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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第34節 FC町田ゼルビアvs松本山雅FC

2020-11-16 18:21:35 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の町田の記事はこちら(26節・京都戦)
※前回の松本の記事はこちら(24節・山形戦)

固定メンバーでの戦いを主体に置く町田ですが、この5連戦の成績は芳しくない出来。
3連敗で迎えた前節・山口戦は、ボランチの佐野がサスペンドで欠場。
しかし怪我の功名で、平戸をボランチに起用して急場を凌ぎ、見事にウノゼロの勝利で連敗を止めてこの日に臨みました。

今回の5連戦で大きな動きは、安藤の離脱もありFWにはステファン・中島を重用。
しかしそれ以上に目立つ事象は、正GKの交代が行われた事。(秋元→福井)
前の5連戦で特に守備崩壊したという訳でも無いので、シーズンも終盤に入った中で、秋元のレンタルバックを睨んでの起用なのかもしれません(湘南からレンタル中)。

一方メンバーを固定したくても、故障者続出で中々叶わないのが松本。
監督を交代して挑んでいる後半戦も、ジャエル・山本龍平が試合中に故障した他、藤田・高橋とベンチ外が続いている選手の数が膨らみつつあります。
そんな中、大分からレンタルで獲得した佐藤がレギュラーに定着し、第3の移籍期間で栃木からレンタルバックされてきた韓勇太(ハンヨンテ)も戦力に組み込み。
陣容を固めるべく必死になっています。

どちらのチームとも、前年のロングボール偏重のサッカーから、一定の割合でボールを繋ぐ事を取り入れている現在。
立ち上がりはロングパスによる主導権争いが行われたのち、先に町田がペースを掴みます。
長短織り交ぜて攻撃を展開し、前半6分には酒井が、8分には平戸がミドルシュート。
いずれもクロスが跳ね返されてから撃ったもので、前者は枠外、後者はブロックされたのちエリア内の中島が拾うもオフサイド。

先に矢を放ったものの効果は今一つだった町田の攻撃。
それを打開しようと、ボランチの高江が前に出る場面が目立ち始めます。
9分には中盤でパスカットした高江、中島へパスを送るとそのまま前へ上がり中島のスルーパスを受けにいくも、付いてきた松本・杉本に奪われ報われず。
12分には敵陣浅めでのパスワークから上がりを見せた高江に、佐野の縦パスが入ると高江はこれをフリック。
エリア手前に居た中島に送るも、中島→岡田へのパスは繋がらず。
変化を付ける試みも、結果には結び付きません。

すると主導権は松本に移り、14分に早速決定機が。
右サイドでのパス回しから佐藤が左へサイドチェンジ、受けた中美が阪野とのワンツーで前進したのちクロス。
ファーサイドへ落ちるボールを、浦田が合わせボレーシュートするもGK福井がセーブ。
直後のコーナーキックでも、キッカー佐藤のクロスの跳ね返りをセルジーニョが拾い、エリア内右を抉ってマイナスのクロス。
これを大野がシュートしますが、再びGK福井のセーブに阻まれます。

そして19分、左サイドをセルジーニョのスルーパスで突破し、中美からグラウンダーでクロスが入ると前のポストプレイでエリア外へ。
受けたセルジーニョがシュートするもブロック、こぼれ球を前が拾い、エリア内でフリーでシュートしますがGK福井がセーブ。
こぼれ球を阪野が詰めるも福井が足で防ぎ、再度阪野がシュートと連続攻撃を浴びせるも、福井が3度目のセーブでゴールを割らせず。
決定機の連続となりましたが得点出来なかった松本、以降もペースを握ったまま飲水タイムへ。

ブレイクを挟むと町田も落ち着きを取り戻したか、再び攻め上がります。
27分、高江のラフなロングパスがこぼれ球となるも、中島が収めて再び高江の下へ。
ダイレクトで高江が縦パスを岡田へ送ると、受けた岡田はエリア手前からシュートするもGK村山がセーブ。
両GKが目立つ試合展開を描きます。

しかしここからは一転し割と落ち着いたゲームとなり、共に決定打は出ず。
そんな展開を受け前半も終盤となり、松本はボールを繋ぐ事で打開を試みます。
45分、長いパス回しを交え町田陣内で攻撃、時折カットされるもセカンドボールを拾い続けてキープ。
そうして右→中央→左とサイドを変え、左サイドで中美がボールを持った所で町田・酒井に倒され反則。
フリーキックという形でこのポゼッションは報われましたが、得た好機はモノに出来ず。(セルジーニョニアにクロス→杉本フリックも上空に上がる→クリア)
結局スコアレスで前半を終えます。

後半がスタートし、入りの1分に阪野がシュートを放った松本。(浦田エリア内右へロビング→セルジーニョの落としを受けてシュート・ブロックされる)
しかしその後は攻め合うも、町田に有効打が目立つ展開となります。
その中で3分に決定機を得た町田、左からの岡田のクロスがクリアされるも、平戸が拾ってエリア内右へロングパス。
走り込んだジョンチュングンがライン際でクロスを入れると、ファーサイドで岡田がヘディングシュート。
しかしゴールポストを直撃してゴールならず。

何とか町田の攻撃を凌ぐ松本、ピンチの後にチャンスあり。
8分、ショートパスで右サイドから中央へ繋ぎ攻撃、セルジーニョ縦パス→坂野ポストプレイを経て受けた常田が前進。
そしてエリア手前から果敢にシュートを放つと、ブロックの深津に当たりボールはゴール右隅へ。
当たっているGK福井のダイブも及ばず、先制ゴールを奪った松本。
パスサッカーへの傾倒姿勢がついに報われました。

尚も攻め込む松本、9分にも左サイドを縦パスの連続で打開、中身のクロスがクリアされたボールをセルジーニョが拾ってミドルシュート。
ブロックされるも佐藤が拾い、再度セルジーニョに渡ってシュート(GK福井キャッチ)と連続攻撃。

松本の流れになりかけるも、再び町田に決定機が。
13分深津がエリア内右へとロングパス、裏抜けした中島に渡る絶好機となり、そのまま中島がシュートを放つもGK村山がセーブ。
しかし平戸が拾い、戻したボールを高江がループ気味にミドルシュート、これがゴールバーを直撃。
枠に嫌われる場面を量産してしまう町田。
尚、このシーンで松本・中美がエリア内で痛み続行不可能に。
折りしも交代を用意していた松本ベンチ、変えたのかどうかは不明ですが、中美は担架で運ばれ退きます。(鈴木と交代、同時に前→塚川へと交代)

