニシウスのワンツーで前進し、Mヴィニシウスがワイド→ポケットへのスルーパス。
走り込んだヴィニシウスAのシュートが放たれるも、サイドネット外側で惜しくも決められず。

押し込まれる愛媛。
時間が経つとともに徐々にペースを上げていき、33分には今治の最終ラインに対しハイプレスを掛けるも、照山に対する石浦のアタックは完全に奪いきれず。
パスを眼前でブロックしたものの下口に拾われ継続となり、左サイドを運ばれる(その後戻して作り直し)という具合に、依然として今治優勢に見えた試合展開。
しかし34分、クリアボールを繋ぎ左サイドを運んでいきCKを獲得、ショートコーナーを経てのクロスは実らずも二次攻撃。
その最中に森下が楠美にスライディングで倒され反則となり(楠美に警告)、絶好の位置での直接FKへと好機は移り変わり。
中央やや右寄りという位置からで、敵味方双方入念に壁を作る中、時間を掛けられて蹴られたキッカー茂木の直接シュート。
これが愛媛初のシュートであり、枠内を襲ったこのボールをGKセランテスがセーブと、折角の好機はモノに出来ず終わります。

徐々に愛媛が押し込んでいく中、カウンター狙いへと切り替えを見せる今治。
41分にはその通りの好機が訪れ、Mヴィニシウスロングパス→ヴィニシウスA前方へポストプレイと素早く運んだものの、千葉には繋がらず実りません。
すると愛媛が再び直接FKの好機を得たのが44分で、曽根田のカットインが山田に倒されての反則で、右ハーフレーンからのFK。
これをまたも茂木が狙ったものの、壁を直撃して今度も決められず。

結局前半はスコアレスで終わり。
ハイペースを貫いたような今治でしたがゴールは奪えずと、その懸念が膨らむ後半の展開が予想され。

他方、1時間前のキックオフとなっていた鹿児島の試合が終了し、0-2で琉球に敗北。
これで愛媛に今節で優勝の可能性が生まれる事となりました。

そして後半のキックオフ、愛媛ボールをすぐさま遮断した今治、前半同様のハイペースで仕掛け。
やはり消耗しきらないうちに決めたいという意思が表れていたでしょうか。

しかしその最中に転機が訪れ、後半2分に敵陣でボールポゼッションを高めんとする今治に対し、プレスバックした松田が楠美からボール奪取。
これでペースを反転させると、逆に愛媛がボール保持から好機に繋げ、左~中央での繋ぎを経て右サイドへ展開という得意手での攻撃。
シュートには繋がらずも尚も右スローインから継続し(この時点で3分)、谷本のエリア内中央への横パスを受けた石浦、ループシュートでゴールを狙いましたが惜しくも左へと外れ。

着実にゴールに近づく愛媛、そして続く4分でした。
森下のロングパスが跳ね返されるも、セカンドボールをさらに深澤がダイレクトでロングパス、これに走り込んだ松田が市原との競り合いを制して収めに成功。
そして左からポケットを突いた茂木のクロスが上がると、ヘディングで合わせてゴールネットを揺らしたのも松田でした。
流れを逆転させるディフェンス・ロングボールの収め・クロスのターゲットとほぼ全てをこなした松田、エースの名の通りの働きで大舞台での先制点を叩き出しました。
この際に着地際で楠美と激突し倒れ込み、不安視されましたが無事に起き上がり。

一方今治サイドは、楠美がそのまま交代となったのみならず、(シュートの際に)松田と競り合った市原が倒れた楠美の脚に激突してしまい2人倒れ込む事態となり。
楠美に代わって土肥が入り、市原(と松田)はピッチ外→キックオフ直後に復帰と、慌ただしく巻き直す事となりました。
10分には再び、中盤で反則を受けたヴィニシウスAが、(笛の後もプレーを続けんとした木村に対し)ヒートアップする一幕も発生してしまい。

今治は一気に流れが悪くなったという感じで、15分には最終ラインでの繋ぎでパスを受けた下口がスリップし、スライディングで確保しようとした所を山口を倒してしまい反則という絵図に。
その直後にはプレッシャーにいったヴィニシウスAが小川にアフターチャージをしてしまう等、中々冷静さを保てないシーンが続きます。

そして流れを変えるべく17分に2枚替え、千葉・ヴィニシウスA→松本・阪野へと交代した今治。
これによりMヴィニシウスがFWにシフトすると、直後のゴールキックでのロングフィード、阪野を越えてエリア内へ流れるボールにMヴィニシウスが猛然と走り込み。
蓋をする小川の後ろから足を伸ばし先っぽで触れるようにシュートしましたが、惜しくもゴール左に外れて同点ならず。

この訪れたワンチャンスを逃してしまうと、愛媛の攻勢を凌ぐ体勢を強いられ。
21分に左サイドで繋ぐ愛媛、今度は同サイドでやりきって茂木がカットインでポケット奥を取り、マイナスのクロスがニアサイドでフリーの松田へ。
しかし松田のシュートはミート出来ず流れ、尚も細かく繋いだ末に、エリア内でディフェンスに遭いながらの密集状態のなか谷本が抜け出し。
この絶好機で放たれたシュートもGKセランテスがセーブと、追加点を得られなかった愛媛。
その姿は、やはり1点差に留める神の力(?)が働いているかのようであり。

その直後に今治も、スルーパスで左ポケットを取ったMヴィニシウスのシュートをGK辻が足でセーブと際どい好機が生まれ。
何とか結果に繋がんと、24分に左スローインを素早く投げ入れて裏を突くなど、ハイペースを続けるものの実る事は無く。
31分に一旦攻撃が途切れるも、クリアボールを拾った谷本に対し松本が反則気味にボール奪取。
ここから右ポケットを窺いながら細かく繋ぎ、ワイド奥から下口のクロスが上がり、中央でMヴィニシウスが合わせたもののGK辻がキャッチ。

33~34分に双方ベンチが動き、今治は下口・三門→冨田・上原へと2枚替え。
これにより新井がボランチへ、山田が逆の右SBへシフトとポジションチェンジも激しくなり。
一方の愛媛は、殊勲の松田がお役御免となりベン・ダンカンを投入します。(同時に石浦→矢田に交代)

何とか絶好機を掴みたい今治。
39分にGKセランテスのロングフィード一本からその場面は訪れ、阪野のフリックに走り込んだ上原がシュート。
先程のMヴィニシウスを彷彿とさせる流れでしたが、GK辻のファインセーブでこれも決められず。
続く40分、愛媛のプレッシングをかわしての最終ラインからの繋ぎで、上原のスルーパスで裏を取った阪野がシュートするも、惜しくもオフサイド判定に引っ掛かり不発となります。

何度か訪れる危機を防ぎながら、「その時」に着実に接近していく愛媛。
45分にベテラン・森脇を投入し(谷本と交代)、7分と長くなったアディショナルタイムに向けて最後の踏ん張りに入り。

最早全員攻撃という感じで押し込む今治。
左からの冨田のクロス、そのままゴールラインを割るかという所で松本がスライディングで繋ぎ、山田を経由して右ポケットのMヴィニシウスへ。
そしてシュートが放たれるも山口がブロックで防ぎ、右CKというタイミングで残っていた交代カードを全て使う愛媛。(曽根田・茂木→深堀・大城)
新たなDFを投入と、5バックシステムで逃げ切りを図る、その前にCKの凌ぎ。
GKセランテスもターゲットに加わると、キッカー松本はそのセランテスの居る中央へクロス。
ここはクリアボールをさらに繋ぐも結局実らず。

