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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第32節 ガイナーレ鳥取vsカターレ富山

2023-10-26 16:04:50 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスによりコートチェンジし、↓とは逆のコートで前半スタート。

シーズン途中で監督交代を行ったクラブが、とうとう半数(10クラブ、なお琉球は2度行う)に達する事となった今季のJ3。
それだけあれば、所謂「監督交代ブースト」の恩恵を実体験するクラブも当然表れる事に。

そしてそれを最も味わっているであろう鳥取。
14節(北九州戦、0-1)終了後に金鍾成(キンジョンソン)氏を解任する運びとなりましたが、昇格に向けて勝負の3年目という位置付けでも結果が出せない以上その是非は「仕方ない」で片づけられるものであり。
後を継いだ増本浩平氏、前監督の方向性・メンバーを継続したうえで微調整を図るという選択を採り、チームを上昇機運に乗せる事に成功。
就任してから7戦無敗(4勝3分)と建て直し、その後小休止(1勝3敗)を挟んで再び6戦無敗(4勝2分)という現状で、昇格争いの輪に加わるまで浮上を果たしています。

そんな勢い盛んなクラブと相対するのが、常時上位をキープしてきた富山。
鳥取とは対照的な安定性で、最後の勝負所を乗り切らんとしています。
結果をシビアに求められる立ち位置故に、サッカーの内容的には浮き沈みが激しいという印象で、駄目な時は全く攻め手に欠けるような上位らしくない試合も見られ。
しかし前節(沼津戦、1-2)は、最終盤で相手の変化を見誤ったぐらいで内容は完全に勝ち試合そのものと、逆のパターンの試合となり。
願わくば、その内容を継続しつつ結果に繋げて終盤の起爆剤としたい所。

立ち上がり、鳥取は左サイドバックの文のオーバーラップを利用しての攻撃。
それに対し富山は、文の上がる右サイドから攻め、松岡の推進力を前面に押し出して対抗というぶつかり合いに。

試合が動いたのは前半7分で、鳥取は最終ラインから左に展開する姿勢を取ると、その逆を突き飯泉が右へロングパスを送り。
田中が受けたのちの繋ぎを経て、世瀬の裏へのボールに走り込んだ牛之濱がグラウンダーでクロスを入れ、富樫がニアで収めて撃ちにいき。
それを防がんとした今瀬ですが、足でのクリアがあろう事が逆方向に飛んでしまい、ゴールに吸い込まれる形でのオウンゴール。
明確なミスとは言えない状況ながらも、前節に続き早期に先制を許す事となりました。

追い掛ける立場となった富山、前節同様に最終ラインから繋ぐ姿勢を取りつつ、左サイドで安光が「偽SB」の位置取りをするシステムから反撃体制。
彼とは逆にワイドに立つ伊藤の突破力で抉る体制ながら、安光自身にも突破力があるので、判り易い2段構えとなっていたでしょうか。
17分にシルバの縦パスを受けた安光がドリブルで推進し、彼のパスをボックス横で受けた伊藤がポケット奥へ切り込む(その後グラウンダーでクロスもGK糸原が抑える)という具合。
そして松岡やレイリアもドリブル突破を持ち合わせており、繋ぐというよりは彼らの仕掛けを大いに利用して前進を果たします。

それ故に前への意識がやや過剰になっていたでしょうか。
21分右スローインからの攻めでしたが、受けにいったレイリアがダイレクトで素早く前に送るもカットされて逆に鳥取の攻撃を受け。(右サイドに展開ののち牛之濱がスルーパスを受けるも奪われる)
早めに追い付きたいという意識から、追加点を献上してしまうのは避けたい状況となり。
それを改めたか、25分に敵陣でサイドを振りながら繋ぎ続け、仕掛けようとした松岡も切り返しから戻しを選択。
そして最終ラインから作り直して左サイドから前進の末に、伊藤がカットインから中央へパスを出し、受けたシルバのミドルシュートがゴールを襲うも左へと外れ。
しっかりと遅攻で組み立てて反撃機会を窺う、讃岐戦とは全く逆の落ち着いた振る舞いを見せる富山。

こうした富山の姿勢に鳥取は押し込まれ、攻撃自体が機能しなくなり。
裏狙いのロングパスを送るも、GK田川が前に出てのクリアを目立たせるだけに終わり。
逆に重松狙いのボールも、富山のタイトなディフェンスでボールを確保できず、攻撃機会をロクに得られない状況となります。

そして31分の富山、敵陣でシルバのボール奪取から重厚な攻め。
右サイドで細かく繋ぎ、松岡が右ポケットを突いてクロスを入れ、クリアされるも安光が拾って今度は左サイドから。
またも伊藤がカットインを仕掛けると、今度は自ら中央まで流れた末にミドルシュート。
これを飯泉がブロックするもエリア内にこぼれ、すかさず末木が詰めてボレーシュート、ゴールに突き刺します。
これも前節同様に、前半のうちに追い付く事に成功した富山。

鳥取はビルドアップの形を変更し、文を最終ラインに残した3枚の体勢を取り、その代わり普光院が上がり目に位置し。
恐らくは文を残す事で松岡への対策としたのでしょうが、反対に左サイドの伊藤の威力は尚も冴え渡り。
37分に再度カットインの姿勢に入る伊藤、中央へのパスを選択して松岡がペナルティアークからシュート(ブロックの末にGK糸原キャッチ)と、両翼が絡む攻撃。

対策後も迷いが見られる展開に、ビルドアップの際にも富山のプレッシングに悩む状況となり。
40分にGK糸原からショートパスで前進を図るも、プレッシャーを受けた末に普光院が何と逆方向へのミドルパスを選択。
右サイド深めで鈴木が受けたのちも富山のプレッシャーを浴びましたが、その間に上がっていた文に(世瀬が)ロングパスを通した事で脱出。
そのまま文はアーリークロスを入れましたがシュートには繋がらず。
これを境に、最終ラインからの繋ぎで富山のプレッシングをどう打開するかが鳥取のテーマとなったでしょうか。
アディショナルタイムに得た鳥取のコーナーキックで、飯泉がヘディングシュート(GK田川キャッチ)と一矢を放った所で前半が終了となり。

ともに交代無く迎えた後半戦。
富山はギアを高めハイプレスの色を前面に押し出すようになり、鳥取にとっては課題を乗り越えなければ勝てないという展開に。
後半2分に早速左サイドで詰まってシルバに奪われると、拾った松岡がそのまま持ち運んでカットインシュート(GK糸原セーブ)とショートカウンター。
何とか対抗したい鳥取は5分にGKへの戻しから組み立て直し、ショートパスでプレッシャーをかわすように右サイドを運んでいき。
そして再び戻しを経て左→中央→右とサイドをくまなく使い、右サイド奥からの田中のクロスにまで辿り着きます。(ブロックされCKに)

それでも苦しい状況は変わらず。
7分に自陣で大山がカットして富山が前進に移ると、松岡のドリブルを文が腕で止める格好となるも、止められずに繋がれアドバンテージという具合にデュエル勝負でも劣勢となり。(その後高橋がクロスもクリア)
球際勝負の影響で、8分には異議で長谷川アーリアが警告を貰ってしまう(おまけに4枚目で次節出場停止)など、上手くいかない苛立ちも露わになり始めます。

そして10分、GK田川のロングフィードから、セカンドボールを確保し敵陣でサッカーを展開する富山。
右ハーフレーンで松岡がボールを持つと、エリア内を窺う姿勢からカットインでシュートレンジへと流れ、そのままミドルシュート。
左に流れながらゴール右を狙ったそのシュートに逆を突かれたGK糸原は反応できず、豪快にゴールに突き刺さります。
この日右翼で再三突破力を発揮してきた松岡、これが今季初ゴールと、にわかには信じられない(もっと決めていても可笑しくないと意味で)成績であり。