先制点を奪われて以降、町田はそれまでのボックス型でのビルドアップから、丁の字型で作っていく形への変化が目立っていきます。
前述の決定機も、その影響で右に開いた深津からのロングパスが契機。
しかし以降は目立った場面は作れず、流れを変えに交代を用意した所で飲水タイムに。(24分)

そして明けた後に(25分)中島・ジョンチュングン→ステファン・橋村龍ジョセフへと交代(岡田が左サイドハーフ→右SHへシフト)しますが、丁度ブレイク直前に見せてしまった事で対策を練られてしまったのか。
有効打に結び付かないばかりか、27分に松本が追加点をゲット。
常田縦パス→セルジーニョポストプレイを経て左サイドで前進、そして鈴木のクロスが上がると、ファーサイドで塚川がヘディングシュート。
町田・奥山との競り合いを制し、ゴール左へと突き刺す事に成功します。
これで地味にチーム得点王に並ぶ7ゴール目を挙げた塚川(セルジーニョ・阪野と同数)、ターゲットとしての役目を果たしました。

2点リードを奪った松本、29分に浦田→田中へと交代。
故障明けから間もないベテラン・田中ですが、これで3試合連続で途中出場。
全盛期のようなサイドの突破力というよりは、経験を活かして試合を閉める役割を担っているのでしょうか。

それでも、ビハインドを跳ね返さんとする町田がここから攻勢に。
32分にはロングパスをエリア内左でステファンが収め、そのままシュート。(ブロック→GK村山キャッチ)
しかしその後はリズムを掴めず。
折角スルーパスをエリア内へ送っても、33分にはステファンが、35分にはジョセフが受けるもシュートは撃てずという場面が。
攻め込むものの、行き詰まり感を覚える展開となります。

それを受けて、38分に再び2枚替えを敢行する町田。(水本・酒井→ドリアン・バブンスキーとノリエガ・エリック)
ディフェンスライン2人を下げての、大胆な配置転換を敢行します。(佐野がボランチ→センターバック、平戸・FW→ボランチ)

しかし40分に松本が、右サイドでのパスワークから田中がエリア内右へとロビング。
塚川が擦らしたボールを杉本が受け、リターンパスを塚川がシュート(ゴール左へ外れる)と、再び町田の交代直後に松本が好機を得る絵図が。
その後(42分に松本は阪野・杉本→韓・米原へと交代)双方ともオフサイド祭りとなり、シュートが生まれないままアディショナルタイムへ突入します。

時間も無くロングボール攻勢を仕掛けるしかない町田。
3分経過した所で、深津のロングパスがエリア内へ入ると、バブンスキーが落とす→ステファンポストプレイを経て岡田がシュート。
流れるような攻撃でゴール左に突き刺し、1点を返します。

尚も躍起になって攻める町田でしたが、その姿勢が焦りへと変わってしまったか。
バブンスキーが松本・鈴木にアフターチャージ、笛が鳴ると両軍ヒートアップし乱闘寸前の場面を作ってしまいます。
反則気味なチャージが流される場面が目立っていた(双方とも)この日、フラストレーションも限界突破してしまったのか。
この場面でバブンスキーに警告が与えられたものの、その後には今度は松本側が、セルジーニョがボールを蹴り出した深津に対しアフターチャージ。
当然の如く反則となり、セルジーニョにも警告が。

最後に試合以外での局面が目立ったものの、1-2のままタイムアップとなり、松本が逃げ切って勝利。
これで監督交代後に勝ち点(39)の過半数を稼ぐ事となった松本、客観的に見て交代は功を奏したといえるでしょう。
ただ監督を代えただけでは数試合の効果しか得られず、また低迷の道を歩む事になるのは明白。(今季ではJ1の神戸が好例、寝耳に水的な交代でしたが)
上手く就任前までの流れを継ぎつつ、悪い部分は切り落とす。
そんな舵取りを見せている柴田峡監督ですが、来期以降の続投は果たしてどうなるか。


DAZN観戦 2020年J2リーグ第32節 栃木SCvs京都サンガFC

2020-11-09 17:02:03 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の栃木の記事はこちら(29節・愛媛戦)
※前回の京都の記事はこちら(29節・琉球戦)

「10位以内」という当初の目標が、現実的なものになりつつある栃木。
最近5試合では無敗・失点僅かに1と好調なのは間違い無いですが、攻撃の火力不足は依然として払拭できず、3引き分けの2勝に留まっています。

新たな5連戦に突入後、30節(甲府戦)・31節(松本戦)といずれもスコアレスドローで、迎えたこの日の3戦目。
相手は京都、前半の対戦では自慢の守備が崩されて3失点の敗戦(2-3)となってしまい、復讐に燃えるべき対象でしょう。

前半の入りは、前半2分に京都がフリーキックから、クリアされたボールを飯田がミドルシュート。(枠外)
栃木も4分にコーナーキックから、クリアされたボールを西谷がミドルシュート(ブロック)と、セットプレーからのミドルの応酬で幕を開けました。

栃木のこの日の2トップは、明本とエスクデロ競飛王。
何でも出来る明本が第一オーダーなのでしょうが、それ故組む相手によってプレイスタイルが変わるというのがこれまでの印象。
最近スタメンが多い榊(この日はベンチスタート)との場合は、自ら降りてボールを引き出すという事を積極的に行う反面、相手ゴール前での絡みが少なくなる事が多かった。
しかしこの日はエスクデロが主にその役目を担う事で、ゴールに近い位置でのプレーが目立っていました。

12分、右からのスローインを受けたエスクデロがバイシクルで中央へ送り、佐藤から縦パスを受けた明本がポストプレイ。
走り込んだエスクデロがループシュートを狙いましたが、枠を捉えられず。
ゴールはなりませんでしたが、この日の2トップの関係が現れた好機だったと思います。

