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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第26節 ファジアーノ岡山vs大宮アルディージャ

2021-08-24 16:28:02 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(23節・群馬戦、0-1)
※前回の大宮の記事はこちら(24節・新潟戦、2-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

監督交代によって秩序を取り戻し、再起を図っている大宮。
しかしそれが中々結果に繋がらないのがもどかしく、20節・山口戦での1勝のみという星取り。
4試合連続引き分けに持ち込んでいる現状、チマチマと勝ち点は稼げていますが、チームの歯車を潤滑にするには勝ち点3が待ち遠しくなってきました。

一方、そんな残留争いの泥沼からは一歩上の立ち位置をキープしている岡山。
夏の移籍期間にはミッチェル・デュークを獲得、そのデュークが初ゴールを記録したのが前節。
2015年から4年間清水に在籍という経験があるデューク。
彼の他、石毛をレンタルで獲得(しかし早速また故障離脱……)するなど、清水絡みでの選手獲得が目立つ事となりました。
開幕前には梅田・川本をレンタルで獲っているという具合に、パイプを太くする戦略を意図的に取っているのでしょうか。
2年前は琉球から選手獲りまくっていましたし

試合が始まり、大宮がボールポゼッションを高めつつ、サイドからのクロス攻撃を展開。
ゴールキックもショートパスでのスタートが殆どで、最後方からパスを繋ぐビルドアップを貫き、敵陣に攻め上がっていきます。
4-2-1-3というフォーメーションから、サイドバック(右=馬渡・左=河面)を高い位置に上げる事で、常に2人以上でサイドから攻撃を仕掛けるのが基本のようであり。
そこにMFが加わる事で数的優位を作り前に運び、クロスまで持っていくという形が主体。

しかし若干ワンパターンなきらいもあり、フィニッシュに辿り着けないまま徐々に岡山サイドに対応され始め。
次第に岡山の攻撃権が増えていく展開に、痺れを切らした大宮は13分辺りから、ウイングの左右を交換。
右WGでスタメンだった奥抜が左へ回り、左の小野が右へ回る事となりました。

それでも岡山優勢の時間帯は変わらず。
前半12分、右ハーフレーンからのフリーキックを得て、キッカー白井が中央へ横パスを出したのち徳元がロビング。
エリア内右に送られたボールを井上が折り返し、上門のヘディングシュートに繋げたものの枠外に。
21分には敵陣でのボール奪取からショートカウンター、上門のエリア内へのスルーパスに徳元が走り込み、シュートを放ちますが惜しくもゴール右へと外れ。

岡山サイドも最終ラインで繋ぐ事を取り入れながら、デューク狙いのロングパスを多用しての攻撃。
プレッシングの意識が強めの大宮を巧く引き込みつつ、ロングボールの跳ね返りを拾ってからの攻撃で試合を作っていきました。
事が巧く運ばなくなった大宮は、上記の徳元のシュートの後、再度ウイングを入れ替え。
右に奥抜・左に小野と、初期配置に戻す事となりました。
24分に敵陣深めで小野のボールカットからパスを繋ぎ、河田のミドルシュート(枠外)が生まれてようやく初のフィニッシュを作った大宮。

飲水タイムが挟まれたのち、再び大宮が攻撃機会を増やしていきますが、先程とさして変わらない流れ。
岡山ディフェンスを崩すには至らず、サイドチェンジも多く交えて揺さぶりを掛けますが、シュートまで辿り着けずに終わります。
そうこうしているうちに窮地に陥ってしまうのが、下位チームの性か。

31~32分の岡山の攻撃。
中盤でデュークのボールキープから左サイドで前進、徳元のクロスがクリアされた所に、走り込んだ河野がシュート。
ブロックされるも尚もキープして繋ぐ岡山、最終ラインまで戻したのち再度攻撃。
ロングパスがクリアされた所を喜山が落とし、再び左サイドから宮崎智彦のクロスが上がると、ファーサイドでヘディングシュートを放ったのはまたも河野。
今度は枠を捉え、ゴールネットに突き刺して攻撃を完結。
最後はSBからSBへのパスで得点に繋げた岡山が先制点を挙げました。

リードを奪われた大宮、攻撃の形がままならない展開に。
いかにもビハインドでのプレッシャーに晒されているといった内容で、岡山にペースを握られる事となり。
前半終了間際には、果敢にプレッシングを掛け、河田がGK梅田に対してスライディング。
間一髪でパスを出され、梅田が痛み倒れ込むシーンが。
大宮にとっては後一歩という場面だったでしょうが、のちにこれが伏線となった問題のシーンが生まれるとは誰も予測出来ず。
結局前半は岡山1点リードのまま終了となります。

後半を迎える前に、岡山サイドが選手交代。
上門→濱田へと交代と、FWを削る策を敢行し、3-4-2-1のフォーメーションへとシフトします。
これまでも試合終盤で3バックへのシフトを敢行してきた岡山ですが、ハーフタイムの時点で行うとはやや意外でした。

恐らくは、サイド攻撃重視の大宮に対し、5バックシステムを採る事で人数を掛けて守る体勢を取りにいったでしょうか。
しかし後半3分、大宮はそれを逆手に取るかのように中央を突き。
黒川の右からの斜めの縦パスを受けた河田、そのまま岡山・井上を振り切ってエリア内からシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
しかし井上を倒した事で反則を取られ、ゴールは幻に。

岡山の布陣変更が馴染まないうちにゴールを脅かした大宮でしたが、サイド攻撃の方は岡山の狙い通りに伸び悩みます。
奥までボールを運べないようになり、手前からクロスを入れざるを得なくなり。
逆に岡山の攻撃は、7分に大宮コーナーキックからカウンター、デュークのミドルパスを受けた河野がエリア内に進入してシュート。(ブロック)
10分には左サイドから前進、デュークのスルーパスを受けた徳元がグラウンダーでクロス、走り込んだデュークがニアで合わせシュート。(GK南セーブ)

1点が欲しい状況の大宮は、8分に小野→中野へと交代。
2年前に岡山に在籍していた経験を持つ中野、にわかにシティライトスタジアムのボルテージが上がりますが、真剣勝負の雰囲気は変わらず。
13分にはその中野が、右サイドから馬渡の手前からのクロスに合わせヘディングシュートを放つもGK梅田がキャッチ。
岡山はスローインをダイレクトに前へロングパスという、シンプルな形を何度か見せますが、これが好機に結び付き。(シュートまではいけず)

