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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第24節 アルビレックス新潟vs大宮アルディージャ

2021-08-11 16:07:51 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(19節・秋田戦、2-0)
※前回の大宮の記事はこちら(20節・山口戦、1-0)
※夏の移籍情報に関してはこちら

首位争いから離されたくない新潟と、降格圏から抜け出したい大宮との一戦。
大宮が河田・南を早速スタメンで起用してきたのに対し、新潟は高澤をベンチに留め置き、補強選手の起用においても対称的となりました。

補強に頼らずとも、今季の新潟のチーム力は優れたものであるのは説明不要で、その通りに立ち上がりから圧倒的にボールを支配。
前半4分に大宮が右サイドで馬渡のパスカットから、松本のスルーパスに走り込んだ三門がクロスを上げる(その前にゴールラインを割り無効)好機があったぐらいで、新潟ペースの試合展開となります。

その新潟、前半戦の持ち味の一つであった右サイドバック・藤原の特徴的な攻撃参加はこの日は影を潜め。
オーソドックスなSBのような動きに終始しており、その分サイドハーフのロメロ・フランクがポストプレイを頑張る、という右サイドでの攻撃。

それでもセンターバックとGKを根底とした新潟のビルドアップは健在で、パスワークに奔走される大宮の守備。
21分には左サイドでのパスワークから中央→右への展開を経て、藤原の手前からのクロスをロメロがヘディングシュート。
これがゴールバーを直撃しヒヤリとさせられ、フィニッシュは少量ながらもゴールまでもう一歩といった印象を残した新潟の第1クォーター。
その傍らでコーナーキックも4本獲得するなど押し込んだ証も残し、23分に飲水タイムが挟まれます。

明けた直後、大宮が最後方からの裏狙いで組み立てんとしましたが、直ぐに新潟サイドに戻る主導権。
28分には本間が敵陣でボール奪取、右サイドで受けた谷口がカットインの姿勢から足を振り抜くと、ゴール上に際どく外れるシュートとなります。
得点は近いという予感を残したのちの32分、高木が大宮・奥抜に倒されて反則、遠目ながら中央からのフリーキックに。
これをキッカー高木は直接狙い、壁に当たって右へこぼれたボールをスライディングで島田が拾ってチャンス継続。
藤原がドリブルで奥へ進入してクロスを入れ、クリアされるも再度島田が反応し、エリア内右からダイレクトで左足でシュート。
左サイドネットへと突き刺さる、島田の頑張りが綺麗に結果に結び付いた新潟の先制点となりました。

1点を取り勢いに乗る新潟。
尚も36分に島田が、38分に藤原がミドルシュートを放ち、いずれもブロックでCKとなるなど押し込む時間が続きます。

劣勢の中、切欠を掴みたい大宮。
攻撃の際は右SBの松本を高い位置へと上げ、3バックのように変形して組み立てようとしていましたが、効果的な攻撃は中々生み出せずといったここまでの流れ。
その後も右サイドから攻撃を試み、42分にボールカットした新潟・堀米に河田がプレッシャーを掛けたのが奏功して右CKに。
キッカー大山のクロスがクリアされるも繋ぎ直し再度右からクロス、こぼれた所をエリア内右で馬渡が拾ってシュート。(GK小島セーブ)

ようやく有効打を放った大宮でしたが、以降は新潟の時間。
前半最終盤に本間が大宮・松本に反則を受け、エリアからすぐ手前での絶好の位置でFK。
これを高木が再び直接シュート、ゴール上を脅かすも外れ、1-0のまま前半終了となります。

新潟のボールポゼッションに対し、大宮はプレスを嵌めようとするも果たせず、ひたすら攻撃機会を握られる時間帯を過ごす事となった前半。
ビハインドとなり後半は一層プレッシングの意識を強める必要が出て来た中、ハーフタイムにFWを交代。
イバを投入し(松本と交代)、FWだった黒川を右SHへとシフトする(馬渡が右SH→右SBへ)策を採ります。
霜田正浩監督就任以降、前試合でスタメンを張っていたイバでしたが、この日はベンチスタートで後半頭からの出場。
チーム全体プレッシングに意識が強まっていった結果、後半直ぐに息切れというのが今までのイバのパターンでしたが、ジョーカーとしての起用でどう変わっていくか。

最初にフィニッシュに辿り着いたのは大宮で後半2分、左サイドで奥抜のスルーパスに抜け出した三門がエリア内左からシュート。(枠外)
三門の飛び出す動きでリズムを掴みかけたものの、その後に危機が訪れます。

4分、新潟は右サイドで高木が反則を受けると、素早くリスタートしてスルーパス。
奥で受けた藤原がカットインでエリア内からクロスを上げると、本間が合わせて枠外となった所に、アフターで大宮・河本に倒され。
頭部へのチャージというのが印象悪く映ったのか、審判の笛が鳴って反則・PKとなってしまいます。
プレーに支障無く、立ち上がり自らキッカーを務め、ゴール中央やや左へと蹴り込む本間。
しかしGK南がこれを止め、その後詰められるもディフェンスも必死の戻りで防ぎ、追加点を免れた大宮。

このビッグプレーで流れを変えるべく攻め上がる大宮でしたが、10分にはカウンターで新潟の好機、ロメロがドリブルから右へスルーパス。
谷口のリターンを受けたロメロ、エリア内中央でシュートを放つもゴール上へと外れ。
12分にはベンチも動き奥抜→柴山へと交代しますが、依然として新潟有利の流れは不変。
新潟の最後尾に対し果敢にプレスを掛けるも、エリアまで詰めにいってもそこからかわされ、好機を作られるシーンが多々見られました。
特に追い込んでサイドに叩かせた時の連動性が今一つで、順位通りのチーム力の差が表れた絵図に。

一方押し気味の新潟は、19分に島田・ロメロ→高・鈴木へと2枚替え。(谷口が左SHへ、本間が右SHへシフト)
23分にはリードしている立場らしく遅攻から好機、右サイドで本間が切り込んだのちのパス回しから、中央→左へと移動して堀米が手前からクロス。
これをニアサイドで鈴木がフリック気味に合わせヘディングシュート、対角線で巧く枠を捉えるもGK南のセーブに阻まれます。

24分に飲水タイムが挟まれ、大宮は2枚替え。
河田・黒川→中野・小島へと交代、イバを最前線とした4-2-3-1気味の布陣へとシフト。(柴山が右SHで、中野が左SH・小島がトップ下?)