序盤にペースを掴むという平常運転の栃木に対し、京都は最初のシュート以降は中々リズムを掴めず。
ビルドアップで行き詰まったのち、ヨルディ・バイスがロングパスを送るという事を何度も繰り返しているうちに、20分頃まで経過します。
その20分に相手CKのカウンターから好機、キャッチしたGK清水が低く速いフィードを左へと送り、仙頭が走り込んで受ける事に成功。
そのまま奥手前まで進んだ所、栃木・溝渕に倒されて反則・FKに。
ここではシュートに繋がらずも、閉塞感をある程度打破出来たのか、以降京都が攻撃権を支配していきます。

とはいっても、依然としてロングパスやセットプレーに頼る場面が多かった京都。
それでも飲水タイムを挟んだ27分、バイスのエリア内へのロングパスを仙頭が受け、左へ流れた後中央へと戻し、黒木を経由して庄司がシュート。(ブロック)
31分にバイスの右サイドへのロングパスをピーター・ウタカが収め、中央へ流れてからパスワーク、細かく繋いだのち仙頭がエリア内からシュート。(ブロック)
シュートまで持っていく攻撃を見せると、33分にはルーズボールに対し庄司が縦パスを入れてショートカウンター気味に攻撃。
相手にカットに入られるもウタカにこぼれ球が繋がり、そのままウタカがシュートしますがGK川田がキャッチ。
ロングパス以外の攻撃も見せ始めましたが、結局終始ロングパスでの打開を試みていた印象の前半でした。

これもプレスの激しい栃木が相手だからこその策だと思いますが、栃木サイドも前回対戦の反省を生かしてか、裏を取られない事を重視。
積極的なプレスはあまり見られず、唯一35分にGK清水のパスを黒﨑がカットし、その後エスクデロのシュート(枠外)に繋げた場面ぐらいが目立ったでしょうか。
そのため京都の後方でのパス回しの時間も多くなり、膠着状態に。

40分、そんな展開に焦れたのか、左からのスローインを受けたウタカがワントラップからラフに右へサイドチェンジを見せます。
これが繋がって曽根田がドリブルからパス、飯田経由で今度は川崎がドリブルでエリア内右へと進入し、そのままシュート。(ブロック)
何とか違う攻撃で打開しようというウタカの機転が見られた場面でしたが、結局ゴールを奪う事は無く。

アディショナルタイムには再び栃木が攻勢に出て、最後は溝渕がロングシュートを狙った(枠に跳ぶもGK清水キャッチ)のを尻目に、西谷が主審と衝突して痛むという珍しい場面が。
珍妙な空気が生まれてしまいつつ、前半を終えます。

3試合ぶりの得点に向け、パワーを持って攻めたい栃木は後半立ち上がり。
バイスの反則でかなり手前からFKを得ると、ロングボールを入れると見せかけ、西谷のワンタッチから明本がドリブルで前進。
そうして近づいてからロビングを入れる(田代が合わせにいくもクリア)と変化を付けてきます。
その後の後半4分に左サイドで森・溝渕・明本がパスワークしたのち、溝渕のパスをエリア内左で明本が受けた所、京都・庄司の足が掛かって倒れてしまいます。
庄司はパスワークで崩され転んでいたという体勢でしたが、笛は鳴らず。
栃木の攻勢に、際どく防ぐ場面が増えていく京都。

しかし10分過ぎから京都も反撃に出、逆に攻撃権を支配。
それでも中身は前半と同じく、ロングパス攻勢&セットプレー。
16分の右CK、キッカー黒木がファーサイドへ高いクロスを送ると、バイスが収めたのち再度ファーサイドへクロス。
これを曽根田が合わせシュートしますが、枠を捉えられず。
デザインされた(と思われる)プレーを見せましたが、得点には結び付きません。

強度が落ちてきたと判断したか、20分に栃木は選手交代。
エスクデロ→榊へと交代し、2トップの関係性に変化を与えます。

そして直後の21分に、敵陣で佐藤が拾ってから攻撃開始、左サイドで繋いだのち溝渕が中央へ縦パス。
これを榊がポストプレイで横パス、受けた明本がエリア内右からシュート。
ゴール左を見事に捉えて先制点を奪います。
この際の2トップの動きはというと、左サイドで回しているうちは榊がそこに加わろうとしていましたが、溝渕がパスを出す直前に中央へ移動。
一方の明本は中央に張った後、榊が中央に来てからは右へと移動し、榊からのパスを受けれる位置へ。
相手のクリアから始まった攻撃で前残りしていたのもありましたが、横の関係が上手くハマった場面でした。

ビハインドとなった京都、24分には川崎の縦パスをウタカが受けて中央から攻撃。
ウタカから受けた仙頭がドリブル、エリア手前からシュートを放つもブロックに阻まれます。
飲水タイムを挟んだ27分、左サイドで本多が裏へロングパス、栃木・柳のクリアミスで黒木がエリア内左でボールを受けてシュート。
しかしGK川田にセーブされ、ミスを突いたもののモノに出来ず終わります。

栃木サイドも29分、左サイドで森が拾い前進、相手クリアをブロックして尚もドリブル。
エリア手前でカットインを仕掛け、最後はエリア内右からシュートを放つもブロック、こぼれ球を黒﨑がシュートしますが枠外に。

30分に双方2枚替え(京都=黒木・曽根田→荒木・谷内田、栃木=溝渕・大島→瀬川・山本)を挟み、攻撃権を得ていく栃木に対し京都に閉塞感が漂います。
やっと反撃の形を得たのは36分の事(34分に川崎→福岡へ交代)で、ゴールキックを敵陣でウタカが落としてからの攻撃。
パスワークを経て荒木が左サイド奥へ進入し、カットインの姿勢からシュート気味のクロスをグラウンダーで入れるも合わず。
これが栃木DFに当たったとされCKとなり、クリアされた後の二次攻撃。
後方でボールを繋ぎつつ栃木のプレスをかわし、本多のエリア内左へのロビングをバイスがトラップののち落とし、庄司がシュートするもゴール右へと外れてしまいます。