対する大宮、18分にイバの投入を敢行。(奥抜と交代)
4-4-2へとシフトし、黒川が右サイドハーフへと回る布陣変更。

そして22分の大宮の攻撃。
GK南からショートパスを繋ぎ左サイドに渡ると、クロスでは無くイバへの縦パスを選択。
そしてイバのポストプレイを経て、左から走り込んだ中野がシュート。
GK梅田がセーブし、こぼれ球を梅田が抑えにかかる所、河田が詰めてシュートを放ちゴールネットに突き刺し。
しかし審判は梅田の抑えが若干早かったという判断で、GKへの反則を取られてまたも幻となったゴール。
前半のシーンで河田の粗さが審判サイドに刷り込まれていたのか、2度の「被害」を受けた河田は納得出来ず、大宮ベンチも加わって猛抗議を繰り広げます。
その心情は理解出来るものでしたが、結果はもちろん覆る事無く、河田に対し警告が出されただけに終わりました。

この抗議ののちに飲水タイムとなり、明ける際に岡山はパウリーニョ・宮崎智→齊藤・木村へと交代。
齊藤と木村はともにシャドーに入り、白井がボランチ・徳元が左ウイングバックに回る布陣変更も取られます。

決定機はいずれも中央への差し込みが奏功した形となり、逆に得意手としていた(であろう)サイド攻撃が実らないといったねじれを生んでいた大宮。
31分には右サイドをパスワークで突破するもクロスは上げず、戻したのちエリア内右へのパスを馬渡が受け、ボールキープののちシュート。(GK梅田キャッチ)
ここでもクロスを選択せずにフィニッシュまで辿り着き、岡山ディフェンスを崩すヒントが見られたものの、状況は改善せず。
終盤が近付いた事で、後方のパスも乱れがちになり、サイドへの叩きが直接タッチを割るシーンが目立ちリズムを作れません。

それを払拭せんと35分に2枚替えを敢行した大宮、河面・黒川→柴山・菊地へと交代。
同時に岡山もデューク→川本へと交代します。

38分にはクロスがブロックされた事で右CKを獲得、キッカー馬渡のクロスをファーで櫛引が折り返し、中央でイバがボレーシュートの体勢に。
しかしこのシュートは空振りしてしまい活かせず。
43分には右~中央間でパスを繋ぎ前進、イバへの縦パスも交えて突破し、右から馬渡がクロス。
これを河田が合わせボレーシュート、しかしボールは無情にもゴールの僅か上に外れてしまい。
結果的にこれが最後のシュートとなった大宮。

直後に河野→田中へと交代した岡山、アディショナルタイムを迎えて逃げ切り体制に。
といっても40分頃から早くも左コーナーで木村がキープする姿勢を見せていた事で、ロースコア勝負の岡山の意識は既に統一されていたようであり。
その後もセットプレーをボールキープに利用しつつ、時計の針を進めていくも、安部や徳元が足を攣らせるなど痛々しいシーンも。
最後に大宮が攻撃権を掴み、馬渡の右手前からのクロスをファーサイド奥で柴山が折り返しますが、GK梅田がキャッチしてフィニッシュまではいけず。
そして試合終了となり、無事岡山が逃げ切って勝ち点3を掴みました。

逆に大宮は6戦未勝利となり、勝ち点は20のまま。
ライバルの群馬・愛媛・北九州が相次いで勝利した今節、18位とは勝ち点差4となってしまい、1勝では追い付けない状況となってしまいました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第26節 ヴァンフォーレ甲府vsジェフユナイテッド千葉

2021-08-23 16:12:14 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(24節・磐田戦、2-2)
※前回の千葉の記事はこちら(23節・金沢戦、2-1)
※夏の移籍情報についてはこちら

前節は下位の相模原に敗戦、手痛い試合となってしまった甲府。
悪天候という条件もあったでしょうが、ゲームコントロールがままならずと、昇格を目指すにあたって課題が露呈する事となり。

一方の千葉、甲府同様に中断明けは1敗1分という星取り。
上位相手が続く苦しい日程の中、前節は新潟に引き分けと善戦を見せ、僅かな上昇機運を持ちつつ同じく上位の甲府に挑みます。
補強面では札幌からレンタル中だった岩崎を放出(鳥栖へレンタル先変更)し、またもや札幌からレンタルで選手を獲得と、何処と無く「無いものねだり」感が伺える動き。
選ばれたのはタイから帰還して間もない檀崎で、修行の成果をJ2で発揮、とはいくでしょうか。
尚岩崎の他、使いどころが無くなった大槻と溝渕を躊躇無くレンタルに出し。

試合が始まると、攻撃権を支配したのは千葉。
今季から取り組んでいるボールポゼッションを高めての攻撃に手応えが出ているのか、同じタイプである甲府相手にもポゼッションで上回り。
前半4分には右サイドへの展開から、新井一耀のエリア内へのロビングを櫻川ソロモンがポストプレイ。
ディフェンスに入られクリアされるも、拾った田口がミドルシュート(GK河田キャッチ)と、早速シュートに繋がります。
最後方でのショートパス攻勢に、櫻川目掛けたロングボールを交えたバランスも中々良く。

立ち上がりは押し込まれ続けた甲府は、10分過ぎから反撃開始。
13分、小柳の裏へのロングパスに走り込んだ長谷川から前線で攻撃、野津田のエリア内への短いスルーパスに走り込んだのは泉澤。
得点源である泉澤のエリア内左からのシュートが放たれるも、GK新井章太のセーブに防がれます。
そこからコーナーキックを2本続けて甲府ペースへと試合を傾かせ、18分に再度好機。
再び最終ラインから、今度は小柳が前進から直接エリア内右へとスルーパスを送り、走り込んで受けたウィリアン・リラが切り返しからシュート。
しかしこちらも再度GK新井章がセーブと決められず。

その後は甲府が攻撃権を支配と、上位に居るクラブの実力を発揮する展開に。
この日は大ベテラン・山本が3バックの中央を務め、同時に甲府の特徴である「最終ラインの前に、中央センターバックが前に出てのビルドアップ」の中心的存在となり。
フィードに定評ある山本に対し注意が集まるのは当然で、その分他選手のスルーパスが通り易い状況が生まれていたのでしょうか。
それとも山本の古巣である千葉(遠い過去となりつつありますが)が、通常より過剰なケアをしていた故の事か。