一方これも今季初めてという、先制しながらも逆転される展開となった鳥取。
13分にGK田川のフィードを普光院が遮断し、拾った牛之濱がエリア内中央を突いてシュートという好機が生まれましたがゴール右へと外れ。
この直後にベンチも動き、長谷川アーリア・重松→田村・吉井へと2枚替えを敢行します。

直後の14分に吉井のプレッシャーでGK田川のパスミスを誘い、奪ったもののショートカウンターには繋げられず。
この交代策の前後が富山サイドもバタバタしていたという状態で、17分には普光院が松岡に反則を受けた事で中央からのフリーキック。
かなり距離があったものの、富山の壁が1枚のみという状況を見てキッカー普光院は直接シュートを放ちましたが、GK田川が正面でキャッチ。

その後整え直した富山のコンパクトな守備布陣の前に、シュートすらままならなくなります。
サイドから前進しても、しっかりとスライドしてくるブロックの前にクロスにすら辿り着けず。
間を通しても、素早い寄せの前に難しい繋ぎを強いられて奪われるの繰り返しで、反撃のペースを掴めない鳥取。
そのタイトなディフェンス故に富山サイドを反則を量産してしまうものの、結局その(サイドからの)FKからクロスを上げるのが関の山、といった状態に。

時間が進み、富山ベンチも交代カードを切る状況が訪れ。
26分にシルバ・高橋駿→碓井鉄平・大野へと2枚替え。
しかし直後の27分にアクシデントが発生し、再三良い流れを作っていた松岡が足を攣らせる事態に。
足を伸ばしてもらうものの結局起き上がれず、担架で運ばれて続行不可能となってしまいます。
早期に再度カードを切る破目となった富山、同ポジションで野口を投入します。

一向に攻撃権を支配出来ない鳥取、この辺りから再度ビルドアップの形を弄り。
世瀬が最終ラインに降りる3枚の形を基調とし、再び文が上がる体制を採る事となります。
右サイドの田中も当然ながら攻撃参加が目立ち、何とかサイドから圧力を掛けんとする攻撃。

32分にその体勢から、敵陣でボール奪取した田中が伊藤に倒された事で反則。
しかしその際素早くリスタートしにいった田中が、中々ボールから離れない伊藤の脚ごと蹴ってしまう事案が発生し騒然となるピッチ。
FK妨害という判定で伊藤に警告が出される事となりましたが、鳥取サイドの苛立ちも感じられる消化不良のシーンに映り。

ひたすらサイドを突かんとするも、富山の守備の硬さは相変わらずで、クロスに辿り着いてもブロックされ上げる事すらままならず。
35分に再びベンチが動く鳥取、牛之濱・富樫→東條・小澤へと2枚替え。

硬いブロックを崩さんと、左サイドでの小澤の仕掛けを交える事で毛色を変えんとする鳥取。
41分にそのチャンスが訪れ、ワイドで受けた小澤がカットインでエリア手前に流れると、シュートのようなクロスを入れ。
これを吉井がヘッドで合わせたものの、ボールはマイナス方向へ浮かんでしまいミート出来ずに終わってしまいます。
正直ここはシュートの方が良かった気がしましたが、それも結果論であり。

しかしこれ以降、小澤が試合を動かせる状況すら作れなくなる鳥取。
大野狙いのロングボール(その後大野がフリックで繋げる)や、レイリアのボールキープを敵陣で時間を稼ぐ事に利用する富山。
攻撃カードをこうして守備に利用される事程、追い掛ける側にとっては嫌な事は無く。
ATに残っていた交代カードを使い、末木・伊藤→林堂・神山へと2枚替え。
5バックシステム(林道をボランチとした3-4-2-1)で逃げ切り体制に入ります。

何とか矢印を反転させる鳥取、左からの文のアーリークロスがエリア内を突き。
今瀬がヘッドでクリアするも、これがゴール上へ際どく逸れるボールとなり、またもオウンゴールかという際どいシーンが生まれましたが決まらずCKに。
GK糸原も前線に上がり、最後の意地を見せたい所でしたが、二次攻撃でのクロスを強引に合わせにいった吉井はボレーシュートを空振りしてしまい万事休す。

結局1-2で試合終了となり、勝利を飾った富山。
2位以下の混沌とする状況は変わらず、ここまで来れば白兵戦で駆け抜けるだけ……という意識が高まる中、サッカーの内容で明らかな良化が見られるのは好材料でしょう。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第31節 カターレ富山vsアスルクラロ沼津

2023-10-19 16:00:40 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

試合数×2の勝ち点が、大体優勝の目安と思われるJリーグ。
J1では神戸が29試合で勝ち点58、J2では町田が38試合で75と、ほぼそれをなぞる数字を残して首位の座に立っています。

ではJ3はというと、首位の愛媛は30試合で55。
ペースは保っているものの若干少ないという感じで、その得失点差(+8)からも他を圧倒する程の強さは感じなく。
しかしその分他のクラブが詰めている、という状況にはなっていないのが今季のJ3の難儀な所でしょうか。
2位争いは若干離れた位置(とはいっても2位の鹿児島が勝ち点51なので4差)で、詰まっているのはそれ以下の立ち位置という事で激しく順位が入れ替わり。
好不調の影響が大きく、簡単にその座から陥落したり、あるいは一旦後退したクラブが復調し再度2位の座を窺ったりと群雄割拠の状態に。

現在2位の座に着いている鹿児島とともに、後者の立場を取っているのが富山。
そして残念ながら前者の真っ只中なのが沼津というこの対戦カード。

沼津の今季のサッカーといえば、「偽サイドバック」のシステムを軸とした、時には最前線まで上がってゴールに絡む「超攻撃的SB」というのが第一印象。
しかしこの日は左サイドでその片翼を担っていた濱がセンターバックに移っての出場と、連敗中のクラブらしく微調整が行われ、左SBには大迫が入って挑みました。

立ち上がりは落ち着かず、ともにスローインからの組み立てを狙うという流れに。
沼津は前半5分にGK武者がロングフィードを送り、ブラウンノアが裏に抜けるも富山もGK田川が前に出てクリア。
GKからGKへというボールの流れを描き、落ち着かない流れはまだ続くと思われましたが、ここから沼津が自身の流れを掴み。
続く6分、最終ラインから繋ぐビルドアップで、ハイプレスを掛ける富山に対し濱が2トップ間を通す遊びのパスを巧く使ってボランチのシルバを釣り出し。
ここから左へ展開して前進し、スルーパスに走り込んだ大迫がクロスに辿り着き。(ブロックで防がれる)

沼津が得意手であるポゼッションスタイルに持ち込んだものの、8分にはその沼津のコーナーキックを防いだ富山がカウンター。
伊藤がドリブルで一気に自陣からエリア内に持ち込み、右ポケットからそのままシュート(ゴール上へ外れる)と脅かし。

これでポゼッションの沼津vsカウンターの富山という流れになるかと思われましたが、一つフィニッシュを放った事で富山サイドも落ち着いたか、主体的に攻め上がる流れに入ります。
12分には逆に沼津がカウンターに持ち込み、徳永スルーパス→森エリア手前で横パス→ブラウンノアと中央を素早く運んでいき、ブラウンノアのペナルティアークからのシュートをGK田川がキャッチ。
どちらも形に拘らず、とにかく先制点に辿り着くのが第一という、リーグ終盤の勝負所らしい展開を描き。
その中で富山が勿体無かったのが14分の攻撃で、シルバが右→左へのサイドチェンジを通し、受けた安光がさらにサイドチェンジと大きな展開でアタッキングサードに運び。
しかしそれを受けた椎名がハンドを取られてしまい実らずとなったシーン。

