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DAZN観戦 2024年J1リーグ第24節 アビスパ福岡vs東京ヴェルディ

2024-07-22 16:00:21 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • ヴェルディは、山田楓喜が2試合出場停止(危険行為による一発退場)の2試合目。

ともに、守備を固めるべく3バックへと移行したチーム同士の対決。
福岡は前年からですが、ヴェルディは今季のリーグ途中での移行となり。

今季J1に上がって来たヴェルディは、その運動量激しいプレッシングサッカーにより、試合終盤まで勝敗が安定しないという試合の連続を強いられ。
それ故に、J2規模の予算という問題が織り成すクオリティ面でも一段劣るなかで、その移行はある意味必然といった所でしょうか。
以降そこそこ安定して勝ち点3を拾えるようになり、いかにも理想を捨ててのやり繰りに定評ある城福浩監督が率いるクラブらしさを醸し出していますが、これにより生まれるこの日のような厳しいミラーマッチを制さなければ上位進出は難しく。

福岡はヴェルディのキックオフからの攻めを切った後、最後方からのロングパス→落としで裏狙いという初手を経て、続く前半2分。
右サイドで小田戻し→亀川1タッチでミドルパスという手法でアタッキングサードを突く攻撃を見せるも、紺野のサイドチェンジから左での攻撃は不発に終わり。
5分には再び小田の戻しから亀川が1タッチで縦パスと同様の手法で、受けた紺野が溜めを作り逆サイドへ展開。
そして宮がアーリークロスを入れると、中央で佐藤凌がヘディングシュート(枠外)と、判り易い狙いを見せた立ち上がりとなり。

しかしその間にも、4分にヴェルディがこぼれ球に対する山見のスルーパス一本で決定機を迎え。(左ポケットに走り込んだ木村の戻しから山見がシュート、GK村上セーブ)
攻めの流れを構築する間に失点しては、決して主体的な攻撃に長けたチームでは無い福岡だけに苦しくなるのは明らかであり。
11分に再び、右サイドでの前進の姿勢から戻しを経て亀川が左サイド裏へロングパスと、亀川が起点+サイドチェンジを混ぜ合わせるような攻めで好機。
これをポケット奥で受けた岩崎、ワイドに流れてのボールキープを経て、先程と同様の位置にまで戻ってのクロス(佐藤凌の前でGKマテウスが抑える)とあくまで角度を付けたアーリークロス(に加え、古巣対戦となる佐藤凌のヘッドで)で勝負したい感じにも見えました。

そうした立ち上がりを経て、以降正攻法を取るかのように、紺野の流動性を利用して右サイドからの攻めを繰り返す流れとなる福岡。
下がり目でボールを受ける紺野に対し、ヴェルディサイドは(谷口が喰い付かないため)誰がチェックするのか曖昧で、流れの中で見木・山見がマークの受け渡しに難儀する場面も散見されます。
13分には左サイド裏へ宮がロングパス、セカンドボールを拾っての攻撃で左に流れてパスを受けた紺野。
ボールキープで中央に流れて右へ展開し、パスを受け直した紺野はクロスのようにミドルパスを最終ライン裏へ送り、そこに岩崎が頭から跳び込むも僅かに合わずとなり。

主体的な攻めの形を構築したかに見えた福岡でしたが、以降ヴェルディがプレスを控えめにして構える姿勢を取ると、途端にその流れは萎み。
ボールを持たされると何も起こす事が出来ないという特性通りの絵図を描くしか無く、22分に(染野が痛んだというタイミングで)前半の飲水タイムが挟まれます。

再開後、初の好機を得たのはヴェルディで25分、左ワイドから翁長の斜めの縦パスから木村フリック→見木スルーパスで裏を取り。
素早く反転してこれを受けた木村、そのまま左ポケットへ進入してシュートと、4分の決定機に近いシチュエーションでのフィニッシュとなったもののGK村上の足でのセーブに阻まれます。
ここから徐々にヴェルディが流れを作る時間となり。
福岡がターゲットを狙ったロングボール一辺倒となるのを尻目に、簡単にボール権が訪れるヴェルディ。
30分過ぎからアンカーの齋藤を軸に長らくポゼッションを続け、染野が降りてボールを受けるという序盤の福岡・紺野のような立ち回りを混ぜながらパスワークで前進。
そして齋藤ミドルパス→木村胸で落としを経て染野がミドルシュートを放った(枠外)のが32分と、長いボール支配によりゲームも支配するに至ったでしょうか。

ターゲット役の佐藤凌がガッチリマークされてロングボール攻撃が通用しない福岡。
止むを得ず地上から繋がんとするも、36分に田代が木村のプレッシャーを受けてパスミスを余儀なくされてショートカウンターに。
染野の浮き球パスを受けた齋藤が溜めたのちにミドルシュート、地を這う軌道でゴールを襲うもエリア内で田代がブロック。
何とか防いだ福岡ですが、次の矢を防げる保証は何処にも無い……という流れに。

一方ヴェルディのロングボールによる攻撃は、ボールポゼッションにより福岡のプレッシャーを呼び込んでのものが多く。
それにより有効打にも繋がり易く、先制点にも結び付く事となります。
38分、GKへのバックパスから送られたマテウスのロングフィード、木村が合わせにいき跳ね返されるも染野が拾って継続。
すると福岡の守備が薄い状況(小田の戻りが遅れて手薄といった観た感じ)が出来上がり、パスを受けた見木がゴールに迫るとともに二択も迫り、亀川が前に出てきたタイミングでエリア内へラストパス。
そして左ポケットで受けた山見がシュート、近似したポイントから放たれた三度目の正直のフィニッシュでゴールネットを揺らしました。

立ち上がりから攻め上がった福岡でしたが、結局は攻撃の流れを構築しゴールを奪ったのはヴェルディという展開に。
そんな現実を見せ付けられると、以降福岡は一層ロングボールへと偏重していき。
佐藤凌がマークされている状況は不変であり、高めに上げた小田をターゲットにするボールを送り続けるも、然したる効果は生まれず時間を潰していきます。

そしてヴェルディは一層ボールポゼッションを高め、福岡の攻撃機会を減らしに掛かり。
ハイプレスで対抗しにいく福岡ですが、GKマテウスの多彩なパス・フィードも冴え渡り奪えず仕舞い。
巧みにプレスの間を通されては前線に運ばれるの繰り返しで、以降ヴェルディの思惑通りに全く攻撃権を得れなかった福岡。
0-1のまま前半終了を迎える事となりました。

福岡は当然流れを変えなければならないハーフタイム。
早くもシャハブ・ザヘディの投入に踏み切る事となりました。(重見と交代、佐藤凌がシャドーへ回る)

そして始まった後半、キックオフとなった福岡は前半同様に宮ロングパス→小田裏へ落としという手法で、ザヘディを走らせるも惜しくも繋がらず。
しかしヴェルディもその直後にGKマテウスからロングボールで攻め、セカンドボールを拾い継続と前半同様の流れを維持。
そして見木のミドルシュートにまで繋げ、福岡は亀川がブロックして防ぐもコーナーキックとなり。
この左CKからも、キッカー山見の(ショートコーナーを挟んでの)クロスをファーサイドで木村がヘディングシュート(叩きつけるもバウンドして枠外)と、早くも後れを取らされます。

攻撃権を確保しても、ザヘディ・小田狙いのロングボールを送る攻撃しか出来ない福岡。
後半6分に、前半の立ち上がりのように右サイドの裏を突くも、戻しを経てのパスワークの際に前のパスがズレてしまいボールロスト。
直後に前が取り返し、自らミドルシュートを放つもゴール右へと外れ。
その後も前のパスは乱れがちで、精度を欠く状況では主体的な攻めを繰り広げる事は出来ず。
9分にはGK村上のロングフィードを、クリアにいった谷口のキックミスで佐藤凌に渡る好機が偶然ながら生まれます。
しかしザヘディが左ポケットへ切り込むも宮原に奪われ、ザヘディがその宮原に反則を犯してしまいフラストレーションを溜めるのみとなって終了となり。
相手のミス待ちによる攻撃を繰り返しては流れが来るはずも無く、また追い掛ける立場のチームがそれでは見所にも欠ける展開を強いられる事となり。

そしてロングボールでの攻防により膨らむ反則。
佐藤凌への徹底チェックにより、繰り返し反則を犯してしまった綱島が警告を受け。(12分)
尚も14分、宮のロングパスを左サイド奥で佐藤凌が収め、やっと有効打になるという所でまたも反則を犯してしまった綱島。
2度目の警告の危機と思われましたがここでは何とか命拾いとなり。
ここからフリーキックによる好機となった福岡(クロスも反則で終了)ですが、あくまで乱戦による副産物であり。
ヴェルディは被害が出てしまった事で、その綱島に代えて松橋を投入します。(16分、宮原が右センターバックへ回る)
一方すかさず福岡も、この日不調気味の前に代えて平塚を投入。

交代により展開も落ち着き、やはりヴェルディのゲームコントロールの時間となり。
木村狙いの浮き球パスを巧く使いながらボールを確保し、着実に相手の攻撃機会を削っていき。
福岡もハイプレスで阻みにいくものの、その際の22分に相手のロングパスを頭部でブロックした佐藤凌に脳震盪の疑いが発生。
そしてそれを機に後半の飲水タイムが採られる事となります。(佐藤凌は無事にプレー継続)