そして迎えた24分。
山本から左サイドへ展開し、受けた荒木のスルーパスが左奥の泉澤に渡り。
戻されたのち山田がエリア手前でカットインからエリア内へパス、須貝が受けた所に、千葉・チャンミンギュの足が掛かり倒れて反則の笛が。
エリア内なので当然PKとなり、とうとうスルーパス攻勢を決定機に繋げた甲府。
キッカーはリラが務め、ゴール左へと強いシュートを蹴り込み、反応したGK新井章に触れられたもののゴールに。
先制点を挙げたと同時に、飲水タイムが挟まれます。

これで優位に試合を進めるかと思われた甲府ですが、ブレイク明けは攻撃権が定まらない入りののち、千葉ペースの展開に。
32分以降、前半の甲府の攻撃機会はゼロという結果が叩き出される(自分の集計です)ぐらい、千葉がボールを握って押し込み続けます。

最終ラインでのビルドアップの際は、ボランチの片割れ(大部分を熊谷アンドリューが務める)が降ろし、その上で両サイドのCB(右=新井一・左=鈴木大輔)が大きく開く形。
所謂「ミシャ式」と呼ばれる形で、そのうえで1トップにターゲット(櫻川)が控え、完全にインスパイアしてのものだと思われます。
中断前は絶対的な存在であったサウダーニャを控えにして、あえてこの形へとシフトしている辺り、攻撃の形を模索中であった尹晶煥(ユンジョンファン)監督が辿り着いた先といえるでしょうか。

それでもサイド攻撃を分厚くするという以外の効果はあまり無く、左右からクロスを入れるという攻撃に留まる千葉。
セカンドボールを支配して攻勢を掛けますが、得点の気配が漂わないまま終盤へ。
44分には福満のロングパスがエリア内中央の櫻川へ通り、シュートを放ちますがGK河田のセーブに阻まれ同点ならず。
そのままアディショナルタイムまで攻撃権を支配するも、見木の遠目からのシュート(枠外)と、フィニッシュで終えるのが精一杯となり。
ビハインドを背負ったまま、後半を迎えます。

共に選手交代は行われず、それ故か試合展開も同じ流れで、入りから千葉の攻勢が続きます。
後半6分、田口が右から斜めの縦パスを中央へ差し込み、見木のポストプレイから左へ展開。
末吉のドリブルで抉っての戻しから、田口がミドルシュートを放つも枠外に。
今季は開幕から出遅れ、尹監督の心変わり?についていけるかどうか不安であった田口も、しっかり順応を見せて攻撃に絡みます。

直後の7分、最終ラインからチャンミンギュの右サイド裏へのロングパスが福満に渡り、エリア内右奥へと進入する福満。
そこからカットインしてシュートを放つも、GK河田に至近距離でセーブされてモノに出来ず。
10分には敵陣左サイドから、ショートパスの連続で右へと展開し、受けた福満がカットインで再びエリア内を突き。
そして甲府・新井涼平の足に掛かって倒れますが、反則狙いが露骨と判断されシミュレーションの反則を採られ、警告を受ける破目に。
前半の不調期とは打って変わって良い形は作りますが、1点が遠いという暗雲も漂い始めます。

一方、第2クォーターと同様に攻められっぱなしの甲府。
18分にパスを長く繋いだ末、新井涼のミドルシュート(枠外)という攻撃で一息つくと、19分に最初の交代カードを切り。
リラ→宮崎へと交代すると、以降千葉からペースを剥がし攻守交替に成功します。
泉澤をはじめ須貝・長谷川・宮崎と、スピード豊かな選手を活かした裏狙いが再度冴え始め。

21分に甲府・山田と千葉・熊谷がスライディングで交錯、熊谷の向けた足により山田が負傷。
交代の準備が採られると共に、飲水タイムに突入。(明ける際に山田→野澤に交代)
完全に足が入ったにも拘らず反則無しという判定(ドロップボールで再開)に甲府サイドは紛糾。
これにより勢いが削がれるかと思われましたが、再開後間も無くプレイ中に突然主審の笛が鳴ると、異議が唱えられたとして千葉・田口に対し警告が出され。
不可解なタイミング(一旦プレイが止まってからで良かったのでは……)での判定に今度は千葉サイドが紛糾し、何とも珍妙な雰囲気となってしまいました。

ともあれ、26分に千葉ベンチも動き。
矢田・末吉→サウダーニャ・安田へと交代と、どうしても得点が欲しい状況の中、ベンチに留め置いていたサウダーニャを投入します。
最前線には変わらず櫻川で、シャドーに入った(と思われる)サウダーニャ。

その後は甲府が追加点を狙いにいく立ち回り。
30分には右CKから、キッカー長谷川はクロスと見せかけてグラウンダーでエリア外中央へ戻し、そこから左サイドへ展開したのちパスを繋ぎ。
そして野津田がエリア内左へ入り込んでクロスを入れると、中央で新井涼がヘディングシュートを放ちますがゴール上へと外れ。
33分には右サイドでの速攻が止められたのち、拾った長谷川から左へ展開、左サイド奥で泉澤が持つ得意の形に。
そしてカットインで中央へ向かい、切り返してニアサイドを狙ったシュートを撃つも、GK新井章が足でセーブ。
36分には再度右CKを得て、クロスがクリアされるも荒木が拾い、エリア内左へのスルーパスを泉澤がフリーで受ける決定機。
躊躇わずにシュートを放った泉澤でしたが、またもGK新井章がセーブし得点ならず。
前半から3本目となる、エリア内左での泉澤のシュートとGK新井章のぶつかり合いでしたが、得点を許さなかった新井章。

この間も攻撃は仕掛けていた千葉ですが、甲府の決定機の連続(+CKの量産)に冷や汗ものの展開を強いられ。
反撃体制を整えるべく、38分に船山の投入に踏み切ります。(見木と交代)
船山は最前線に入ったようで、サウダーニャがトップ下で動き回りつつ、櫻川と船山の2つのターゲットを作って終盤の攻防へ。

こうなると高さを補填したい甲府ですが、メンデスの出場停止がここに来て響いたようで。
41分に野津田→浦上へと交代し守備固めに入りますが、手駒が足りなく大ベテランの山本を代える事が出来ず。
千葉に再度押し込まれる事となり、43分にはゴールキックの際の遅延行為でGK河田が警告を貰うなど、ほうほうの体での逃げ切りを強いられます。