その後再度訪れた右CKの際も、同じく上がって来たGKセランテスを狙ってのクロス。
今度はクリアボールを新井がミドルシュートにいくも、枠を大きく外して終わってしまいます。
尚も諦めずに攻め上がる今治、左サイドを冨田が前進するも、蓋をされた木村の粘りのディフェンスの前に止められ。
反則を受けて倒れるも、勝利を確信したかのようにうつ伏せのまま地面を叩く木村。
そしてFKで再開の直後、試合終了を告げる笛が鳴り響き。
愛媛が1-0で逃げ切り、J2昇格ならびにJ3優勝を確定させる勝ち点3を手にしました。

選手・スタッフ総出(+オ~レくん・たま媛ちゃん・伊予柑太)で歓喜の輪が作られた、愛媛のホーム・ニンジニアスタジアムのピッチ内。
J2復帰を果たしたのは大分・栃木・北九州(その後再降格)・群馬・熊本と、その数も膨らみつつありますが、来期以降はDAZN放映権料も無くなり更なる苦労が予想されるJ3リーグ。
その瀬戸際での昇格は、皮肉にも降格時(2021年)のスローガンだった「原点回帰」の精神の如く、(2014年以来)再就任した石丸清隆監督の下で成し遂げられる事となり。
再びJ2の道を歩み続けるには、接戦続きの現状からギアを一段上げる事が求められると思われますが、まずは喜びをかみしめるべきでしょう。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ グループH第4節 ヴァンフォーレ甲府vs浙江FC

2023-11-11 16:38:22 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 甲府の直近は41節(熊本戦、2-0)で、そこからの継続スタメンは井上・中村・宮崎の3人。
  • 浙江のメンバー表記はyahooスポーツナビに準拠。

甲府ベンチメンバー= GK山内 松田 山本 三浦 神谷 荒木 長谷川 鳥海 松本凪生 三平 松本孝平 クリスティアーノ

前回のACLの記事- 3節・浙江vs甲府(2-0)


グループリーグも折り返しとなり、4節は3節と同じ相手。
再び浙江との対戦となった甲府ですが、今度はホームで戦える。
アウェイでの試合は、国外遠征のためフィジカルコンディションの面で劣勢ぶりが目立った内容となり、いかに組織を固めようと如何ともし難い試合でした。
しかしその状況は逆転するため、(リーグ戦からターンオーバーするといえど)良いサッカーを期待したい所。

前半1分に早速甲府が攻め込み、左からの小林のアーリークロス(ブロックされ入らず)で幕を開けた試合。
すると浙江もその直後から、ボールポゼッションによる攻めの姿勢に入ります。
ロングボールの蹴り合いを長く続けて様子見というのは、Jリーグだからこそ許される入りであり、特にこうした国際戦の場合は直ぐに応戦姿勢を取らなければならない。
そんな事を考えさせられる入りとなったでしょうか。

しかし浙江のこの立ち回りは、前節ターゲットへのロングボールで組み立てていたのとは異なるものであり。
国外遠征で、かつ良きターゲットとなっていたムシェクウィが控えとなっていた影響を痛感するものだったでしょうか。
なるべくデュエルを控え、繋ぐ事を重視した攻めへの方針転換が伺えました。

試合の方は、そんな浙江を逆手に取るように7分に甲府がカウンターで攻撃。
スルーパスを遮断すると、拾った宮崎が縦パス→ウタカポストプレイを挟んで自らドリブルに入り。
しかし浙江もアンドリヤシェビッチが素早くカバーしてボール奪取。

10分に再び甲府の好機で、今度は前節の浙江のような、井上のフィードをウタカが収めたのちの攻め。
一旦奪われるも中村が反則気味にボール奪取して継続と、コンディションの有利さを示すようなシーンを経て、ジェトゥリオが左からアーリークロス。
これを中央で宮崎が跳んだその奥でウタカが収め、戻しを経て林田のシュートが放たれましたが、ウタカがオフサイドだったためディレイで笛が吹かれ無効となり。
直後の11分に、またも林田ミドルパス→ウタカ足下でフリックというフィードの流れから、受けた宮崎のスルーパスに走り込んだ飯島が連続となるスルーパス。
左ポケットを突き、走り込んだジェトゥリオが中央へ横パスを送り、ウタカが合わせるもまたも(飯島の)オフサイドを告げる笛が吹かれます。
このオフサイドとの戦いを終始強いられていた、この日の甲府。

しかし15分井上のロングパスを、オフサイドの位置にいた飯島がスルーした事により、走り込んだウタカが落として飯島に繋ぐ(その後すぐ奪われる)という具合にそれを逆手に取った立ち回りを見せ。
あくまでオフサイドラインと徹底抗戦する姿勢を取ったでしょうか。
そして17分、ジャンジャチーのトラップしたボールを、すかさず反応した中村がダイレクトでスルーパス。
抜け出して受けたウタカが綺麗にGKと一対一を迎え、エリアライン際という位置でシュートを放ちゴールネットを揺らします。
当然オフサイドを巡ってVARチェックが行われたものの、中村のダイレクトパスという意表を突くプレーで浙江もラインが整えられなかったのが幸いしたか。
オンサイドでゴールが認められ、甲府が先制を果たしました。(記録上は18分のゴール)

このゴールにより、甲府は全ての面で優位に立てたでしょうか。
20分、敵陣エリア内左という絶好の位置で飯島がボール奪取に成功すると、そのまま奥へ切り込んでのクロスがディフェンスに当たりこぼれた所をウタカがシュート。
GKジャオボーが前に出てこれを防ぎ、エリア内へ跳ね返ったボールをさらにジェトゥリオが追撃しますが、これも前に出たままのジャオボーがセーブと何とか凌ぐ浙江。
22分にGKウッドの長いスローから攻める甲府、またもロングパスに抜け出したジェトゥリオがGKと一対一を迎え。
しかしこれは、ジャオボーを右にかわしてシュートが放たれるもオフサイドでまたも無効に。(シュートはゴール寸前でドンユーがブロック)

前回の甲府の悩みが、反転して襲って来たかのような浙江のサッカー。
何とかラインコントロールによるオフサイドで凌ぎ続けるも、その他はまるで駄目といった状態に。
コンディションの問題なのか、プレスが掛からないのが特に致命的であり。

一方、前節とは一転したショートパスでの繋ぎによるビルドアップ。
ジャンジャチーをアンカーにした4-1-4-1に見える立ち位置から、その脇にリーティシャン・アンドリヤシェビッチを降ろして受けさせる事で前に運ばんとします。
しかしそれに釣られるのか、レオナルドまで降り気味となるのが悩みの種で、ゴール前にフィニッシャーが居ないという状況に。
積極的にボールタッチし、多少遠目からでも決められるレオナルドの得点力ですが、こうして組織力を高めに掛かる中での関わりには難のある選手。
降りてのポストワークも、浮き球を合わせるのも巧いとはいえないので、この辺りはムシェクウィ投入までの凌ぎという感がありました。

そんな状態故に、一向にシュートに辿り着けない浙江を尻目に、追加点を狙いにいく甲府。
34分に再び決定機が訪れ、自陣でボール奪取したジェトゥリオが、林田とのパス交換を経てスルーパスを送るとまたもウタカが抜け出し。
そしてドリブルでそのまま切り込み、GKの眼前まで迫った所で横パス、走り込んだジェトゥリオへ託しシュート。
しかし戻って来たジャンジャチーがブロックし、四つん這いでボールを確保する体になったジャンジャチーに構わず、ウタカがそのボールを詰めてシュートにいき。
尚も身体を張って防いだジャンジャチーに対し、ウタカがハンドを主張したものの(VARチェックが挟まれるも)実らず、結局ゴールはなりませんでした。