落胆するような決定機逸でしたが、栃木も39分に交代(明本・西谷→矢野・岩間)してからは、明白なターゲット(矢野)狙いになった影響で守勢に。
これを機にやっと京都はショートパスが繋がり始めますが、40分過ぎからはバイスのパワープレイ体勢へシフト。
何となくやる事がチグハグに思えたものの、最初は下手にロングボールを入れない攻撃で好機を作っていきます。
44分、庄司縦パス→ウタカポストプレイ→仙頭右へ展開→飯田キープ→安藤という流れから、安藤のクロスがファーサイドへ。
そしてバイスのヘディングシュートが炸裂しますが、GK川田がファインセーブ。
再び決定機を逃した京都でしたが、AT(5分)に入りさらに攻勢を掛けます。

その中頃、左サイドでウタカからクロスが上がり、ファーでバイスが折り返したのち谷内田がヘディングシュート。
これもGK川田にキャッチされ防がれると、その後得た右サイドからのFK。
キッカー庄司のクロスをニアサイドで跳んだ安藤が擦らしてファーサイドへ、そしてバイスが合わせたものの、ジャストミートせずGK川田がこれもキャッチ。
次々と決定機を得ましたが、同点ゴールを奪う事は最後までありませんでした。

ウノゼロという得意の形で、無事に京都にリベンジを果たした栃木。
後半戦に入り福岡・長崎・山形と、上位組にダブルを付けられるカードが多発していたものの、これで少し持ち直したでしょうか。
次節は同じく前半戦で黒星(0-1)だった首位・徳島が相手であり、同じコンセプトで挑む事になるでしょう。


DAZN観戦 2020年J2リーグ第31節 モンテディオ山形vsアルビレックス新潟

2020-11-06 18:36:04 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の山形の記事はこちら(28節・水戸戦)
※前回の新潟の記事はこちら(23節・琉球戦)

毎年外国人助っ人を数多獲得する傾向にある新潟ですが、この日はスタメンに名を連ねる助っ人はゼロ。(ベンチには鄭大世(チョンテセ)1人)
ロメロ・フランクや舞行龍ジェームズと日本国籍を有している選手は居たものの、珍しい事象が発生したのは、既に周知の事件とは無縁では無いでしょう。
事件発生後もファビオがリーグ戦出場を続けていたという事で、クラブの対応や体質も批判の対象になってしまった。(本日、社長の交代が発表されたとの事)

グラウンドレベルで見ると、ファビオが欠かせない戦力であったのは、発覚後FW不足に悩んでいる事からして明白。
既に最晩年である鄭は前節まで4試合連続スタメンと穴埋めに東奔西走しており、この日はベンチに留まり。
1トップには矢村が起用されました。

その他編成面では、夏の移籍期間でレンタル移籍していた秋山が、第3の移籍期間も終盤になってレンタルバック。
J3・沼津への在籍期間は僅か一月半と短いものとなりましたが、8試合で3得点と攻撃面で活躍していた模様。
2人が契約解除となったが故の穴埋めでは、と穿った見方もしたくなりますが、この日早速ベンチ入りを果たしました。

マウロが出場停止、ゴンサロ・ゴンザレスの負傷離脱も重なっての「助っ人ゼロ」となったこの日。
さらにGK小島が負傷と、厳しい事象のオンパレードな新潟。
マウロの穴に入ったのは本来サイドバックである早川(一瞬、田上とポジションが逆なのではと疑った)、という具合にイレギュラー感ありありのスタメンで挑みました。

その通りに、従来ポゼッション重視のサッカーを目指していたはずが、この日は早め早めにボールを前へ送る事が数多。
そして山形のパスワークに対し猛烈なプレッシングを掛けるという具合に、むしろ「ストーミング」に近いスタイルに見えました。
それでも立ち上がりは山形の攻撃に難儀している節が見受けられ、代役CBの早川は前半6分に早くも反則で警告を貰う有様。
これで得た山形の直接フリーキック、キッカー中村駿が直接狙いますが壁に当たりモノに出来ず。

序盤の山形の攻勢を凌いだ新潟、攻撃では裏狙いのロングパス中心の入り。
中々攻撃機会を得られず、攻め入ってもシュートまでいけないシーンの連続でしたが、17分にコーナーキックを獲得。
この右からのCK、キッカー島田はショートコーナー気味にエリア内にパスを出し、戻りながらのパスワークを経て手前からクロスを上げる島田。
これがニアサイド側でワンバウンドすると、山形ディフェンスはお見合いしたのかクリアにいけず(最も近かったのは半田)、その隙を矢村が突いてシュート。
実にあっさりと、という表現をしたくなるゴールが決まり、初シュートで先制に成功した新潟。

反撃したい山形、押し込んでセットプレーも多く得るも、無得点のまま飲水タイムへ。
明けた後の27分、左サイド奥からのFKでキッカー・ヴィニシウスのクロスがクリアされると、そのボールをダイレクトで加藤がボレーシュート。(枠外)
そして29分、プレッシングでGK藤田のパスミスを誘い、拾った南がシュートしますが戻った藤田にキャッチされ決められず。

双方ミスがあれど、確実に突いて決めた者とそうで無かった者の差、というここまでの試合展開。
そんな事を考えていると、34分には敵陣深めで新潟がボール奪取、左サイドからボールが繋がり中島がエリア内でシュート(ゴール右へ外れる)という冷や汗ものの場面が。
山形がホッとしたのも束の間の35分、今度は島田のロングパスに走り込んだ矢村に対し、チェックにいった半田が入れ替わられてかわされる事態に。
そして中央に切り込まれ、スイッチしたロメロがエリア内左からシュートを放つと、右サイドネットを揺らしてゴール。
再び最終ラインのバタつきが失点に直結する事となりました。

2点リードを奪った新潟ですが、その後は審判の判定に中々リズムを作れない展開に。
痛んで倒れる選手が現れても反則無しという場面が目立ち、それに苛立ったのか、舞行龍が異議で警告を貰ってしまうシーンも。(42分)
「ストーミング」のようなスタイルで挑んだ影響か、フィジカル勝負を強いられたが故の事象だったでしょうか。

後半に向けて気分的にスッキリしたい新潟、44分に流れの中から得点チャンス。
左サイドからのスローインで、ロメロが倒れながらもポストプレイで繋ぎ、堀米が中央へとパス。
受けた中島が切り返し、ペナルティアークからシュートを放ちましたがGK佐藤のセーブに阻まれます。(こぼれ球を田上がボレーシュートも枠外)
3点目はならなかったものの、良い流れを得つつ前半を終えました。