すると明けた後の大宮最初の好機。(27分)
河本のロングパスをイバがフリック、クリアされるも右サイドで柴山が拾い、カットインの姿勢からエリア内へラストパス。
受けたのは投入直後の中野で、果敢にシュートを放ち見事にゴールゲット。
ファーストプレイで得点を挙げた中野、この日が実に10試合ぶりの出場であり、復活アピールに成功します。

相手の布陣変更に対応が遅れた感があった新潟。
30分には自身も布陣変更を絡めた交代を敢行、本間→高澤へと交代し、3トップ気味へとシフトします。
高澤を最前線に置き、アンカーを高としての4-1-2-3のような布陣に。

ともに1点が欲しい状況となり、新潟のボールポゼッションに対し喰らい付く大宮。
ボール支配する新潟ですが、流れの中から中々好機を作れずに時間を浪費していきます。
上位相手に勝つチャンスを得て、大宮サイドの思考も前掛かりになっていたのでしょうか。
37分には小島が、43分には三門が反則で警告を受け、小島が4枚目で次節出場停止に。

好機はセットプレーからで、新潟は36分に右サイドからのFK、星(藤原と交代で出場・35分)のファーサイドへのクロスに舞行龍が合わせボレーシュート。(ブロック)
大宮は41分に右から馬渡のロングスローが入ると、ニアサイドで河本がヘディングシュート。(枠外)

1-1のまま後半もアディショナルタイムを迎え、新潟が再び押し込む展開に。
右サイドからの星のクロスに谷口がヘディングシュートを炸裂させるも、右ゴールポストを直撃。
その直後には再び右から星のクロスが入り、こぼれ球を高澤がシュート、ブロックされた所を鈴木がシュートするもゴール左へと外れ。
今までボールを回され続けて来た大宮は、疲労が色濃くなってきたのか完全に守勢となり、迎えたAT4分。

ここも右サイドの星からのクロスで、こぼれたボールをエリア内左で谷口が拾い、エリア外へと出たのち中央から振り向きざまにシュート。
ボールはグラウンダーでゴール左隅へと突き刺さり、土壇場で勝ち越しに成功した新潟。
地力の差がとうとう結果に表れた……かに見えましたが、ドラマには続きがありました。

直後の大宮のキックオフ、最後方の河本からのロングボールを前線に上がった西村がヘッドで繋ぎ、エリア内で中野が落とした所を西村がボレーシュート。
パワープレイを成功させ(逆サイドのターゲットには山田(大山と交代で出場・42分)が居た)、再度追い付いた大宮。

俄然前掛かりになり、尚も3点目を狙いにいった大宮でしたが、チーム力の差は隠せず。
柴山のシュートがブロックされた所をカウンターを受け、数的不利でエリア手前まで迫られると、三門が後ろから新潟・高木を倒してしまい反則。
当然カードの対象となり、2枚目の警告を受けて退場となる三門でしたが、覚悟の上でのプレーだったでしょう。

ラストは新潟のセットプレーとなり、この絶好の位置でのFK、キッカー高木が直接シュート。
ゴール右を襲ったボールをGK南がセーブ、直後のCKもキッカー星のクロスが直接ニアのゴールラインを割ったとされ、モノにならず。
死力を尽くした試合は、2-2の引き分けという結果に終わりました。

シュート数で圧倒された(16対5)うえ、次節出場停止者を2人も出すなど甚大な被害を受けた大宮。
それでも耐え忍ぎ、勝ち越されてもすかさず執念で追い付き、勝ち点1を得たのは評価出来る試合となりました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第23節 ファジアーノ岡山vsザスパクサツ群馬

2021-07-22 18:47:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(21節・甲府戦、1-3)
※前回の群馬の記事はこちら(15節・金沢戦、1-1)

丁度リーグ戦の半分を終えた段階で監督交代を断行し、それにより「残留争いを勝ち抜く戦い」へとシフトした感のある群馬。
目先の戦い・維持のための戦いというマイナスイメージを持たれかねないものの、今季の拡大している降格枠の事を考慮すれば、割り切って今後の試合に挑むのは重要でもあり。

過酷な戦いに挑む久藤清一氏、自身2度目のトップチームの監督であり、前回の働き場も2年前残留争いに巻き込まれた福岡。
どうやら残留争いという宿命を背負ってしまっているのでしょうか。
最初の指揮となった天皇杯3回戦(順天堂大学戦)では、延長戦にもつれ込む死闘を強いられたものの、何とか振り切って勝利。
前節・ヴェルディ戦(2-2)にプラス材料を持ち込む事に成功し、しぶとく勝ち点を拾う戦いに突入したと言って良いでしょう。

この日の相手は岡山で、そんな残留争いとは無縁……とまではいかない、勝ち点26で13位と今後の星取り次第では危うい位置。
この底辺付近での蜘蛛の糸を掴まんとする戦いを対岸の火事と出来るか、はたまた自身が蜘蛛の糸と化してしまうか。

立ち上がり、群馬は奥野僚佑前監督の時代と同様、ある程度のボール支配を根底とした攻撃を展開。
就任して間も無い久藤氏、自身の理想の落とし込みよりもまずは継続性を重視するといった立ち回りを感じさせます。

前線ではスルーパスを交え、何度か岡山エリア内を襲うシーンは見られたものの、フィニッシュまでは辿り着けなかった群馬。
すると次第に岡山ペースへと針が振れ始め。
前半11分、白井の裏へのロングパスが上門に渡り、エリア内右からシュートを放つもGK清水がセーブ。
20分にはプレッシングで群馬・大前からボール奪取し、拾った徳元がミドルシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。

ともに4-4-2のミラーゲームで、プレスを嵌める・かわすという攻防を制した方がペースを握る、といった序盤戦。
次第にプレッシングが冴え、ビルドアップで長短を使い分ける岡山の方に一日の長があったでしょうか。

26分に飲水タイムが挟まれ次の局面となり、最初に岡山がフィニッシュに辿り着き。(30分)
その手段はカウンターで、中央へ縦パスを送って突破を図り、一旦カットされるも上門が拾い前進してそのままミドルシュート。(GK清水キャッチ)
しかし以降岡山は主体的な攻撃を仕掛けられず、その間隙を突いて群馬がペースを奪い返します。

30分頃から(恐らくは飲水タイムが契機)、ボランチ1人が降りる最終ライン3枚でのビルドアップの形へと変更。
この日の立ち上がりは2枚としていましたが、その所為で岡山のプレッシングに難儀すると判断したのでしょう。
そこからサイドへ展開したのち、サイドバック・サイドハーフが中心となって三角形を形成してのパスワーク。
これで攻撃権を支配していくも、40分に岩上のロングパスをエリア内で収めてボレーシュートした高木がオフサイドとなるなど、決定的な場面は中々訪れず。