その「勿体無さ」が守備面でも表れてしまったでしょうか。
20分の沼津の攻撃、これまで安在が最前線に上がり、逆サイドの大迫が残るという右肩上がりの布陣での繋ぎが目立っており。
しかしここでは逆に大迫を上げての攻撃で、ワイドで縦パスを受けた大迫が奥へスルーパスを通すと、津久井クロス→大外で森折り返しを経て中央で持井がシュートチャンス。
放たれたシュートに対しブロックに入った富山ディフェンスですが、末木に当たる→安光に当たるという2度のディフレクションでGK田川が逆を突かれた格好となってしまいゴール。
懸命の守備も、こうした形となってしまうと何とも言い難く。

逆に先制した沼津は、以降も長短交えてのパスワークで主導権を確保します。
それでも反撃に入る富山、24分にGKからの繋ぎで、田川が間を通す縦パスを決めたのち前進。
エリア手前で細かく繋ぐ流れの中で、ポストプレイに入ったレイリアが菅井に倒されて反則となり、絶好の位置で直接フリーキックを得ます。
中央~左ハーフレーンの丁度中間ぐらいという位置で、キッカー・レイリアはやや左寄りの壁を越すシュートを放ち。
そしてゴール左へと突き刺し、沼津のお株を奪うショートパス重視のビルドアップを切欠として同点に追い付きました。

追い付かれた沼津、以降そのショートパス重視の攻撃はあまり機能しなくなり。
最初のシーンのような、裏へロングパスを送るも前に出たGK田川にクリアされるというシーンも目立ち。
富山が立ち上がりのようなハイプレスを諦めた事もあり、相手のコンパクトな守備に対し難儀していた風でもありました。
28分にカウンターに持ち込み、左ワイドでスルーパスを受けたブラウンノアがドリブル、左ポケットを突いてシュートを放つも今瀬のブロックに阻まれ。

反対に、最終ラインから繋ぐ機会が多くなる富山。
沼津よりも選手間の距離を長く取り、プレッシングに来られても長い距離を走らせるという、「自身のスペースを生む」と「相手の疲労度を増す」という両得を図るべくのビルドアップ。
スペースを得たうえでのロングパスで攻撃を組み立てていきます。

その流れで迎えたアディショナルタイム、ここも左サイドで前進の姿勢からシルバが逆サイドへロングパスを送り、受けた大山が細かいタッチでのドリブルで右ポケットを突き。
そして奥へ切り込みを図ったものの、津久井に蓋をされて反則という形で終わってしまい、後一歩及びませんでした。
結局1-1のまま前半が終了。

共にハーフタイムでの交代は無く、後半戦の賽は振られ。
それに伴い富山は、一旦落ち着かせたハイプレスを再度敢行していきます。
入りの後半1分に右サイドで椎名が奪い、拾ったレイリアが津久井に倒された事で反則・FKに。
このFKでのクロスはクリアされるもさらにコーナーキックで継続し、キッカー・レイリアがニアにクロス、跳んだ大畑を越えたその奥でシルバが跳び込みヘディングシュート。(GK武者キャッチ)
直後の4分にも、中央アタッキングサードでGK田川のパスをレイリアがカットする(そのままエリア内に切り込むも附木に防がれる)など、沼津のビルドアップを次々と遮断していきます。

8分にはシルバのミドルシュートがゴールを襲う(左サイドネット外)など、一転して劣勢になった印象の沼津。
それでも、富山が再度ハイプレスに意識を振って来た事で、それを逆手に取って引き付けるスタイルは不変であり。
9分に附木がパスを散らした末にGKへと戻して引き込み、GK武者ロングフィード→菅井落としで打開し、右サイドで受けた森のスルーパスにブラウンノアが走り込むも繋がらず。

富山は前半のドリブルシーン然り、伊藤が左サイドを切り込むシーンを膨らませて攻め上がり。
16分にベンチが動き、椎名・佐々木→松岡・大野へと2枚替え。
以降右サイドでも、松岡がカットインでポケットを突く動きが顕著となるなど、サイド突破が強化された格好となります。

そうして優勢さを保ち、22分にGK田川は右サイドに開いてロングフィードを送り、セカンドボールを拾ってレイリアがドリブル。
そして松岡がカットインを仕掛け、ディフェンスに阻まれこぼれた所を末木が走り込んでミドルシュート。
このパンチの利いたシュートが附木にブロックされるもCKとなり、以降攻勢のなかセットプレーの好機も数多作る流れとなります。
23分の左CK、ショートコーナーを挟んでのレイリアのクロスから、ニアサイドで大野がフリック気味でヘディングシュートを放ちましたがGK武者がセーブ。
26分にはカウンターの流れで、末木の縦パスを受けたレイリアがドリブルで疾走、そのまま右ポケットを突いてシュートに辿り着いたものの大きく枠を外してしまい。

一方押され続ける沼津、状況打開のためベンチが動き。
23分に大迫→井上へと交代し、井上がCBに入った事により濱が本来の左SBにシフト。
そして29分には3枚替えを敢行、森・ブラウンノア・津久井→染矢・川又・鈴木と一気に3トップ全員を入れ替えます。

その効果もあり攻め上がる沼津、32分には一旦途切れるも、富山のロングパスを附木が前に出てカットしてさらに攻撃。
中央を前進していき最後は川又がエリア内へスルーパスを送りましたが、走り込む徳永が大山に蓋をされて繋がらず。
するとボールを抑えたGK田川が素早くスローして富山のカウンターとなり(フィニッシュには繋がらず)、また流れを反転させられます。
そして直後にシルバが菅井に反則を受けた事で富山が再度セットプレー攻勢。
このFKからの二次攻撃で、左からの末木のロングパスを大野が直接ヘディングシュートに持っていき。
これもGK武者にセーブされますが尚も左CKで継続、再度大野を目掛けたクロスがこぼれた所を、ペナルティアークから末木がシュート。
強烈なシュートでしたがこれもゴールバーを直撃し決められず(その後レイリアのクロスから大野がヘディングシュートも枠外)と、どうしても2点目に辿り着けません。
それでも諦めない富山、34分に伊藤→高橋に交代と、次々に前線のタレントを投入していきます。(高橋がFWに入り、レイリアが左サイドハーフに回る)

その後ポジションチェンジした富山の左サイドを突くように、沼津が右サイドで繋いで崩さんとしますがペースを奪うには至らず。
守勢故の苦しみか、37分には松岡に反則を受けた濱が、思わず報復行為を敢行するなど苛立ちが先行する絵図も作ってしまい。(しかしカードは出ず)

2位の座を奪うためにもなんとか勝ちたい富山。
39分には松岡が例によって右からカットインの姿勢に入ってクロスを送ると、手前のブロックに当たってゴールに向かうボールとなり。
しかしこれもGK武者のセーブに阻まれるという具合に、「惜しい」だらけの展開は続きます。

そして終盤に入り、42分に持井のドリブルを反則で阻止した今瀬が警告を受け。
攻勢の最中、カウンターだけは許さないという意地も見せる富山。
しかし沼津は43分に最後の交代を敢行し、徳永→安藤阿雄依。
今季新卒で入団(J1清水にユースから昇格、直後即レンタルで加入)し、これが5試合目の出場と、ほぼ新星という存在の投入に賭ける格好となった中山雅史監督。
この安藤阿が左ウイングに入り、鈴木がインサイドハーフに降りるというポジションチェンジがあった事。
そしてその交代の前の(大野に対する附木の)反則に則してか、沼津ベンチに居た控えGK渡辺が警告を貰うという悪目立ちがあった事が効果倍増に至ったでしょうか。