ブレイク明け、このままでは駄目なのは明らかな福岡が布陣変更。
4-4-2へとシフトし、CBから削られた亀川は左サイドバックに回り。(右SBは小田)
右=紺野・左=岩崎のサイドハーフに、ザヘディ・佐藤凌の2トップとして、ミラーゲームの状況から脱却します。

26分、ポジションチェンジした亀川を軸に左サイドで繋ぐ福岡、岩崎が奥を突くと見せかけて戻しを経て中央へパス。
そして受けた小田がミドルシュート(エリア内で谷口ブロック)と、やっと後半初のフィニッシュに辿り着き。
27分に佐藤凌→鶴野へと代えると、佐藤凌が退いた事で地上から繋ぐ覚悟も備わったでしょうか。
ポゼッションを高め、敵陣でサッカーを展開する時間を増やしていきます。
しかし鶴野のポストプレイにザヘディが反応出来なかったり(30分)、岩崎が亀川のパスを収められなかったり(31分)と、アタッキングサードで生まれるミスによりシュートを撃てず。

一方ヴェルディも32分に動き、森田をボランチに投入。(山見と交代、同時に木村→山田剛綺へと交代、見木がシャドーに回る)
とうとう攻撃権を支配される状況となった事で、中盤の底を整えて改善しに掛かったのは明白であり。
それが為される前にカタを付けたい福岡は、34分岩崎のアーリークロスの跳ね返りを拾い、紺野がチャンスエリアでボールキープ。
そして中央バイタルからミドルシュートを放つも、投入したての森田のブロックに阻まれ同点ならず。

その後はヴェルディの目論見通りにイーブンな展開にされ、作る好機も遠目からのアーリークロスに終始する福岡。
流れを変えるべくの最後の交代は39分で、亀川→北島。
北島が右SBに入る事で、小田を最前線に持っていくという奇策を敢行します。(以下鶴見が左SHへ、岩崎が左SBへ玉突き的にシフト)
ヴェルディも同時に、翁長・齋藤→千田・稲見へと2枚替え。
こちらも宮原が左ウイングバックへ、松橋が左シャドーへ、見木が再度ボランチへシフトと激しいポジションチェンジが絡み。

フィジカルを強化し、逃げきるという体勢なのは明白なヴェルディ
しかしパワーサッカーへの変節か、42分にクロスに合わせにいったザヘディと、その思惑の下投入された千田が頭部同士激突する事態に。
倒れ込んだ千田に脳震盪の疑いがかかるも、他方ザヘディのこめかみから流血が発生と双方傷が付いてしまい。
千田は1分程で起き上がり、ザヘディも治療を経てともにピッチに復帰します。

しかしヴェルディは、その後染野にも脳震盪の疑いが。
これにより特例での交代で、6枚目のカードを切る事が許されてチアゴ・アウベスを投入します。

負傷続きで荒れ模様となったまま、アディショナルタイムへ突入するもその目安は9分。
最後のパワーを持って攻め上がる福岡に対し、防がんとするヴェルディですが左奥での鶴野の切り込みに対し(稲見が)反則で止めるという具合にその流れを払拭出来ません。
左ワイド、とは言ってもエリアラインすぐ脇からのFKと、これをモノにしたい福岡。
(北島の)直接シュートをチラつかせながら、上がった紺野のクロスは速いボールとなり、ニアで宮が合わせたものの当てるだけとなってしまい。

その後も(GK以外)全員敵陣に進入して攻め上がり、田代のアーリークロスをザヘディが合わせたものの、治療のために被った帽子の所為かジャストミート出来ず。
それ故に以降帽子を脱いでプレーしたザヘディ、その執念も実らせられません。
それでも後方から岩崎のラフなロングパスが送られると、またもヴェルディのクリアミスが絡んで小田がボール確保。
そして絶好のミドルシュートのレンジに入ったものの、放たれたフィニッシュはジャストミート出来ずに終わり、GKマテウスに抑えられます。

ここからヴェルディがボールキープする時間を作り、着実に進んでいく時計に対し焦りを隠せない福岡。
山田剛のロングパスを右奥で受けたチアゴが、時間稼ぎと見せかけて右ポケットへ切り込み、切り返しの連続を経てのカットインシュート。
このシュートはGK村上が何とか足で防ぎましたが、左CKとなった結果、コーナーで時間稼ぎに入らんとする所で試合終了の笛が鳴るに至りました。

どちらも相手の良さを消すのが特徴で、動きの少ない試合を証明するかのようなウノゼロでの決着。
勝利したヴェルディも、このままこのスタイルの維持でJ1定着するには個性が埋没しそうな感がありますが、昇格による収入増でクラブ規模拡大を果たせた際にはどうなるか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第24節 ジェフユナイテッド千葉vsロアッソ熊本

2024-07-21 15:05:09 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(21節・栃木戦、1-2)
※前回の熊本の記事はこちら(22節・愛媛戦、4-0)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 高橋が累積警告により出場停止。
  • 天皇杯3回戦(FC東京戦、2-1(延長))からの継続スタメンは松田・日高・林の3人。佐々木・田口・田中・高木・小森が途中出場。(但し3戦連続スタメンは無し)
  • 山越がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、今節から登録されベンチ入り。
  • 小川がJ1・磐田からレンタルで加入し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 熊谷アンドリューがJ3・金沢へ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 21節で試合前に負傷した鈴木大輔の詳細が発表され、6/25に手術実施して全治約6か月との事。

<熊本スタメン>

  • 唐山がJ1・ガンバから育成型レンタルで加入し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 道脇が海外移籍準備のためチーム離脱。

飛び級でプロで場数を重ねている神代が絶賛ブレイク中という今季の熊本。
とはいっても9節(長崎戦、3-4)以降得点無しと、その高い壁も経験している最中ですが。

その先駆けとなった道脇が、先日海外移籍の錦の下チームを離脱。
飛びぬけた才能を持つ若武者の夢溢れる飛躍……といった所でしょうが、実績では年下の神代に後れを取っていた感のある道脇。
それは潜在能力が目に留まった故の事か、早く跳び立ちたいという焦りからなのかはやや不透明で、今後の道のりはいかに。

話を戻すと、その道脇の穴埋め的に、ガンバから唐山を加入させて即スタメン起用の運びとなった熊本。
これが3度目の育成型レンタルと、(ガンバに)戻っては壁にぶつかって……の無限ループに陥っている感がありますが、上記の熊本の独自路線のレールに乗る事で化学反応は起こるでしょうか。

中断前の一戦は、千葉のホーム・フクダ電子アリーナへ乗り込んでのアウェイ戦。
昇格争いの渦中かつ、負傷者・補強選手・天皇杯という要素で前節から大幅にメンバーを弄って来た千葉は何処と無く不安定な立ち上がり。
前半5分に佐々木が後方からドリブルで持ち運ぶも、センターサークル辺りで熊本ディフェンスに囲まれた末に奪われてしまい。
そして矢印を反転させる熊本、細かな繋ぎから唐山がドリブルに入り密集を脱出させるも、エリア手前でディフェンスに阻まれシュートには持ち込めず。
不発に終わったものの、これにより唐山に長所が発揮されるレールが引かれた感があり。

千葉はそうはさせじと、縦に速い攻撃、即ち田中のスピードを活用する手法を駆使してゴールを狙い。
7分にはその田中の右からのクロスを、ニアで林が合わせてのヘディングシュートで、対角線を巧く突いたもののゴール左へと外れ。
良い流れを築いたと思ったら、9分には小川のパスカットを拾った佐々木が遠目からシュートを狙う(枠外)など、この日もとにかく早く攻めるという一本調子ぶりが目立ちます。

そして守備でも、熊本のショートパス攻勢に翻弄される流れとなり。
加入した唐山は自身で持ち運ぶ際にも、対面の選手の喰い付きを呼び込んだのちパスを送るという具合に、熊本のパスワークにしっかりフィットしたようであり。
10分にはその流れでパスを送り、伊東のレイオフを受け直してミドルシュート(ゴール上へ外れ)と、自身のフィニッシュにも繋げ。

徐々に劣勢感が露わになる千葉。
16分に熊本が(地上でのパスを足下で)フリックするも繋がらなかった所を、すかさず品田が縦パス一本でひっくり返し、林がエリア内で受けてそのままシュート。(江﨑がブロック)
やはり対抗姿勢は縦に速い攻め、という事を象徴する好機を生み出します。

しかし飲水タイム(23分)が挟まれると、しっかりしたスタイルを持つ熊本へと針が振れ始め。
28分熊本の最終ラインからの繋ぎにハイプレスを掛ける千葉ですが、左サイドで下がって受けた小長谷が切り返しで、前に出てきた小川を剥がしてからの前進でビルドアップ成功。
(小長谷戸入れ替わりで前に出ていた)豊田のポストプレイを挟み、受けた石川がカットインで中央まで流れてミドルシュート。(ブロック)
その後もひとしきりコーナーキックからゴールを脅かしたのち、32分に今度は右サイドで唐山が降りてパスワークに加わっての組み立て。
そこから大本のスルーパスに抜け出した伊東が右奥を突き、マイナスのクロスをニアで受けた唐山がポストプレイ、大本がカットインからエリア内中央でシュート(品田がブロック)と、地上からの変幻自在な繋ぎで翻弄していきます。