38分にようやく浙江がカウンター気味に好機、アンドリヤシェビッチ・リーティシャンのドリブルを絡ませて左奥へ運び、クアシがポケットへ切り込んでクロス。
ファーに流れるもレオナルドが何とか収め、サイドのクロスの跳ね返りを拾ったクアシがシュートするも枠を大きく外し。
初のフィニッシュを放つも、その内容は勇気付けられるものでは無く。

40分台になり、浙江もペースを掴み始め、何とか同点を狙わんとするもクロスを上げるのが関の山という攻撃。
すると迎えたアディショナルタイム、甲府が関口のパスカットから矢印を反転させ、パスワークを経て中村が裏へロングパス。
右ポケット奥でそれを収めた宮崎、溜めたのちのクロスをニアサイドでジェトゥリオが跳び込み、カンフーキックのような恰好で合わせてのシュート。
GKジャオボーの逆を突く形でゴール右へと突き刺し、前半のうちに突き放しに成功しました。

その後も1点目の直後と同様、敵陣深めでボール奪取してのショートカウンターで、ウタカがシュートを放つ(GKジャオボーがキャッチ)という決定機。
最後まで甲府が優勢を保った前半戦となりました。

巻き返したい浙江、ハーフタイムでムシェクウィ投入を決断します。
ジャンジャチーと交代し、レオナルドと2トップを組ませたうえで、リーティシャンとアンドリヤシェビッチが降りてドイスボランチとなる。
つまりは4-4-2へシフト、といった風になり挑んだ後半。

後半2分、早速そのムシェクウィがロングパスを胸で落とし、そこからの繋ぎでアタッキングサードへと運び成果を挙げ。
そして立て続けにスローインを得て押し込み、左ハーフレーンからアンドリヤシェビッチがミドルシュート。
GKウッドがセーブするも、ムシェクウィがエリア内で拾い尚も好機は続けられ、甲府の必死なディフェンスもありこぼれた所にレオナルドが走り込み。
同時に抑えにいったウッドが引っ掛けてしまうと、反則を告げる笛が鳴り響きます。
ウッドは腕を引っ込めていたという(ような)アピールをするものの徒労に終わり、(ムシェクウィが)オフサイドかどうかのVARチェックを経てPKに。
レオナルドがキッカーを務めたこのPK、ゴール右へ蹴り込まれしっかりと逆を突き。
早期に1点差とし、反撃ムードを高める浙江。
判定が味方した格好ですが、その後は逆に牙をむく事となるのはこの時は露知らず。

後半開始のキックオフから、攻撃機会が皆無という状態が続く甲府。
8分にようやくGKウッドが直接最終ライン裏へロングフィードを送り、それをウタカがエリア内で受けるという、一本でひっくり返す形で好機を得ます。
ここからは、左ポケット奥からのウタカの戻しをジェトゥリオがダイレクトでシュートするも枠外に。
しかしこれにより、文字通り流れまでひっくり返す事となります。

10分、後ろ向きでパスを受けたリーティシャンに対し林田が反則気味にボールを奪い、ショートカウンターの好機に。
そして拾ったウタカが前進し、エリア内を突いてシュートと決定機を迎えましたが、ゴール右へ僅かに外れてしまいモノに出来ず。
しかしこの際に、判定に異議を唱えたリーティシャンが警告を受けるという具合に、主審(ハミス・アルマッリ氏、今季はJリーグの試合でも笛を吹いていた)への不満が高まる浙江サイド。(この前の場面で、甲府が2連続でスルーパスに抜け出す所にチャージされるも反則無しというのがあったため御相子である)

そして13分、再び林田が反則気味のアタックでリーティシャンからボールを奪い、(宮崎経由で)中央のウタカへ送られると、今度は右サイド裏へ浮き球を送るウタカ。
奥を取った宮崎から、一旦戻し→ポケットへ走り込む関口にダイレクトでスルーパスという流れで崩すと、ワントラップから果敢にニアサイド上を狙ってシュートを放った関口。
角度の無さが懸念されるも、豪快にゴールに突き刺さったこのシュートで3点目を挙げた甲府。
追いすがる相手を突き放すという、理想的な展開を描きます。

前半の裏を取られる失点から一転、自陣で崩されてゴールを与えてしまった浙江。
その後も甲府の裏狙いに対するオフサイドトラップでの応戦姿勢は変わらずも、追い掛けなければならないその精神状態はキツイものがあり。

甲府ベンチが20分に動き、宮崎・ウタカ→鳥海・クリスティアーノへと2枚替え。
4日後のリーグ戦最終節も睨みながら、豊富なベンチメンバーを駆使して乗り切らんとします。

何とか反撃したい浙江、21分に中盤でのパスカットから素早く縦に運ぶ好機。
チョンジンの裏へのミドルパスを受けたアンドリヤシェビッチ、そのままエリア内へ切り込んだものの、2度目のトラップの際に井上と足同士で交錯して倒れてしまい。
しかし今度はイーブンと見られて笛は鳴らず。
そのままエリア内で倒れ込むアンドリヤシェビッチを余所に、再度主審に対する異議でドンユーが警告を受けてしまうなど、苛立ちを隠せません。
そんな相手を余所に、ペースを保つべく25分にさらに甲府は2枚替えを敢行。(中村・飯島→松本凪・長谷川)

その後、最終ラインからの繋ぎに何とか活路を見出さんとする浙江。
しかしサイドに展開しては甲府のプレッシングに詰まらされるの連続と、不穏な流れを象徴するだけに終わります。
結局ロングボール・サイドチェンジに転換せざるを得ず。
31分に右→左へのサイドチェンジを受けたグービン、今度は裏へとロングパスを送り、受けたムシェクウィがエリア内へ切り込んだもののオフサイドとなり。
前半の甲府のように、オフサイドの壁も敵となってしまいます。

何とか流れを変えたい浙江、32分にクアシ→ワンユードンへと交代、右サイドハーフに入った事によりチョンジンが左へシフト。
しかし一向に甲府の前線からのディフェンスに難儀する展開が続き。
ボール奪取・蹴らせての回収から好機を作らんとする甲府も、アタッキングサードでのパス精度が乱れがちとなり、フィニッシュには辿り着けず。
一種の膠着状態をもって終盤を迎える事となります。

浙江の敵陣左からのスローインというタイミングで、39分に甲府が最後の交代、ジェトゥリオ→三平。(長谷川が左SHへシフト)
このスローインから浙江はコーナーキックに持ち込むと、その二次攻撃でひたすらエリア内へボールを送り続け。
そしてワンユードンの落としを経てポッシニョロがミドルシュート、これがムシェクウィに当たってしまうも尚も継続し、リーティシャンが再度ミドルシュート。
しかし三平がブロックと、甲府もここにきて粘りを発揮し失点は許さず。

浙江も最後の交代を敢行したのが41分で、チョンジン→ヤオジュンシェン。(右SHに入ったため、先程入ったワンユードンが左へ)
同時に、アンドリヤシェビッチが心なしか前に上がり、4-1-3-2(4-1-4-1?)のような布陣となったでしょうか。

まさに総攻撃といった浙江の体勢。
42分にGKジャオボーロングフィード→ムシェクウィフリックで一気にボックス内を突き、そこにそのアンドリヤシェビッチが走り込む決定機を迎えます。
そしてループシュートでGKウッドの上を抜くも、ゴール左へ僅かに外れ決められず。
その後も攻め続けましたが、齎された結果は無情の一言でした。
44分に、浙江の猛攻をGKウッドとマンシャが交錯しながらも何とかエリア内で防いだ甲府、クリアボールを拾ってカウンターに。
ボールを落ち着かせた三平から、長谷川とのパス交換を経てスルーパスと、緩急も付けられての速攻に浙江も成す術がなかったでしょうか。
抜け出した鳥海によりGKとの一対一を許してしまい、エリア内中央から冷静にGKジャオボーの(甲府から見て)右を破るシュートでゴール。
止めとなる4点目を挙げた甲府。