後半立ち上がり、2分に早くも新潟がチャンス。
島田のロングパスを左サイドで矢村が収め、エリア内左からのクロスはブロックされるも、拾い直して後方へパス。
高木が走り込んでシュートしましたが、これもブロックに阻まれます。
しかし良い流れはそのままという入りで、5分には島田のパスカットから、堀米がロングシュートを狙うも惜しくもゴール上へと外れ。
13分には長短のパスを交えた後、高木が中央をドリブルして左へスルーパス。
受けた堀米からのクロスはエリア手前へと上がり、ペナルティアークに居た福田がボレーシュート。(ブロック)
15分からはCK攻勢となり3本目で決定機、キッカー高木からの最初のクロスを舞行龍が折り返すも誰も触れず。
そして再びの高木のクロスをニアサイドで福田がヘディングシュート、しかしゴールバーを掠めて上に外れ。
ビハインドを跳ね返したい山形を封じ込めつつ、ゴールを脅かしていきます。

後半になって反撃の糸口すら掴めず、窮地に立たされた山形。
今までは敗戦の試合であっても攻撃の形は良く作れていた傾向にありましたが、前節・京都戦の完敗(0-3)に続き、この日も同じような流れに。
特に相手のプレスの激しさに難儀し、形が作れないまま点差を離されるという内容です。

ボールを繋ぐサッカーといっても、今季のJ2は空前のポゼッションブーム。
単に支配率を高めようとするだけでは、逆にクラブの特徴が埋没してしまいかねないという状況にあります。
その中で山形のビルドアップは割と特徴的で、ボランチをサイドに張り出させたうえでSBを上がらせるスタイル。
そしてサイドハーフ・トップ下と協力しつつ、サイド深くまで攻め入るという攻撃、これが基本なのでしょう。
しかし激しいプレッシングの前に機能せず、ここからどう建て直していくのかの岐路になるのでしょうか。同じプレスが持ち味の栃木にはダブル達成しているのですが

話を試合に戻すと、18分に山形は加藤・南→末吉・前川へと2枚替え。
突破力旺盛な末吉を左SHに置く事で打開を図りに来たのでしょうか。
以降、左サイドからの攻撃でチャンスを作っていく山形。
20分には中央から、末吉がロングパスを受けたのちシュート。(ブロック)

そして21分、CKを得てキッカー・ヴィニシウスのクロスがクリアされた所で笛が鳴ると、ボールと無関係な所で熊本が倒されており反則・PKとなります。
これをヴィニシウスが蹴り、ゴール左へのシュートをGK藤田に触れられるも、パワーが勝りゴール。
1点差に迫った山形。

丁度飲水タイムが挟まれ、1-2となって再開。
しかしラッキーなPKゲットという形だったためか、山形が勢いを持って臨む事は無く。
逆に新潟がセカンドボールを拾い続けて攻撃を仕掛けます。
良い流れの中で、その支えとしていた前線からのプレスの運動量の補填のために交代カードを使用。
27分にロメロ→本間に(高木が左SH→トップ下にシフト)、29分に矢村→鄭へと替え、強度を保たんとしました。

山形サイドも交代しようとしていた所、30分にヴィニシウスが新潟・田上に対しスライディングを仕掛け反則、警告を貰ってしまいます。
そしてその直後に交代が為され、ヴィニシウスが引っ込む(大槻と交代)という絶妙な流れになったのが少し可笑しかったです。

尚も果敢なプレッシングで山形の攻撃を切らんとする新潟、34分にはGK佐藤がパスを出そうとする所を本間がカット。
直接ゴールラインを割ってチャンスにこそなりませんでしたが、終始その姿勢を見せるシーンとなりました。

しかし次第に山形が左サイドを突破する場面が多くなり、40分過ぎからは完全に攻撃権を独占するに至ります。
奥まで進入してクロスを何本も入れていく山形、しかし新潟の堅い中央に跳ね返され続け、時間を浪費。
それでも押し込まれる新潟、ついには高木→新井へと交代(42分)し、ひたすら中央を閉める姿勢となりました。

45分には左サイドでパスワークも、クロスは上げず中央へと戻し、中村駿がミドルシュートの体勢に。
しかし新潟ディフェンスの寄せが早く、あえなくブロック。
ATも終盤、大槻目掛けた松本のロングパスが通り、大槻はエリア内で収めてからシュート。
しかしこれもゴール右へと外れ、同点ゴールが生まれる事はありませんでした。

これで4試合ぶりの勝利となり、5位をキープした新潟。
皮肉にも事件発覚以降は無敗で来ていましたが、3試合連続引き分けという数字が示す通り流れはあまり良くなく。
万全で無かったメンバーで掴んだ勝利で、暗雲は吹き払えたでしょうか。


DAZN観戦 2020年J1リーグ第26節 横浜FCvs大分トリニータ

2020-11-05 17:02:55 | サッカー視聴記(2020年以前)

元々(大ベテラン選手の多さ故)断層が出来てしまっているような選手編成なうえ、トップスコアラーの松尾(7得点)が故障で長期離脱と、苦労が絶えない横浜FC。
そんなチームの指揮を執るのは下平隆宏監督で、柏OBの経歴通り監督業を柏でスタートさせ、紆余曲折を経て再びJ1の監督としてピッチ脇に立っている今季。
現状は下位に佇んでいますが、降格の無いこの1年間をどう有意義に使うか試行錯誤を重ねている事でしょう。

一方の大分、順位的には中位の一番下ぐらいの立ち位置に居ます。
それでも横浜FC同様、2年間のスパンでJ1定着を図るべくの手法を獲らなければならない立場。
前年に旋風を巻き起こした事で、説明不要の高評価を得た片野坂知宏監督も既に5年目。
大分OBなのは間違い無いのですが、選手時代最も長く在籍していたのは柏。(Jリーグ発足前の歴史も含めればマツダ→広島なのだがそれは置いておく)

つまり下平氏・片野坂氏の元同僚対決という側面も持つこのカードで、クラブの立場的にも似た者同士。
そしてポゼッション重視の組織力溢れるサッカーを展開するものの、得点力不足で中々上に行けず、というピッチレベルでも酷似しています。

鏡に写したかのような相手との対戦。
ただしフォーメーションの面ではミラーマッチとはいかず、大分の3-4-2-1に対し、横浜FCは4-2-3-1の登録。
さらに試合が始まると、手塚がアンカーの立ち位置で、4-1-4-1のような形を採っていました。

前半はそんな微妙な変化を醸し出す横浜FCがボールを握る展開を描きます。
それでも中々フィニッシュまではいけず、対する大分も、相手のプレスを避けるようにロングパスが多めの入り。
そのため嫌がうえでも、横浜FCのビルドアップの観察に神経を使う前半となりました。(自分だけか?)