そして45分の千葉、熊谷から右サイドへ展開ののち、右ハーフレーンで受けたサウダーニャが中へ斜めの縦パス。
櫻川がフリックし、受けた船山がエリア内へ進入、クリアされるも熊谷が後方からミドルシュート。
GK河田にセーブされるもここからCK攻勢となり、その最中にATへと突入。
迎えた2本目の左CK、キッカー船山がファーサイドへクロスを上げると、合わせたのはチャンミンギュ。
甲府ディフェンスは山本・宮崎が競りにいくも及ばず、放たれたヘディングシュートがゴールネットを揺らし、執念で同点に。
尚1本目には船山中央へクロス→田口跳び込むという流れ(クリアされ再度CKに)で、これで中央への警戒心が強くなったのが遅れに結び付いたでしょうか。

ともかくメンデス不在を最後の最後に痛感する形となり、追い付かれた甲府。
直後に何とかCKに持ち込むも、ここでもメンデスが居ないためパワープレイの威力は大幅ダウン。
凌いだ千葉が最後の攻勢に入り、福満のロングパスを右サイドでサウダーニャが受け、そのままエリア内右を抉ったのちグラウンダーでクロス。
中央で櫻川が走り込んで受けましたが、放たれたシュートはミートせずゴール左へ逸れ。
ここはダイレクトで撃ちたかった場面でしたが、今季初のフル出場となった櫻川の疲労感も伺え仕方無いでしょうか。
結局1-1のまま試合終了を迎え、ともに未勝利のままとなった中断明け。

意図的かどうかは外野からは不明ですが、憚らずもミシャ式へと辿り着いた尹氏率いる千葉。
それでも得点力の底上げになるかどうかは、J1に居る広島の現状(今季途中でミシャ式へと回帰)を見ると甚だ疑問ですが、とりあえずは今後を見守りたい所です。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節 愛媛FCvsギラヴァンツ北九州

2021-08-18 16:42:49 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(23節・ヴェルディ戦、2-2)
※前回の北九州の記事はこちら(18節・琉球戦、0-3)
※夏の移籍情報についてはこちら

日本を襲った豪雨で中止が相次いだ今節。
愛媛の本拠地・ニンジニアスタジアムでは無事開催されたものの、連想させられるのが、今季あった水たまりだらけのピッチでの磐田戦。(12節・0-0)
しかし今回は全くの無縁となりました。

前節は群馬と、そして今節は北九州との対戦と、残留争いのライバルとの直接対決が続く愛媛。
ここで勝ち点3を得られれば……というのは相手の北九州も同様であり。

3バック・アンカーを併用した3-3-2-2(3-1-4-2)のシステムを、中断直前の23節から継続している愛媛。
田中裕人がアンカーを務め、その脇に前線の選手が降りて来る事で、チャンスへの道筋は以前より円滑になったようで。
その他田中裕自身がサイドに張り出してパスワークに加わったり、FWの石井が降りて来て受けたりと、パスコースを多くしての組み立てを見せていました。

そんな攻撃を中心に、立ち上がりは相手を圧倒。
北九州のチャンスらしいチャンスは、愛媛・栗山のパスミスでコーナーキックを得た時ぐらい(前半6分)で、後はずっと愛媛のターンで推移していきます。
上記の組み立てを根底にしつつ、ロングボール・縦パスから藤本のポストプレイを絡めて好機を演出。

ようやく北九州が重い腰を上げたのは15分以降で、持ち味である最終ライン3枚への変形からのビルドアップを見せ始め。(降りるのは西村でほぼ固定)
ポジショナルサッカーらしく、5レーンに選手を置いてから斜めの縦パスを多用しての攻撃で組み立てていきます。
18分には村松からの縦パスを右ハーフレーンで受けた新垣が左奥へロングパス、クリアされるも佐藤亮が左サイドで収め、上がってきて受けた福森がカットインからシュート。(ブロック)
前節琉球相手にフィニッシュ数で上回ったように、クオリティ高い攻撃を展開していくと思われた北九州ですが、福森のフィニッシュ以降は再度愛媛のターンに。

縦パス→ポストプレイのセットプレーや、近藤のドリブルを駆使して北九州ゴールに迫っていく愛媛。
21分に左CKを得ると、キッカー内田のクロスを大谷がヘディングシュート、ゴール前でブロックされるもこぼれ球を田中裕が詰めに行き。
放った位置的に(ゴールライン寸前)誰もがゴールと思ったであろう田中裕のシュートでしたが、ボールは浮いてしまいバーに当たりモノに出来ません。

しかし流れを端さなかった愛媛は22分。
自陣左サイドからの内田のロングパスが一気に北九州ディフェンスの裏を取り、抜け出して受けた藤本が追いすがる北九州・村松を振り切ってエリア内へ。
GKと一対一で、最初に放ったシュートこそGK田中悠也にセーブされますが、跳ね返りを拾い再度シュートした藤本。
今度はゴールへと転がり、先制点は愛媛に入りました。

先制された北九州、23分に挟まれた飲水タイムの後、まずは左サイドの椿を軸とした攻撃を仕掛け。
ドリブル突破やカットインで個人技を発揮する椿ですが、フィニッシュには辿り着けず。
落ち着きを見せたのち、両サイドをくまなく使いパスを繋いでいく攻撃へとシフト。
そして30分に佐藤亮が、36分には針谷がミドルシュートを狙っていきます。(前者は枠外・後者はブロックに阻まれる)

迎えた37分、ブレイク前の18分のように右ハーフレーンから岡村が対角線のロングパスを送り、相手クリアを拾ってから左サイドでの攻撃。
ここでも魅せたのは福森で、ドリブルから椿へパスを出したのち、エリア内へのスルーパスを受けてマイナスのクロス。
ニアで西村が足を振るもミートせずフリックのようになり、中央で新垣が合わせシュート。
豪快にゴール左上へ突き刺し、前半のうちに追い付く事に成功した北九州。

その後は愛媛ペースで推移していき、前半も最終盤。
45分の愛媛の攻撃、最終ラインから左サイドで組み立て、茂木のミドルパスを近藤がエリア内へ落とし。
受けたのは藤本で、中央へ流れたのちシュート。(ブロック)
アディショナルタイムは北九州の攻撃、こちらも左サイドで高橋の浮き球のスルーパスを受けた椿がカットインからクロス、流れたボールをエリア内右で六平が拾い再度クロス。
グラウンダーのボールを中央で受けた新垣がシュート、ブロックされるも尚も繋ぎ、福森がエリア内左からカットインして中央でシュート。(ゴール右へ外れる)
互いにシュートを撃ち合い、前半を終える事となりました。

前年の躍動から一転して、現在は残留を目指した戦いを強いられているのが北九州。
周囲のライバル(?)クラブが続々と監督交代に踏み切る中、経験豊かな小林伸二監督に全権を委ねるのは変わらず。
動かない美学を貫くといえば格好良いですが、それは裏目に出る可能性も決して低くありません。