そのまま突入したATでも、何とか点を返したい浙江の押し込みを巧くいなし、逆に敵陣に運んで時間を使っていくという甲府の盤石な立ち回り。
その姿は、国内戦のみを観ていればややもすると希薄に感じる、ホームアドバンテージの力も再確認させるものだったでしょうか。

結局そのまま試合を終わらせた甲府。
4-1で勝利と、アウェイ戦での点差を上回る成果を挙げてリベンジ成功を果たしました。

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TV観戦 2023YBCルヴァンカップ プライムステージ決勝 アビスパ福岡vs浦和レッズ

2023-11-06 16:01:47 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • U-21選手の出場義務ルールに基づいた出場は、福岡が森山・浦和が早川。

準決勝で名古屋を撃破し、とうとう初のタイトルがかかった決勝にコマを進めた福岡。
それ故に、(相手が実績十分な浦和という事もあり)個人的にこの試合どちらに肩入れするかは決まったようなものである試合。

「初タイトル」でいえば、4年前の札幌も同じ状況で決勝を迎え。
しかしあの時は相手の川崎も初のルヴァン杯制覇を賭けており、一応ながらイーブンな渇望感のぶつかり合いが織り成す激戦に。
そして惜しくもPK戦の末に敗退した札幌は、以降徐々に衰退している近況と、逃した魚の大きさを痛感させる経緯を描いています。
いくらその後もチャンスがあるとはいえ、獲れる時に獲っておきたいビッグタイトル。
同じルヴァン杯でいえば、過去の大分や湘南が「獲れた例」に当たるでしょうか。

そんな心境(推測)の福岡ですが、相手はリーグ戦でも上位に着けている浦和。
しかもチケットの事前販売で、国立競技場のキャパシティの大部分を浦和サポーターが占める状況となったが故に、いざ当日の観客席は厳しい絵柄となり。
それでも、今季自分が観戦した札幌ドームのアウェイ・札幌戦よりは、福岡サポーターの数も割合も多い。
だからこの場で屈する理由は何処にも無い、と早くもつい肩入れしてしまいたくなった試合開始前。
その反骨精神故か、普段はボランチの前が、一列上がってシャドーとしての出場となりました。
そしてその起用が見事に当たる事となり。

前半4分、規定も絡みその前に代わるようにボランチで出場の森山がチャンスメイク。
湯澤がボールカットしたこぼれ球でダイレクトでスルーパスを送った森山、そのまま前線に上がり、先で受けてキープしていた山岸のリターンをダイレクトでシュート。
浦和は岩尾がブロックで防ぐも、リーグ戦のようなソリッドな守備組織からはかけ離れた危ない対応を強いられる入りとなり。

そして続く5分。
ここもクリアしたボールを山岸ポストプレイ→前スルーパスと素早く縦に運んだ福岡、受けた紺野が右ポケットで相手サイドバック(左=荻原)と対峙する、浦和ディフェンスが慌ただしい凌ぎを強いられる状況に持ち込みます。
奥へ切り込み右足でクロスを入れた紺野、DF・GKの間を通るグラウンダーのボールに、走り込んで合わせたのは前。
ゴールネットを揺らし、堅城を早々に打ち破った事で欲しかったリードを奪いました。

「まだ実質90分もあるので(浦和は)全然判らない」という旨が放送席で語られており、実際その通り。
しかし今季の浦和は堅守を誇る反面、得点力に欠けてロースコアの接戦が続いている状況であり。
それ故に、緩い立ち上がりを崩されたショックは相当なようでした。

守備固めの意識を高める福岡に対し、当然ながらボールポゼッションを高めるしかなくなる浦和。
対する福岡は、1トップの山岸が常時岩尾をチェックする体制でその流動性を封じに掛かります。
パスを出しあぐねる最終ラインに対し、シャドーの紺野・前が果敢に出てサイドからの運びを余儀なくさせるスタイル。
早くもやれる事が限定される浦和は、10分にGK西川ロングフィード→右サイドで高橋落としという前進方法。(伊藤が拾いにいくもクリアされる)
つまりは中盤省略という、アバウトながらも一定の有効打となる手法を採った事で、以降これが橋頭堡というよりは頼みの綱といった感じに。

最終ラインで繋ぎながら、高い位置を取る右SBの酒井が走り込んでロングボールに合わせる場面を幾度も作り。
18分に酒井が中央で上がって西川のロングフィードを落とし、ボール保持に成功する浦和。
一旦戻しを経て左サイドから運ぶと、小泉がドリブルでグローリを剥がした事で好機に持ち込みます。(その後左ポケットからクロス、クリアされてコーナーに)

それでも決して良好とはいえない流れの浦和。
21分には自陣深めでパスミスを犯し、拾った紺野がすかさずクロス(クリア)と、ポゼッションサッカーに常時付きまとう危機を描いてしまい。
こうしたショートカウンターのみならず、自陣で攻撃を切った際も素早く運ぶ事で相手にプレッシャーを与えに掛かる福岡。
24分には縦パスを受ける山岸を潰しにいったショルツが反則・警告と、ビハインド故の焦りも顔を出す展開。

どうにも、2列目の高橋・早川の活かし方に悩んでいるように見える浦和の攻撃。
高橋は中央でロングパスを落とすシーンが何度か見られたので、この2人は反対のポジションの方が良かったかもしれません。
それでも36分、今度は右サイド奥で岩尾のロングパスを高橋が収めた事で好機。
上げられたクロスはGK永石が弾くも、跳ね返りを早川がボレーシュートの体勢に。
このシュートはミートせず、戻って拾ったカンテがシュート(奈良ブロック)、尚も繋いで伊藤がシュートにいく波状攻撃に持ち込みましたがカンテの戻りオフサイドで無効となります。

そして終盤、再び福岡の流れとなり。
40分、左サイドで奥を取った前がクロスを入れると、伊藤のアフターチャージを受けて倒された事で反則・一転してフリーキックに。
左CKに近い位置でのこのFK、キッカー井手口のクロスをニアサイドで宮が合わせヘディングシュート、GK西川が脚でセーブと際どいフィニッシュに。
尚も左CKとなり、再びニアへのクロスを宮がヘディングシュート(GK西川キャッチ)と、同パターンを徹底させる福岡。

冷や汗を掻いた浦和、その後は岩尾が最終ラインに降りてのビルドアップを見せる等、状況打開を図らんとするピッチ内。
しかしそれも空しく、アディショナルタイムにカウンター(ここも浦和のパスミスが契機)から再度CKに持ち込んだ福岡。
この左CKからの二次攻撃、右手前からのクロスを再度宮が合わせにいくという、あくまでターゲット・宮を使い続ける立ち回り。
これをクリアしたショルツの、宮との激突でヘアーバンドが外れてしまうというアクシデント発生を尻目にさらに攻める福岡、左から紺野のグラウンダーでのクロス。
そして今度は足下で合わせた宮、ゴールネットを揺らして貴重な追加点を齎します。
浦和はショルツが激高するも、当然ながら結果は変わらず。

そしてそのまま前半終了となり。
ハーフタイムで両ベンチが動き、福岡は森山→金森。(前がボランチに回る)
浦和は2枚替えで早川・高橋→安居・大久保と、どちらも規定に縛られていた事を暗示させるような交代となりました。(しかし森山のプレーぶりは良かった)