ボランチ1人の通称「1アンカー」の配置。
そのため相手側は、そのアンカーへのパスコースを消す事が第一に求められるので、FWがプレスを掛ける際はそこに気を遣う事となります。
この日の大分は最終ラインへのプレスは控え目で、手塚へのチェックを重視する立ち回り。

その分他の場所を使わなければならず、アンカーがボールに触るのは、横や前方からのパスとなりがちです。
故にサイドバックはあまり上がらず、インサイドハーフ(以下、IH)と協力しつつビルドアップの出口を作っていく。
この日の横浜FCの振る舞いを簡単に言えば、そんな所でしょうか。
マークされる手塚が拘われない分、IHの安永・齊藤功佑が降りて来てパスコースを増やすという図式に。
そうして前進出来た所で、初めて手塚の能力を活かす事が出来る。

前半10分に初シュート(手塚の遠目からのシュート・枠外)を放ってからも、慎重にボールを繋ぎ、バックパスで作り直す事が多かった横浜FC。
どちらかといえば、サイドハーフの中山・斉藤光毅の突破力に賭けている節が感じられました。
大分も同じ立ち回りながら中々好機を掴めず、飲水タイム直前に野村のパスを活かしてようやく攻め込む場面を演出。

そして飲水タイムが明けた後の26分、横浜FCは左サイドでボールを繋ぎ、小林の裏へのロングパスにSBの袴田が上がって受けての好機。(その後大分・岩田に奪われる)
SBが前線まで上がるというペースアップが感じられた場面で、その通りに先制点を得るのですが、あまり関係の無いセットプレーからでした。
28分のエリアからかなり手前の右からのフリーキック、キッカー・手塚はエリア内中央へクロス。
そこに多数の選手が雪崩れ込む中、センターバック・田代が左足で合わせてシュート。
混戦を制し、横浜FCが攻撃権を支配していた通りに得点を奪いました。

ビハインドとなった大分、以降はFWが最終ラインまでプレスを掛ける場面が目立ち始めます。
いかにも追い掛ける展開、といった感じでしたが、報われるどころか逆に窮地に立たされる事に。
32分、左からのスローインで横浜FCが攻撃を展開、瀬沼が落としたのち中央→右へとパスを繋いでサイドチェンジ。
そして右SB・瀬古からクロスが上がると、齊藤功が後方から走り込んでのヘディングシュート。
強烈なシュートがゴール右へと突き刺さり、短い間隔で追加点を得る事に成功します。

これで背水の陣を強いられた大分、以降は攻撃権を支配し点差を縮める事に集中します。
ようやく意識が前にいくようになったのか、両サイドともにスルーパスを多めにして押し込む事に成功。
コーナーキックを得る機会も多くなっていき、そして結果に繋げます。
44分、2点差とされて以降3度目のCK、左からキッカー・野村のクロスがニアサイドに。
これに鈴木・島川の2人が走り込み、ゾーンで守る横浜FCは鈴木の方に釣られたのか、島川のヘディングシュートが炸裂。
GK六反の上を抜いてゴールに突き刺さり、前半のうちに1点を返した大分。

その直後(45分)も、長谷川右へロングパス→小出落とす→田中グラウンダーでクロスと繋ぎ、野村が跳び込むも僅かに合わず。
アディショナルタイムにも2本CKを得る等押し込み続け、前半を終えます。

流れを継続したい大分、ハーフタイムで星雄次→高澤に交代。
田中が右シャドー→左ウイングバックへとシフトと動いてきました。

いきなり中山が右サイドでボール奪取、安永とのパス交換ののちドリブルで奥に切り込み、クロス気味にゴールを狙います。(枠外)
横浜FCの攻撃で入った後半でしたが、以降は前半の終盤そのままに大分のペース。

攻撃力豊かな田中が左WBに回った事で、サイド突破も容易になり主に左サイドから攻撃。
その分左CBの三竿も果敢に前へ出る場面が目立ち、前半よりも一層押し込みを見せていく大分。
それでも、シュートが増えていくのは後半15分頃まで待つ事となります。

15分、左サイドで野村のスルーパスに走り込んだのは三竿で、マイナスのクロスに島川が走り込んでシュートするも枠を捉えられず。
21分にはGK高木からの攻撃、高木→岩田縦パス→高澤ポストプレイの体勢で前へ→野村右へミドルパスとダイレクトで繋げていき、小出が手前から低いクロス。
野村のスルーを経て高澤に渡りますが、高澤はキープするも撃てず。(その後横パス→田中左からシュートもブロック)
22分は左CK、サインプレイだったのか野村のクロスはエリア手前へと向かい、岩田がボレーシュートにいったもののミートせず。
押し込んでいる割には少ない頻度ですが、ゴールを脅かしていきます。

リードを守る展開を強いられる横浜FC。
飲水タイムを挟み、明ける際(24分)に瀬沼・齊藤功→一美・志知へと2枚替えを敢行。
するとフォーメーションも3バックへとシフトし、ミラーマッチの様相となります。

しかし大分の跳梁は止まず、28分には左サイド奥からのFK。
野村のグラウンダーのクロスから、こぼれたボールを高澤がポストプレイ、そこに岩田が走り込んでシュートするもGK六反がセーブ。(尚も長谷川ミドルシュート・枠外)
ブロッカーの間を縫う素晴らしいシュートでしたが防がれた大分。
意気消沈する雰囲気を戻すべく、直後(29分)に伊佐・小出→知念・高山へと交代します。

開幕前は、藤本(現神戸)・オナイウ阿道(現マリノス)の穴を埋めるゴールゲッターとして期待された知念でしたが、ここまで得点は2と不振。
特に開幕節(セレッソ戦)、終了間際のミドルシュートがポストを直撃した場面が記憶に残っていますが、それが今季の苦難の幕開けとなったのでしょうか。