一方群馬の跳梁を許していた岡山、43分には河野の右サイド手前からのクロスに、中央で徳元がダイビングヘッドで合わせましたが惜しくもゴール左へと外れ。
巧く攻撃を組み立てられない状況ながら、浅い位置からのクロスに活路を見出していた節があった第2クォーターの岡山、決定機を作ったものの先制とはならず。

終了間際の45分には群馬が、中盤でのフリーキックながら放り込む選択を取り、クリアされたのち右サイド手前から金城ジャスティン俊樹がクロス。
走り込んだ田中稔がファーサイドで合わせ、逆サイドでさらに青木が折り返すも、ゴールラインを割ったとされフィニッシュできず。
最終盤は早めの放り込みが目立った両チームですが、結局スコアレスで前半を折り返します。

共に交代は無く、開始された後半。
前半の立ち上がり同様、群馬はボールを握って攻勢を掛けるも、勝負所でパスがズレたりクロスの精度を欠いたりで実らず。
すると後半6分に中盤でもミスが生まれ、岡山の攻撃を許してしまう(ここはシュートまでいけず)と、ペースを失う事となります。

以降は岡山が群馬顔負けの、最終ラインからパスを繋いでの攻撃を展開して押し込み。
8分には右サイドでパスを繋ぎ、木村のカットインからの中央へのパスがズレるも左サイドで宮崎智彦が拾って継続。
クロスはブロックされるも尚も繋ぐ宮崎智、中央に渡って白井がミドルシュート。(ブロック)
9分は左サイドから前進し、白井からエリア内へと渡り、齊藤のボールキープを経て上門がシュート。(枠外)

10分からはミドルシュート・セットプレー攻勢で、徳元の左サイドでのドリブルから上門に渡り、中央へ流れたのちミドルシュート。
これもブロックされ、ここからコーナーキックが続き。
その1本目で、クロス→クリアという流れが4度続いたのち、中央で拾った河野がミドルシュートを放ちましたがGK清水のセーブに阻まれ。
再度のCK、クロスがクリアされた跳ね返りを宮崎智がボレーシュートするも、ブロックされてまたもCKと押し込み続けます。(3本目のCKはシュートに繋がらず)

一方で流れを失って以降、全く好機を作れなくなってしまった群馬。
ベンチが早めに交代を敢行していく事となったのは意味当然で、岡山のCK攻勢が終了したのちの13分に2枚替え。(青木・ジャスティン→久保田・小島)
それでもペースを掴む事が出来ず、守備陣は奮闘して岡山の好機を減らしていくも、得点を奪える気配は無く。
すると21分に再度交代、高木→内田へ代えると共に、中山がボランチ→右SH・田中稔が左SH→FWへとシフトと配置転換も絡めます。

その後の23分、徳元が群馬・小島のチャージを頭部に受け、出血してピッチ外へ。
一時的に10人となった岡山ですが、その間に好機が。
敵陣左サイドでの上門のボール奪取から、中央へと流れたのちエリア内左へとスルーパス、そこに齊藤が走り込み。
シュートを放った齊藤ですが、距離を詰めたGK清水がブロックし、尚も跳ね返りを角度の無い所から齊藤が撃つも今度は群馬・畑尾がブロック。
何とか凌いだ群馬、畑尾がブロックの際に痛んだのを境に飲水タイムが採られる事となります。

このブレイクで動いたのは岡山で、治療していた徳元を復帰させずに交代、喜山を投入という選択を取ります。(木村が右SH→左SHへ、白井がボランチ→右SHへシフト)
アクシデント気味ではあったものの、依然として岡山の流れは続き、両サイドで深めにボールを運ぶ攻撃。
また敵陣深めでのボール奪取と、決定機が生まれそうなシーンは作っていくも、群馬サイドも良く粘りシュートまでは持ち込めません。

しかし攻勢に出れないのは相変わらずな群馬、32分に最後の交代を敢行します。
中山・高橋→進・光永へと交代し、進がFWに入り、田中稔が右SHへと回り。

攻勢を続けていた岡山ですがこれだけ長時間攻め、かつ飲水タイム以降効果的なフィニッシュを放てないとなると、攻め疲れが懸念される事となり。
前回対戦時(9節)も終始押し気味に試合を進めながら、虎の子の1点を守り切られるという内容で、それを払拭したい展開を迎えつつありました。

38分に齊藤→山本へと交代、前線をフレッシュにして最終局面に挑みましたが、ここから恐れていた時間が到来。
攻守交替し群馬ペースへと針が振れ始めるという嫌な流れに。
40分、敵陣で左→右へとサイドを移すパスワークから、田中稔の裏へのミドルパスに走り込んだ小島からグラウンダーのクロス。
そして中央で久保田がシュートするもブロックされ、尚も繋いで内田がミドルシュートを放ちますがこれもブロックに阻まれ。
得点はならなかったものの、この時間帯でやっと後半最初のシュートに辿り着けた群馬。

こうなると勢いが生まれるのは当然で、迎えた42分。
降りてきた大前から右サイドへ展開し、田中稔の手前からのクロスがブロックされるも、拾った大前がミドルシュート。
GK梅田がセーブしたものの、跳ね返りがエリア内やや左の岩上の下へと転がり、躊躇せずに詰めた岩上がネットに突き刺し。
苦しい展開を跳ね返す先制点を、とうとう手にした群馬。

一方、予感が的中してしまいリードを奪われた岡山。
直後に木村・宮崎智→宮崎幾笑・廣木へと交代し、少ない時間ながら反撃を心ようとするも、余裕が生まれた群馬がボールを握る展開を強いられ。
先程までのように主導権を握る事が出来ず、アディショナルタイムへと突入します。

センターバックの井上を最前線に上げ、パワープレイも交えて何とかこじ開けようとする岡山。
左サイドから廣木のクロスが入るシーンが生まれ、そのクリアボールをパウリーニョがヘッドでエリア内へ送り、井上がボレーシュートにいくもののミートせずに終わり。
奮戦も実らず、そのまま0-1で試合終了となり、群馬が両方ウノゼロでのダブルを達成という運びとなったこのカード。

