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ABEMA観戦 UEFA EURO2024準々決勝 スペインvsドイツ

2024-07-07 15:02:37 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • スペインのホーム扱いの試合だが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 両チームの選手名はyahooスポーツナビに準拠。

参考動画

前回のEUROの記事 -グループD3節・オランダvsオーストリア


始めに余談から入りますが、記事を書くにあたり、ドイツ代表のwikipediaのページを参照した時の話。
すると「ドイツ代表の衰退」の項目に、日本代表との戦いがメインとなって記述されている辺り、時代は変わったものだと実感させるものでしょうか。
カタールW杯から始まる、日本への敗戦続きの戦績はそれだけドイツ内で衝撃的なものだったか。

この大会で事実上の決勝戦と称されての戦いに挑むドイツ。
そんな汚泥塗れる経歴から見事に復権……という言葉を並べるのは、この一戦に勝ってからにした方が良いでしょう。
スペインが前回観た際から、ドイスボランチシステムに微調整した事により、お互い4-2-3-1の布陣で迎えたキックオフ。

早々の前半1分、ククレジャの反則気味のボール奪取から左サイドで前進するスペイン。
ウィリアムズのアーリークロスをニアでモラタがレイオフし、ペドリがダイレクトでシュートと流れるようにフィニッシュに結び付け。(GKノイアーキャッチ)

しかし、前回よりもボール保持:好機製造の割合が後者に傾いた感のあるその攻撃よりも、起点となったククレジャのプレーが呼び水となったでしょうか。
その後は両軍激しいデュエルと、それによる反則が膨らむ展開に。
その中で4分、ドリブルを仕掛けるペドリがクロースと交錯した際に足を痛め、1分程倒れ込んでしまう絵図が発生。
何とかピッチ外→復帰となるも、やはり駄目だったようで8分に再度倒れ込んで交代の運びとなってしまいます。
オルモを同ポジションで投入と、早くもアクシデントに見舞われたスペイン。

スペインの両翼(右=ヤマル・左=ウィリアムズ)の推進力は脅威の一言で、そのケアに精神を使うというドイツディフェンス。
相手が強敵・ドイツという事もあったでしょうか、後方での落ち着いたボール回しは影を潜め、ひたすらその両翼に仕掛けさせる事に比重が置かれたようなスペインの攻撃。
13分、中盤で奪ったヤマルは前進を経てパスを選択、右に開いたモラタを経由して中央からオルモが切り込む体勢に。
これを防ぎにいったリュディガー、一旦はアタックをキャンセルして構えるも、オルモの前進の前に結局はオブストラクションの形となってしまい反則。
これによりエリアからすぐ手前という絶好の位置で直接フリーキックを得たスペイン。
最初に蹴りにいったオルモのスルーを経て、放たれたヤマルのシュートは壁の下を通したものの、ゴール右へと外れて決められず。

左右だけで無く中央からの突破も加わり、キリキリ舞いにさせられるという感のあるドイツ。
しかし16分、右からのヤマルの突破をラウム・ムシアラの2人でサンドして奪い、そこから逆に左サイドを前進していく(スルーパスに走り込んだラウムがクロスもブロック)という具合に対抗姿勢。
守備からリズムを作ると、次第に攻撃でもボールを持てるようになるドイツ。
クロースが最終ラインに降り、センターバックもサイドに開く姿勢で行われるビルドアップで、敵陣では後方からそのCBがクロスを上げるというシーンも頻発させます。

ポゼッションで後塵を拝す流れになったスペインは、以降GKシモンのフィードをメインの組み立てに取り入れ。
しかし最初は中々形にならず、ドイツに頻繁にボール奪取され押し込まれ。
21分にはそのシモンのフィードをカットしたのち長らくポゼッションを続け、スルーパスを受けたキミッヒにより右からクロスが入ると、中央でハベルツがヘディングシュートを放ち。(GKシモンキャッチ)
その後も後方でのクリアミスも見られたり、反則によりドイツにセットプレーの好機を頻繁に与えてしまう等リズムが悪くなり。
そのため、スペインのビルドアップもドイツ同様に、ボランチの片割れが最後方に降りて組み立てる事が目立ち。