浦和のキックオフからの攻撃、戻しを経て岩尾ロングパス→右サイドで酒井フリックと、やり口はやはり変わらず。
しかし右奥を取ってCKに持ち込み、キッカー荻原のクロスの跳ね返りを岩尾がボレーシュート(枠外)と、先制攻撃に持ち込み風穴を開けんとします。

前半と違う所は、右サイドで大久保がワイドに張り、酒井が「偽SB」としての立ち回りを鮮明にさせた事でしょうか。
前半も中央でロングパスを合わせる等最前線にまで上がっていた酒井ですが、本職では無い高橋がサイドハーフだったので遠慮がちだった、といった所。

しかしこれも流れを変える一打になり得ず。
福岡も前半とは変わらないやり口で、浦和のパスミスを突いて敵陣に運ぶ事を繰り返し、反撃意欲を削いでいきます。
後半8分には前嶋の左サイドでのカットから、前脚でフリック→山岸中央へ流れスルーパス→紺野エリア内でシュート(ホイブラーテンがブロック)と決定機。

そして10分、グローリが自陣でパスカットするとそのまま上がっていき、紺野のスルーパスを受けて尚もドリブルで突き進み。
いかにも委縮する浦和の隙を見ての立ち回りといったグローリのこの突進は、カットインでエリア内を突かんとする所をホイブラーテンがボディコンタクトの末に、足で引っ掛けて倒してしまう絵図に繋がります。
たまらず反則の笛が鳴り、ライン近辺の際どい位置ながらPKのジャッジが下されると、VARチェックを挟んだのち正式にPKに。
逃げ切りどころか3点目の絶好機と、勝利への機運は最高潮といった福岡、このキックは山岸が務めます。
しかしこの山岸のゴール左へのシュートを、GK西川が神反応というべきセーブで、完璧にキャッチして追加点を許しません。

守護神のビッグプレーでムードを高めたい浦和、直後の14分。
ホイブラーテンの縦パスを酒井が中央で受け、左へ展開ののちカンテのパスがエリア内中央へ。
やっと「偽SB」の立ち回りを絶好機に繋げ、そこに伊藤が走り込みましたが、あろう事かカバーに入った前嶋に倒されてしまい。
しかし反則の笛は鳴らず、のちにVARも挟まれたもののやはり反則無しと、不満の残る逃し方になってしまいました。(倒れた伊藤が、同じくカバーにいった奈良を踏みつける形となってしまったのが印象悪かった感があり)
それでも歩みを止める事は許されない浦和、16分に再度2枚替えで伊藤と小泉に代え、ブライアン・リンセンと明本を投入。

この交代で、カンテ・リンセンの2トップという布陣になった浦和。
リンセンが入った事で、広範囲をポストワークで動くカンテもやり易くなった感があり。
20分にはホイブラーテン縦パス→大久保フリックのこぼれ球を酒井がエリア内へ繋ぎ、リンセンの落としを経てカンテがボレーシュート(ブロック)と2人の関係性も良好。

そして22分、その2人の威力を逆手にとった攻撃。
酒井が右からのロングパスをエリア内へ送ると、収めたのは明本でそのままシュートに持ち込み。
GK永石の股を抜いてゴールに突き刺し、とうとう1点を返します。

以降、これを反撃の狼煙としたい浦和と、その勢いを逸らしたい福岡の戦いに。
福岡はキックオフからの繋ぎで浦和のプレッシングを受けるも、GK永石フィード→井手口ポストプレイ→前→金森と繋いでそれを脱出。(その後左サイドから前進もフィニッシュには繋がらず)
これにより狙い通り浦和の攻撃機会は減る事となりましたが、その最中に紺野が足を攣らせてしまうアクシデントにも苛まれ。(25分)
担架で運ばれた紺野に代わり中村を投入、前が再度シャドーに上がる慌ただしいポジションチェンジを強いられます。

浦和は得点以降、10分以上も有効打を放てない時間が続くという嫌な展開に持ち込まれ。
しかし34分、ショルツがドリブルで持ち上がったのちカンテへロングパス、跳ね返りを拾い尚も押し込む分厚い攻撃。
左奥を突く姿勢からの戻しを経て、カンテが中央からミドルシュート、GK永石がセーブとパンチのある一撃を放ちます。

これで景色が変わり、大観衆をバックに同点へ向けて一直線の浦和という試合展開に移り。
35分に最後の交代を使い、岩尾→エカニット・パンヤへ交代したのちも、ボールポゼッションを根底とした敵陣で押し込む姿勢は崩れません。
何とか凌ぎたい福岡、37分にパスワークで敵陣に持ち込み時間を使う体勢に持ち込み。
しかしパスミスで奪われ矢印を反転させる浦和、それに対し大久保のドリブルをスライディングで倒して反則・警告を受ける中村。
カウンター阻止という苦渋の絵図ながらも、時間を使い着実に栄冠への近接を果たしていきます。

42分、明本ロングパス→酒井落としをエリア内でトラップしたリンセン。
これに対し副審が旗を上げてハンドの判定を取るも、主審が笛を鳴らさなかった事で浦和の波状攻撃という展開に。
結局ラインアウトでゴールキックとなり、何とか凌いだ福岡も、浦和同様主審に対し異議をぶつける状況を強いられました。
気を取り直しこちらも最後の交代(44分)、宮・山岸→田代・ウェリントンへ2枚替えして最終盤を迎え。

突入したAT、浦和も最早アバウトな攻めを交える他無く。
しかし空中戦では、リンセンが奈良に対し激しくぶつかってしまう事でブレイクとなる(反則無し)など、連続攻撃を仕掛けたい浦和にとってもどかしい時間も生まれてしまい。

それでも右サイド奥を突いた大久保が、田代に倒された事で得たFKの好機。
これをキッカー大久保は、前方へ合わせにいくターゲットを逆手に取り、手前へ低いボールを送ります。
しかし敵どころか味方の逆も突いてしまい、誰も合わせる事が出来ずと空回り。
時間も押し迫った事で再び悪い流れとなってしまったような浦和。
それを跳ね除けるような、カンテのミドルシュートが再び炸裂、グラウンダーでブロックをすり抜けたものの左ゴールポストを直撃とモノに出来ず。
その後の福岡の時間稼ぎに対し、判定に不服な態度(コーナーフラッグを吹っ飛ばす)を取った荻原が警告を受ける一幕もあり。

浦和最後の好機は、中盤で安居が(グローリに)反則を受けた事による、FKでの放り込み。
GK西川も中央でターゲットに加わる中、キッカー安居はエリア内右へロビングを送るも跳ね返され。
そして試合終了の笛が鳴り響き、2-1で福岡が勝利、ならびにルヴァン杯を手にする権利を獲得しました。

経営危機、「5年に一度」のジンクスなど、様々な苦難を跳ね返した末の初タイトル。
クラブに携わる者にとってその悲願は計り知れない程、重みがあるそれをついに掴んだ福岡。
歓喜の王座からの視野は、劇的に変わる事となった……とする事が出来るか、今後も目が離せません。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第33節 福島ユナイテッドFCvs鹿児島ユナイテッドFC

2023-11-03 18:14:31 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

監督交代以降調子を上げ、再度昇格争いを牽引するようになった鹿児島。
9試合で僅か1敗(6勝2分)と、再び強者の振る舞いで昇格に向けて一直線といった状況ですが、順風にいくかどうかは誰にも分らず。
それでもこのまま走り抜けたい残り6試合、この日は福島との「ユナイテッド・ダービー」。