その熊本の立ち回りを強化させる存在となっている唐山。
右サイドでロングボールのターゲットにもなる(36分、大西のロングパスをフリックして好機)など、何でも出来る役としての風格も漂い。
その後も股抜きパスで千葉のプレッシャーを剥がす(38分)、中央に絞ってチャンスエリアでパスを受けて突撃する(40分)という具合に、その一挙一動に目が離せなくなるシーンは枚挙にいとまが無く。
これまでの苦難が滲み出るような移籍歴を経て、ようやく居場所を見つけた感があり、今後かつての平川(現磐田)のようなブレイクといくかどうか。

そんな新戦力の力もありペースを掴んだ熊本ですが、それを決定付ける先制点は奪えずに前半が終わり。
スコアレスでの折り返しとなり、順調な攻めを続けながらも得点出来ない流れに不安も過りかねないという展開に。

しかし始まった後半、それを払拭させるように前半同様のパスワークで攻める熊本。
3バックが幅を広く取る事による繋ぎで千葉のプレッシングも無効化させ、第一プレッシャーを剥がせば後は引き付けてスペースを作って運ぶ、の繰り返し。

後半2分、その作業でチャンスエリアに運んだ所、小長谷がエリア内へ突撃せんとする所を品田に倒されて反則。
これでエリアからすぐ手前での直接フリーキックと、先制点を挙げるにはこの上ない好機に持ち込みましたが、小長谷の直接シュートは壁を直撃してしまい実らず。

良い所が無い……という程ではない千葉ですが、遠目からのフィニッシュが目立ち今一つに映った前半。
折角プレスを嵌めてカットしても、その後の繋ぎに精度を欠いてショートカウンターの場面を活かせないなど、どうしても熊本のパスワークと対比させられる絵図を描いてしまい。

そして9分、左サイドで豊田の果敢なアタックによるボール奪取から、縦に速く運ぶパスワークでサイドを移しながら芋づる的にディフェンスを剥がしていく熊本。
最後は唐山のドリブルからのスルーパスを経て、大本がグラウンダーでクロスを入れる(クリアされる)という具合に、千葉の十八番であるハイプレスのお株を奪うような好機。
これで勝負ありと言わんばかりに続く10分、右→中央→左へとサイドを移すパスワークを経て、小長谷のアーリークロスがエリア内へ。
そして裏に抜け出す動きを経てバックヘッド気味に合わせたのは石川で、前に出てきたGK藤田和の逆を突いてゴールネットを揺らし、とうとう均衡を破ります。

無事に先制を果たした後も、その姿勢を変えずに攻め込む熊本。
14分、再び唐山がドリブルで田口を引き付けたのちにスルーパス、右奥を突いたのちにパス交換を経て伊東のクロス(ブロックを掠めてファーに入るも撃てず)という具合に持ち味は衰える事無く。

一方とうとうリードされてしまった千葉。
このまま手をこまねいているはずも無く、14分に一挙3枚替えを敢行する小林慶行監督。
品田・高木・田中→横山・ドゥドゥ・岡庭へと交代(いずれも同ポジション)し、駒を代える事で流れを手繰り寄せに掛かります。

熊本が再三見せている「敵を引き付けてスペースを作る」という意識は、千葉サイドも小森が降りてボールを受ける事で果たされてはおり。
小森に対し江﨑が激しく喰い付く事で、隙は十分にある筈ですがそれを突く好機は中々生まれず。
17分、その流れから戻しを経て左サイドで前進、佐々木縦パス→林ポストプレイで中央で受け直した小森が右へスルーパス。
しかし岡庭へのボールは長くなって繋がらずと、精度の壁にぶつかる格好に。
その後は、ドゥドゥ・日高が中心となっての左サイドでの細かなパスワークに舵を切り。
敵陣でのポゼッションは高まるも、どうしても熊本のような引き付けての崩しの意識に劣り、ひたすら繋ぐも結局フィニッシュに持ち込めないという状況が続きます。

千葉が完全にペースを握れないまま、後半の飲水タイムへ。(23分)
ブレイク明けに熊本が2枚替え、期待の神代を投入します。(伊東と交代、同時に小長谷→松岡へと交代)
センターフォワードに入った神代により、石川がトップ下へシフト。

その後も同点を目指さんと攻め続ける千葉、熊本はクリアで凌ぐも、26分にそれを収めんとした石川がハンドを取られてしまい。
千葉の右サイドからのFKで継続と、専守を強いられる雰囲気も漂います。
しかしその後28分、同じくクリアボールを今度は神代が収め、ドリブルからのスルーパスで逆に好機に持ち込み。
フィニッシュには繋がらずも、それを打ち破る事に成功すると、その直後でした。
敵陣で豊田がパスカットに成功すると、その刹那小森に引っ掛かって倒れ反則。
これで左サイド遠目からのFKになると、先程の先制点の場面を彷彿とさせる(キッカー上村周の)クロスがファーサイドへ上がり。
そして神代が綺麗に合わせ、ゴールネットを揺らすという具合に結果も同様のものになります。
久々のゴールで5得点目を挙げた神代により、着実に内容をスコアに反映させていく熊本。

これで大分苦しくなってしまった千葉。(キックオフの前に林→呉屋へと交代)
当然諦めずに攻め上がり、後方ではCBが2人ともサイドバックも兼ねる選手なため、佐々木がサイドに開いてボールを持ってから展開という攻撃が目立つようになり。
それに合わせて日高が最前線まで上がり、熊本を自陣に封じ込める時間を多く作りますが、やはり2点ビハインドとなった後では厳しく。

熊本は32分に大本が足を攣らせてしまい、それに合わせて2枚替え。(大本・石川→黒木・東山)
黒木が最終ライン(当初は左CBに見えたが、のちに大西と入れ替わって本来の右に)に入り岩下が右WBに回り、東山が右ウイングに入って唐山がトップ下とそれぞれポジションチェンジが絡み。

後方から佐々木の縦パスでどうにかするしかないという千葉の地上の攻撃。
それを呉屋のポストワークで繋げ、好機に持ち込み何とかこじ開けんと試みます。
37分には空中戦から、敵陣での呉屋のポストプレイを経て横山が左サイドを持ち上がる姿勢から、中央への横パスを送って中からの崩し。
受けた小森は裏へ小さい浮き球を送り、呉屋がエリア内へ走り込む事で崩さんとするもクリアされ、拾った横山がミドルシュートを放つも枠を捉えられず。

一方守備意識を高めた事で、押し込まれ続ける熊本。
さらに39分に唐山を退けた(大崎と交代、神代がトップ下に回る)事で、完全にカウンター狙いへと落ち着いたでしょうか。

その熊本の姿勢により、敵陣でポゼッションを高める流れに入った千葉ですが依然としてフィニッシュの面では物足りなく。
横山が左に張り出す事で、ドゥドゥがターゲットとしてエリア内で待ち構えフィニッシャーを増やしにいったものの焼け石に水であり。
44分その横山が左からクロスを上げ、大外の岡庭に合わせにいったもののこぼれ、それをさらに小川がダイレクトで逆からクロス。
またもファーに上がったボールを呉屋が合わせにいき、こぼれた所をエリア内で横山が拾うという千載一遇の好機が。
しかしシュートしに足を振ったものの、ミート出来ずに終わってしまいモノに出来ません。

結局この絵図を千葉は打開できず。
痺れを切らしたかドゥドゥが左ポケット奥に切り込む場面も作りましたが、やはり熊本ディフェンスをこじ開けるには至らず。
0-2のまま試合終了を告げる笛が鳴り、ホームでの大観衆(12,135人)のなか不本意な試合となってしまいました。

一方唐山・神代らにより今後の期待を膨らませる内容となった熊本。
中断期間でこれをさらに深め、浮上の切欠とする事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第24節 モンテディオ山形vsいわきFC

2024-07-19 16:14:15 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(19節・大分戦、0-0)
※前回のいわきの記事はこちら(20節・甲府戦、1-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(6節・いわき 0-0 山形)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯3回戦(札幌戦、3-6)からの継続スタメンは無し。途中出場も坂本亘1人のみ。
  • ディサロがJ1・湘南から完全移籍で加入(再加入)し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 熊本の負傷が発表され、6/11に手術実施して全治約5ヶ月との事。
  • GK長谷川の負傷が発表され、6/7に発生して6/11に手術実施、全治約4~5ヶ月との事。

<いわきスタメン>

  • この日の布陣は、守備時に4バック・攻撃時に石田が最終ラインに残っての3バックという可変システムを採用。(yahooスポーツナビでは、山口がボランチに降りての4-2-3-1)
  • 天皇杯3回戦(広島戦、0-4)からの継続スタメンは、生駒・加瀬・山口・谷村の4人。山下・有馬が途中出場。
  • 堂鼻がJ3・福島から完全移籍で加入し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 照山が長崎へ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 嵯峨が岡山へ完全移籍となり、(以下同文)
  • 速水の負傷が発表され、6/21に発生して全治約3ヶ月との事。
  • 加藤悠馬の負傷が発表され、7/2に手術実施して全治約3ヶ月との事。
  • 特別指定選手の五十嵐が、7/12にプロ契約を締結。