そして迎えたアディショナルタイムも、目安の時間(3分)は押し迫り。
初心に帰りGKから細かく繋ぐビルドアップに入る沼津、安藤阿が自陣左サイドで受けたのちカットインで中央へ。
そして逆の右サイドでの攻めにそのまま加わる安藤阿、スルーパスを奥で受けるもバックパスがブロックされて途切れ。
しかしすかさずのスローインで継続させる沼津、今度は鈴木が投げ入れられたボールを受けて攻撃の輪に加わると、右ポケットで持った安在のバックパスから中央で菅井がミドルシュート。
これがディフェンスの間隙を抜いてゴールを襲い、GK田川がセーブするも、右へこぼれた所を詰めたのは鈴木。
田川の足でのセーブも及ばずゴールネットに突き刺さり、歓喜の勝ち越しゴールとともに試合終了の笛が吹かれる劇的な終幕となり。
最後は安藤阿・鈴木の盛んな移動を捕まえきれなかった格好で、富山は無念の敗北となりました。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第31節 松本山雅FCvsAC長野パルセイロ

2023-10-18 16:36:35 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

信州ダービー・第2ラウンド。(天皇杯予選も入れれば3戦目ですが)
松本のホーム・サンプロアルウィンで開催されたこの試合も、観衆12,000超という前回とほぼ同じ数字を残し。

1戦目は10節で、その時に勝利したのは長野。
同時に首位に立ったのもあり、目の前が薔薇色に輝いた……というのは一時の安息であったか。
結果的にこの試合が絶頂となり、以降は坂道を転げるだけの歩みとなってしまいました。
そして監督交代も敢行され(シュタルフ悠紀氏→高木理己氏)、前回とは異なる体制で松本にぶつかる格好となり。

異なるクラブで、松本戦に挑む事となった高木監督。
ハイプレスを売りにしているとの事(放送席の談)で、ダービーマッチという環境も手伝い、球際でバチバチとやり合う入りが描かれます。
それでもその光景を彩っていた(?)、前監督・シュタルフ氏の怒号がもう無いとなると一抹の寂しさを感じてしまい。

しかしその均衡を破ったのは松本で、前半4分に菊井が左ポケットを突いてシュート。
ブロックに当たり右へと逸れてコーナーキックとなり、キッカー菊井のクロスを野々村がヘッドで合わせ。(枠外)
7分にも同じくCKから常田がヘディングシュート(枠外)と、早速多種多様なフィニッシュで脅かしに掛かります。

一方の長野は、マイボールになっての立ち回りが今一つ。
上記のような枠外シュートの結果、ゴールキックでのリスタートが膨れ上がりますが、そこで短く繋ぐ選択を取っていた前半戦。
しかしそのビルドアップはまるで冴えず、松本のプレッシングによる苦し紛れのパスがズレた所を奪われるシーンを量産してしまいます。
13分、ここはゴールキックからでは無いものの最終ラインからの組み立てで、杉井ミドルパス→山中ポストプレイで省略して前進に成功。
森川の右への展開から、音泉が右ポケットへと切り込んでシュート(常田がブロック)と、ようやく理想形の攻撃を見せ。
もう一つの理想形であるハイプレスも、敵陣でボール奪取してショートカウンター、というシーンは何度か見られたもののフィニッシュには繋げられず。

まるで前回の松本のビルドアップの問題が、時を経て自身に跳ね返って来たかのような試合展開。
何とか誤魔化しながら、音泉のドリブル突破を利用するなどして好機を作っていた長野。
しかし25分、敵陣への縦パスがズレたボールを、常田がダイレクトで縦パスを繋いで反転松本の攻撃というシーンが。(その後村越が遠目からシュートもジャストミートせず)
パスミスがあわよくば致命傷になりかねない雰囲気を生み出してしまうと、その後もそのパスのズレを解消できず。
そして松本の一方的な展開へと繋がってしまいます。
慌ただしい守備対応を強いられ、放たれるシュートはブロックで防ぐも、それがCKの量産を招き。
インプレーとセットプレーの双方で、ひたすら押し込まれてしまう長野。

攻めに攻める松本、前半のみで放ったシュートは14本。
しかし長野ディフェンスの粘りもあり、結局クロス攻勢の域を出ない攻撃へと持ち込まれ。
上げられるクロスをダイレクトで合わせてのシュートか、クリアボールをダイレクトで放つミドルシュートか、の二択となっていた感があり。
その結果枠外シュートのみが膨らんでいき、優勢の流れをモノに出来ません。

終盤の攻防を迎え、長野は42分、この日初めてゴールキックでGK金がロングフィードを選択。
落下点の森川の落としから好機が生まれ掛かるも、西村の右裏へのロングパスは長くなって繋がらず終わります。
一方攻め疲れが懸念される松本は、44分に右から前進の姿勢も取りやめ、中央~左ハーフレーンを使っての攻め。
山口が斜めの縦パスをエリア内へ入れると、菊井がスルーしたボールを奥で小松が抜け出して受け、その勢いのままシュートをゴールにねじ入れます。
しかしオフサイドを取られ、毛色の違う攻撃でゴールに辿り着くも無効となってしまい。

結局前半はスコアレスで終了。
建て直しが急務と思われた長野サイドも交代は行わず、そのままのメンバーで後半開始を迎えました。

しかし早々に左スローインを得ると奇襲を仕掛け、杉井は近くに投げ入れる素振りを長く続け、意識を振った隙に音泉がエリア内に入り込み。
そして杉井はすかさずそこに投げ込み、ほぼノーマークでジャンピングボレーの体勢に入った音泉でしたが、空振りしてしまうという残念な結果になります。

入りの段階で不意を突かれた格好となった松本。
後半2分、最終ラインから右での前進、藤谷が巧みな切り返しによる(ワイド→ハーフレーンへの)レーンチェンジで森川をかわしたのが効き。
そして菊井がクロスに辿り着き、ブロックされるも村越の繋ぎを受けて再度クロスを入れる菊井、ファーサイド奥に上がったボールを山口が脚で折り返し。
中央に小松が跳び込むその手前でGK金が触るも、こぼれ球を安永がダイレクトでシュート。
理想的な崩しだったものの、このフィニッシュも枠外に終わってしまい決められません。

長野も直後の3分、中盤で高橋のボール奪取から好機、三田のクロスがクリアされた後も敵陣右サイドでパスを繋ぎ続け。
そして奥へ切り込んだ音泉のグラウンダーでのクロスを森川が合わせ、ブロックに阻まれるも尚も繋がるパスワーク。
左から杉井クロス→中央で原田収めてポストプレイ→西村ミドルシュートと流れるように攻めましたが、これも常田のブロックに遭い先制ならず。
ディフェンスに遭ったのちも継続するという、波状攻撃の応酬を描きます。

長野は前半とは異なり、ゴールキックはロングフィードを第一とする振る舞いへと切り替え。
そしてそれは全て森川をターゲットとしたものと、理想とは外れたが故の苦しさを滲み出します。
山本大貴が故障離脱していた影響を感じさせるとともに、この日ベンチ入りしていた彼を何処で使うかがカギとなるのを予感させ。

一方、前半と同様にクロス攻勢を掛ける松本。
攻撃の軸となる山口・菊井が中を意識させつつ、山本龍が左奥を取ってクロスを入れるパターン。
そしてそれがファーに上がり、折り返すというシーンが目立つも崩しきるには至りません。