従来のサッカーにハードワーク・粘り強さを加え、とりあえずの結果を出す事に成功した久藤氏。
順位的にも降格圏を脱する18位へと浮上しましたが、下を見ると愛媛・大宮・相模原と、今の群馬と同様に監督交代で残留を目指すチームの目白押し。
中断期間が挟まれる事でサッカーの内容もまだ変わる可能性もありますが、再開後の最初の試合(8月9日)がライバル・愛媛という事で、最初から際どい勝負を強いられそうです。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第23節 愛媛FCvs東京ヴェルディ

2021-07-20 16:18:43 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(20節・町田戦、0-5)
※前回のヴェルディの記事はこちら(16節・秋田戦、3-1)

16節から怒涛の5連勝で、上位を伺う姿勢に入ったと思われたヴェルディ。
それでもこの5勝はいずれも中~下位、または秋田・栃木のようなポゼッションを端から放棄しているチーム相手と特徴がハッキリしており。
前半戦に植え付けられた、「上位相手には手も足も出ない」という印象を覆すには物足りなさがあったのも事実。
前々節は松本に敗戦(1-2)で連勝ストップ、前節は群馬に引き分け(2-2)と、下位相手に勝つ事もままならなくなっている現状。
そしてこの日の相手は愛媛と、下位相手が続く日程故取りこぼせないという意識が逆に動きを堅くしているのでしょうか。

この日も立ち上がり、愛媛のハイプレスでビルドアップに苦しむヴェルディ。
前半2分、愛媛は敵陣右サイドで近藤がボール奪取に成功し、同サイドで藤本からのクロスを吉田が合わせにいく好機を作り。
暗雲立ち込めるシーンを作ってしまうと、5分に再度忽那が左サイドでボール奪取して愛媛の攻撃。
拾った田中が前進し、エリア内を伺わんとした所で中央へ送り、受けた近藤がミドルシュート。
ンドカ・ボニフェイスがブロックに入るも、逆にゴール右隅へと軌道が変わり、綺麗にネットを突き刺すシュートとなりました。
序盤から総員突撃のように果敢に仕掛けた愛媛、先制点でその姿勢が報われる事に。
逆にヴェルディは前述の堅さが、ビルドアップは今一つ、失点シーンでもブロックにしっかり入れずという具合に作用してしまったか。

その堅さをほぐしたいヴェルディ、10分にはGKマテウスのショートパスから攻撃、加藤の縦パスを受けた井出が中央をドリブル。
エリア手前で奪われるも山下が奪い返し、左サイドへ展開したのち山口がクロス(シュートまでは行けず)と、最後方から一つ良い場面を作り。
これでボールが回るようになり、パスワークで愛媛ディフェンスを翻弄。
11分に端戸がポストワークでキープする所を愛媛・浦田に倒されるなど、立ち遅れ故の反則も目立つ事となります。
15分にはゴールゲッター・小池の下にチャンスが訪れ、ンドカの縦パスを受けた井出のスルーパスから、山口が左からグラウンダーでクロスという速い攻撃。
ニアサイドで合わせた小池ですが、シュートはGK岡本のセーブに阻まれます。

そして21分に左コーナーキックを得たヴェルディ。
キッカー佐藤優平のニアサイドへのクロスを、ンドカが合わせヘディングシュート。
対角線で右サイドネットを捉える、守備側にとって成す術のないシュートがゴールネットを揺らし。
第1クォーターのうちに同点となり、点の取り合いを予感させます。
実際に直後の愛媛キックオフからの攻撃、茂木のロングパスを中央で藤本が収め、ペナルティアークから吉田がシュートを放つ(ゴール左へ外れる)シーンが生まれ。
攻め合いの雰囲気を生みつつ、26分に飲水タイムが挟まれます。

ブレイク明けの立ち上がりも攻勢を掛ける(28分には再度吉田がシュートもブロック)など、いつに無く積極性が目立ったこの日の愛媛。
しかしヴェルディはそれを何とかいなすと、持ち味のボールポゼッションで奥深さを発揮。
序盤は愛媛のプレッシングに苦労していたものの、2トップが相手故、ヴェルディの本来の姿である最終ライン3枚でのビルドアップは健在。
左サイドバックの山口に高い位置を取らせ(従来その役を担っていた福村が逆の右SBなのが可笑しくもありますが)、ストロングポイントを発揮していきます。

32分、最終ラインから左へ展開すると、受けたのはアンカーの加藤。
ここで加藤がサイドに開くという変化を見せた事で、ギアを上げていく意思表示となったでしょうか。(ここではクロスが入るもシュートまでは行けず)

35分に再びCKから、中央へのクロスを若狭がヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と惜しいシーンを作り。
押し気味の流れが出来上がったのちの38分。
ここも左サイドへの展開から、山口から受けた井出が中央へ向かうドリブルののちエリア内へスルーパスが出され、小池が受ける絶好機に。
ディフェンスにこぼされた所を、エリア内右で山下がシュート、GK岡本がセーブするも小池が詰めにいき。
小池がトラップしたボールが愛媛・三原に当たると、そのままゴールへと転がってゴールイン。
愛媛サイドは小池の腕に当たったとして紛糾するも、判定は覆らずヴェルディの得点となります。(公式記録も、最初は小池の得点のようだったが後にオウンゴールに)

先程の失点直後は流れに負けない攻撃を見せた愛媛でしたが、流石に前半での2失点はモチベーションに影響したか。
直後に山下のドリブルを止めた忽那が反則・警告を受ける等、ヴェルディの攻撃に翻弄される時間が長くなり。
それ以上の失点は防いだものの、1-2のまま前半を終えます。

流れを変えようと、ハーフタイムに三原→小暮へと交代カードを切ってきた愛媛。
それでも一度出来上がった流れを崩すのは容易では無く。
逆に前半に露呈した、愛媛の後追いのチャージが一層目立つ事となり、試合も珍妙なムードが流れ始めます。

切欠となったのは後半4分、ヴェルディ・加藤の吉田に対する反則で、フリーキックを妨害した山下が警告を受けたシーンだったでしょうか。
不穏な空気が生まれ始めたか、その後の6分に佐藤優が浮き球を競り合いにいった後、味方のンドカの足が入ってしまった事で痛んで倒れ込み。
ここまではヴェルディの自爆というべきでしょうが、1分程試合が止まったのち、8分にはパスを出そうとした山口が愛媛・小暮のチャージを受けて痛み。
これがノーファールで流されたうえ、山口は続行不可能となり担架で運ばれる事態となった事で、その空気が固定される事となってしまいます。(深澤が投入され、福村が左SBへ回る)