移籍選手が出場可能となった今節。
山形はディサロ、いわきは堂鼻が早々にスタメンとなり、補強した戦力を早速チーム力に還元しようと何処も躍起になるのは必至。
しかし今季は、この試合の後に中断期間が挟まれるという日程。
そのため本格的なフィットは再開後、と見られても可笑しくは無いですが、実際に戦う立場では目の前の試合を全力でやるのみでしょう。

山形は移籍ウィンドウが開いてから早い時期に、ディサロの加入を決定させ。
言わずと知れた2年前にFWとして活躍した選手であり、(チーム成績が芳しくないのも相成って)その期待感は膨らむばかりといった状態に。
そして待ちわびたと言わんばかりに、早速スタメンで出場の運びとなり。
しかし相手は2年(実質は1年半か)前にはJ2の舞台に居なかったいわき。
フィジカルを前面に押し出す特異なチームとの対戦で、ブランクによる浦島太郎状態を強いられた感がありました。

入りの攻防で、1分の経過とともに早速敵陣でセットプレー攻勢に入るいわき。
五十嵐のロングスローと、そこから生まれるコーナーキックを繰り返して相手に守勢を強いるという立ち回りでプレッシャーを与え続け。
その数は、前半10分までにロングスロー3度・CK5度にも昇り、最後は五十嵐のミドルシュート(9分、枠外)とフィニッシュで締められたこの流れ。
当然山形は攻め上がる隙が無く、期待のディサロもストーン役としてのクリアで目立つ格好となり。

失点せずに凌いだ山形、10分過ぎから、持ち味のGK後藤雅からの組み立てによる攻撃に入り。
アンカーの山下以外の前線5人による、いわきの果敢なハイプレスの間を通しながら、前掛かりとなる裏を突かんと立ち回ります。
しかしいわきのプレッシャーを受けながらのロングパスは精度が今一つで、裏抜けを敢行してもボールが長くなりGK立川に抑えられるの繰り返し。
また2年前と同様にディサロのポストワークを利用しようとすると、そのディサロに対する(主に堂鼻の)強烈な寄せで機能せず終わるという具合に、好機を齎せません。

14分敵陣でパスカットした山下のミドルシュート(西村がブロック)を機に、再びセットプレー攻勢に入ったいわき。
ロングスロー2度→CKという流れから、左から石田のクロスが上がるも合わずに右奥へと流れ。
追った高江が棚田を牽制しながらラインアウトを選択するも、ボールはコーナーフラッグに当たり止まった事で、蓋をしてのボール確保を余儀なくされた高江。
棚田との競り合いを何とか制すも、いわきと同じ土俵(フィジカル勝負)を強いられるその流れに精神が削られるという感じだったでしょうか。

25分いわきのパスミスで矢印を反転させる山形、左サイドで吉田がスルーパスを出してパス&ゴー、坂本亘から受け直して左奥からカットインに入り。
そして左ポケットからシュートするもGK立川のセーブに阻まれます。
いわきの守備網を掻い潜って放ったフィニッシュにより、ここからペースを奪いに掛かり。
前述の通りのプレッシャーを呼び込んでの裏狙いや、陣形が乱れた所を安部がドリブルで運ぶなど、後方でのビルドアップの流れは組み立てられつつあり。
しかし前線は、肝心のディサロが抑えられ機能不全となったため、サイドから何とかするしかない状況を強いられます。

二の矢を放てないまま、39分に加瀬の右サイドの突破によりセットプレー攻勢の流れへ再び持ち込んだいわき。
右CK→スローインと続き、ニアに投げ込まれる五十嵐のロングスロー。
これを堂鼻がポジション取りを制した末に完璧に合わせ、ヘディングシュートをゴールに突き刺します。
先制に成功したいわきを尻目に、山形サイドは堂鼻のプッシングを猛アピールする(当然判定は覆らず)という具合に、フィジカル勝負故の苛立ちを露わにする結果となり。

何とかやり返したい山形。
次の好機はアディショナルタイムでまたも左サイドからの突破、坂本亘が吉田とのワンツーで奥を突いてマイナスのクロス。
そして中央で収めた國分のポストプレイを経て高江が後方からミドルシュートと、流れるように繋げたもののゴール右へと外れてしまい同点ならず。

結局0-1と、いわきのリードで折り返しとなり。
ホームの山形は巻き返しを図りたいのと、このままディサロを機能不全のまま終わらせられないという板挟みとなっていたでしょうか、ハーフタイムでは動かず。

そして始まった後半、早速山形は敵陣深めで右スローインとなると、岡本がロングスローという相手をインスパイアするような攻めの流れ。(岡本のロングスロー自体は前半から使用していた)
これをニアで安部がフリックするもディフェンスに当たってラインアウトし、CKで継続かと思ったその刹那、安部が石田に後ろから倒されたのをまたも猛アピールする山形サイド。
國分が異議により警告を受ける程の権幕に、そのフラストレーションぶりが窺い知れましたが、ここで冷静さを欠いてしまっては勝負にならないのは明白であり。

何とか気を取り直し右CKで再開すると、キッカー小西のニアへのクロスを西村がフリック気味に合わせ。
ゴールに向かいフィニッシュとなるも、棚田が同じくヘッドでブロックして跳ね返し。
続く後半4分にはGK後藤雅からの組み立て、一旦戻してプレッシャーを引き込み、安部のドリブルで前進。
そしてサイドチェンジを通した末にイサカのグラウンダーでのクロスが入るも、中央で合わせた國分のシュートはゴール左へ外れと、いわきの守備網を破るには至りません。

そのいわきの守備ですが、HTを経て微調整を敢行し、本来の3バックへシフト。
石田が左センターバック・堂鼻が右CBとなり、ウイングバックを右=加瀬・左=五十嵐とした3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣に落ち着き。

相変わらずボールに絡めないディサロは、6分に縦パスを送った堂鼻に対しアフターチャージで反則を犯してしまい、警告を受ける始末。
10分にもこぼれ球の確保で激しく加瀬と交錯して反則となるなど、そのボールに向かう姿勢が空回りという結果に終わり。
そしてこれによるフリーキック(右ワイド・中盤から)でいわきは、キッカー山下が丁度ペナルティアーク付近へ送ったロビングを山口が落とした事で、エリア内で混戦に持ち込み。
そして左ポケット奥でこぼれ球を拾った谷村、切り返しで小西を剥がしてからのシュートでゴールゲット。
またもセットプレーからの得点で、リードを広げます。

苦しくなった山形は、直後に國分・坂本亘→後藤優・氣田へと2枚替え。
ここから両ウイングは、裏抜け狙いから突破力を押し出す立ち回りを重視するに至ったでしょうか。
一方いわきサイドも、16分に加瀬・棚田→大森・西川へと2枚替え。(石田が左WBに回り、五十嵐が右WBに)

いわきはWBも果敢に前に出る、ハイプレスの姿勢は崩さず。
しかしその走力を活かした撤退も早いので、山形は隙を突かんとしても実らない局面が多く。
それ故に交代を経ても中々流れを掴めない時間が続き、迎えた24分西村→岡本→イサカと、最終ラインから直に右ワイドに繋げるパスワークを経てイサカの突破に持ち込み。
そして石田の腕でのチャージを振り払い奥からカットインと、そのフィジカルを剥がす絵図を見せ付け。
クロスがニアでクリアされCKとなり、安部のヘディングシュートがGK立川にキャッチされ結局不発に終わったものの、その推進力でいわきの守備網を破る期待が高まり。

続く25分には同サイドでのパスワークから、裏へのミドルパスに抜け出したイサカがグラウンダーでのアーリークロス。
これにニアにディサロが走り込むも僅かに合わず、GK立川がキャッチ。
結局ディサロの見せ場はこれぐらいで、27分に退く事となりました。
ここで同時に3枚替えを敢行(ディサロ・吉田・イサカ→高橋・川井・横山)し、一気に交代枠を使いきり。

ここから、ウイングに縦突破という状況を作るべく、ビルドアップはサイドチェンジで大きく揺さぶる手法を多くする山形。
逆サイドを薄くした所に届け、前進を図りにいき。
しかしいわきの中央の堅さを警戒してか、クロスは低いものしか上げられず。
相手としてもワイドが薄くなるのを承知でマイナスのクロスだけは入れさせないという守備対応で、中々ポケット奥への突破を許しては貰えません。
36分左からの後藤優のサイドチェンジを、ワイドでは無くハーフレーンで受けた横山、ワントラップでポケットを突ける状態に。
そしてエリア内へ入り込み、カットインからシュートを選択しましたがゴール右へと外れ。

こうして相手の攻撃を凌ぎながら、カウンターで脅かすという立ち回りへと変節していくいわき。(32分に谷村→下田へと交代)
しかし37分に敵陣浅めで反則を受けた所、キッカーの位置に着いた山下は放り込みかショートパスか迷った末に、遅延行為を取られて警告を受け。
止むを得ず右奥へラフに放り込み(有馬が受けるもオフサイド)と、ボールを捨てる事を余儀なくされた結果、山形の攻勢が幕を開けます。
仕方ない状況とはいえ、弱気な姿勢を見せてしまってはこうなるのは必然であり。