長野も19分に自陣からショートパスでのビルドアップを成功させ、左奥から杉井マイナスのクロス→ニアで山中ポストプレイ→森川ダイレクトでシュート(ブロック)とフィニッシュに繋げ。
すると直後の20分に再びゴールキックで短く繋ぐGK金。
やはり繋ぐ意識は、勇気だけでは無く成功体験も下地としなければ貫くのは難しい、といった流れでしょうか。
結局ここからの攻めは、左サイドでスルーパスの連続で素早くエリア内を突いたもののシュートは放てず。

しかし22分の松本、浮き球を米原が落とし、菊井が前を向いて拾ってドリブルに入りバイタル中央を突き。
ミドルシュートと見せかけて左ポケットへパスを送ると、受けた山口のシュートがGK金の右を破りますが、その後ろで高橋がブロックして防ぐ長野。
跳ね返りを拾った山口の再度のシュートも西村がブロックしますが、その後右CKを得た松本の好機は続き。
今度は小松のヘディングシュートがゴール右を襲いましたが、これもゴールライン寸前で大野が脚でブロックと、失点危機を凌ぎ続けます。

その後長野が交代準備、山本大の投入を図ったものの、長野サイドの反則で止まったかに思えた試合は素早い再開(と主審の判断)により認められず。
そして松本がCKに持ち込んだ(25分)事で再度見送られる交代。
そしてクリアののちに、エリア内で痛み倒れ込んだ池ヶ谷により試合が止まった所でようやく交代が認められました。
高橋→山本大へと交代した長野(杉井が3バックの左に入り、森川が左ウイングバック・山中が左シャドーへシフト)、同時に松本も村越→野澤へと交代。

しかしこの主審の判断により、松本のアタッキングサード付近でのドロップボールから再開となるイレギュラーに。
落とされたボールを菊井がダイレクトでエリア内に上げ、跳ね返りをさらに常田がエリア内へ放り込むもクリアし、何とか事故は防ぐ長野。

前半で8本ものCKがあった松本、後半もその流れは変わらず31分の時点で6本。
しかし後半は長野サイドもCKを得れるようになり、31分に3本目のCKから、クロスの跳ね返りを拾った山中がシュート。(枠外)
一方的な展開から持ち直し、しっかり守った末の一矢を放つ展開を作った長野。

それでも双方膨らむセットプレー故に、「今そこにある危機」という流れは不変であり。
32分に中盤での(大野の)反則により松本のFKとなり(蹴る前に長野は音泉→船橋へと交代)、菊井はほぼ中央へとロビングを送り。
そして常田が前へと落とした所に野澤が走り込む決定機となり、合わせてシュートするもGK金がこれをビッグセーブ。
またも寸での所で凌いだ長野、ここからカウンターに持ち込んだもののシュートは撃てずに終わり。

切り札としての活躍が見込まれた山本大ですが、中々決定的な仕事をする局面には持ち込めず。
ターゲット役としても攻撃を繋げられずと、復帰して2試合目では難しい状態だったでしょうか。

そして36分松本ベンチが動き、山本龍・山口→下川・渡邉へと2枚替え。
これにより小松・渡邉を2トップとした4-4-2となり、菊井が左サイドハーフに回ります。

その左に回った菊井、37分には敵陣でパスカットすると、そのままロングシュートを狙いましたが惜しくもゴール左へ外れ。
しかし直後の38分の長野の攻撃、ディフェンスに入ったものの、クロスの跳ね返りを拾った船橋を倒してしまい反則。
これでエリアからすぐ手前(右ハーフレーン)という位置で直接FKを与えてしまう事に。
攻守双方で試合を左右しかねない動きをしてしまった菊井でしたが、ここはキッカー船橋の直接シュートは壁を直撃。
その後のCKも、サインプレーでの大野のシュートも決まらずと、折角のセットプレーから決められない長野。

そして直後に試合は動きます。
決まるのは敵陣でのセットプレーか、あるいは流れの中での攻撃かという所で、そのどちらでも無い自陣からのFKであり。
松本がGK村山の放り込みを選択し、中央で渡邊がフリックしたボールがエリア内へ落ち。
そして野澤が入れ替わって前を向きそのままシュート体勢に入ると、前に出て来たGK金の上を抜くループシュートを選択。
ゴールへと吸い込まれ、41分という終盤でとうとう値千金の先制点が生まれました。

後は決死の守備を見せるのみ、という松本。
それが空回りしたかのように、43分に米原がアフターチャージで反則・警告を受ける場面もありましたが、すかさずその米原を退かせ。(住田と交代・同時に藤谷→橋内へと交代)
3バックへと変更し、守備固めの体勢に入ります。(前線は2トップのままか、渡邉1トップの3-4-2-1か区別し辛い)
同時に長野も杉井・西村・山中→小西・加藤・宮坂へと3枚替えを敢行し、最終局面を迎え。

長野は4-4-2へとシフトし、原田が左SH・森川がFWへと回り。
突入したアディショナルタイムでも、加藤を軸としたポゼッションスタイルでの攻めを選択したのは、やはり山本大のコンディションの問題だったでしょうか。
その加藤のロングパスを左サイド奥で受けた小西から、上がったクロスを合わせた山本大でしたが、枠外に終わり決められず。

結局目安が6分あったATも、松本の執拗に右奥に切り込む姿勢に難儀する長野。
時間を使われた末に、試合終了の時が訪れ。
リベンジを果たして歓喜に沸いた松本ですが、本当の喜びの瞬間(J2昇格)を迎えるにはまだこれからという状況。
それでも弾みを付ける切欠は得て、後は前向きに残り試合に挑みたい所でしょう。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第31節 奈良クラブvs福島ユナイテッドFC

2023-10-17 16:03:14 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

今季からJに参入した、奈良のホームスタジアムを未だ観ていなかったと思いつつ視聴。

そのロートフィールド奈良は電光掲示板が無く、選手名はピッチ脇のボードによる表示(に加え、選手の顔写真が添えられていた)という、昔風の味がふんだんに残された環境となっており。
こうした状況から、いかに上位カテゴリに向けて規模を上げていくかが、J2ライセンスが無い状況では当面の課題でしょう。(今季のライセンス審査発表は未だ先ですが)
それにも拘らず、成績的にはJ2昇格も夢では無い位置をキープしているというのが逆に悩ましくもあり。
来たる時に備え、粛々とバックボーンを整えつつ……という姿勢の下、サッカーでも確固たるスタイルを築いている最中といった1年目でしょうか。

そんな状況の、奈良のホームへと乗り込んだ福島。
奈良が前回(23節・FC大阪戦、1-0)観たような、サッカーの形を落ち着けながら……という姿勢を取るのを突き、立ち上がりから果敢に敵陣でサッカーを展開します。
スルーパス中心に深さを取り、獲得した左スローインから好機を作る、という攻撃を繰り返し。
特に前半2分、スロワーの田中が奈良のブロック間を直接通して投げ入れ、雪江ポストプレイ→吉永ダイレクトでスルーパスという繋ぎをしたのが効いた感がありました。(走り込んだ森晃には繋がらず)

こうして押し込んだのちに、ポゼッションを確保しての攻撃も巧くいき。
迎えた7分、最終ラインからのパスワークで運んでいき、一度はポストプレイで降りてきた雪江が右サイドで柴田のスルーパスに走り込んで低いクロス。
これが寺村のクリアミスもありファーサイド・ゴールに近い位置で田中が収める絶好機となると、中央へのヒールパスを吉永が2タッチでポストプレイし、受けた森晃がシュート。
しかしこの至近距離でのフィニッシュをGK岡田がセーブと、紙一重で凌いだ奈良。
出来れば森晃はダイレクトで撃ちたかった場面でしたが、相手ミスも絡んでの好機故に判断が難しかったでしょうか。