10分には、ポストプレイの体制に入った端戸が後ろから愛媛・浦田に倒され。
流石にこれには反則・警告となるも、以降もヴェルディの選手が痛むシーンが続出。
16分に端戸が愛媛・田中に倒されると、その後鼻?から出血したという事で止血のためピッチ外へ。
一時的に10人になったヴェルディですが、その最中にも山下が愛媛・茂木と接触し倒れ込むなど、物理面での崩しに苦しむ時間帯となってしまいました。
(28分には佐藤優が愛媛・内田に倒され動けなくなり、ノーファールの中プレーが続けられるというシーンも)

そんな中でも攻撃を続けたヴェルディ、19分には絶好のカウンターチャンス。
小池のディフェンスから井出がドリブルで一気にエリア手前まで進み、端戸がペナルティアークからシュートしますが惜しくもゴール左へと外れ。
ラフプレーに喘ぎながらも攻勢に入っていましたが、結局この時間帯で追加点は奪えず。

25分には山下が浮き球を収めて抜け出そうとする所を、愛媛ディフェンス2人に阻まれ倒されると審判の笛が鳴り。
サンドしたのは浦田と大谷で、審判が黄色い紙を突き出した事で「浦田が2枚目で退場か?」という雰囲気が生まれましたが、後ろからいった大谷への警告となり。
何とか命拾いした愛媛、そのまま飲水タイムへと突入し、明ける際に2枚替えを敢行(吉田・忽那→唐山・石井)と反撃体制に入ります。

降格ラインを行ったり来たりという、残留争いの典型を描いてしまっている愛媛。
目下3連敗中、この試合も含めると4戦で11失点という成績面でもさる事ながら、試合以外の所でも物議を醸す事となってしまい。

DAZN中継で、愛媛ホームでの解説を務める事が多い大西貴氏の、その解説についてニュースに取り上げられてしまったのが20節・秋田戦。
もう旬を過ぎている話題で、ここから何かを語るのもおこがましいと思うので、個人的な意見を述べるに止めます。
前年から、愛媛の試合を取り上げる際に観る試合中継で、解説が要因で不快さが残る事が多かった。
愛媛自身が低調な試合内容だったという要素もありますが、それに合わせるかのように後ろ向きな言葉ばかりが並べられる、というのが悪い意味で印象に残り。

自分が書いた記事では2020年29節・栃木戦が最も印象的で、前半から栃木のプレッシングに成す術も無い試合内容で、当然愛媛に対する不満の嵐となり。
特に後半選手交代で多少盛り返した際の、「これだけで改善されるんですよ(うろ覚え)」という「何で前半からそうしなかったのか」と取れるニュアンスでの喋りが、強烈にインパクトに残され。
しかし栃木に先制され、試合終盤は全く攻められなくなるという試合展開で、「改善とは何だったのか……」なんて思いにもさせられる事となり。
そんな試合の事を思い出し、今回のように槍玉にあげられるのはある意味当然だな……とも思わされました。

話は脱線しましたが、そんな要素も反発心に変えつつ残留を目指したい愛媛。
ヴェルディは佐藤優が前述の痛みの影響もあったか、33分に退き。(石浦と交代、同時に端戸→佐藤凌我へと交代)
それと同時に愛媛も大谷・内田→森谷・榎本へと2枚替え、これで交代枠を全て使うという勝負に出た實好礼忠監督。(田中がボランチ→中央センターバックへとシフト)

これでヴェルディは殆ど攻め込めなくなり、愛媛の怒涛の攻撃が繰り広げられます。
40分相手のミスから左サイドで唐山が拾い、一気に中央へとドリブルで前進し、エリア内に進入した所でシュート。
しかしヴェルディ・若狭のブロックに阻まれ、その後CKが続いた2本目。(右)
一旦クロスがクリアされたのち、森谷から再度入れられたクロスをニアで田中がフリックし、流れたボールを藤本がシュートしますがGKマテウスのセーブに阻まれ同点ならず。

一気に劣勢になったヴェルディですが、42分に再度交代。(小池・井出→持井・梶川)
梶川で展開力・持井で推進力を担保した結果、以降攻撃機会を作れるようになり。
お互いイーブンといった感じで、試合はアディショナルタイムへ。

その最初の愛媛の攻撃でした。
森谷のロングパスがヴェルディ・持井にカットされた所を、榎本が奪い返してそのままドリブルで突進。
左から中央へ向かってエリア内へ進入と、先程の唐山を彷彿とさせるシーンを描いたのちシュート。
GKマテウスが弾くもこぼれ球がゴールへと転がり、ライン際で持井がスライディングで掻き出したものの、ラインを割っていたとの判定でゴール。
土壇場で同点に追い付いた愛媛。

以降はヴェルディが攻勢を掛け(CKを2本得る)、勝ち越しを狙わんとするも、それが果たされる事は無く。
2-2で引き分けを告げるホイッスルが鳴り響き、愛媛にとっては貴重な勝ち点1を得る結果に。

唐山・榎本のドリブル突破が、最後にヴェルディの牙城を崩した原動力になるという、フィクションのような展開。
中断期間を経て、彼らの推進力で閉塞感をぶち破れる日は来るでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第23節 ジェフユナイテッド千葉vsツエーゲン金沢

2021-07-19 16:23:58 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(19節・磐田戦、0-1)
※前回の金沢の記事はこちら(17節・大宮戦、1-0)

19節から上位陣との3連戦(京都・山形・琉球)に挑んだ金沢でしたが、結果は3連敗に終わり。
特に山形戦での大敗は堪えたようで、以降センターバックには石尾に代わって稲葉が定着。(石尾はベンチ外が続いているが繊細は不明)

スタメンが固定傾向で、行き詰まれば序列交代というのが(アクシデントが絡まなければ)割とオーソドックスなリーグ運営。
今季の金沢もその例に漏れずの出場記録で、大きな動きとしては左サイドハーフのホドルフォの起用。
5戦未勝利の時期に、故障が癒えた事でスタメンに抜擢されると以降レギュラー定着、この日まで継続してスタメンとなっています。
しかし連勝(17・18節)の後再び下降線を辿っているチーム状態、稲葉を使用してから3試合連続で同一のスタメンを張っており。
この日も敗戦してしまうようならば、再び序列の入れ替えが起こりそうですが、折りしもこの日を最後に3週間の中断期間に入るJ2。

前半立ち上がり、金沢がロングボールを多用する入りで、その影響故か中々ボールが定まらない流れに。
空中戦を制して千葉ボールになる事が多く、そこで前半5分と6分に金沢・藤村が立て続けに敵陣で反則を犯した事で、フリーキックを得た千葉が押し気味に見えるような展開となります。(いずれもシュートには繋がらず)