40分に右スローインからクロス攻勢に入る山形(FKからの流れでCBは上がったまま)、左からの氣田のマイナスのクロスが中央で混戦を呼び込み。
そしてこぼれ球を拾った西村のパスを右ポケットで受けた横山、再びカットインからシュートを放ちましたが、右ゴールポストを直撃してしまい跳ね返り。
詰めにいった高橋も足に当てるだけとなり、この決定機も決められずとなります。
その後もセットプレーの流れから立て続けにシュートを放った横山、ジョーカーの役割を果たさんとしますがゴールは奪えません。

いわきサイドも一息つく時間は無く、スコア上のリードが頼みという状態に。
セカンドボールを拾われ、たまに拾ってもその後の縦パスがカットされるなど自陣から脱出できない状況が続きます。
そもそも、ボール保持して時間経過という選択肢を取れていない(全体この日は、再び縦に速い攻めの一辺倒に陥っていた節があった)ので、相手の攻撃を遮断する手段が無ければこうなるのは必然でもあり。
布陣的にも山下・下田がドイスボランチとして位置取る事で、5-4-1での撤退戦を強いられ。(43分に有馬→近藤へと交代)
しかし時間はATに突入し、大きな間違いを続けなければ勝利は堅いという展開。

敵陣で外回りのパスを強いられる山形ですが、後方に戻してから安部の斜めの縦パスで素早いくサイドを移し、左から氣田のクロスが上がり。
今度はハイボールで、これを高橋がヘディングシュートに持ち込みゴールネットを揺らします。
最終盤故の強度の緩み(GK立川が跳び出すも触れず)か、ようやくこじ開けて1点差に詰め寄り。

いわきのキックオフで再開も、またすぐに攻撃権を奪い返し攻め上がる山形。
流れの中で西村が最前線へと上がるも、そこには放り込まずあくまで地上から組み立てんとします。
そして1点目のシーン同様、安部の斜めの縦パスが氣田に渡ると、今度はカットインで切り込んでのシュートを選択する氣田。
これを五十嵐が頭部でブロックし、脳震盪の疑いが過る絵図(一瞬手で頭を抑える)もありましたが直ぐに山形のCKで継続。
GK後藤雅も前線に加わる最後の攻撃で、キッカー高江はその後藤雅に合わせるボールをニアに送りましたが、跳ね返されて万事休す。

試合終了の笛が鳴り、中断直前で貴重な勝ち点3を得るに至ったのはいわき。
順位的には昇格も夢では無いという立ち位置(8位、勝ち点34)で、パワーサッカーの全盛を象徴する存在となり得るでしょうか。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024決勝戦 スペインvsイングランド

2024-07-18 16:00:45 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 両チームの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • コイントスでコートチェンジし、↓とは逆のコートで前半スタート。

参考動画

前回のEUROの記事 -準決勝・スペインvsフランス(2-1)


栄光のグランドファイナル。
準々決勝以降、強豪しか残っていないという状態に相応しいカードとなりました。
6戦全勝でここまで昇り詰めたスペインと、接戦に次ぐ接戦を逆転の連続で制してきたイングランドの対決。
派手な試合前セレモニーに彩られながら、迎えたキックオフの時間。

イングランドのキックオフから始まると、GKまで戻してロングフィードという手法で幕を開けた試合。
これまでスペインの試合ばかり観て来たためか、日本で見慣れているはずのその絵図も何処か違和感を覚えるものであり。
強敵相手故にセーフティにいく事を優先したでしょうか、その通りに立ち上がりの3分間はお互いさしたる好機の無い時間帯に。

前半4分、左サイドでショーのボール奪取から、攻撃の中心であるベリンガムにボールが渡ったイングランド。
しかし彼のボールキープも、スペインの素早い寄せの前に発揮できず奪われてしまい。
ここからスペインへと針が傾く展開となり、ガッチリとボールを支配してイングランドを自陣に押し込めます。
お馴染みであるラポルテ・ノルマンのセンターバックの持ち運びも絡め、イングランドの前線の守備を無力化しに掛かり。

そのイングランドの守備は、4-4-2の基本布陣ながら、2トップはフォーデンがボランチの片割れをマーク・ケインがセンターバックへチェイス(ただし強度はそれ程でも無い)という分業制。
状況次第でベリンガムがCBへプレッシャーを掛け、その際に空いた右サイドはショーが前に出るというプレッシングの体勢。
しかしスペインの伝統であるポゼッション能力の高さの前に、ボール奪取どころか十分な規制すらままならない時間が続きます。

スペインは押し込みによりコーナーキックに持ち込んでも、焦って連続してクロスを入れるという事はせず、ボール確保によりあくまでペースの維持に努める立ち回り。
イングランドと手法は違えど、こちらも決勝戦故の慎重さが垣間見えていたでしょうか。
12分に左からウィリアムズのカットインシュート(ストーンズがブロック)で初フィニッシュと、攻勢を維持した割にはやや遅く。

15分にイングランドが、この日初ともいえる攻撃機会(ウォーカーが右ポケット奥を突いてマイナスのクロス)でCKを得た事で、スペインのターンを終わらせ。
スペインと同じくボール保持の時間を高めに掛かります。
17分スペインのゲーゲンプレスを受けながらの繋ぎで、戻しを受けたストーンズはさらに浮き球のパスで一気にGKまで戻す事を選択。
これを収めたピックフォードも当然ながらロングフィード、しかし結果的にスペインのプレッシャーを呼び込んで前へ送る形となり、ベリンガム落とし→ショーのサイドチェンジを経て好機到来。
サカが右ハーフレーンからエリア内へ切り込み、そのままポケットを抉ると見せかけて戻し、そして中央からライスがミドルシュート(ロドリがブロック)と最後方からの組み立てでフィニッシュまで持っていく事に成功します。

中心選手と目されるベリンガム、モノが違うと思わされたのが20分の場面で、左サイド中盤でボールを持ち。
ボールキープによりルイスを引き付けながら、中へのパスを意識させる事でカルバハルの目線も操ってワイドを開け、そこへ走り込むショーへスルーパス。
1人で複数人を困らせる高次元のプレーを目の当たりにしましたが、ここはショーが受けたパス地点がタッチラインを割ってしまい好機とはならず。

しかし依然として守備時は、スペインのボール保持に難儀するシーンが続き。
特にウィリアムズという矛が活かされる左サイド(イングランドから見て右サイド)の押し込みを受け、サカがウイングバックの位置に降りての5バックとなる事もしばしばあり。
ボール保持もままならなくなるイングランド、23分にはスペインのプレッシャーを受けたフォーデンがバックパスをミスし、オルモに拾われスペインのショートカウンターに。
ボールキープを経て託されたヤマルが右ポケット奥を突いてシュート(グエヒがブロック)と、スペインの武器である両翼の突破も目立たせてしまい。

決勝故に審判も難しいコントロールを強いられたでしょうか。
25分のイングランドの攻撃、ケインが中央でドリブルに入るも、こぼされた所でルイスを削ってしまい反則・警告を受け。
30分にはスペインの攻撃で、クリアボールを拾ったオルモが前進する最中、ライスへのチャージで反則・警告。
お互いオフェンスファールで警告が出された事で、これまでの場とは一味違うという雰囲気に。

そんな絵図もあり、時折ペースの乱れが垣間見えるスペインですが、やはり根底がしっかりしているチームは強いというべきか。
35分前後から再度、立ち上がりのような攻勢へと突入。
敵陣でサイドを振りながらのパスワークに持ち込み、両翼の威力でアタッキングサードを脅かす攻撃を繰り広げ。
35分の左CKから、ショートコーナーからの中央への戻しを経て、オルモがミドルシュートを放ち。
しかしエリア内でケインがこれを足下でカットと、攻撃がままならない状況で、守備面で存在感を発揮せんとするセンターフォワード。

相変わらず守勢が続くイングランドですが、そんなキャプテンの思いには応えなければならず。
42分ライスのパスカットから攻撃機会が訪れ、スペインのゲーゲンプレスもありベリンガム→ケインへのパスは遮断されるも、拾い直したベリンガムが左→右へのサイドチェンジで包囲網を突破。
そして受けたサカはここも縦突破をチラつかせながらカットイン、メイヌーを経由して中央のケインに預けんとしますが、このパスもカットされて実らず。
しかし45分敵陣でベリンガムがカルバハルからボール奪取、やっとショートカウンターの好機が訪れ。
そのまま左奥から入れられたグラウンダーのクロス、中央で受けたケインがシュートと、とうとうCFにフィニッシュが生まれたもののロドリがブロック。
しかしこぼれ球を拾いにいったウォーカーがウィリアムズに倒された事で、反則となり右ワイドからのフリーキックで継続。
ここからキッカー・ライスのファーへのクロスがこぼれた所、フォーデンが左ポケットからシュート(GKシモンキャッチ)と、終盤で得点の匂いが高まってきたイングランド。
しかし結局スコアレスから動かず、前半終了となりました。

スペインは先程シュートブロックしたロドリが(ラポルテとの交錯で?)痛んで倒れ込むシーンがあり、その影響かハーフタイムで選手交代。
ロドリ→スビメンディへと交代し、最後となるか否かという45分を戦う事となります。