決定機を逃した福島ですが、以降も攻撃権を支配。
アンカーシステム気味だった前回(28節・相模原戦、1-1)とは異なり、オーソドックスなドイスボランチの体勢による5-2-3の守備隊形を採っていました。
攻撃時は、ボランチの片割れで出場している吉永がサイドに張り出しパスワークに絡む姿勢は変わらず。
これにより三角形ならぬ、四角形にも見える形でパスを繋いで隙を見出すビルドアップが目立ちましたが、その中でのダイレクトパスがやや乱れがちにも映り。
好機はセットプレーからで、11分には左奥でのスローインから、直接ポケットに投げ入れた所を雪江ポストプレイ→田中シュートと素早くフィニッシュに。(桑島がブロック)
17分には同じく左奥で今度はフリーキック、キッカー森晃のクロスをニアサイドで大武が合わせヘディングシュート。(枠外)

劣勢の奈良、ポゼッションを確保したい序盤でしたが反対の流れを強いられ。
この日は前回と違って中島が降りてくる頻度は抑え気味となり、アンカー(森田)のスタイルを保ってのビルドアップに努めていた感があり。
その一方で前線が流動的で、桑島が中に絞って縦パスを受けに来る動きが最も目立っていたでしょうか。
それでも中々アタッキングサードまで運べないという状況。
最初の攻撃機会である3分に、加藤がドリブルで剥がして敵陣に持ち込むというシーンがありましたが、流れの悪さに伴い加藤が自ら運ぶ頻度が多くなっていたこの日。

一方で守備時は、山本宗をトップにした4-4-2の布陣を取るのは以前と同様であり。
しかし前線の可変具合により、福島ボールに切り替わった際にスムーズに移行できていない感がありました。
ゲーゲンプレスの色を強めていたものの、それに伴い球際に強くいく意識も高まり反則も増え。
27分には森晃のボールキープに対しチャージした寺村が警告を受けてしまい。

このままでは被害が広がるのみと判断したか、ポジションを微調整する奈良。
中央でのプレーが目立っていた桑島を、山本宗の居たインサイドハーフ(兼トップ下)へと移し、ウイングは右に浅川・左に山本宗。
これによりトランジションの際にも気を使う事が減ったでしょうか。
また福島のサイド攻撃を阻めずにいたのを受け、トップ下が前に出ずの4-5-1で守備をする事が目立つようになります。

以降の奈良は、目立っていた加藤の前進も絡ませながらの、左サイドに人を集めたのちにサイドを変えての攻撃に活路を見出し。
高めの位置で受けた寺村がそのままアーリークロスを送り、34分には山本宗の落としを経て中島がボレーシュート。(枠外)
36分には中央で浅川がヘディングシュート(枠外)と、ようやくフィニッシュに辿り着ける流れを得ます。

そして前半最後のシュートは奈良で44分。
右サイドから斜めの縦パスの連続で運んでいき、中島がハーフレーン→ポケットへのスルーパス。
走り込んだ桑島のクロスはブロックされるも、拾った酒井の戻しを受けた森田が中央からシュート。
ブロックされた跳ね返りを中島がミドルシュート(大武がヘッドでブロック)と連撃を放ったものの、決められず。

結局スコアレスのまま前半が終了。
奈良は山本宗がポジションをサイドに移したのを受けてか、微調整すべくハーフタイムで西田と交代して後半に臨みました。

代わって左WGに入った西田から、連続してクロスが入れられたのが後半3分の事。
しかしそれを跳ね返し続けた福島がカウンターに持っていき、森晃のスルーパスに田中が走り込んだものの、戻った浅川のディフェンスで阻まれ。

激しい切り替わりを予感させる入りとなると、その通りに敵陣でのパスカットから好機を連続して作る福島。(4~5分)
福島優勢を予感させたものの、続く6分に最終ラインからの前進を経て浅川がミドルシュートを放った奈良。
ブロックされてコーナーキックとなると、クロスの跳ね返りを拾い続けた末に、左ポケットを取った浅川が4本目のクロス。
これを鈴木がヘディングで合わせたものの、ゴール上へと外れ。

しかし8分自陣での柴田のドリブルに対し、西田が後ろから引っ張る形で反則を犯した結果警告を受け。
更に10分、敵陣でパスカットに成功した西田でしたが、こぼれ球を拾った上畑に対しスライディングで倒してしまいまた反則。
2枚目を受けても可笑しくないシーンでしたが、何とか注意に留まり命拾いとなりました。

この西田の姿勢に引っ張られるように、中盤で激しい奪い合いにより幾度もトランジションが発生したのが12分。
その末にタッチを割るという具合に、互角の様相となってきた試合展開。
前半は5-2-3・5-4-1といった守備体制の福島も、後半になると前回同様の、森晃が最前線に上がっての5-3-2を選択したのもそれに拍車を掛けていたようでした。(11分に森晃→長野へと交代)

奈良は14分に西田・寺村が相次いで遠目からミドルシュートを放つ攻撃。(前者はブロック・後者は枠外)
前半好機が少なかったのを受け、積極的な意識を高めていたでしょうか。
16分には左スローインからの戻しを経て、森田が薄くなっていた中央を持ち運び、そのままミドルシュート。
福島ディフェンスの寄せが甘かったのもあり、決まったかに思えましたが惜しくもゴール左へと外れて先制はなりません。

ここから福島へとペースが切り替わり。
左右のセンターバックも前に出てのパスワークに対し、奈良は防ぎにいった結果再び反則を量産させる流れとなってしまいます。
これにより得たFKで脅かさんとする福島、18分に右サイドからのFKでキッカー上畑のクロスを、中央で跳ぶ大武を越えた奥で堂鼻がヘディングシュート。(GK岡田キャッチ)
20分にも敵陣で奪ってのショートカウンターの流れを(中島の)反則で止められると、FKの前にベンチは2枚替え。(塩浜・雪江→宮崎・澤上)
ここも上畑のクロスに大武が跳ぶも惜しくも合わずと、大武というターゲットが活きる展開になっていきます。
(奈良は23分に森田→可児へと交代、中島がアンカーに回る)

そして26分、右からの上畑のクロスがブロックされ、今度はCKに持ち込んだ福島。
これまで再三大武を狙っていたのを逆手に取るように、キッカー上畑はニアサイドにクロスを送ると、柴田の潰れを尻目に長野が脚で合わせ。
ニアを破る格好でゴールネットに突き刺さり、セットプレーの流れで仕留めきって先制点に辿り着きました。

追う立場となった奈良。
後半も半ばを過ぎている時間帯で、このままでは「ボールを持たされる展開」に持ち込まれる危惧が現実味を帯び。

しかし29分。
その通りに自陣~中盤でパスを繋いでいくも、右サイドで寺村が中央へとミドルパス。
桑島の手前でカットされるも、セカンドボールを西田が拾った事で守備陣形が乱れた所を突く奈良。
西田のパスをエリア内中央で受けた浅川が左へ横パスを叩き、託された酒井がダイレクトでシュート。
ゴールに突き刺さり、早期に同点に追い付く事に成功します。

その勢いのままに、続く30分にも好機に持ち込む奈良、浅川のディフェンスでのこぼれ球を拾った加藤がこの日再三見せるドリブルに入り。
そして中央へパスを送ると、ワントラップでエリア内に切り込んだ桑島のシュートがゴールを襲います。
しかし体勢を崩しながらのシュートだった事が災いし、威力に欠けた末に右ポストを叩いてしまい、惜しくも勝ち越しはならず。