しかしそこに水を差すようなアクシデントが。
12分、空中戦で競り合った千葉・鈴木大輔が倒れると、そこに味方の小田の足裏が顔に入るという不運な形で痛んでしまい。
眼の付近を痛めたという事で、慎重な治療が施された末に、16分に復帰を果たした鈴木。
ホッと一息でしたが、その右目の付近には痛々しい腫れが出来てしまう事となりました。

鈴木大がピッチ外に居る間は金沢が押し込む流れでしたが、復帰後は一変して千葉の攻撃。
17分に鈴木の縦パスから左サイドで攻め上がり、小田のクロスがクリアされたのちも継続し、田口から斜めの縦パスがサウダーニャの下へ。
エリア内でキープするサウダーニャ、左からシュートかクロスか解らない強めのボールを蹴ったもののブロックされ、拾い直してクロスに切り替えるもGK後藤に抑えられ。
1トップのサウダーニャの能力は健在ながら、それに傾倒してしまう様子を「戦術・サウダーニャ」と揶揄されがちな千葉の攻撃。
それでも見木と船山が得点を重ねるなど前線の活性化はなされているという事実もあり、この日もサウダーニャを活かしつつ、流れの中からチームとしてしっかりと得点したい所。

そんな事を考えているうちに、金沢が決定機を迎えたのが21分。
左サイドで2トップ(丹羽・杉浦恭平)が斜めのパスを受けながらダイレクトパスで前進、杉浦恭のグラウンダーでのクロスが入ると、中央で合わせたのは嶋田。
流れるようなプレイからシュートで締めたものの、GK新井章太のセーブに阻まれコーナーキックに。
その左CKからも、藤村のニアへのクロスを大橋が擦らすヘディングシュート、ゴールに向かったものの寸前で千葉・小田に跳ね返されて先制ならず。
千葉にとっては間一髪のシーンが続き、その余韻が残りつつ25分に飲水タイムが挟まれます。

先程の好機は左サイドからだった千葉、以降も左ウイングバックの小田が跳梁するシーンが目立ち。
27分、右サイドで作ったのち中央へ渡り、見木のパスをエリア内左で受けた小田が前進からシュート。(ブロック)
42分にも左サイドで持った小田、田口とのパス交換を経てカットイン、エリア内へ切り込まんとしますが金沢・松田に倒されてシュートまでは行けず。(反則無し)

それでもこの時間は、金沢が敵陣でボールカットするシーンが多く、中々リズムに乗れなかった千葉の攻撃。
金沢サイドも、ショートカウンターで一気に得点を……という攻撃には繋げられず、一種の停滞感も漂う事となり。

そんな流れで突入したアディショナルタイム(鈴木大の治療の時間があったため長めの4分)、終盤に攻撃権を得たのは千葉。
右サイドのスローインから、安田が金沢・藤村に倒されつつもスルーパスを送り、走り込んだ新井一耀からグラウンダーでクロス。
するとニアサイドに入り込んだ見木が、ヒールで合わせゴールに流し込むという芸術的なシュートを放ち、見事先制点をゲット。
この日も得点を挙げた見木、7ゴール目でチームトップをひた走り、技量と共に存在感を見せ付けました。
その後もエリア内へのスルーパスにサウダーニャが走り込んで受ける場面を作った千葉(シュートまでは行けず)、既存戦力とサウダーニャとの相乗効果をアピールして前半を終えます。

リードを奪われた金沢は、ハーフタイムでホドルフォ→金子へと交代。
左サイドで突破力を……と期待されたホドルフォですが、この日は中々良い形で攻撃に絡めず。
建て直しに白羽の矢が立てられ、右の嶋田が左へと回る事となりました。

前半は、決定機の場面でのシュート2本のみという記録に終わっていた金沢。
最初の攻撃は後半2分、早速ポジションチェンジをした嶋田が、相手のクリアを拾ったのちすぐにミドルシュートを放ち(GK新井章キャッチ)積極性を見せる振る舞い。
しかし9分には、その前向きな気持ちが仇になったか、タッチライン際での攻防を経て反則を取られた嶋田。
するとボールを叩きつけるという、判定に不服な姿勢を示してしまいあえなく警告を受け。
4枚目で次節出場停止と、中断を長くしてしまう事となりました。

それでもその前向きな姿勢で、徐々に金沢が押す展開となり。
11分には千葉のパスミスを拾って攻撃、島田のエリア内へのミドルパスはクリアされるも、跳ね返りを右ハーフレーン・エリア手前から金子がボレーシュート。(ゴール上へ外れる)
そして続く12分、右サイドで金子のドリブルがこぼされて右CKを得ると、キッカー嶋田のクロスに中央ニアサイド寄りで跳んだのは松田。
綺麗に合わせてゴールネットを揺らし、早い段階で同点に追い付く事に成功した金沢。

尚も15分に嶋田がミドルシュートを放つ(GK新井章セーブ)など攻勢を続ける金沢。
それに対し千葉は慌てず、今季から取り組んでいるボールポゼッションを高めての攻撃を見せ始め。
パスワークで繋ぎつつ隙を伺い、チャンスボールを入れる攻撃で、逆転を目指す金沢の気勢を削ぐ事に努めます。

それが奏功したか、早く主導権を取り返したいと焦った金沢は、ルーズボールに対し丹羽が千葉・田口をチャージしつつ拾いにいったのが反則を取られ。
これでFKを得たのが18分、キッカー船山のクロスが跳ね返され、二次攻撃を展開する千葉。
ここでもサイドチェンジを交えつつの遅攻の姿勢で、左サイド奥で受けたチャンミンギュの戻しから小田がクロスを上げ。
中央で見木が合わせにいくも新井一と被ってしまい撃てず、しかしこぼれ球をその奥で船山が収め、そのままボレーシュート。
豪快にネットに突き刺さり、勝ち越しに成功した千葉。
2人の得点源(見木・船山)によるアベック弾と、攻撃への取り組みが間違って居ない事を証明するこの日のゴールとなりました。

再びビハインドとなった金沢、守備を固めにかかる千葉に対し、こちらも最後方からパスを繋いでのビルドアップを交えて反撃を試みます。
しかしボールを握らされている感は拭えず、飲水タイム(23分)直前に藤村がミドルシュートを放った(枠外)ぐらいで、同点への機運は薄れていきます。