やはりこうした3枚の最終ラインに変える事は、ボール保持に安定感を齎すには必須な手法といった所でしょうか。
しかし反則が目立つ流れまでは変わらず、ドイツはラウムが・スペインはノルマンが警告を受けるなど被害も出始めます。
その後も31分に、スペインのカウンターチャンスでヤマルのドリブルをジャンが反則で阻止(カードは出ず)という具合に、反則が一つのファクターとなりつつある展開に。

35分、スペインはCBのラポルテがドリブルに入り、サネを剥がしてそのまま敵陣左ハーフレーンを推進。
そして中央→右へと展開しポケットを突かんとするもシュートには繋がらず。
ラポルテは23分にも、自ら切り込んでエリア手前中央からミドルシュートまで放つというシーンがあり、膠着状態の打破をCBの持ち上がりで果たさんとするスペイン。
それに従うように、以降前半終了まで攻撃権を独占する事となり。
惜しいシーンは39分でククレジャのボール奪取からのショートカウンター、拾ったオルモがドリブルからミドルシュートを放つも、GKノイアーのセーブに阻まれ。
その後も45分にヤマルがドリブルで、ターを剥がした末にミドルシュート(GKノイアーキャッチ)と、突破からの強烈なフィニッシュでこじ開けんとするスペイン。
しかしゴールを奪う事は出来ず、一方のドイツも35分以降全く攻撃機会が無いまま、前半終了を迎えます。

相次いだ警告の影響もあり、共に交代が交錯する事となったハーフタイム。
スペインはその警告が付いたノルマンに代えてナチョ。
ドイツは警告付きのリュディガー・ラウムこそ代えなかったものの、ジャン・サネ→アンドリッヒ・ビルツへと2枚替えを敢行します。

こうして始まった後半も、早々の1分にラポルテがビルツのチャージで痛み倒れるシーンで幕を開け。(無事に起き上がる)
しかし続く2分スペインは目の覚めるような攻撃、GKシモンが高い位置を取ったカルバハルへロングフィードを届けたのちの好機。
そしてカットインからサイドを変え、左ポケットを突いたウィリアムズはシュートでもクロスでも無い、逆のポケットへ山なりのボールを送って目線を変えて揺さぶり。
収めたヤマルから今度こそ中央へパスが入り、受けたモラタが反転しながらシュートしましたが枠を捉えられず。
GKのフィードから、敵陣で揺さぶるという攻めを形にします。

すると6分、今度は最終ライン→右へ展開からの縦突破というシンプルな攻めで、ヤマルがワイドからポケットを突いて中央へ横パス。
そして後方から走り込んだオルモがシュートを放つと、グラウンダーの軌道でゴール左へと突き刺さります。
攻撃の構築を果たしたスペインが、先手を取る事に成功しました。

追い掛ける立場となったドイツ。
地元で開催されている今大会なだけに、スタンドの後押しを受けて追い付きたい状況に。

前半に見せたボールポゼッションの姿勢から、サイドで前進するとともに全体もより一層押し込み。
前述のCBのクロスが際立つようになったのはここからで、ひたすらクロスがボックス内に入るもののフィニッシュには繋がらず。
逆に9分にスペインのカウンター(ウィリアムズ→オルモへのスルーパスをターが何とか遮断)を受けるなど、前掛かりな姿勢を突かれる危惧も高まります。
ベンチも早めに動き、12分にラウム・ギュンドアン→ミッテルシュテット・フュルクルクへと2枚替え。
ストライカーの番号(9番)を背負うフュルクルクがその通りにFWに入り、ハベルツがトップ下気味のポジションに降り。

それでもやる事は、敵陣で人数を掛けての攻撃なのは変わらないドイツ。
15分に全員敵陣に進入しての攻め、右サイド手前からリュディガーのクロスとそれを象徴する流れ。
クリアされるも、その後のスペインのクリア気味のパスをクロースがカットして継続、ワンタッチでの繋ぎの連続を経てビルツがミドルシュート。(ククレジャのブロックを掠めて枠外)
19分にはコーナーキックから、投入されたフュルクルクがヘディングシュート(枠外)と、ターゲットを活かしながら同点を狙います。
(スペインは18分にヤマル→トーレスへと交代)