ビルドアップの際にアンカーを務めるロドリが退き、どういう構成となるか注目されたスペイン。
それを確かめるに間も無い後半2分でした。
ルイスが最終ライン右へと降りて3枚での繋ぎの姿勢を取るスペイン、これによりカルバハルが前に出る事で、ベリンガムはルイス・カルバハルのどちらをチェックするか迷いが生まれ。
その隙を突くようにルイス→カルバハルへパス、ベリンガムが追い付く前にさらにカルバハルは右足アウトによるワンタッチでのパスという具合に翻弄して敵陣へ運びます。
このパスを受けるヤマル、さらに入れ替わりで前を向く事で縦に速い運びを完成させると、カットインで中央へ流れて左ポケットへパス。
広大なスペースを送られたこのボールに、ウィリアムズが走り込んだ末に放ったシュートがゴール右へと突き刺さり。
最初の変化を見事に結果に結び付け、スペインが先制に成功しました。

スコアが動き、混乱状態が続くイングランド。
4分、ノルマンがロングパスで一気に前線へ届けると、そのまま浮き球を操って運んでいくスペイン。
やや乱れた所を拾ったウィリアムズ、エリア手前からまたもシュートを狙うも、縦パス風になってエリア内のオルモに収まり。
しかし逆に決定機となり、そのまま左へ流れ角度を付けて対角線を狙ったシュートを放ちましたが、ジャストミートせずゴール右へと外れ。

その後はイングランドもボール保持により落ち着きを取り戻さんとしましたが、満足に攻撃できず。
スペインのボール保持に対しても果敢にハイプレスを掛けるものの、8分にはGKシモンがそれを縦パスでいなし。
受けたモラタのポストプレイを経てスビメンディがドリブルに入った所、反則で阻止したストーンズが警告と、どうにもやる事が巧くいきません。
すると待ち受けていたのはスペインのショートカウンターで、10分パスカットしたカルバハルがそのまま右からカットインし、ミドルシュートを放ちますがグエヒがブロック。
続く11分には縦パスをカットしたルイスから、パスを受けたウィリアムズのミドルシュートがゴールを襲いますが、左へと外れ。

何とか流れを変えたいイングランド。
16分、とうとうキャプテンのケインを交代させるという決断を下し。
ワトキンスを同ポジションで投入し、ゲームキャプテンはウォーカーに託されます。

19分、GKピックフォードのロングフィードが一気に右奥を突き、走り込むフォーデンの前でククレジャに拾われるも奪い返すフォーデン。
戻しを経てサカからのパスを中央で受けるベリンガム、反転しながらのトラップでカルバハル・スビメンディの2人を剥がした末にミドルシュート。
しかしこの高等技術からの強烈なフィニッシュもゴール左へ外れてしまい、同点とはなりません。
おまけにこれによりロングパス一本で好機を作らんという意識へ移ってしまい、簡単にボールを失うという時間帯に。

スペインも23分にモラタ→オヤルサバルへ交代と、こちらもCF兼キャプテンのモラタが退く事に。
直後の24分、そのオヤルサバルの前からの守備によりボール奪取、CKへ持ち込むという具合にしっかりと交代選手をパワーに還元させ。
このCKから何度もクロスの爆撃をゴール前へ送り、GKピックフォードがそれを跳ね返し続けるなど、プレッシャーを与えていくスペイン。

イングランドは25分、さらにベンチが動きメイヌー→パーマーへと交代。
これによりポジションチェンジが絡んだ(ベリンガムがボランチへ、フォーデンが左サイドハーフへ回る)事で、スペインは守備が曖昧になったでしょうか。
直後のゴールキックでのロングフィードから、カルバハルがクリアミスした所をすかさずワトキンスがシュート。(カルバハルがブロック)
ミス絡みのフィニッシュが生まれた事で混沌とする展開。

続く27分、スペインはパスカットしたスビメンディがそのままエリア内へスルーパスと、一気に好機を作らんとし。
そして走り込んだオヤルサバルがシュートを放ち、GKピックフォードがこれをキャッチすると、直接前線へスローして届けた事で薄い守備を突く格好となったイングランド。
右寄りで受けたベリンガムに対しククレジャが潰しにいくも、奪いきれなかった事でポッカリ空いた右サイドを突く状況が生まれ、サカが右ワイドを突いてカットインからエリア内中央へパス。
そしてここまで上がって来たベリンガムがポストプレイで後方へ叩いた所に、走り込んだパーマーがミドルシュートで一閃。
ブロックを掠めた事もありゴール左隅へと突き刺さるボール。
布陣変更を経て、投入した駒が同点弾を齎すという采配ズバリな格好となったイングランド。

当然ながら、イングランドは一気呵成に逆転を狙いにいき。
しかし得点を齎した右サイド偏重の攻撃となり、サカを中心としてアタッキングサードを突くものの、直ぐにその流れは途切れてしまいます。
すると再度スペインのボール保持により、守勢の時間が長くなる。
体力面の不安が露わとなる時間帯で、やって欲しくない(と思われる)立ち回りをみすみす許してしまう結果となり。

イングランドは交代以降、ベリンガムが若干前に出た4-1-4-1にも見える布陣でスペインの最終ラインからの組み立てを阻みにいき。
インサイドハーフというべき立ち位置のベリンガム・パーマーの2人でスペインのドイスボランチを掴まえる姿勢を採ります。
しかしその狙いも空しく、ポゼッションによる攻勢に入るスペイン。
戻して作り直すシーンを多く作り、ウィリアムズが中央~右へと流れる状況も混ぜつつ、イングランドの体力・神経を奪っていきながらゴールを狙う状態へ突入します。
(38分にノルマン→ナチョへと交代)

止む無く自陣でブロックを固めるイングランドですが、その狭い所も突きに掛かるスペイン。
37分に中央を前進するウィリアムズ、戻しからオルモの浮き球パスを収め、すかさずエリア内へと叩いた所にオルモが走り込み。
そしてさらにワンタッチで流した末にヤマルのシュートが放たれ、GKピックフォードがビッグセーブで防いだものの、決壊間近といった印象を残す好機となり。

迎えた41分、最終ラインから緩めの縦パス攻勢で中央を運ぶスペイン。
ルイスのパスはあろう事か主審の股を抜くというものとなるなど、狭い所を抜く意識の徹底を経て敵陣へ運び、オヤルサバルがポストプレイで左へ叩いた所にククレジャが走り込み。
そして入れられるグラウンダーのクロスを、踵を返してエリア内に進入していたオヤルサバルが脚で合わせてのシュート。
ゴールに突き刺さり、こちらも途中交代のオヤルサバルが決める格好で勝ち越しを果たします。
緩急を付けられての前進に、体力消耗もあり(オヤルサバルのオフサイドをアピールする以外)成す術が無かったというイングランド。

残り時間は少ないものの、諦める訳にはいかずイングランドのキックオフ。
例によって戻し→GKピックフォードロングフィードで運び、落としから好機が生まれる事となり。
ボールキープするベリンガムの縦パスがエリア内へ入り、フリーで受けたワトキンスが前を向く決定機になりかけましたがスペインはこれも素早く対応してクリア。
これにより左CKとなるも、その前に両チームともに選手交代が挟まれます。

スペインがヤマル→メリーノ・イングランドがフォーデン→トニーへと交代し、セットプレーの攻防に。
上げられたキッカー・パーマーのクロスを、中央やや遠目でライスが合わせヘディングシュート。
GKシモンのセーブで浮いたボールを、さらにグエヒが詰めてのヘディングシュート。
GK不在のゴールに決まったかと思われたこのフィニッシュも、オルモの頭でのブロックに阻まれ決められません。(さらにライスがヘディングシュートで追撃も枠外)
1点もののディフェンスで、ゴールゲッターのようなガッツポーズを見せるオルモにより、いよいよ勝利への雰囲気が高まってきたスペインサイド。

結局この攻防が、イングランドの最後の可能性あるチャンスとなりました。
突入したアディショナルタイムは、焦りからかイングランドの反則が目立つ展開(ワトキンスがナチョへの反則により警告)となり、好機の数自体が少なく終わり。
そして目安時間の経過(4分)により、決着を告げる笛が吹かれました。

全勝優勝という結果を叩き出したスペイン。
不本意なものに終わったカタールW杯からの復権が無事果たされたその姿は、「無敵艦隊」と形容されるに相応しいものとなり得たでしょうか。

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2024年J2リーグ第24節 水戸ホーリーホックvs横浜FC inケーズデンキスタジアム水戸

2024-07-17 16:01:34 | サッカー観戦記

前年のいわきと関連付け、常磐線を制してやろうという(謎の)意気込みの下、観戦の舞台に選んだのは水戸。

仙台から南下した前年とは一転して、東京から北上のルートを選び、早速「特急ときわ」へと乗り込みました。
道中柏を経由した事で、「遠出してJ2の試合を観に行く」行為に疑問符を抱きながらも、約1時間半掛けて到着。

改札を降りたその刹那、ホワイトボードに装飾されたお出迎えという粋な計らい。
わざわざアウェイ側を頭に持ってくるという配慮に感銘を受けつつも、水戸駅のカオスな混雑具合(構内は自転車も通行可能らしかったし)に翻弄される状況に。