立ち上がりはともに裏狙いのロングパス中心に立ち回るも、フィニッシュには辿り着けず。
福島はロングスローを交えるなど、ホームで久々の勝利(8/19以来)に向けて泥臭さを前回よりも二割増しにしたような感じで攻め上がり。

しかし試合が落ち着くと、鹿児島のビルドアップを対処する展開へと突入。
「偽サイドバック」戦術を多用し、主にボールサイドと反対側のSBが中央に絞る位置取りをする鹿児島の攻撃。
対して福島の前線は、この日も5-4-1というよりは、森が前に出ての5-3-2に近く見える布陣を取る事となり。
それでも、自発的にその布陣を取っていた以前に比べ、鹿児島の「偽SB」に対処すべく自然的にそうしていた感が強かったでしょうか。
即ち鹿児島が最終ラインから左へ展開し、逆サイドの星が中に絞るのに付いていくように、森が位置取るという感じに。
そしてドイスボランチは、以前のように上畑が左に張り出してこないので、鹿児島から見ての右サイドにはスペースが出来。

その対応姿勢を見た鹿児島。
12分に左でボールを持ったのち素早く中央→右へと展開し星がボールを持つと、そこに前に出て来たのはセンターバックの鈴。
いくら何でも出過ぎではないのかと思わされたものの、ちゃんとした理由があり。
その後もパスワークを続け(鈴は後ろへ戻る)中盤まで進むと、再び星がボールを持った際には今度は上畑がチェックにいく福島。
それでも端戸のポストプレイを絡めて前に進みクロスに辿り着く鹿児島、星の低いクロスに対しファーサイドで米澤が走り込むも、惜しくも合わず。

以降も福島が作ってしまうそのスペースを利用して攻める鹿児島。
主に端戸が開いてパスを受けるシーンが目立ち、鈴はその端戸のチェックを担当。
そのため先程は、端戸に対して動いた結果ボールに最も近くなっていたが故に前に出たための現象でした。

一方福島の攻撃は、最終ラインから繋ぐ姿勢でも、3-4-2-1の布陣にありがちな「ウイングバックが高目の位置を取る」事はせず。
柴田と田中は低い位置のままパスを受け、そこから裏を狙うパスを主体とした攻撃。
この日は(CBとWBの間に開く位置取りをする)吉永がベンチスタートのためか、彼ら(柴田・田中)を上げる手段に乏しいという従来の流れと変わらないものに映り。
しかしこちらも、WBにSBが出て来る鹿児島の対応を逆手に取った立ち回りの節があり。
SBの裏を突いて、開いてシャドーが受ける事でCBがサイドに張り出して来る鹿児島。
中央の守備を薄くするという意図のある攻めが出来ていた感がありました。
惜しむらくは、フィニッシュに辿り着けずその効果を表せなかった事でしょうか。

福島がアタッキングサードで攻めあぐねているうちに、鹿児島のチーム力が牙を向きはじめ。
24分にパスワークで例によって右サイドを攻め上がり、五領が田中に倒されて反則となると、そのフリーキックを素早くリスタート。
端戸→山口→星と経由し、右ポケットを突いた星がグラウンダーでクロスを入れると、走り込んだ米澤が逆向きとなってヒールシュートを蹴り込みましたがGK山本海が抑え。
28分には敵陣右サイドで星がボール奪取すると、パスを受けた藤本がその勢いのまま中央を突いてシュート。(堂鼻がブロック)
そしてそこからのCK攻勢で仕留めきります。

1本目の左CKでも米澤のヘディングシュートをGK山本海がセーブと際どい好機となり、続く2本目でクロスが跳ね返された後の二次攻撃。
左サイドへ展開し人数を集めて繋ぐ体勢に入ると、奥を突くのでは無くハーフレーンからの攻めを選択し、端戸がカットインからミドルシュート。
コントロール重視のボールがゴール右隅へと突き刺さり、攻めきって先制に成功した鹿児島。

リードと共に主導権も奪った格好となり、尚も鹿児島の好機は続き。
押し込まれる状況となった福島、何とか攻撃を断ち切っても、自陣からのスローインをカットされて攻め続けられるという悪循環に突入してしまいます。
36分に再びCKで攻める鹿児島、クロスの跳ね返りを星がダイレクトでミドルシュート。
大武がブロックしたボールが上空へ上がり、GK山本海がパンチングで弾いた所を米澤が追撃しましたが枠を捉えられず。

耐え凌ぐ姿勢を余儀なくされた福島。
41分自陣から森がドリブルで持ち運んでの好機を作り、アタッキングサードでの展開で右CKを獲得。
ここからも、クロスの跳ね返りを右サイドで拾った森、そのままカットインでミドルシュートを狙います。(枠外)
劣勢を個の力で打開する事で、ようやく初のフィニッシュに辿り着き。

その後も、星の自陣でのハンドがあったりで、セットプレーで得点を狙いにいった終盤の福島。
しかし得点どころか、終了間際には前線でディフェンスに入った鈴が足を痛めてしまう事態が発生し。
無事にプレーを続けたものの、不安材料を抱えて折り返す事となりました。

ともに交代は無く、迎えた後半開始のホイッスル。
反撃したい福島は、後半2分の最初の攻撃で大武が右→左へ対角線のロングパスを送り、田中を裏へ走らせ。
WBの上がりを使っての攻撃と、前半とは違った振る舞いを見せると、その田中の(森とのパス交換を挟んでの)クロスの跳ね返りを拾って堂鼻がミドルシュート。
かなり遠目からながら、これがゴール上へ際どく外れる惜しいフィニッシュとなります。

これが号砲となり反撃に掛かる福島。
続く3分には敵陣で雪江がボール奪取、拾った塩浜がドリブルでエリア内を突いてそのままシュートを放つも、これもゴール左へ際どく外れ。
6分には鈴も上がっての左サイドからの前進で、森のグラウンダーのクロスに柴田が走り込むもクリアされて右CKに。
ここから、キッカー宮崎のクロスをニアで塩浜が合わせヘディングシュート(GK泉森キャッチ)と、前半とは打って変わって数多フィニッシュを浴びせます。
そこまでの流れも、WBが前線で度々好機に絡み分厚い攻めを展開と良好なものであり。

試合を落ち着けたい状況となった鹿児島。
その流れを断ち切るように、13分敵陣で縦パスを中原がカットしてショートカウンター。
縦パス→藤本ポストプレイ→五領ミドルシュートは枠外だったものの、その一定の効果はあったでしょうか。
その後一進一退という展開も、勢いを失った福島は再び前半同様の流れに。
即ち低い位置で受けたWBから裏を狙うという攻めになり、それに伴い森・塩浜のシャドー頼みとなっていくアタッキングサード攻略。
そして後方でのビルドアップも、グラウンダーでのパスがズレてしまい、その結果鹿児島に陣地を押し下げられてやり直しといったシーンが続くなど一気に苦境となります。

それでも攻め手を緩める事は許されない福島。
22分に柴田のロングスローから、大武のフリックで混戦に持ち込むと、雪江のポストプレイを経て塩浜がエリア内でシュートという流れに。
しかしこのシュートはふかしてしまい枠外と、「突然の決定機に驚いてしまった」QBKような形で逃してしまいます。

26分に両ベンチが動き、福島は塩浜→長野へと交代。
鹿児島は一気に3枚替えで、端戸・五領・藤本→山本駿亮・武・鈴木へと交代します。(いずれも同ポジション)

絶好の同点チャンスを逃した事で、焦りが露わになる福島。
27分に自陣で反則を受けて鹿児島の攻めが途切れるも、素早くリスタートでショートパスを出した結果囲まれて奪われ再度鹿児島の攻撃に。(ショートカウンター風に繋ぎ、米澤がミドルシュート・枠外)