防戦の色が目立ってきたスペインは、一層GKシモンのフィードを活用して時間と余裕を作る立ち回り。
1トップのモラタも、降りてそれを受ける姿勢が目立つという具合に、ターゲットへのロングボールを軸として落ち着かんとします。
22分にはシモンフィード→モラタフリックで抜け出しにいったオルモが、クロースに倒されて反則・警告。
再度被害も膨らみ始めたドイツですが、そんな多少のリスクは覚悟で打って出なければならない状況であり。
24分には細かな繋ぎによる前進の末に、ビルツが左ポケットを取ってのボールキープ。
ワイドへ流れての戻しを経てミッテルシュテットのクロスが上がると、ハベルツの折り返しで中央のフュルクルクに収まるボール。
そしてレイオフを経てアンドリッヒがミドルシュート、GKシモンがセーブして防ぐも、尚も右ポケットにこぼれたボールをハベルツがクロス。
これがブロックに入ったククレジャの腕に当たるも、反則の笛は鳴らず終わりモノに出来ません。

27分にはまたもフュルクルクのヘディングシュートが放たれるも枠外に終わり、得点出来ない焦りも膨らみ始める時間帯。
そして29分にスペインがそれを突くようにカウンター、ロドリのスルーパスを受けたオルモが右ワイドを推進せんとする所を、ミッテルシュテットが反則で阻止してしまい警告と被害覚悟で止める他無く。
これによる右ワイドからのFK、キッカー・トーレスのアウトスイングのクロスがゴールを横切るボールとなり、跳んだGKノイアーを越えたその奥でラポルテが足で折り返し。
際どい絵図が生まれるも、フィニッシュには繋がらず。

スペインはGKシモンのみならず、ロングボールでの前進の割合を増やし、前掛かりなドイツの裏を突かんとする意識を強め。
しかしそれが仇となったのが32分で、スペインの攻めをGKノイアーが抑えて切ると、素早い運びを選択してロングボール→押し上げにより間延びしたスペインディンフェンスを突き。
キミッヒスルーパス→走り込んだビルツクロスと手数の少ない攻めでボックス内を突き、グラウンダーで入ったボールをフュルクルクが合わせシュート。
ナチョのチャージにより倒れながらも脚で合わせたそのフィニッシュは、右ゴールポストを直撃と惜しいものとなります。
その心中は後一歩まで迫れた事による光明か、決定機を逸した事による狼狽か。

34分にスペインはウィリアムズ・モラタ→メリーノ・オヤルサバルへと2枚替え。
これにより前回観た際と同じ、ロドリがアンカーとなった4-1-2-3へとシフトし、トーレスが右ウイング・オルモが左ウイングに。
その直後にドイツも動き最後の交代、ター→ミュラーに交代。
CBを退かせた事でアンドリッヒがその穴に入り、以降4-1-4-1という布陣で最後の攻勢に賭ける事となります。

逃げきりでも良い状況のスペインですが、その意識が危機を招いてしまったか。
37分にはゴールキックの際、遅延行為でGKシモンに警告が付き出され。
それによりその盤石といえたフィード力も鈍りを見せ、直後に蹴られたフィードは低く短くなってしまい、ラポルテが収められずこぼれた事でドイツのチャンスとなり。
そしてそのボールに走り込んだハベルツがダイレクトでシュートしますが、ゴール上へ外れてしまい何とか命拾い。

何とか勢いを持って攻めたいドイツ。
守勢の状態から脱出せんとするスペインのクリア気味のパスも、ポストプレイを潰して強引に奪うという具合にそれを果たさせず攻勢に持ち込みます。