32分に、福島の左からのクロスをダイレクトでキャッチしたGK岡田、その際に足を痛めてしまったようで治療を受け。
このブレイクで奈良の勢いは弱まりを見せ(岡田は無事にプレー続行)、長野の反撃に。
35分に敵陣で奪ってショートカウンターに持ち込み、上畑の縦パスを受けた澤上がシュートを放つもGK岡田がキャッチ。
39分にも素早い運びから左ポケットを突いた長野がカットインシュートを放つも、これもGK岡田にキャッチされ決められずと、岡田の無事ぶりを確かめるような攻めに終始してしまいました。
その間に双方最後の交代を敢行し、奈良が37分に桑島・酒井→片岡・森俊介。
福島が38分に上畑・柴田→樋口・古林と、双方2枚替え。
福島はこの交代で樋口の1トップとなり長野・澤上がシャドー、吉永・宮崎がボランチと微調整したうえで、再び5-4-1の守備体制を取り始め。

40分に右サイド遠目からのFKを得た奈良、キッカー中島のクロスは中央でワンバウンドするボールに。
これを鈴木が跳び込んで合わせ、右へ中途半端に浮いたボールを片岡が脚で合わせシュート。
しかしサイドネット外に終わり決めきれず。

均衡した流れで迎えた最終盤、試合を決めるのは思いきった変化か、あるいはちょっとしたミスか。
45分の奈良、左サイドを繋いでいき森俊が加藤とのワンツーでカットインを変化を付け。
これで崩しかけたものの、その後の寺村へのパスをカットされてしまい福島のカウンターに。(長野→田中へのスルーパスが繋がらず)

勿体無い攻めとなってしまった奈良ですが、選択権はその手中にあったようで。
その後突入したアディショナルタイムも、安易なパワープレイには入らず最後方からパスを回していく姿勢を貫き。

そして最後方の鈴木が右へパスを送ると同時に最前線に走り込み、寺村のアーリークロスを後方から合わせにいくシーンを作ります。
しかし叩きつけたヘディングシュートはGK山本海がキャッチと、巧く変化で意表を突いたものの結果は付いてきませんでした。

結局1-1のまま試合が終了し、引き分けに終わり。
奈良は堅い守備とボールポゼッションにより、ゲームをコントロールする下地は見せたものの勝ちきれず。
組織力満点のチームが「あとは個の力が課題」という状況に陥るのをなぞる様ですが、それを解決するにはグラウンドレベルのみでは難しく。
気の遠くなる話ですが、じっくり力を蓄える他無いといった感じでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第30節 松本山雅FCvsいわてグルージャ盛岡

2023-10-13 18:13:46 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

僅かに残る昇格への望みに向け、スパートをかけている最中の両チームの対戦。

特筆すべき動きを見せたのが岩手で、夏の補強では深津・西といった大ベテランの選手を獲得。
それに併せるかのように、現役引退したはずの那須(最終所属=神戸)が復帰・加入というサプライズまで起こるに至りました。
結局3試合のみの登録・出場1試合に終わり再び退団・無所属となった那須ですが、その出場試合(23節・愛媛戦、2-2)で土壇場での同点弾に繋がるプレーを見せるなど、新たな風を吹かせるには十分な出来となったでしょうか。
しかしその新風に飛ばされるかのように、監督の松原良香氏は解任され既に居らず。
新監督(中三川哲治氏)と、出場を重ねるようになった西らによるブーストに乗っている最中、といった所です。

松本のホーム・サンプロアルウィンに乗り込んで3連勝を狙う立場の岩手。
しかしその立ち上がりは何処かぎこちなく、粗雑なパスと、それに伴うアバウトな攻撃への傾倒でペースを掴めず。
GK丹野のフィードまでも乱れて自陣タッチを割ってしまう有様で、果たして全体試合終了後までに改善できるかどうかがこの試合の肝となった感があり。

そんな粗い岩手の姿勢を受けて、松本サイドでムキになってしまった感があったのが村越。
前半5分に前線でプレッシャーを掛けるも、仕掛けたアタックが反則を取られてしまうと不満を顔に出し。
そうして迎えた7分、西のボールキープを倒してしまい再度反則を取られた村越、抱えたボールを叩き付けるという暴挙に出てしまいます。
当然ながら警告が付き出され、緊迫した試合展開でも無い状況での行為は未熟という他無く。
これによる岩手のフリーキック(右サイド)から、キッカー新保のクロスの跳ね返りを田代がダイレクトでシュート(ゴール左へ外れる)と、意外にもファーストシュートは流れの良くない岩手の方が放つ結果となりました。

松本は過去にも見たように、選手間の距離を広めにしてパスを繋ぐという姿勢のビルドアップ。
それに対する岩手のプレッシングも、後方が連動せずと後手に回るシーンが多く。
立ち上がりは攻守ともに硬い印象で、負けられないという思いが先に立っていた感があり。

それでもセットプレーから、お互いフィニッシュを放ち合うという流れで得点期待値の観点ではほぼ互角の流れに。
しかし徐々に松本の繋ぐ姿勢が勝っていきます。
21分、左サイドからの前進で村越が倒されながらもポストプレイで繋ぎ、菊井の縦パスを受けた住田が中央をドリブル。
そしてエリア手前という所でシュート体勢に入り、プレスバックした藤村に倒されて撃てずにこぼれるも、エリア内左で拾った下川がシュート。
しかしその手前でスルーした小松が戻りオフサイドを取られて無効となり。
運ぶ形は作れていたものの、前述の村越の件然り、判定の運に恵まれずといった感じでした。

岩手は30分前後から、自身でも後方からパスを繋ぐ体勢を取り始め。
それまではロングボールや、反則気味のディフェンスによるボール奪取から「上手く好機が作れれば良い」といった姿勢でしたが、ここに来て硬さがとれたかのように振る舞い。
サイド奥まで運び、松本の守備体制を見て崩せそうになければ最終ラインに戻してやり直し……といったポゼッションスタイルの片鱗も発揮していきます。
早くも立ち上がりの悪さの改善が見られた岩手に対し、松本はサイドから攻め上がっても、下川のクロス精度の悪さがこの日は目立ち。
岩手の粗雑な部分が、何時の間にやら松本サイドに移り変わったかのようであり。

そして34分、左スローインからのパスワークで中央→右へとサイドを変え、宮市が右からクロス。
走り込むオタボーの後方に送られた低いボールを、バウンドののち和田がボレーで合わせきると、ボールはゴール右へと突き刺さります。
内容の反転を、見事結果に繋げた岩手が先制を果たしました。

一方ペースを握っていたはずの松本ですが、リードを許す格好に。
当然反撃に出るものの、流れを失った状態では厳しいものがあり。
37分敵陣で住田がパスミスを拾ってショートカウンターの流れになるも、米原へのパスがカットされると逆に岩手がカウンターに持ち込み。
カットした甲斐がドリブルで敵陣に運んで左へ展開、和田のアーリークロスが大外の宮市に収まる絶好機に。
しかし放たれたシュートは枠を捉えられず。

命拾いの格好となった松本。
尚も岩手の攻勢を受ける苦境に立たされたものの、41分に藤村のクロスを跳ね返してからカウンターに持ち込み。(シュートまではいけず)
これで冷静さを取り戻し、岩手の(前年のJ2時代から顕著な)弱点である「降りてくる選手にDFが喰い付く」性質を利用して敵陣へと運びます。
42分、左サイドで下川のキープに対し宮市が喰い付いた所を、住田のミドルパスで背後を取って好機。
受けた村越のクロスをニアで菊井がスルーし、ファーで収めた小松がシュートするもGK丹野のセーブに阻まれ。
ここからセットプレー攻勢に入り、コーナーキックに加えて村越のロングスローを活用して同点を狙いにいきます。