すっかり立ち上がりの好循環が失われてしまったようでしたが、直後のゴールキックで、右へと寄せてから左スペースへフィードを送ったGK山本海。
これは上手く逆を突いた格好となり、受けた田中が奥からクロスを送り、クリアが小さくなった所を柴田がダイレクトでシュート。
しかしGK泉森がファインセーブと、鹿児島も硬さを発揮します。

先んじて動く鹿児島ベンチ。
34分にCKを得たというタイミングで、中原→木村へと交代。
ここからの攻めで、クリアボールを拾った米澤が奪われて福島のカウンターになりかけましたが、中盤で遮断して何とか凌ぎ。

守備意識が強まる鹿児島に対し、崩しを図れない状況となる福島。
36分に大武縦パス→雪江ポストプレイ→柴田スルーパスと素早く右から前進するも、走り込んだ雪江のクロスはブロックされて実らず。
相手が自陣で固める前に好機を迎えたいという意識は見られますが、その難度は高いというのもサッカーの常であり。
37分に2度目の交代を敢行する福島ベンチ、柴田・雪江→古林・澤上へと2枚替え。

39分の鹿児島、左サイドからパスワークで前進していき、遮断されるもすかさずゲーゲンプレス。
そして野嶽がカットした結果すかさず堂鼻に倒された事で反則、深めでのFKを得ます。
キッカー木村の中央へのクロスを、鈴木が合わせて叩き付けるヘディングシュートを放ったものの、バウンドしたボールはゴール上へと外れ。

これが鹿児島最後の好機となり、残り時間は主に守備を固めて逃げ切りの体勢に。
それでも手を緩めればプレスを掛けてくるので、福島はボールを前に運ぶのにも四苦八苦。
43分に最後の交代を敢行し、宮崎・森→吉永・樋口へと2枚替え。
宮崎が反則を受けてFKというタイミングでの交代でしたが、ここ(右サイド・かなり遠目)から放り込みを選択する(ファーに流れた所を吉永が折り返すもクリア)など、以降はロングボールへと舵を切ったでしょうか。

しかし一向に有効打が生まれない福島、時間はとうとうアディショナルタイムへ。
鹿児島は残されたカードを使い、米澤→広瀬へと交代し、これにより5バックシステム(3-4-2-1)へ移行と完全な逃げ切り体制に。(3バックは右か=広瀬・中央=戸根・左=岡本)
前に出て来た星の裏を突くなど一定の隙は見られたものの、それでもアーリークロスを上げるのが関の山といった福島。
最後までフィニッシュに辿り着けず、試合終了の時を迎えました。

逃げきって勝ち点3を得た鹿児島、2位の座を死守。
残り5試合で、次節(奈良戦)はチームトップの出場時間を誇る岡本がサスペンドと、楽観視できない状況は続き。
ここまで来れば一戦必勝という中、栄光に辿り着く事は出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ グループH第3節 浙江FCvsヴァンフォーレ甲府

2023-10-27 18:14:10 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 甲府の直近は39節(長崎戦、1-1)で、蓮川・小林・飯島の3人が継続してスタメン。
  • 浙江のメンバー表記はyahooスポーツナビに準拠。

甲府ベンチメンバー=GK山内 松田 山本 エドゥアルド・マンシャ 荒木 長谷川 松本孝平 クリスティアーノ 内藤

前回のACLの記事=2節・甲府vsブリーラム(1-0)


再び海外遠征となった甲府、今度の旅先(?)は中国・浙江省。
しかし浙江のホームスタジアムである黄龍スポーツセンターは、他のイベント開催のため使用不可という状況。
よって、そこからかなり距離のある(放送席の談では、約70㎞との事)湖州オリンピックスポーツセンターでの試合となりました。

浙江は、過去に元日本代表監督・岡田武史氏が監督を務めた(2012~13年)というクラブ。
そのルートからJ3・今治と業務提携を結ぶなど、日本とは浅からぬ縁があり。
今回が2度目のACL出場と、未だ発展途上といった所でしょうか。
そんな国際戦の経験不足からか、連敗スタートとなった今大会ですが、ホームでの戦いで何とか浮上の足掛かりを掴みたい状況。
なお前年蔚山でACLに出場していたレオナルドが、レンタルで在籍中であり。

試合開始から、その意気込みとともに押し込む浙江。
早々の前半3分に得た左コーナーキック(キッカーはリーティシャン)から、ニアへのクロスをアンドリヤシェビッチが脚で合わせ。
これがこぼれた所を、拾ったクアシが追撃のシュートを放ちますがここは神谷がブロックで防ぎ。
すると甲府がカウンターに持ち込んだものの、ドリブルで左サイド奥を突いた鳥海の戻しが飯島に繋がらずに終わり。

この日も過去2戦同様、相手のポゼッションに対して前線がどうディフェンスをするかがキーとなる甲府。
しかし浙江は、甲府がハイプレスに来た所でロングパスを使い、前線のフィジカルを活かしてそれを確保。
すると甲府の後方は必然的に薄くなるので、間延びした状態から素早く戻らなければならないという、まどろっこしい守備を強いられていた感がありました。
綺麗に繋がらずとも、遠距離アウェイに臨んできた相手を疲弊させる事に趣を置いていたでしょうか。

甲府は8分敵陣左サイド深めでジェトゥリオがボール奪取(その後ウタカへの中央のパスがカットされる)と、ハイプレスの成果は見られましたが、それを確実に決める事が出来ず。
そして与えたくなかった先制点を奪われたのが9分、再びCKから。
キッカー・リーティシャンの中央ややファー寄りのクロスを、センターバックのポッシニョロが合わせヘディングシュート。
小林のブロックでやや方向が変わったのもあり、GKウッドのダイブも届かずゴール右へと突き刺さります。

今大会初めて追い掛ける立場となった甲府。
12分にパスミスをジェトゥリオが拾ってショートカウンター、左サイド奥を突いてカットインからマイナスのクロスと、一人でゴールへの道筋を作り上げ。
しかし中央で合わせたウタカのシュートはジャストミートせず、GKジャオボーがキャッチ。
その後も、リトリートはしない浙江に対し縦に速い前進でチャンスを作らんとします。
一方の前線の守備も、しっかり嵌めてサイドに追いやり、タッチに出させてスローインを得るというシーンも多く見られ。

しかし時間が進むと、浙江も前線のマンパワーを活かして裏を突くというサッカーをやり始め。
26分にクリアボールをリーティシャンがヘッドで前に送ると、そのボールを走り込んだアンドリヤシェビッチがさらに裏へ浮き球を送り、ムシェクウィが走って受けるというやり方でアタッキングサードへ運び。(その後ボールキープから左へ展開、ユェシンのクロスがクリアされCKに)
33分には縦パスをカットしたアンドリヤシェビッチが素早く浮き球を送り、走り込んだリーティシャンがさらに裏へ落とした所にムシェクウィが走り込むという同様の攻め手。
そして今度はエリア内からダイレクトでシュートにいくムシェクウィ、ここも神谷がブロックで何とか防ぎ。
次第に圧力に押される形となっていく甲府ディフェンス。

それでも34分に決定機が訪れ、左サイドから小林が斜めの縦パスを送ると、手前で受けにいった飯島がスルーしてウタカが抜け出して受けるという願っても無い状況に。
そのままGKと一対一に持ち込んだウタカでしたが、放たれたシュートはGKジャオボーにセーブされモノに出来ません。