レンタル元の川崎でも、ポストプレイヤーとして上々の働きを見せながら、決定力を欠きレギュラー争いに苦悩していた節がありました。
移籍先で1トップとして押しも押されぬ存在となりたかった所でしたが、思うようにいかないのが勝負事の常。
同じくポストプレイが出来る高澤の躍進もあり、立場的にも危うい状況が続き、今季も既に終盤戦。
過密日程もあり中々継続して出場・結果を出す事が難しい今季ですが、残り試合で違いを見せ付けられるかどうか。

試合も残り15分を切り、大分が得点出来るかどうかに焦点が集まる展開に。
32分、CBと長谷川でパスを繋いだのち三竿が縦パス、知念のポストプレイを経て野村が左サイドでドリブル。
そして田中からクロスが入ると、ニアサイドで知念が合わせヘディングシュート。
しかしゴール上に外れてしまいます。

電光石火の得点とはいかなかった知念。
その後も34分に岩田のクロスからヘディングシュート(枠外)、38分に岩田のスルーパスを受けてクロス気味にシュート(枠外)と、果敢にゴールを狙うも結果に繋がりません。

大分全体としても、ゴール前には迫れるもそこからの攻撃がカギとなる展開です。
それでも知念・高澤とポストプレイヤーが2人揃った事で、中央からの打開も可能になり攻め手が増えた大分。
39分には左サイドからのパスワークでボールを受けた野村、中央へ向かうドリブルを見せた後に縦パスを入れ、高澤のポストプレイからエリア手前で細かく繋ぐ攻撃。
右サイドに展開し高山がクロスを入れるも、精度を欠いてモノに出来ず。

ATも迫りつつあった43分、ここも同様に町田(長谷川と交代で出場・37分)の中央へ縦パスを高澤がポストプレイ、野村が受けてドリブルしたのち左へ展開。
そして三竿のクロスが上がり、クリアされたボールを町田が落としたのち野村→町田→知念と繋がっていき、エリア内で知念が反転してシュート。
横浜FC・小林に当たったのちGK六反の手を弾くという、得点への執念が上回るかのようなゴールが生まれました。
攻め続けた大分、とうとう同点に。

尚も大分の勢いは止まらず、そのままATに。
防戦一方ながらもAT最初の大分のチャンス、知念のシュートを袴田がエリア内で頭でブロックするなど、勝負への執念を見せる横浜FC。
しかしそれを上回らんとする大分、野村がドリブルでエリア内に入ったのち絶妙なヒールパス、これを知念がシュート。
DFに当たり枠を外れて左CKとなり、蹴るのは当然野村。
最初のクロスはGK六反がパンチングで弾き出すも、拾った岩田から逆サイドでクロスが上がり、ファーサイドでヘディングシュートを放ったのは田中。
右サイドネットを揺らし、歓喜を呼ぶ逆転ゴールに辿り着きました。
そして再開後の大分のボールキープを経て、試合終了の笛が鳴り響く事に。

結局このカードは大分のダブル(1戦目は17節・1-0)となり、J1経験の量が差に表れたような今季。
しかし大分のメンバーも、知念を除けばJ2以下のカテゴリから上がってきた選手中心の編成となっています。
昇格したてで同じような状況の横浜FCも、知恵と工夫次第でJ1定着は夢ではないという事でしょう。
来季に向けた……とは未だ気が早いですが、今後の横浜FCの戦いが非常に楽しみになって来ました。


DAZN観戦 2020年J2リーグ第30節 ザスパクサツ群馬vs徳島ヴォルティス

2020-11-04 16:19:07 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の群馬の記事はこちら(28節・甲府戦)
※前回の徳島の記事はこちら(25節・愛媛戦)

ゆっくりとではありますが、着実にチーム力の向上を果たしつつある今季の群馬。
前半戦には「上位クラブとの対戦ばかりの5連戦(15~19節)」を強いられた事もありましたが、ここに来て福岡→甲府→磐田→徳島と再び強敵揃いの日程にぶち当たりました。
甲府戦で自分達のスタイルの自信を深めるような勝利を挙げ、次は目に見えての結果が欲しい段階でしょう。
メンバーにもその自信は反映されており、川上→飯野に代わったのみで後の10人は3試合連続のスタメン。

J2の中ではポゼッションスタイルの極致ともいうべき徳島が相手でも、群馬は一歩も退かず。
立ち上がりはペース配分をしたがる傾向の徳島に対し、ペースを掴み何度も攻撃機会を作っていきます。
前半9分、左サイドでのパスワークから小島が徳島・岸本のスライディングで倒されたのを契機にペースアップ、拾った加藤が中央へ向かい大前とのワンツーも挟んで前進。
そして田中がエリア内右へとスルーパス、走り込んだ飯野から低いクロスが入ると、大前がヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と流れるような攻撃を展開。

その後は徳島も持ち味を発揮し、攻撃権を支配。
この日は4-2-3-1の登録で、両サイドバックには岸本(右)とジエゴ(左)。
一度オーバーラップすると最前線まで上がりたがる傾向にあるジエゴですが、上手くチーム戦術に取り入れているのでしょうか。
但し、彼を3バックの左センターバックとして見た場合、この日は内田航平が中央・石井が右とイレギュラー気味の配置になるのが気になった点。
主に3バックの左右を務め、そこから攻め上がる内田航の持ち味が生きないフォーメーションに思えました。

徳島の流れも20分頃には途切れ、飲水タイムも挟みつつお互いに攻め合う様相となっていきます。
この頃から群馬は、岩上がCBの間に降りる「丁の字型」の最終ラインでのビルドアップが目立ち始めます。
また29分にはCBの舩津がドリブルで持ち上がるなど、変化を付けるべくの攻撃を見せていきました。

そして30分、右サイドをスルーパスの連続で奥に進入し、岩上が走り込んでマイナスのクロス。
内田達也が走り込んでシュートを放つも徳島・内田航がブロックで防ぎます。(その後小島がミドルシュートも枠外)
内田がシュートを撃ち内田が防ぐという絵図が描かれると、以降は群馬が攻勢に。
幾度もサイドからパスワークで攻め上がると、36分に左サイドで小島が徳島・西谷に倒され反則・フリーキックに。
キッカー大前からのクロスが上がると、手前に入った岸本のクリアが擦らすようなヘディングになり、そのままゴールに吸い込まれるオウンゴールに。