主力選手の大量流出が第一の原因とフロントも理解しているのか、夏のマーケットでは椿・福森と、移籍した選手をレンタルで再度獲得する方策。
そうしてリーグが再開されたものの、前節・琉球戦は前述の通り良い内容でしたが、それだけに痛すぎる逆転負け(1-2)となり。
守勢に回った時の脆さは中々改善出来ず、勝ち点を積み上げられません。
それでも小林監督が度々攻撃面を課題としているかのようなコメントを残しているという具合に、得点力でそれをフォローする算段を貫いている節があります。
サッカーの内容面でも美学を追及する事を第一としているようで、果たして北九州のそんな姿勢は報われるかどうか。

後半を迎えるに辺り、愛媛サイドは小暮→高木へと交代。
この早めの動きに呼応するように、後半立ち上がりは再び愛媛ペースの展開を描きます。
早々の後半1分に、投入された高木が右サイドの突破からグラウンダーでクロスを入れ、中央ニア寄りで近藤がスルー。
そして奥で石井が合わせシュートを放つも、GK田中悠のセーブに阻まれます。
これを皮切りに、直後のCKではクリアされたボールを近藤がミドルシュート。(枠外)
4分には相手スローインを跳ね返し、そのまま石井ポストプレイ→藤本ドリブル→エリア内右奥からマイナスのクロスという流れで好機。
石井が合わせにいくも流れ、後方から走り込んだ内田がシュート。(枠外)
フィニッシュを量産していく愛媛でしたが、攻撃権を支配していた故の落とし穴が待ち受けていました。

8分、ドリブルに入る川村のタッチが大きくなった所を西村が奪って北九州の攻撃となり、佐藤亮とのパス交換からエリア内へスルーパスを送る西村。
そしてエリア内左から高橋がシュートを放ち、見事ゴールゲット。
油断が表れたかのような愛媛のボールロストを突き、北九州が逆転に成功します。

それでも愛媛は気落ちする事無く、攻撃を仕掛けていきます。
あくまで下位同士の対決故、実力は拮抗していると信じての前向き思考でしょうか。
北九州を押し込み、セットプレーから何度もゴール前にクロスを入れるも、GK田中悠に抑えられて後一歩得点には届かず。
14分には2枚替えを敢行し、内田・近藤→忽那・唐山に交代。
石井がFW→シャドー、高木が右ウイングバック→左WBへと回ります。

迎えた17分、最後方からの組み立てで、左サイドでポストプレイに入った高木が北九州・六平に倒されますが尚もパスを繋ぎ。(後に六平に警告)
サイドチェンジを経て忽那が右奥へと進入、中央へ戻したボールを川村が強烈なミドルシュートに持っていきましたが、ゴールバーを直撃してしまい同点ならず。
直後にも大谷の縦パスを受けた川村、エリア内へ進入してシュートを放ち(GK田中悠キャッチ)、果敢にゴールを狙う姿勢を見せるも結果は得られません。

この日FWでのスタートながら、降りる動きが目立った石井。
シャドーに移ったのちも、アンカー田中裕の脇に降りてボールを受け、ビルドアップを円滑にする役割を担います。

一方劣勢に陥った北九州、前述の通り守り切るというチームでは無いため、このままでは前節の二の舞になってしまう可能性は高く。
21分に佐藤亮→富山へと交代、頂点を代えて追加点を狙いにいったでしょうか。

しかし状況は好転せず、25分の飲水タイム後も中々攻撃を組み立てられません。
こうなると失点する流れは止められず。
30分、川村の縦パスを唐山がポストプレイの体勢でエリア内右へと送り、受けた藤本がクロスを入れるもクリアされCKに。
そしてこの左CKで、キッカー忽那のクロスを中央で藤本が足で合わせ、ゴールネットを揺らし。
押し込み続けたのち、最後はセットプレーで仕留めた愛媛が同点に追い付きます。

一気に逆転を狙う愛媛、尚も決定機の連続。
32分には忽那のミドルパスを受けた藤本が左ハーフレーンを前進、エリア内左からシュートを放つもGK田中悠がセーブ。
33分には右サイド奥で茂木が北九州・高橋に反則を受け、最奥からのFK。
キッカー忽那のクロスから高木がヘディングシュート、しかしまたもゴールバーを直撃してしまいます。
GK田中悠とゴールの枠が奮闘する試合展開で、愛媛にとっては不運というしか無く。
尚も36分、忽那のエリア内左へのロングパスに走り込んだ唐山からグラウンダーのクロス。
クリアが小さくなった所を、走り込んだ川村がフリーでシュートを放ちますが、枠を捉えられず。(先程豪快なシュートでモノに出来なかったので、大事に蹴りにいくのに切り替えたが今度はミート出来ず裏目に)

攻められっぱなしの北九州(34分に新垣→前川に交代)、福森が足を痛めた(攣った?)事で再度選手交代を強いられます。(生駒と交代、同時に椿→野口に交代・41分)
するとベンチはフォーメーション変更の断を下し、3-4-2-1へとシフト。
生駒・村松・岡村の3バックとなります。
劣勢を5バックでスペースを埋める事により挽回するという判り易い采配を見せた小林氏。

しかし最初は中々嵌らず、42分の愛媛の攻撃、石井エリア内へスルーパス→藤本ポストプレイ→高木左サイドからシュートという流れでゴールを脅かし。
尚もボールを繋ぐ最中、石井が北九州・前川に倒され反則。
中央やや右・絶好の位置からの直接FKとなり、キッカー忽那は直接シュートを放ちますが壁に防がれ。

当初はバタバタしたものの、ATに入ってからは狙いを発揮し、以降攻撃権を支配する北九州。
後半に入ってから初めて自分達のターンになった、という展開で、富山のボレーシュート・西村のダイビングヘッドなどで愛媛ゴールを脅かしていきます。(前者はブロック・後者はGK岡本セーブ)
しかし勝ち越し点を奪えず終わると、最後は愛媛の攻撃。
クリアボールを拾った石井から縦に速い攻撃、中央に向かいドリブルする忽那からエリア内へスルーパス、唐山がシュートを放ちましたがオフサイドの判定に。
そして試合終了の笛が鳴り、2-2で引き分け。

相手に勝ち点3を渡さないというミッションには成功したものの、前節に続いてライバル相手に引き分けとなった愛媛。
以降も松本・栃木と下位相手が続く日程で、上位相手に未勝利である今季の星取りな以上、ここで勝たなければ……という状況。
痛み分けという言葉が綺麗に当て嵌まる「6ポイントマッチ」の連続から、脱出出来なければ後がありません。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節 FC琉球vs水戸ホーリーホック