早めに追い付かんと応戦体勢を見せる甲府ですが、逆に守備ではその意識が仇となる事も。
43分甲府の攻撃を切った浙江が左サイドから前進、クアシ→ジャンジャチーのスペースへのパスを、林田が前に出て防ぎにいくも果たせずに繋がれ。
そしてユェシンがポケットへスルーパス、走り込んだムシェクウィにまたもシュートを打たれましたが、GKウッドがキャッチして防ぎます。
前からいく⇔後ろで守るの使い分けで、奔走されている状況を払拭出来ず。
45分には浙江の右CK、ショートコーナーを経てのクロスをクリアするも、その後パスミスで直にシュートチャンスを与えてしまう事態に。(リーティシャンがダイレクトでシュートも枠外)
頭の中も掻き回されているように映り、展開以上に劣勢という印象を受けました。

結局1-0のまま前半が終わり。
甲府はハーフタイムで、飯島→クリスティアーノへと交代。
前節は契約関係上で出場禁止だったクリスティアーノ(長崎からのレンタル)を、後半頭から起用し反撃の狼煙とします。(右SHに入り、鳥海がトップ下に回る)

浙江のキックオフで始まると、いきなり浮き球のパスをムシェクウィが収めてポストプレイ、受けたクアシがミドルシュート(ブロックに当たりGKウッドがキャッチ)とマンパワーを前面に押し出す攻撃。

一方の甲府はその直後、敵陣でクリスティアーノのカットからショートカウンターに持ち込み、ウタカのポストプレイを受けた品田が右ハーフレーンでから前進する好機に。
しかしエリア手前でリーティシャンのプレスバックでこぼされると、そのまま交錯した事で足を痛めて倒れ込んでしまう品田。
反則とはならず、ボール確保した浙江もプレーは続けずにすぐラインアウトを選択。
この試合はどうにも主審の判定が緩い面が見られました(この場面ではこぼれた後の交錯だったので反則無しは妥当ではある)が、粗いと噂される特定東アジアのクラブでも、流石に紳士的な対応を採り。

それでも、一旦ピッチ外に出て復帰となった品田は、ピッチに戻るもすぐさま再び倒れ込み続行不可能に。
早くも2人目の途中交代を強いられた甲府、山本が代わって出場します。

前半同様、浙江のパワーある攻撃を受けながら、何とか反撃の道筋を見出すという立ち回りの甲府。
後半8分に小林の縦パスを受けたウタカ、ジェトゥリオへパスを送るも彼がオフサイドの位置だったため、中央に流れるジェトゥリオを尻目に自ら走って拾い直し。
そして左ポケットを突いてそのジェトゥリオへ横パスと、偶発的ながら絶好機が生まれたものの、前方へややズレてしまい撃てず。

交代策の結果、甲府は守備面で苦戦の色が濃くなったでしょうか。
浙江はチョンジンの多彩な動きが絶妙で、彼を捕まえられずに中継を許して前進されるシーンが膨らみ始め。

そして13分、最終ラインからの組み立てから、敵陣でチョンジンを中心に繋ぐ浙江。
そこから一瞬のスキを突きアンドリヤシェビッチが中央で持ち運び、エリア内へスルーパスを送ると、例によって走り込むのはムシェクウィ。
GKウッドが前に出るのを見てのループシュートで、ゴールネットを揺らして追加点を齎します。
痛い失点となった甲府、キックオフの前にウタカ・鳥海→長谷川・荒木へと2枚替え。

ウタカの抜けた1トップにはクリスティアーノが入り、攻め手を探す甲府。
2点差となっても浙江は守備重視の姿勢は採らず、その後も度々ゴールを脅かされながらも、その隙を突いて持ち運び。
それでも劣勢を打開できず、25分にはポッシニョロに一気にエリア内右へロングパスを通され、受けたチョンジンの横パスからクアシがシュート。
これを神谷が顔面ブロックで防ぐという具合に、際どい凌ぎが尚も必須な状態。

そして27分に最後の交代を敢行する甲府ベンチ、ジェトゥリオ→内藤へと交代。
それとともに、ベテラン・山本が入ったドイスボランチが緩いと判断したか、その山本を中央とした3バックへシフトして荒木がボランチへ。
FWはクリスティアーノ・内藤の2トップなので、長谷川をトップ下とした3-4-1-2という布陣だったでしょうか。(放送席では、蓮川右サイドバック・関口右SHの4-4-2と言っていた)

浙江が最初のカードに手を付ける前に、全ての交代策を行う事となった甲府。
それでもこれ以降ペースを握り、山本も最終ラインからのロングフィードにより好機を生み出し貢献していきます。
30分中央の長谷川に縦パスを打ち込み、左への展開を選択すると小林がカットインで左ポケット奥からクロス。
シュートとも取れそうなグラウンダーでのボール、GKジャオボーが弾いた所、エリア外で拾った林田がジャンジャチーに倒され。
今度は反則の笛が鳴り、エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接フリーキックとなります。
これをモノにするべくキッカーはクリスティアーノが務めたものの、放たれた直接シュートはあろう事か、壁の前に位置取っていた小林に当たってしまい跳ね返り。
そしてその小林が倒れ込んで治療を受けるという具合に、消化不良に終わってしまいます。(小林は一旦ピッチ外→復帰)

小林が復帰した直後の浙江の攻撃。(33分)
カウンター気味に持ち運び、ムシェクウィのポストワークを挟んで前進したチョンジンが右ポケットへのスルーパスを送ると、今度はクアシが走り込んでシュート。
3点目かと思われたこのシュートは右ポストを直撃と、命拾いとなった甲府。
直後にようやく最初のカードを使う浙江、Jリーグに馴染み深い存在のレオナルドを投入します。(ムシェクウィと交代、同時にクアシ→ヤオジュンシェンに交代)

GKウッドが、ボール保持の際にエリアラインを踏んだとして浙江サイドがハンドをアピールする事2度と、細かな判定の面でかなり緩いという印象のこの日の主審。(キムジョンヒョク氏)
36分、2人掛かり(山本・林田)のスライディングでリーティシャンを倒しながらボールを奪う甲府、これも反則となはらずショートカウンターに。
拾った関口が中央からミドルシュートを放つも、左ゴールポストを叩いてしまい惜しくも決まらず。

終盤を迎えても、41分に決定機(レオナルドのスルーパスを受けたアンドリヤシェビッチがエリア内からシュート、ブロック)を作ったように尚も攻める気満載の浙江。
それを突きたい甲府、44分に右サイドから山本縦パス→林田スルーで素早く奥を突くと、関口がスライディングで繋いでエリア内へ。
これをクリスティアーノがダイレクトでシュートしますが、ゴール左へ外れとどうしてもモノに出来ず。

アディショナルタイムも目前という所で、浙江はリーティシャン→ワンヤンへと交代。
時間も押し迫り、尚も浙江にカウンター気味に決定機を作られる(ロングパスをレオナルドがエリア内で受けてのキープから、アンドリヤシェビッチがシュート、枠外)などしながら諦めずに攻める甲府。

最終盤、クリスティアーノの浮き球パスを受けにいった内藤が、ポッシニョロに倒されて反則・警告。
これで再びエリアから直ぐ手前の直接FKとなりましたが、これにより目安の時間も迫り。
先程のキックから、クリスティアーノはキッカーの位置には行かず長谷川が蹴り。
そして放たれた直接シュート、カーブが掛かってゴール左を襲ったものの、GKジャオボーのファインセーブで防がれます。

結局最後までこじ開けられず、2-0のまま試合終了。
依然として勝ち点4で2位はキープした甲府ですが、他グループの2位チームが既に勝ち点6を確保しているのが多く。
予選突破は難しくなったものの、今後のホームゲームで巻き返したい所でしょう。

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