攻め続けた成果ともいうべき先制点が入ったのも束の間、直後にも徳島からボールを奪い攻め上がり。
今度は右サイドで飯野が青木とワンツーで前進、奥からグラウンダーのクロスが入ると、大前が合わせシュート。
左ゴール隅を絶妙に突いたボールは、ゴールポストを叩いてネットに突き刺さり。
あっという間に2点のリードを奪う事となりました。

一気に窮地に陥った徳島、嫌でも反撃しなくてはならない状況に。
焦りもあったのか、43分にはボールがゴールラインを割った後、競り合いの中で垣田の足が舩津の後頭部を直撃。
すると両チーム一触即発状態となりピッチ内は騒然、激しく抗議を行う群馬サイド。
結局故意では無いという事で、垣田・舩津の両者が警告を受けて再開。
その直後のコーナーキック、徳島はエリア手前へクロス→小西のジャンピングボレーシュートという得意のサインプレーを見せたものの、得点は奪えず。
アディショナルタイムには群馬が、セットプレーから岩上がボレーシュートを放つなど押し気味となり、良い流れで2-0のまま前半を終えます。

ハーフタイムで立て直しを図る徳島。
まずは選手交代という直接的な手法で、鈴木・岸本→杉森・藤田へと交代。
可変システムを取り、傍らから見て解り辛い今季の徳島の変化ですが、これにより西谷が右サイドから左サイドへ。
そしてそれと併せ、内田航と石井の位置を入れ替える修正も施し、後半は3バックのような形を底流にして反撃体勢を取ります。

後半立ち上がり、群馬がロングスロー(左から)を入れた流れから、内田達がミドルシュート。(枠外)
後半も群馬の流れかと思わされましたが、以降は徳島が押し込み、後半4分に右CKをゲット。
するとそれを結果に結び付け、ショートコーナーから内田航のグラウンダーのクロスが入ると、杉森が足で合わせてシュート。
早い時間で1点を返し、文字通り反撃の狼煙とします。
この場面でクロスを入れた内田航、以降も右サイドで攻撃に加わるなど、「徳島のCB」として振る舞います。

その後も何度もCKを獲得するなど押し込んでいく徳島。
11分、左サイドでジエゴのロングパスを西谷が受け、群馬エリア手前で攻撃を展開。
何度もサイドを変えつつ、渡井の左からのクロスをファーサイドで藤田がエリア手前へと落としたのちも、拾った小西がカットイン→西谷が右へ展開と激しく入れ替わり。
そして藤田が右からクロスを上げ、ファーサイドでジエゴがヘディングシュートを突き刺してゴール。
これだけシュートをチラつかせながら揺さぶられれば、守備側は成す術も無いという格好で、同点に追い付き試合は振出しとなります。

さらに押せ押せと行きたい徳島でしたが、ここから群馬が押し返し。
キックオフの後CK攻勢となり、2本目(13分)でキッカー大前のクロスを中央で青木がヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
これで群馬の大攻勢が幕を開け、徳島は15分に攻撃機会を得た(シュートは撃てず)後は、何と飲水タイム(26分)まで攻め入る事が出来ずという有様。

サイド攻撃主体は相変わらずですが、キッチリと奥まで進入する「やりきる」攻撃を続けていく群馬。
特にエリア内からのマイナスのクロスで、ゴールを脅かすシーンを作っていきます。
それでも最後の所で凌ぎ続ける徳島の前に、勝ち越し点を挙げられないまま飲水タイムへ。

このタイミングで再び徳島は選手交代、内田航・垣田→福岡・河田と2枚替え。
明けた最初の攻撃(29分)で、西谷が左からカットインしてエリア手前からシュート。(GK清水キャッチ)
32分にはクロスがクリアされた後、ボールを繋いだのち河田が遠目からシュート(枠外)と、流れを変えるべく多少強引ながらシュートを放っていく場面を作ります。

この姿勢を見せた事で戦況はほぼ五分となり、群馬は相変わらず良い形を作っていくものの、シュートまで繋げられないという側面が目立つ事に。
逆に流れを変える立場となった終盤の41分、ゴールキックからのビルドアップで、エリア内でGK清水から受けた岩上がドリブルで持ち上がり。
そのまま中盤まで進んで攻撃に繋げます。
ここではエリア内右から飯野がクロスを上げるもシュートは撃てず終わるも、直後に加藤が大前のポストプレイを経てエリア手前からシュート(ブロック)を放ちます。
その後のCKからも、クリアされたボールが繋がり、飯野がミドルシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。

試合も佳境に入っていく中、良い攻撃を繰り広げる群馬サイド、ベンチは中々動かず。
猛攻を仕掛けていく攻撃陣を見て、動きたくても動けないという状況に陥っていたのでしょうか。
徳島サイドも、40分にCKからジエゴがヘディングシュート(枠外)、43分にクロスがクリアされたのち小西がペナルティアーク内からシュート(ブロック)と攻め立てるも得点出来ず。
同点のまま、3分のATへと突入します。

攻撃権が次々と入れ替わりを見せて2分が過ぎ、引き分けの可能性が高まっていく中、最後にそれを打ち破ったのはジエゴ。
自陣でボールを拾うと、群馬・小島のアタックを物ともせずドリブルで左サイドを進み前線に繋ぎ、渡井→西谷と渡ります。
そのまま西谷がエリア内右へロビングを上げ、河田が右足で合わせシュート。
熱戦に終止符を打つべきゴールが生まれ、大興奮の徳島サイド。
アウェイサポーターの前に突撃しパフォーマンスを見せる河田を観て、いつものスタジアムの雰囲気が戻りつつある事も実感させられました。

直後に小島→高瀬へと交代と、遅まきながらカードを切った群馬。
ラストワンプレーで放り込みからチャンスを作るも、高瀬のクロスをGK上福元がキャッチした所で試合終了の笛が。

敗れたものの、群馬は悲観する内容では全く無かったと思います。
上位相手にリードを奪い、追い付かれた後もペースを掴み続けたその攻撃で、立派に渡り合える事を証明出来た。
一方の徳島は再び首位浮上を果たす勝ち点3を得た、という具合に、双方メリットを齎した試合といえたでしょう。