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DAZN観戦 2020年J2リーグ第23節 FC琉球vsアルビレックス新潟

2020-10-02 18:16:12 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の琉球の記事はこちら(19節・京都戦)
※前回の新潟の記事はこちら(20節・徳島戦)

昇格への意気込み(夏の補強)を見せた新潟でしたが、近況は4戦未勝利と停滞感が漂いつつあります。
現状の勝ち点(31)では昇格圏どころか上位の座も難しく、目標がプレッシャーとなってチームに襲い掛かっているのでしょうか。
悪い事は続くもので渡邊の故障離脱も発表され、陣容的にも厳しくなってきた所で、過密日程の最中に組み込まれた沖縄遠征。(冬が近い時期に組まれて気温差に苦しむよりはずっと良いのですが)

樋口靖洋監督の下、ポゼッションサッカーを前面に押し出す攻撃力が魅力の琉球。
しかしこの日は、ボランチを総入れ替えした(この日は風間宏希・小泉のドイスボランチ)影響か、立ち上がりは新潟のプレスに四苦八苦を見せます。

前半3分にエリア手前で本間がボール奪取してチャンスを得た新潟。
クリアされてコーナーキックとなり、クロスが跳ね返された後の二次攻撃で新井がミドルシュート。(ブロック)
早々に積極的な姿勢を見せると、直後(4分)にも絶好の位置で島田がパスカットして決定機を迎えます。
エリア内右からシルビーニョがシュートを放ちGKダニー・カルバハルを抜きましたが、その後ろで風間宏希がブロックして何とか防ぎます。
琉球にとっては命拾いという場面でしたが、直後の右CK。
キッカー高木はニアサイドへクロス、シルビーニョが合わせにいくもこぼれ球となり、舞行龍ジェームスがシュート。
これがゴールポストを直撃したのも束の間、再度舞行龍がシュートするもこれもポストに当たり跳ね返り。
しかしロメロ・フランクが詰めて三度目の正直、ゴールを揺らして先制に成功します。
早い段階で先制を許した琉球、この後立ち上がりの緩さを悔やんでも悔やみきれない展開となっていきます。

目を覚ますかのような失点で、以降反撃に転じる琉球でしたが、それでもボールを繋ぐ段階での精度は今一つ。
14分には右サイドバック・田中恵太が負傷で交代を余儀なくされる(鳥養と交代)など、運にも恵まれず苦境に追い込まれます。

その流れに従うかのように、再び新潟の時間が。
19分の左CK、キッカー高木はファーサイドへクロス、これを新井がヘディングシュートに持っていきましたが、またもゴールポストを直撃して追加点はならず。
琉球がホッとする時間も無く、直後の20分には舞行龍の縦パスを受けた本間がドリブルで前進し、ペナルティアーク内からシュート。(GKカルバハルキャッチ)
シュートすら撃てない琉球を尻目に、尚もゴールを脅かし続けた新潟。

飲水タイム目前の25分にようやく琉球は、小泉のスルーパスを受けた河合がエリア内に進入してシュート(GK小島キャッチ)と初シュート。
これで潮目が変わったのか、飲水タイム後は、琉球が一方的にボールを握る絵図となりました。
以降前半終了まで、新潟の攻撃機会はゼロ(自分の集計)と、文字通り相手を封殺。
攻撃権を独占するという、ポゼッションサッカーの理想形を見事に作り上げていきます。
しかし勝敗に直結する要素である得点は奪う事が出来ず。

38分には風間宏希の敵陣でのパスカットから、阿部がエリア内左に進入し、切り返して中央からシュートを放つもゴール右へ外れ。
41分には小泉のスルーパスから、走り込んで受けた沼田がエリア内左からシュートするもGK小島のセーブに阻まれます。(その後もボールを繋ぎ小泉がエリア内右へスルーパス→鳥養走り込むもGK小島に阻まれる)
そこそこシュートは撃てるようになったものの、新潟守備陣を破れないまま前半を終えます。

「しっかりとボールを握り、パスワークで得点を狙う」という持ち味のサッカーは見せた(飲水タイム明け~前半終了の)琉球でしたが、負けている状況は変わらず。
同じリズムでの攻撃がずっと続いているようにも見え、結局は最後の壁を突破する事が出来なかった。
その姿はまるで、鍵の掛かったドアに対し、ひたすら力技で開けようとノックを繰り返すかのようでした。

サッカー以外で今季の琉球の特徴として、ユニフォームの胸部分のスポンサーは無し。
社名が入る部分には、「リバイブ首里城」(正確には、英語で「REVIVE」の文字と、首里城のイラストが描かれている)という沖縄県の思想が色濃く表れたものとなっています。
地元密着が順調であるという事をアピールするかのようですが、普通なら企業名が入る所に、こうしたものが描かれるのは傍らから見てやはり違和感を覚えます。