2021-08-17 18:13:53 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(22節・相模原戦、0-1)
※前回の水戸の記事はこちら(18節・相模原戦、2-0)
※夏の移籍情報についてはこちら

記録的大雨の影響で、4カードもの試合が中止となった25節。
日本本土とは離れた沖縄の地では無事に開催されたものの、ここではリモートマッチという措置が延々と続けられており。
某知事のウィルス対策において批判が集まりつつある状況で、前年のユニフォームの胸ロゴの件といい、何かと自治体の影響を受けがちな琉球というクラブ。

それはさて置き、折り返しの時点で首位と勝ち点差4の3位と、今季は昇格に向けて絶好のチャンスが訪れている琉球。
中断明けの前節(北九州戦)、早速補強した武田・金井をメンバーに組み込み(武田は途中出場)、逆転勝利を果たして良い滑り出しを見せました。
フリーキックで得点という結果をいきなり残した武田を組み込んだ(中川と入れ替え)以外は、前節と変わらずのスタメンでこの日も臨みました。

水戸のキックオフで始まった前半、いきなりロングパスが通って好機となるも、新里のキック(ミドルシュート?)が味方の森に当たるハプニングでフイに。
しかしその後も水戸が押しまくる展開となります。
前半2分に相手クリアを拾った中山仁斗がシュート(GK猪瀬セーブ)、3分には右サイドで村田のパスカットを拾った中山仁がシュート(GK猪瀬セーブ)と、立て続けにトランジション直後のシュートでゴールを襲いました。

相手の攻撃力に脅かされる立ち上がりとなった琉球は、左サイドバック・上原慎也をターゲットにしたロングボールによる攻撃で落ち着きを取り戻しに掛かります。
高目に位置取る上原慎が裏抜けをする場面も目立ったものの、長くは続かず再度水戸のターン。
9分に右コーナーキックを得ると、キッカー伊藤の中央へのクロスから中山仁がヘディングシュートを放ちますがまたもGK猪瀬がセーブ。
この後もCKを量産して押し込む水戸、15分までに得たCKは5本。
右からは伊藤・左からは中里が務めたキッカーでしたが、前半の終わり際からは左右逆の担当となります。

後ろ2枚で運ぶ事が困難と判断したのか、以降琉球はボランチが降りて3枚での組み立てが主に。
17分には左肩上がりで組み立てたのち、中央への展開から風間宏矢のミドルシュート(枠外)まで繋げたものの、その後も水戸の攻勢は止まず。
23分には敵陣深めで中山仁がボール奪取した水戸、拾った伊藤がエリア内左へと切り込みシュートを放つ決定機となりますが、GK猪瀬が足でセーブして防ぎます。

飲水タイムが挟まれ(25分)、修正が図られたのか明けた後は琉球がペースを掴みます。
昇格したての頃は攻撃重視のチームでしたが、上位に君臨するクラブらしく、守備力や試合中の修正力でも持ち味を発揮しているようで。(修正力についてはこの試合が顕著か)
琉球のボールポゼッションが上がっていく一方で、水戸は最終ラインからの組み立てが上手くいかず、前線へのパスもズレるという悪循環に陥ります。

それでも琉球は中々フィニッシュに持ち込めず、また清武や風間宏矢ミドルシュートを放ちにいっても、ミートせず不発となるシーンが多々。
そんなジリ貧状態を突かれ、終盤の44分にはまたも水戸の好機。
右サイドから藤尾の低いクロスが跳ね返されるも、こぼれ球を繋いだのち新里のミドルシュートが炸裂しますが、これもGK猪瀬のセーブに阻まれ。
猪瀬が度々ファインセーブを見せましたが、それに応える事が出来なかったという前半の琉球。
結局スコアレスで折り返しとなります。

後半が始まると、前半同様にキックオフからの攻撃が好機に繋がり。
前半あまり目立たなかった金井が右サイドでのパスワークを経て上がり、クロスを入れる攻撃を見せた琉球。(シュートには繋がらず)
対する水戸は、センターバックの鈴木が一気に縦パスを通しにいく振る舞いを見せるも、好機は生まれず。

双方ぶつかり合った結果琉球優勢となり、金井が右サイド奥からクロスを上げてCKを得たり、敵陣で李栄直(リヨンジ)が前に出てのカットから好機を作ったりと押し込んでいきます。
一方劣勢となった水戸は早めにベンチが動き、後半9分に中山仁・森→奥田・松崎へと2枚替え。
前線で違いを作りに掛かります。

今夏の移籍市場で、最も動きが盛んとなった水戸。
正確に言えば「動かざるを得なくなった」というのが正しいでしょうか。
J1クラブからの引き抜きは止む事無く、住吉ジェラニレショーン・柳澤・平野の3人が個人昇格。
チームの練り直しを強いられる状況で、既に育成型レンタルで獲得していた藤尾・伊藤を主力に組み込むと共に、フリーとなっていた中里を獲るなどしてのやり繰り。

中断明け、早速ボランチとして平野の穴埋めを務める事となった中里。
今季は既に開幕前に緊急的に獲得しながらも、メンバーに定着できずに去る事となった温井の存在がありますが、チーム強化を果たす一駒となれるか。
この日の中里は中盤でパスを散らしつつ、自身もサイドアタックに加わるなど引き出しを見せる動きが目立ち。
平野とはまた違った特徴で、チームの潜在的な強さを呼び起こす事が出来るでしょうか。

さて、先に動いた水戸は直後にフィニッシュに持っていく(伊藤が左からカットインしてシュート・ブロック)も、琉球ペースの展開は変わらず。
前半のお返しとばかりに、12分から15分までに4本CKを得るという量産体制。
フィニッシュの面でも、11分に富所のスルーパスを受けた清武がエリア内からシュート。(ブロック)
13分にはCKから、ファーサイドで阿部の落としから武田がシュート(ブロック)と攻め立てます。

しかし、「水戸にはまだこの男が居る」とばかりに、本領を発揮したのは松崎。
投入後の10分に、右サイドを駆け上がってエリア内右からマイナスのクロスを入れる(ブロック)シーンを見せましたが、その突破力が勝負の決め手となりました。