CKからの村越のボレーシュート(44分・枠外)、スローインからの繋ぎを経ての住田のシュート(45分・ゴール左へ外れる)と攻め立てるも、ゴールを奪えずアディショナルタイムに突入する前半。
そこで落とし穴にはまり、岩手は藤村のボール奪取から敵陣で攻撃し、松本ディフェンスに遭いながらもボール確保した末に弓削が左手前からクロス。
これを上がっていた西が胸でフリック気味に落とした所を、後方から猛スピードで上がって来たオタボーが強烈なシュート。
左ポスト内側を叩いてのゴールで、貴重な追加点に辿り着きました。
逆に松本にとっては、攻勢を続けていただけに痛い2失点目であり。

結局そのまま前半を終え、一層激しく追い掛けなければいけなくなった松本。
当然ながら交代カードに手を付け、野澤→山口へと交代します。

そのまま右ウイングに入ったかに思われた山口ですが、始まった後半は左の村越が引き気味な位置を取り。
守備時には最終ラインに降りる姿を見て、3バックへとシフトしたと思われる松本。
それでもドイスボランチ・トップ下菊井は変わっておらず、フォーメーションで言えば小松・山口が2トップの3-4-1-2という風だったでしょうか。

試合の方は、早々の後半1分に、右スローインにも拘らず逆サイドから村越がやって来てロングスローを敢行します。(ニアで常田フリック→野々村跳び込むもGK丹野への反則で終了)
何としてでも追い付くという意思表示の下、布陣変更の効果もあり反撃体制に入る松本。

そして後半5分、アタッキングサードで途切れるもすかさず回収して反撃、という繰り返しで3度目の攻撃。
右サイドを前進する体勢に入るも、戻しを経て(米原の)手前からのクロスを選択すると、これが伸びるボールとなってファーに向かい、小松がヘディングで合わせきり。
ゴール右へと突き刺さり、反撃の狼煙となる1点を挙げます。

その後も岩手サイドは、松本の新布陣に対応出来ていない感があり、広範囲に動き回る山口を度々フリーにさせてしまい。
また左ウイングバックとなった村越に対し、一層宮市の喰い付き具合が目立つようになり、そのスペースで山口がボールを受けるという風に綻びが露わとなっていきます。
この時間帯の松本、シュートこそ11分の小松のみ(しかもオフサイドで記録されず)だったものの、良質なクロスが際どい所に入るなど惜しいシーンを量産。
9分の山口のクロス(低いボールに中央で菊井が脚から跳び込むも合わず)然り、フリー状態によるクロスが脅威となり。
逆に言えば、この日クロス精度を欠いていた下川を最終ライン(左センターバック)に下げるのが目的だったという邪推も出来てしまい。

劣勢になった岩手は、13分に新保→石田へと交代。
これで宮市が逆の左WBに回った事で、村越とのマッチアップを回避したのが良かったでしょうか。
喰い付き具合は解消され、逆に17分には低い位置の石田に対し村越が前に出た結果、そのスペースを弓削がロングパスで突くシーンも生まれます。(その後和田のミドルシュートに繋がる)

更に直後の18分、ゴールキックからショートパスでのビルドアップを選択した松本ですが、左サイドで詰まって深めで奪われる結果となり。
そして西が奥でのカットインからマイナスのクロスを入れ、ニアで和田が合わせましたがジャストミート出来ずGK村山がキャッチ。
布陣変更による優位性はすっかり失われた格好となりました。

そして22分に双方選手交代。
松本が藤谷→滝、岩手が西→加々美へそれぞれ交代します。

FW登録の滝(普段はウイング)ですが、そのまま右WBに入り。
WGが出来るならばWBも出来るだろう、という目論見だったでしょうが、その後滝は守備時でも前目に残りがちとなり。
カウンターの橋頭堡という意味合いも含んでの事だったでしょうが、最終ラインにまで戻る事はほぼ無く、アンバランスに映りました。

そんな過度の前掛かりともいえる体勢で、何とか同点を目指す松本。
24分に敵陣右サイドで住田のボール奪取からショートカウンター、菊井のダイレクトでのクロスに中央で小松がフリーで走り込むという絶好機が訪れます。
しかし足下を狙ったこのクロスを小松は合わせきれず終わってしまい、痛い逃し方となり。
そして直後の岩手、ロングボールを収めにいったオタボーが常田に倒されて反則。
ここからのFK(左サイド)で、キッカー藤村のクロスをファーサイドで斉藤が落とした所に、下位が撃ちにいきましたが空振り。
流れた所を宮市がシュートするもこれもジャストミートせずと、こちらもスッキリしない逃し方に。
しかし松本サイドは攻勢の最中、セットプレー一発でひっくり返されるという危惧はするべきだったでしょうか。

31分、再び両ベンチの采配が交錯。
松本が下川・村越→橋内・鈴木へと2枚替えしたのに対し、岩手は田代・和田・オタボー→深津・桐・佐藤へと一挙3枚替え。

岩手が3人とも同ポジションでの交代だったのに対し、松本はさらに布陣変更があり。
村越が抜けた左WBには住田が回り、菊井がボランチに。
そしてトップ下には山口が回って小松・鈴木の2トップと、大きく動いてきました。(最終ラインは橋内が中央に)

当然ながら、尚も攻め上がる松本。
34分にはポジションを移した住田が奥を取って低いクロス、ニアサイドで山口が跳び込み。(クリアした深津を削ってしまい反則)
この日は高さのある岩手に対し、低いボールを中心にしたクロスに一貫していた節があり。

しかし36分の岩手、深津のロングパスからの攻めで右奥を取り、戻しを経て加々美が手前からクロス。
収めた佐藤のポストプレイを経て藤村がシュートを放つと、ブロックを掠めてラインアウトとなって左CKとなります。
ここでキッカー藤村のクロスを、甲斐が野々村との競り合いを制してヘディングシュート。
ゴールネットを揺らして再び2点差とした岩手、懸念されたセットプレーで試合が動く事となりました。

押し迫った時間帯で、再び2点ビハインドからのやり直しを強いられた松本。
やはり落ち込みは隠せず、好機は作ったものの勢いに欠け。(38分に山口がミドルシュートもGK丹野がキャッチ)

そしてその隙を突かんとする岩手は41分、藤村のボール奪取からダイレクトパスを交えながら多少強引な前進。
松本ディフェンスもそれを阻まんとするも、佐藤の倒れながらの繋ぎなど岩手のフィジカルの前に撃沈する格好となり。
そして加々美が中央を運び、ペナルティアークでボールコントロールを果たした末に放たれたシュートがゴール左隅に突き刺さります。
止めといえる4点目を挙げた岩手。

これで勝利はほぼ間違い無しという状況になりましたが、その後のサッカーには不安を覚えるものであり。
突入したAT、松本陣内でルーズボールとなった所を、追い掛けた佐藤が橋内を引っ張る格好となって反則。
これに対しベンチから異議を飛ばした西が、あろう事か警告を受けてしまいます。

完全な余分なカードであり、さらに最終盤にはアフターチャージにより桐も警告を受け。
これにて累積警告となってしまい、既に同様に(31分に)4枚目の警告を受けていた弓削と合わせ、2人も出場停止になってしまった次節。

松本のパワープレイをいなして無事に逃げきった岩手。
3連勝達成という結果は喜べるものの、その後も勝ち点を稼がなければならない立場な以上、カード量産の流れは避けたかった所であり。
そこら辺は西のベテランらしくない振る舞いが招いたというべきか、あるいは鹿島時代から(ラフプレー傾倒の姿勢は)変わっていないなと再確認すべきか。
ともかく、窮地を乗り越えて上位に肉薄したい所でしょう。

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