何とか宿に到着し、休息もそこそこに駅へと折り返し、バス乗り場へ。

実に判り易い乗り場。
それもそのはず、便宜上シャトルバスでは無く、増便された普通のバス扱いなのでこうした目印は必須といえるものでした。
そしてあくまで「普通の路線バス」(行先が「市立競技場前」となっている辺りその香りが)なのが往路のカオスぶりを生み出す事に……

道中のバス停に各駅停車し、しかもそこに新たなサポーターも乗り付ける事で中はぎゅうぎゅう詰めに。
そしてスタジアムへ向かうべく細い道へと路線を変えるバス。
最後のバス停から終点まで、その道のりは短いようで長く、幹線道路と交錯する事で生まれる小渋滞にも巻き込まれ……。
といった中々にハードな旅路と化した末に、無事にケーズデンキスタジアム水戸の前へ到着。

その大きさに圧倒されつつ、脇道にあるホーリーくんのイラスト(工事現場でよくあるやつ)に癒されながら敷地内を歩き。

渋滞による牛歩を強いられた事もあり、既に開場時刻を回っていたためそさくさと入場。
今回は(雨天を避けるという意味合いで)メインスタンド側に座る事に。

  

その名称の通りに推されるケーズデンキの広告。
正直な所ヤ○ダ電器や100満○ルトに比べてエンターテイメントの部分が足りてないと思う

ピッチ内では、ハーフコートで行われるキッズマッチの様相が。
物珍しい光景ながら、空腹には勝てない、という事で早速スタジアムグルメを確保しに場外へ。

その腹減り具合に自制心が効かず、やってしまった肉尽くしのコンボ。
「メツゲライ・タモン」のブースのホットドッグ(行列待ちに耐えられず一口かじった)、「龍神家」のブースの「龍神飯」と名付けられた肉丼。
特に後者は厚切りチャーシュー+チャーシューのそぼろ+タルタルソースという、二郎系に属していても可笑しくない、これでもかというカロリーの暴力。
いくらイベントの場とはいえ、選択を間違えれば大変な事になるというのを、胃もたれという結果で示されての観戦となりました。

飯にがっついている間にキッズマッチも終了となり。
天気予報の通りに雨がパラつき始めるなか、試合前練習……の前に、早くも発表されるアウェイ側・横浜FCのメンバー。

前回の新潟よりも早い……と思わされたものの、発表はアウェイのみとなり。
そんなフェイントを掛けられながら、試合前練習へと突入しました。

当然ながら、目がいくのはレジェンドのGK本間。
監督交代以降全試合ベンチ入りを果たしており、こうしてその姿を拝めるのは光栄の限り、と思いながら練習ぶりを目に焼き付けました。

 

その練習の最中に行われた、この日のイベントに則してのスピーチ。
水戸市長・大洗町長ののち、目を惹く事になった「クリーニング専科」の社長の脇に現れたマスコット。

 

真っ黒なカラーが齎す威圧感、その名前は「黒田ウーサー」との事。(以下うウーサー)
初見だと(スピーチという堅苦しい場だったのもあり)ゆるキャラ独特の可愛らしさが目立たない風でしたが、そちら方面が発揮されるのは後程となりました。

そんな中で練習も終わり。
雨は小降りという状況で、屋根があるものの風の影響でメインスタンドにも僅かに降り注ぎ。
そのような状況下で行われた、水戸のスタメン発表。
やっぱり練習後のタイミングが白眉だと思わされました。

 

何時の間にか加わっていた……と言っては失礼な、育成型レンタル組の2人。
シヴァタファリは3試合目、徳島でお馴染みだった櫻井は2試合目となったこの日の出場。(後者はこの日が水戸で初スタメン)
一見大型DFというような前者ですが、ポジションは右サイドバックで、その攻撃性ぶりからディフェンスの安定感を齎すには程遠い存在……でしょうか。
後者の中盤の底としての実力は既に折り紙付きで、不安定なセンターラインを固める切り札となり得るかどうか。

そんな新戦力をどう当て嵌めるかという難しい舵取りを、残留争いの中で取らなければならない状況の森直樹監督。
こうしてスーツ姿で撮られた風貌は、就任当初のラフな姿とは一変して風格が表れた感じであり。

この日のスタメン。
4バックを貫いてきた水戸ですが、この日は相手に合わせるように3-4-2-1の布陣。
サイドアタッカーの新井晴も、左ウイングバックの役割が示す通りに最終ラインに降りて5バックの左を固める時間が長くなり。
楠本の復帰で守備陣が安定したかに見えましたが、前節(藤枝戦、1-3)でスタメン落ちした結果失点増。
また離脱か……と思われたものの天皇杯3回戦(マリノス戦、2-2・PK4-5)で出場しているなど、やや不可解な序列変更は、リザーブでDF不在という事にも表れているようであり。
一方の横浜FCは山根→中村拓という1人のみの変更と、強豪らしいスタメン選択。

方や残留争い、方や自動昇格を視野に入れているとあり正直勝利は厳しいというホームチーム。
そのため布陣変更は、傍らからでも頷けるものでありました。

 

そして選手入場。
何も音響を掛けず、サポーターの声援・チャントのみで雰囲気を作り上げる、水戸スタイルというべき場内の中で行われ。

選手達の最後尾にはもちろんお馴染みのホーリーくん(夏バージョン)……と、再び姿を現したウーサー。
そのまま整列の場に加わるホーリーくんを尻目にライン際に残るウーサー、先程と同様の威圧感を露わにしたかと思いきや……

キックインセレモニー。

このナイスなキックにより、一転してゆるキャラ本来の魅力を醸し出す存在となり得たでしょうか。

ちゃっかり撮影にも加わるウーサー、可愛らしさを存分にアピール。

そして両軍選手がピッチに散らばる……という段階で、今度はこの男が存在感を示し。

 

それは横浜FCの福森で、他選手が既にピッチに入るなか、自身はピッチ脇で入念に感触の調整に努め。
流石移籍早々中心選手に昇り詰めた男、その立ち回りは他選手とは一線を成すものであると実感させられるに至りました。

さてキックオフ。
お互いロングボールを蹴り合う定番の入りを経て、布陣変更の効果もあったか水戸が押し込む流れに。
右サイドで極端に高い位置を取るシヴァタファリを矛とし、後方から積極的に間を通す縦パスを送り、横浜FC陣内でサッカーを展開します。

その水戸の攻勢が続いた故に、自分も水戸が4バックと思い込んでいて「あの新入り(シヴァタファリ)、とんでもない超攻撃的SBだな……」などと、目の前の光景に思わされ。
また最後列も、牛澤が右サイドに思いきり開いた立ち位置のビルドアップ。
この時点で3バックだと気付くべきでしたが、前監督・濱崎芳己氏を彷彿とさせる「右CBが右サイドに思いきり張り出す」最終ラインの形を思い出させるものだったため、それには至らず。

しかし10分を過ぎると、力量差が発揮されるかのようにペースを逆転させに掛かる横浜FC。
その立役者はやはり福森で、最終ラインから地上で繋いでの前進の間、福森はそれに加わらず中央を浮遊した末にチャンスエリアへ。
そして左から小川のクロスを頭で合わせ、枠を捉えられずに終わったものの、まさかのCBの選手が(流れの中で)ヘディングシュートを放ったその姿が展開を劇的に変える切欠となり。
そして守りに回る水戸、新井晴が最終ラインに降りて5バック化するその姿に、ようやくこの日の本来の布陣を理解する運びとなりました。

しばらくはその横浜FCの攻勢に、水戸も対抗姿勢を見せ尚も敵陣に進入を果たせていたものの、その最中にアクシデント。
前半18分頃に山本が足を痛めて倒れ込み、治療を経てピッチ外→復帰。
サポーターの声援を受けつつ、プレーを続ける運びとなったものの、20分過ぎに再度倒れ込んでしまいます。
これにより続行不能となり、慌ただしく交代の準備が行われる水戸ベンチ。
本来レギュラー格の落合(チーム得点王=5点)が投入される事となりました。

ここからめっきり攻撃機会が減ってしまう水戸。
間を通すパスを落合に通して何とか攻撃を組み立てんとするも、要所でユーリを中心としたディフェンスに阻まれ、立ち上がりのような好機を作る事が出来ず。

交代直後の24分、福森のキラーパスと形容すべき浮き球パスがエリア内のカプリーニへ渡り。
そして中央への横パスを経て櫻川がシュート(ブロック)と、徐々にその福森の存在感に脅かされる状況に。
5-4-1ブロックで自陣を固めるも、ミラーマッチ故にマンマーク気味の意識という守備隊形の水戸。
それ故に、横浜FCの前方の動きに釣られ、後方にはチェックが間に合わない(そもそもする意識が低い)という両雄並び立たずの状況がチラつき始めます。
それでも激しいデュエルが織り成す、主審の判定がやや水戸に甘いと感じるものだったのにも助けられ。(倒してしまうも笛は鳴らず、というシーンが多く)
そのフラストレーションで、32分には水戸の反則で止まった所を素早く始めようとした横浜FC、静止の笛が鳴ったにも拘らず(蹴り出しを受けたのち)ボールを裏へ蹴り出すカプリーニ。
当然遅延行為で警告を受け、それに対し長らく異議を唱えるという具合に、横浜FCサイドも盤石では無い雰囲気が漂います。