15分、最終ラインから中里を経由して左サイドへ渡り、パスワークに中里が加わったのち中央へ展開。
新里から右ハーフレーンの松崎に渡ると、ドリブルでエリア内に進入してクロス。
これは左へ流れるも藤尾が拾って攻撃継続、戻されたのち中央で再度受けた松崎、またもドリブルでエリア内を急襲。
スピードで琉球・知念を振り切り、切り返しからシュート。
ブロック2人を掻い潜って豪快にゴール右へと突き刺さり、琉球守備網を突き破るという表現がピッタリのゴールを挙げた松崎。

一方の琉球、失点前に用意していた交代を敢行。
清武→清水へと交代し、4-4-2の布陣へとシフトして反撃を試みます。(風間宏矢が左サイドハーフ・武田が右SH)

しかしビハインドとなった心理状況故か中々ペースが掴めず、22分に飲水タイムが挟まれたのちも一進一退。
そんな状況の中、願っても無い好機が訪れたのが26分。
水戸・鈴木のトラップミスを阿部が掻っ攫い、そのままエリア内右へと進入し、奥からカットイン。
GK牡川をかわさんとするも、伸ばした牡川の腕がそれ以上の進軍を阻み、シュートに辿り着けず終わってしまいます。
それでもこのプレーの影響で、鈴木は足を攣らせて続行不可能となるなど、被害を隠せなくなってきた水戸。
代わって細川が投入され、同時に琉球も風間宏希→上里に交代します。

この間隙を突きたい琉球でしたが、直後にGK牡川のフィードを受けた松崎がまたも縦に鋭く突破。
たまらず富所が倒してしまい、右サイド奥でフリーキックを得た水戸。
ここでキッカー大崎がグラウンダーでクロスと変化を付け、細川が合わせる(枠外)とフィニッシュに繋げた水戸。
その後32分に中里も足を攣らせてしまう事態が発生しますが、以降も琉球に流れを渡さずに攻め上がり、34分には伊藤のラストパスを受けた奥田がエリア内からシュート。(GK猪瀬キャッチ)

38分に双方選手交代(水戸=中里・藤尾→木村・黒石、琉球=武田→中川)を敢行した後も、その流れは変わらず。
40分には村田(交代後はFWにシフト、黒石が右SBに)のロングボールの収めから、伊藤のスルーパスを受けた黒石がエリア内からシュート。(ブロック)
43分には左サイドから受けた伊藤が前進してエリア内を突き、後は撃つだけという状況で琉球・知念に倒されるも、笛は吹かれず。

すっかり反撃の糸口を掴めなくなった琉球、アディショナルタイム直前から、後方からのロングボール攻勢で打開しようとするも果たせず。
AT突入後も琉球陣内でのプレーを長く行う水戸、ボールキープを交える事で相手の焦りも顕著となり。
反則を受けてFKを得る事で時間も使いつつ、村田のエリア内からのシュートをGK猪瀬がセーブするという、どちらがビハインドなのかと言いたくなる状況も生み出します。

結局最後まで琉球は自陣深くから脱出できず、試合終了の笛が吹かれ。
水戸が上位相手に価値ある勝利を挙げた一方で、琉球は終盤の失速ぶりが顕著だったこの日。
ホームでの支援が得にくい状況のなか、首位戦線に踏みとどまる事が出来るでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第24節 ヴァンフォーレ甲府vsジュビロ磐田

2021-08-13 08:00:47 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(21節・岡山戦、3-1)
※前回の磐田の記事はこちら(22節・山口戦、2-2)
※夏の移籍情報に関してはこちら

昇格争いを繰り広げる甲府と磐田。
順位通りに好循環を保っているだけに、甲府は夏の補強策はほぼ無しと強気の体制。
一方の磐田は伊藤洋輝の海外移籍という事象が発生したため、穴埋め的に獲得したのが伊藤槙人。
「伊藤が退団したから伊藤を獲った」とくだらない事を言いたくなりますが、ともかくJ1のクラブから3選手を獲得と、昇格に向けて積極的な動きを見せました。
それでもいきなりスタメン起用するという冒険は犯さず、この日は伊藤槙・金子の2人がベンチ入り。

ともに3-4-2-1の基本フォーメーションで、ボールポゼッションに長ける者同士の試合。
鈴木雄斗のロングパスでルキアンを走らせる攻撃を見せた磐田の入り。
ミラーマッチらしくロングボールでの打開を切欠に主導権を握り、前半5分には遠藤のスルーパスを小川大貴がスライディングで際どく繋ぎ、山田大記がドリブルでエリア内右へ進入。
そこから低いクロスを入れ、ニアサイドで大津が走り込むも僅かに合わずと、甲府エリア内を脅かす攻撃を見せます。

対する甲府も押し込まれず、7分に最後方での繋ぎから、メンデスの縦パスがウィリアン・リラに入って好機。
リラから受けた鳥海が前進ののち、果敢にミドルシュートを放つもGK三浦に抑えられ。
鳥海が積極性を見せた事で、磐田からペースを剥がした甲府。
以降は特徴である、3バックの中央の選手(新井)が一列前に出てのビルドアップを展開。
かと思えば、左肩上がりに陣形を動かしてのパスワークから、右へと展開して浦上(右CB)が上がって受ける(11分)など多彩に攻撃を仕掛けていきます。

その後はクオリティ高い攻撃のぶつかり合い、といった試合展開に。
17分に磐田が好機、左サイドから山本康裕縦パス→遠藤スルーパスと縦に速い攻撃を見せると、受けた大津がエリア内左からグラウンダーでクロス。
ファーサイドでルキアンが足から跳び込んで合わせますが、至近距離でGK河田がセーブして防ぎます。
20分には甲府、敵陣中央で野津田がボール奪取すると、エリア内へとスルーパス。
これに泉澤が走り込んでシュートを放ちますが、オフサイドで無効に。
得点ランキング上位の選手(ルキアン=1位・泉澤=5位)もフィニッシュに絡み、接戦を彩ります。

27分に挟まれた飲水タイムののちは、甲府が攻撃権を握り。
しかし1トップのリラにボールを集めるも、30分には縦パスをオフサイドポジションでリラが受けてしまい攻撃終了。
35分には右サイドで関口のクロスが上がり、中央でリラが待ち構えるもファーサイドに流れ。(リラは不満げなジェスチャー)
攻勢の中でも好循環を掴めていないようでありました。

すると磐田が一瞬の隙を突きます。
37分、右サイドからのスローインが低く速いボールで甲府エリア内を突き、受けたルキアンがエリア内右奥からグラウンダーでクロス。
ファーサイドで松本が足で跳び込んで合わせゴールゲット、先制点を挙げた磐田。
甲府サイドからすれば、まさかスローインから直接エリア内のルキアンに渡すとは……と言いたくなるような失点となりました。