かつての鳥栖や福岡などは、胸部分にスポンサー名が無い時期があったものの、それは本当に「スポンサーが付かない」という状況で経営問題のシグナルでもありました。
穿った見方をすると、琉球の現状は、その入り口に到達しているのではないか。
地元の自治体と共闘するという路線は頷けるものの、過去にはそれが原因で経営危機になったJクラブも存在します。(神戸とか大分とか)
沖縄という土地柄、スポンサーとなる企業の絶対数も他県に比べて限られてきそうですが、果たして現在の体制が傾いた時にどう切り抜けるのか。
この日の琉球の「自分達のスタイルしか見えていない」ようなサッカーを見て、クラブ自体のスタイルを表しているように感じましたが、杞憂に終わる事を祈ります。
まあ当時の神戸・大分とは違って強化費を湯水のように使う、という事は無さそうですが

脱線もこの辺にして、一方リードはしているものの押されっぱなしだった新潟。
アルベルト・プッチ・オルトネダ監督もそれを感じていたのでしょう、ハーフタイムに大胆に選手交代。
何と4枚替えという手段を講じます。
その内容は、舞行龍・高木・ロメロ・シルビーニョ→早川・大本・堀米・ファビオ。
新井を右サイドバック→センターバックへとシフトさせ、4-2-3-1の形を採ったうえで堀米がトップ下に。
右SBに早川・右サイドハーフに大本・1トップにファビオが入りました。

この布陣変更で、立ち上がりは琉球は相手の出方を窺うのに精一杯と、再び前半立ち上がりのような状況に。
後半2分、右サイドからのスローインで、ファビオがエリア内で直接受けてシュートを放つもGKカルバハルがセーブ。
その後も押し込まれ続け、反撃もままならなくなった琉球。

何とか相手の流れを断ち切り、10分にはフリーキックから、風間宏希のクロスに李栄直(リヨンジ)が合わせてヘディングシュート。(枠外)
反撃体制を整えつつ、13分に琉球ベンチも動きます。
新潟に対抗、という訳では無さそうですが3枚替えを敢行。
風間宏希・池田・茂木→上里・風間宏矢・上原慎也へと交代、4-2-3-1から4-4-2へと変更します。
まあ布陣変更自体は、上原慎投入と同時に行われる恒例のようなものですが。

ともかく、レギュラーボランチかつキャプテンの上里を投入する事で攻撃リズムを掴みにかかった琉球。
上里は早速の15分、中盤の底でパスを散らしたのち、遠目からミドルシュートを放つ(ゴール上へ外れる)など積極的なプレーを見せます。

しかしそんな流れを断ち切ったのが、再びビルドアップ段階でのミス。
18分、GKカルバハルの縦パスが本間にカットされると、そのまま持ち込まれてシュート。(ブロックされCKに)
20分には右サイドで大本がボール奪取、堀米・福田とパス交換で前進し、福田のクロスをファーサイドで本間がボレーシュート。(ジャストミートせず)
追加点こそ許さなかったものの、反撃ムードは萎みを見せてしまいました。

その後は再び、「ドアをドンドンとノックし続ける」状態に。
琉球はボール支配して攻め上がるものの、時間の経過とともに守備を固める意識が強まっていく新潟に対し次第に手詰まりに。

終盤は、逆にカウンター気味に反撃を受ける局面の方が目立っていきます。
37分ファビオが中盤でボール奪取してドリブルで前進、一旦エリア手前でキープする姿勢を見せたのち、再度前進しエリア内に入ってシュート。(ブロック)
38分は中島(本間と交代で出場・34分)のドリブルを後ろから鳥養が倒してしまい反則・警告。
この直接FKを中島は遠目ながら直接シュート、ゴール上を襲ったもののGKカルバハルがセーブ。

時間も押し迫り焦る琉球、41分には中島に対して市丸(小泉と交代で出場・39分)がアフターで削ってしまい反則・警告。
2つのカードで審判に悪印象を与えてしまったか、その後接触プレーで琉球選手が痛む場面があっても、笛が吹かれないという事象が目立ちました。
アディショナルタイムには阿部が足を痛め倒れ込み、自らピッチ外に出てしまう場面も。(そのまま復帰せず)
そんな状況故、樋口監督の怒号が轟くだけの最終盤となってしまった感があり。

最後は荻原が敵陣深くでボールキープの姿勢を取った新潟、そのまま試合終了の笛を聴く事に成功。
5試合ぶりの勝利の味を、南端の地で得る事となりました。

勝つ時は大量得点で勝てるものの、この日は(前節に続き)不発に終わった琉球。
きちんと対策を採られると苦しくなるチーム状況は明白で、「自分達のサッカー」を貫き洗練させる時期を何処までとするか、今後の判断が問われる時がやって来そうです。


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