しかし35分に決定機、左サイド奥に持ち込んだ中野のクロスが櫻川の頭に合い。
そして放たれたヘディングシュートがゴールを襲うも、ライン際でGK松原が片手で掻き出すというビッグセーブで何とか凌ぎます。
その後のCKからも櫻川にヘディングシュートを打たれる(ゴール右へ外れる)等、ひとしきりゴールを脅かされる流れに。

最前線で文字通り「躍動」する櫻川。
その姿に、横浜FCもその後は彼をターゲットにするロングボール攻勢へと移り変わり。
そしてそのセカンドボールを拾って攻撃権を支配と、最前線の橋頭堡を押し出しつつ、要所でパスを受けるカプリーニが水戸ディフェンスをかき乱し。
いくら5バックで守りを固めているとはいえ、こうした個人能力を押し出されては苦戦は免れ得ないという状況でした。

しかしシュートを数多打たれつつも、必死にブロックして凌ぎ。
山本の負傷もあり長くなったアディショナルタイムも、横浜FCにセットプレーで時間を奪われながらも、何とか失点せずにやり過ごします。
CKからの最後の攻撃でも、水戸の反則気味のディフェンスで終わった事で、異議を唱えながらの前半終了となった横浜FC。

そしてハーフタイム。
ホーリーくんの場内一周、それにやはりウーサーもお供するという絵図に。

夏バージョンなため麦わら帽子装着のホーリーくん。
それ故に、スタンド上部からは顔が良く見えない状況が多かったですが気にしない。

 

キッズスペース前で、わちゃわちゃ状態となる2匹2人。

 

自分はメイン左側のスタンドに居たため、メイン右側から反時計回りというルートで、眼前にやって来たのはHTも終盤の事となりました。
そしてその間に、既に選手達は全員ピッチ内で円陣を組む段階へ。

 

そして始まった後半。
一度は止みかけた雨が再びぶり返し、照明を借りて肉眼でハッキリするほどの勢いとなるなかの試合と化しました。

横浜FCの猛攻とさして変わらない試合絵図。
自分の近くのサイドに攻める立場となった水戸ですが、守勢続きでボールが遠くに位置するのを余儀なくされ。

そしてその遠目で作られる決定機。
後半4分、中村のロングパスを収めた櫻川がエリア内で決定的なシュートチャンス。
これを前に出てブロックに近い形でセーブしたGK松原ですが、跳ね返りを小川に詰められシュートを許し。
万事休すと思われましたが、このシュートも巧くコースに立ちはだかって足でセーブと防ぎきった松原。
前半に続く1点もののビッグセーブで、スコアレスを保ちます。
その後も11分にCKから、カプリーニのシュートを至近距離でセーブするなど、守護神の働きぶりで勝利の芽も生まれて来たでしょうか。

そしてその通りの展開が訪れます。
後半全く攻撃機会を得れなかった水戸ですが12分、ワンタッチで横浜FCの喰い付きを剥がしながら前進し、左ポケットを突いた新井晴のグラウンダーのクロスがフリーの草野の下へ。
ややマイナス方向に流れる形となるも、収めた草野がそのまま強引にゴール方向に体を回転させながらシュート。
その行方も(シュートの前に反応してしまった)GK市川と福森の2人を掠めながらゴールに入るという、まさに執念の2文字が相応しいものとなった先制ゴール。
劣勢に次ぐ劣勢を、耐え忍んだ先に待ち受けるリードに辿り着きました。

試合の局面が変わった事で、キックオフ前に両ベンチともに動き。
横浜FCは小川→室井、水戸は草野・甲田→安藤・齋藤。
ゴールを齎した刹那退く格好となった草野、スタッフにひとしきり出迎えられたのち、スタンドに両腕でサムズアップ。

まさかのビハインドで足並み乱れる横浜FCの攻撃。
その隙を突くように17分に水戸は再び決定機、またも素早い運びでディフェンスを剥がした末に、前田椋が左ポケットを突いてシュート。
しかし左ゴールポストを直撃と、悔やまれる逃し方をしてしまいます。

その後19分に、ゴールキックで遅延行為(リスタートを促されたのちにもキャンセルと、ハッキリ解るような)をしてしまったGK松原が警告を受け。
やはり押し込まれている状況は変わらないという水戸の絵図。

しかし21分、前掛かりな横浜FCに対しまたも速攻が炸裂し、ロングパス→安藤ポストプレイを経てドリブルする齋藤が前に出たガブリエウを綺麗に剥がしてGKと一対一に。
そして市川を右にかわした末に放たれたシュートがゴールに突き刺さります。
上位相手に2点リードと、アップセットの末の勝ち点3が現実味を帯びてきた水戸。

建て直しを図る横浜FC、23分に再び選手交代。
ガブリエウ・カプリーニ→村田透馬・伊藤へと2枚替えし、村田透が右WBに入る事で中村が右CBへスライド。

相変わらず櫻川の高さは脅威であり、伊藤の投入でそれをさらに強化させる格好となり、そのうえでクロス攻勢を選択する横浜FC。
2点ビハインド故に余裕の無さは感じるものの、度々送られるクロスを跳ね返す水戸サイドも、徐々にダメージの蓄積は隠せなくなってきた感があり。

そして31分。
自陣で奪われてのトランジションという局面で、左からの浮き球パスがエリア内の伊藤に収まると、GK松原を含めた3人掛かりでブロックにいく水戸ディフェンス。
そのシュートは防ぐも、こぼれ球を伊藤に拾われてしまい無人のゴールに蹴り込まれる形となり。
必死のディフェンスがここに来て仇となる、嫌な形で1点を返されます。
尚、ブロックの際に交錯した大崎が長らく倒れ込むも、何とか無事に起き上がり。

そしてその後も、クロス攻撃に狙いを定めた横浜FCの姿勢にブレは無く。
頻繁に送られるアーリークロス、それを伊藤が収め続けるという、水戸サポーターの悲鳴が止まらないという試合展開。
38分に櫻川が交代となるも、投入されたのは同じくターゲット型の高橋利樹なため何の救いにもならず。

直後には交代投入の落合が足を攣らせてしまう事態に。
交代とはいえ、前半早めから出ていたため仕方無い感があったものの、ディフェンス型のベンチ選手が不在なため流れを堰き止める事が不可能な水戸サイド。(久保と交代、同時に新井晴→碇へと交代)
天皇杯で大崎・牛澤・甲田・草野がスタメン、新井晴も途中出場で長らくピッチに立つという具合に、連戦の影響も色濃く表れてきた感があり。

そして42分、ここも左からのアーリークロスでした。
中野のクロスを交代出場した高橋利が合わせるという、理想的な形で放たれたヘディングシュートがゴールに突き刺さり。
同点に追い付き、素早くボールをセンターサークルに戻した横浜FCサイド、まだまだ勝利を狙いにいく姿勢を維持します。

決壊は必然といった水戸ですが、ホーム故に残り時間の可能性に賭ける他無く。
何とか安藤にボールを繋いでゴールを狙いますが、状況は厳しく。
これは先程ですが、速攻の場面で新井からのパスが来ない事に苛立ちを示していた安藤(前田のポスト直撃のシュートの前あたり)、何となく連係面での不安が醸し出されているようであり。
シーズン序盤から出場を重ねるも得点出来ないという立場で、今後チームの力になるかどうか疑問符が付く一日に映りました。
(なおもう1人のFW・寺沼は負傷離脱中)

そうして迎えたAT、当然ながら攻勢に入る横浜FC。

室井のシュートをGK松原がセーブと、既に歓喜の瞬間どころの話では無いという冷や汗ものの展開を強いられ。
尚も続けられる横浜FCのクロス攻勢を防ぎ続けるという流れで、7分の目安時間を凌ぎに凌ぐ水戸。
そして2-2のまま試合終了の時を迎えました。

最悪の結果は何とか免れた水戸。
その内容はカウンター一辺倒と取られかねないものだったので、上位相手に勝ち点を得れたという切り替えが求められる事でしょう。
幸いJ2リーグはここで3週間中断するため尚更であり。


以下、試合中に撮った写真を載せてきます。(ボールペンの異常でメモを取れなかったため)

前半、無念の負傷交代となった山本。

その代わりを務めに掛かる落合。

水戸のセットプレー時のビジョン。
「水戸黄門」でおなじみの3人をモチーフにしたキャラらしいです。

カプリーニが警告を受けた事による異議。
流石に(静止の)笛が鳴った後に蹴り出しては言い訳は効きません。

5バックで整然と守る水戸。
降りたカプリーニに対し釣られ気味の位置取りに。

横浜FCのCK、蹴るのはもちろんこの男。

上げられたクロスを合わせにいく櫻川。

決して優良CBが揃っているとはいえない水戸故に、その高さは一重に脅威であり。

待ちに待った水戸のゴールに、飛び出して草野に駆け寄るベンチメンバー。

交代となったのちの、草野のサムズアップ。

ゴールへ向けて疾走する齋藤、この後見事2点目を叩き出し。

見辛いですが、ゴールした際のビジョン。

ゴール裏が芝生なため、バックスタンドに陣取る水戸サポーター団。
勝利への色も高まっていたものの……

大崎のロングスロー。
同点とされてからも何度か見られ、「何でもいいから(3点目を)取れ」という気持ちでそれを見守り。

結果的に痛恨となった1失点目。


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