対する千葉は27分、小田→末吉に交代。
左サイドで良いパフォーマンスを見せていた小田に代わっての出場となった末吉。
29分に自身も左サイド奥に切り込み、金沢・松田に腕で倒されて反則・FKを得て貢献。(松田に警告)
この左サイド奥からのFK、キッカー船山から放たれたボールは、角度の無い場所ながら直接ゴールを襲い。
弾かれてゴールラインを割る惜しいボール(GK後藤が弾いたように見えたが、ゴールキック判定なためゴールバー直撃か)となります。

このまま攻撃権を確保しつつ、相手の反撃を凌ぐ体勢に入ったかに見えた千葉ですが、以降は急速にペースダウン。
金沢が31分、嶋田→大谷へと交代したのを受け、千葉サイドも34分に交代カードを切り。
サウダーニャ・船山に代え、ブワニカ啓太・熊谷アンドリューと2枚替えを敢行し、3-5-2(3ボランチ)へフォーメーションをシフトします。

この終盤に来ての「3-4-2-1→3-5-2へのシフト」というのは最近の千葉の定番ですが、それにより守備を固めるはずが、逆に緩んでしまっている疑惑が拭えず。
5-3-2のブロックに変える事により、2列目の脇を相手に使われる事がどうしても多くなり、相手に跳梁を許してしまう事が多々。
この日も例外では無く、再度交代カードを切る(42分)まで、金沢が攻撃権を独占する時間帯となってしまいました。

押し込みつつも、良い形でのフィニッシュを作れない金沢。
左サイドから大谷がクロスを入れる攻撃を続けていきますが、決定機は生まれません。
40分に杉浦恭が遠目からシュートにいくもブロックされるなど、無理目から狙わざるを得ない状況が続き。

前出の通り千葉が最後の交代を使い、見木・安田→矢田・福満。
フォーメーションはそのままで、その後も金沢の攻勢が続くものの、金沢のCKからカウンターのチャンス。(43分)
クリアボールを拾った福満が右サイドで持ち上がり、対角線へロングパスを送り、末吉が収めてエリア内に切り込み。
シュートまでは行けなかったものの、押され気味の状況を盛り返すには十分な一シーンとなりました。

45分にCKから藤村のボレーシュート(ブロック)が生まれたものの、依然として最後の場面で跳ね返される展開が続く金沢。
そんな相手を尻目に、ATでは千葉がボールを支配し逃げ切り体勢に入ります。
その最中、中央CBのチャンミンギュがボールを持つと、突如相手をかわしながらのドリブルを見せた末にミドルシュート。(枠外)
逃げ切りの流れからの逸脱が見られたものの、その後は右サイドでスローインを得ながら漸進していき時間を使い、無事に勝利に辿り着きました。

これで4戦無敗となった千葉。
以前も6戦無敗を記録(12~17節)していましたが、無敗と聞こえが良い割にはそのどちらも引き分けの割合が多く(勝利と丁度半々)、著しい伸びが見られていないのも確か。
ここから昇格争いに加わるには目に見えてのペースアップが必要なのは明らかな状況で、中断を経てどう変わっていくか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第22節 レノファ山口FCvsジュビロ磐田

2021-07-15 16:10:17 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(20節・大宮戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(19節・千葉戦、1-0)

今季の山口のリーグ初勝利の相手が、目下首位に立っている磐田。
折り返しの最初の試合で再び相まみえる事となり、当時(5節)とは見違えるほどのチーム状態となっている磐田相手に、山口はどんな結果を残す事が出来るかという要素が注目された一戦。

開幕当初は4バック(4-4-2)に始まり、3バックへの移行(3-4-1-2)で一時的に結果を出すも再び停滞、現在は7戦未勝利(3敗4分)という成績の山口。
この日のフォーメーションは3-4-2-1と、流れ着く所に流れ着いたような感じでしょうか。
渡邉晋監督が仙台時代(5年半)に使用した基本フォーメーション(3-4-1-2はオプションといった感じでしょうが)を、1年で全て使う事となっている今季。

試合前の渡邉監督のインタビューから、磐田に対する分析は盤石であるような様相が伺えましたが、その通りに立ち上がりは山口の前線の守備がハマり。
磐田に攻撃の形を作らせずに、自身は様々な手で好機を演出していきます。
前半8分には渡部の縦パスからという、最後方からのパスワークによる攻撃を経て、池上が磐田・山本義道に倒され反則。
得た直接フリーキック、中央やや手前からの位置でキッカー池上が直接狙い、壁に当たって外れて左コーナーキックに。
池上ニアにクロス→島屋フリックでゴールへ向かったボールに、渡部が頭から跳び込むもGK三浦に抑えられ合わず。
直後の11分には、プレスが嵌って右サイドで田中がボールを奪い、島屋のエリア内進入を経て高井がシュートするも、ブロックされ右CKに。
今度はショートコーナーを選んだのち、石川がミドルシュートを狙うも枠外に。

そして直後の12分、中盤で池上のボールカットから、左サイドで高井がドリブルでエリア内左へ進入。
高井は浮き球でマイナスのクロスという選択を採ると、ニアサイドで島屋がヘディングシュート。
ゴール右へとねじ入れ、先制点は山口のものとなりました。

一方の磐田、この日が海外移籍を果たした伊藤が離脱しての最初の試合という事もあり、ピースが抜けた状態を強いられていたでしょうか。
伊藤は左センターバックの位置から、サイドバックのように前線へと顔を出す攻撃参加が特徴的だった選手。
この日は山本義がその穴に入っていたものの、選手の特性によるズレは隠せないというような状態でした。

それでも以降は、持ち味の流動的なパスワークを展開して反撃体制を取る磐田。
20分には遠藤の裏へのミドルパスで左サイドを突き、松本が奥に進入して左CKをゲット。
そこからクロスが跳ね返されたのち、鈴木雄斗が右サイドからカットインしてミドルシュートを放ち、山口・神垣のブロックで再度CKに。
今度は右CKで、キッカー遠藤のニアサイドのクロスに山本義が合わせ、ヘディングシュートをネットに突き刺し。
直後に飲水タイムに突入と、第1クォーターのうちに同点に追い付いた磐田。

ブレイク明けは一転し、磐田が攻撃権を支配するという順位通りのゲーム展開となり。
両サイドをくまなく使い攻撃していきますが、その中で左サイドは、やはり伊藤不在でこれまでと違った形を余儀なくされており。
ボランチの片割れが左サイドに流れたり、シャドーの大津が降りて来るなどして、松本に高い位置を取らせるべくの形をとっての攻撃。
対策はとったものの不安は拭えずにいたのか、この時間帯の磐田はボール支配こそすれど、シュートには結び付けられませんでした。
その後は山口が攻撃を試みるも、高井が2度オフサイドを取られるなど不発。