このショックが大きかったのか、以降主導権は磐田のものに。
これまで抑制気味だった、両サイドのCB(右=鈴木雄・左=山本義道)の上がりも見られはじめ、分厚い攻撃で試合を支配していく磐田。
42分、再びスローイン(ここでは遠藤が投げ入れており、こうしたスロワーを固定しない策が甲府を幻惑したのかも)から右サイドでパスを長く回し、その間に上がりを見せた鈴木雄がエリア内右奥からクロス。
この低いボールを中央でルキアンがボレーシュートに持っていくも、ブロックに防がれ。
44分には左コーナーキック、ショートコーナーを経ての遠藤のクロスから、ルキアンがヘディングシュートを放ちましたがGK河田がキャッチ。
追加点は奪えずも、甲府サイドに攻撃をさせないまま、前半を終えるという良い展開となった磐田。

共に交代無く迎えた後半、磐田が良い流れのままに立ち上がりから攻撃機会を作っていきます。
しかし甲府もただでやられる訳にはいかず、後半3分の最初の攻撃。
左サイドでの泉澤のドリブルから、中央へと展開したのち鳥海がエリア内のリラへ送ると、右からリラがグラウンダーでクロス。
これをファーサイドで泉澤が合わせシュートと、磐田の先制点と酷似するようなフィニッシュでゴールネットを揺らし。
泉澤の今季10ゴール目が生まれ、同点に追い付いた甲府。

やっとリラが良い形でボールを受けた事で生まれた甲府の得点。
尚も5分、再度鳥海の縦パスをエリア内で受けたリラ。
勝ち越しを狙うべく足を振るも、磐田・大井を蹴ってしまい反則・警告を受ける事に。(しかも痛んだのはリラの方)
2度は続かないという事を憚らずも示す結果になってしまいました。

そんなコメディチックなシーンに断を下すように、磐田が反撃。
7分、松本の浮き球パスをルキアンが収め、そのままエリア内に進入してシュート。
ブロックに阻まれ左CKを得ると、キッカー遠藤のニアへのクロスを鈴木雄がフリックし、クリアされるも跳ね返りが大津の下へ。
この浮き球を足下でボレーシュートにいった大津、難しいシュートに見えたものの、ジャストのタイミングで放たれたボールは豪快にネットに突き刺さり。
ゴラッソというべきゴールで、再び磐田がリードを奪いました。

1失点目と違い仕方無いという割り切りが甲府にあったか、その後はボールを握って反撃体制へ。
しかし磐田サイドは5-4-1のブロックを強固にして対抗し、ポゼッションは高まるもフィニッシュに持ち込めないという典型的な流れとなる甲府。
サイドを振りつつ右から関口が、左から泉澤がクロスを上げていくも、磐田の守備網を崩すにはもう一歩足りず。(14分に鳥海→長谷川に交代)
逆に15分、磐田は大井のパスカットからカウンターを仕掛け、遠藤のスルーパスを受けたルキアンが中央からシュート。(ブロック)
17分にも山本義縦パス→大津フリックでルキアンへと渡り、ドリブルからシュート。(枠外)
ルキアンの得点力で前掛かりの甲府を脅かしに掛かり、ポゼッションvsカウンターの試合展開が見られ始めます。

25分に飲水タイムが挟まれたのちも流れは変わらず、甲府サイドは行き詰まり感を覚えるような展開。
27分に2枚替えを敢行、リラ・野澤→有田・山田陸へと交代します。
甲府のCKを挟んだ後、磐田もそれに合わせるように2枚替え、遠藤・大津→鹿沼・金子へと交代。

清水→磐田への「禁断の移籍」で加入し、初出場となった金子。
早速彼の下に好機が訪れたのが35分で、右サイドで鈴木雄が持ち上がり、彼からパスを受けてエリア内に切り込む金子。
シュートチャンスだったものの、切り返した所を奪われて撃てず。

一方、交代後も中々流れを変えられない甲府、37分には野津田→須貝へと交代。
これが今季初出場の須貝を左ウイングバックに入れ、荒木がボランチへと配置転換し打開を図ります。
しかしその後も目立ったのは磐田のカウンターで、37分には鈴木雄の裏へのロングパスを受けたルキアンがエリア手前からシュート。(GK河田キャッチ)
続く38分にも金子のスルーパスに抜け出して受けたルキアン、今度はエリア内に進入し、カットインを経て中央から撃ちましたがブロックに阻まれモノに出来ず。
カウンターの脅威を与えるのに成功したこの日のルキアンでしたが、肝心のフィニッシュが決まらずとなりました。
そして39分にお役御免となり、ファビアン・ゴンザレスと交代。

一向に改善できない甲府、終盤になりたまらずパワープレイの体制へ。
メンデスを最前線に上げ、4-4-2のようなフォーメーションで最後の望みを賭けます。

メンデス狙いのロングボールから、セカンドボールを拾ってクロスまで繋げる事で、ようやく攻勢を取り戻した甲府。
しかし時間は既にアディショナルタイムで、磐田サイドも最後の交代カードを使って(小川大→伊藤槙)逃げ切りを図ります。

しかし先程の2枚替えとは違い、甲府のセットプレーの前に代えてしまったのが拙かったか。
左CKを得た甲府、キッカー長谷川がクロスを上げると、中央で合わせたのはやはりメンデスでした。
ヘディングシュートがGK三浦の手を弾いてゴールに吸い込まれ、土壇場で同点に追い付いた甲府。
JITリサイクルインクスタジアムのピッチ外の看板を数多飛び越え、雄たけびをあげるメンデス。

残り時間が少ない中で、3点目を狙いにいく両チーム。
磐田は再度金子の下に絶好機が訪れ、鈴木雄のラストパスを受けてエリア内でキープする金子。
そこを甲府・メンデスに倒され、再度フィニッシュを放てず終わり。
このプレーでノーファールだった事で興奮気味となったか、その後の甲府の攻撃、敵陣でボールを受けた長谷川が磐田・山本義に倒されて反則。
長谷川が起き上がった所を、磐田・鹿沼が引っ掛けて再度倒してしまい、両軍ヒートアップし一触即発状態となってしまいます。

結局この甲府のFKからのクロスは、再度メンデスが合わせにいくも撃てず、そのまま試合終了。
中断明けの最初の試合で、日本サッカー界に興奮を呼び戻すに相応しい乱戦模様を描きました(特に最終盤)が、両チームにとっては痛み分けの結果となりました。