しかし40分を過ぎた辺りから、一変して山本義が高い位置を取り始める磐田。
このタイミングでいくという指示を受けていたのか、あるいは得点を取った事で齎された前向き思考が、この段階で発揮されたのか。
43分には左サイドで松本がエリア内にスルーパス、走り込んだ山本義がクロスを上げるというシーンも作られ。(クロスは精度を欠く)
そしてアディショナルタイムに突入し、磐田は左サイドでのパスワークから、戻されたのち中央CBの大井が前進しての攻撃。
彼のパスはカットされるも、拾った遠藤の縦パスが山田大記に入り、ペナルティアークからシュートを放った山田大。(GK関キャッチ)
最後にフィニッシュに持ち込んだ磐田、好循環を得て前半を終了します。

後半開始、の前に磐田は中川→小川大貴へと交代。
そして鈴木雄が右ウイングバック→右CBへとシフトと、左だけでなく右サイドも、CBに高い位置を取らせる体制を採って来たでしょうか。

一進一退の入りを経て、後半もペースを握る磐田。
後半9分には最終ラインの大井がスルーパスを送ると、山田大が抜け出してエリア内左でのGKと一対一を作り出し。
しかしGK関のコースを切っての構えに対し、手前でのシュートを選択したのが仇となり(ドリブルが正解だったかな……)、シュートはゴール左へと外れてしまいました。

危うく失点というシーンを作られた山口。
しかし前回観た大宮戦と違い、攻撃では後半も流動性を維持して攻め上がります。

右CBの楠本が前に出て攻撃に絡むという、磐田に劣らない可変を基本形とし。
中央の田中・神垣・池上も絶えずパスコースを作るように動き回り、従来とは違い非常に摑まり辛い攻撃を敢行出来ていたこの日の山口。
チームの力関係や相性を超越した、長所同士の波長が合ったような様相が出来上がったのでしょうか。

14分、最終ラインでの繋ぎから渡部の縦パスが高井に入り、島屋とのパス交換で前進。
島屋のエリア内へのスルーパスはカットされるも、こぼれ球を楠本が拾ってミドルシュート(枠外)と、分厚い攻撃を見せ付けます。
一方の磐田、パスを繋ぐもののどん詰まりとなり戻して作り直すか、ルキアンを狙ってロングパスを入れるも対応されるかというこの時間帯。
山口も攻撃機会自体は少なく、一種の膠着状態となりつつ22分に飲水タイムに。

ブレイク明けの25分、右サイドのスローインからパスワークを展開する山口。
そして池上のスルーパスが奥に供給され、そこに川井が走り込むも磐田・山本義のチャージを受けて倒れ繋がらず、反則の笛も吹かれず。
これで判定を巡っての暗雲が漂ってしまったか、その後に山口エリア内でこぼれ球を山口・池上がトラップした際、腕に当たったと見て一斉にハンドのアピールを行う磐田サイド。
しかし笛は吹かれずとなり、モヤモヤ感を残したまま双方選手交代。(その間にも抗議していた磐田・大井に警告)
山口は石川・神垣→橋本・佐藤健太郎、磐田は大津→小川航基へと交代しました。

前年も特別指定で在籍していた橋本、今季も同様に特別指定の立場でありこれが3試合目。
31分には中央でパスを受けると、そのままドリブルでエリア内を急襲(ディフェンスに入られ、その後クロスに切り替える)と、活きの良い所を見せます。
そんな橋本の存在が、パスワークよりも速攻・素早い切り替えへと両サイドにシフトさせたでしょうか。

34分には磐田が、山口のCKからのカウンターでルキアンがドリブルで持ち込むも、山口ディフェンスの素早い戻りでフィニッシュまでは行けず。
その直後の35分、右サイドで楠本→田中→池上と繋いで前進、そして池上のスルーパスで川井が抜け出す好機。
エリア内右へと持ち込み、豪快に放たれた川井のシュートがゴール右上へと突き刺さり。
展開が激しく移り変わる中で、その流れに乗っかっての勝ち越し点を挙げた山口。
直後に2枚替えを敢行。(高井・島屋→草野・河野)

窮地に追い込まれた磐田、39分にこちらも2枚替え。
ルキアンと山田大に代え、ファビアン・ゴンザレスと大森を投入。
途中加入のゴンザレスと、守備の安定化が図られた中サブに転落していた大森に状況打開を託します。

するとその最初の攻撃でした。
大井のロングパスをゴンザレスが中盤で収め、左サイドで大森が絡みつつ前進し、松本が奥へ進入する磐田の攻撃。
そしてエリア内左からマイナスのクロスが入ると、山口・田中が足を伸ばすもクリアしきれず、こぼれた所をゴンザレスがシュート。
ゴールネットを揺らし、まさに救世主といった働きで同点弾を齎したゴンザレス。

逆転を狙いにいく磐田、直後の41分にも大森がボールを持ち左サイドへ流れ、そこでパスワークののち中央の山本康裕へ。
そして山本康はアウトサイドでのスルーパスをエリア内へと送り、大森が走り込むも山口・楠本に対応されて受けられず。
ゴンザレスが結果を出した事で、自身もジョーカーとしての期待に応えんと張り切る大森。

追い付かれた側が辛くなりそうな展開ですが、42分の山口の攻撃。
ゴールキックを短く繋ぎ、左サイドでヘナンのロングパスに草野が走り込むと、飛び出してクリアしにいったGK三浦をワントラップでかわす絶好機に。
そして奥でエリア内へと切り込むも、磐田・大井の捨て身の対応でシュートまでいけず。
惜しくも得点出来なかったものの、再び山口に機運を齎すには十分の攻撃。

その後も磐田の攻勢の前に、川井が大森のドリブルを後ろから止めて反則・警告を受けるなど凌ぎを強いられる山口。(45分に田中→浮田に交代、3-3-2-2にシフトか)
それでもATに突入して最後に流れを掴み、佐藤健の縦パスから河野→浮田と渡り、中央から浮田がシュートするもブロックされゴール左へと外れ。
その後も橋本が左からカットインし、エリア内へのスルーパスが草野に渡るもオフサイドと、惜しいシーンを量産するも時間が足りず。

結局2-2で引き分けとなり、磐田にとっては山口相手に負け越す(1敗1分)という屈辱的な結果に。
1戦目の勝利が決してフロックで無い事を証明するに至った山口、未勝利は8戦連続となったものの、浮上の切欠と出来るか。
この日のような流動性溢れる攻撃が、以降も貫けられれば……といった所でしょうか。