そして迎えた44分、クロースのミドルパスから右サイドで細かく繋ぐ流れとなり、選んだのはやはりCBリュディガーの手前からのクロス。
中央でハベルツの胸での落としをビルツが拾い、好機到来と思われましたが戻しを経て左からミッテルシュテットが再度のクロス。
ファーでのキミッヒの落としから、今度はダイレクトでビルツのシュートが放たれると、ゴール左へと突き刺さります。
終了間際の起死回生のゴールに、沸き上がる大観衆。

その後はスペインが攻勢に入るも、試合の流れは再度選手が倒れる絵図が目立つものに。
ドイツの選手が前線で倒れた際、にも拘らずスペインが攻めを継続した(その攻撃もオヤルサバルがクロースに反則気味に倒され終了)事で異議を飛ばすドイツサイド。
そしてそれにより、ベンチメンバーのシュロッターベルグが警告という具合に、試合に出ていない選手にも齎される被害。
それだけ白熱した試合展開といえますが、ここまでに出た警告が総計9枚というのは褒められたものでは無く。(まあ審判団のコントロールの問題もあるでしょうが)

結局1-1のまま後半終了を迎え、試合は延長戦に。
ドイツは最後の交代が攻撃に舵を切ったものだったのもあり、すかさず補充されたカードでハベルツ→アントンへと交代。
CBのアントンを補充してアンドリッヒがボランチに戻り、4-2-3-1へとシフトします。
2列目はミュラーが右・ビルツが中央・ムシアラが左というのが基本姿勢ながら、流動的に動き回り判別がつき辛く。

幕を開けた延長前半(以下延前)、その1分にオルモの切り込みによるスペインの攻撃からスタート。
それに対しドイツもカウンターで応戦、延前2分にクリアボールをムシアラが拾って前進体勢に入り、フュルクルクのスルーパスを受けたビルツがグラウンダーでクロス。
そしてファーサイドにミュラーが走り込むという綺麗な流れを作るも、その手前でクリアされて実りません。

何処でチャンスがフィニッシュ、そしてゴールに結実するかという延長戦の展望。
しかしそれを余所に、4分のスペインの攻撃で左サイドをオルモが切り込むも、その手前のオフザボールの所でククレジャがビルツに倒され。
これが反則ならびにククレジャに警告が付き出された事で、以降も反則・負傷塗れの流れを余儀なくされます。

8分にルイスがアンドリッヒと交錯して反則となると、痛むルイスの横で、反則した側のアンドリッヒも足を攣らせて倒れ込み。
ここでは幸い両者無事に継続するも、ルイスはその後12分に限界が訪れ、交代の運びとなってしまいます。
2度目のアクシデントという形ですが、こちらの方は疲労も重なる時間帯故にある程度仕方ないものだったでしょうか。
ホセルに交代し、こちらも9番を付けた選手がセンターフォワードを務める流れとなり、それに伴いオヤルサバルがインテリオールに降り。(尚スペインは守備時は4-4-2で、FWへと上がる役割がメリーノ→オヤルサバルへと変わる)

その後、14分にスペインはオヤルサバルが右からのカットインを経てミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
アディショナルタイムにはドイツが、アントンの縦パスを受けたミュラーが左ポケットへ切り込んでマイナスのクロス。
そしてこれをビルツが合わせシュート(ゴール右へ外れる)と、ともにゴールに迫るも勝ち越しはならず。

試合は同点のまま延長後半(以下延後)へ。
そして早々の延後1分、ドイツの攻撃で物議を醸すシーンが生まれ。
ミュラーのエリア内へのミドルパスを胸トラップしたフュルクルク、そのままレイオフというターゲットの役割から、ダイレクトで放たれたムシアラのミドルシュート。
これがエリア内でククレジャがブロックするも、その左腕をモロに直撃した事で一斉にハンドをアピールするドイツサイド。
しかしVARチェックもあっさり終わり、結局反則無しとなります。
ククレジャの腕は開いていたものの、戻す動作の最中に当たったと判断されノーハンドの判定が下されたでしょうか。

そんな疑惑のシーンも、焚火へのくべとしながら勝ち越しを目指すドイツ。
4分にはスペインのCKからのカウンターで、ビルツがドリブルで切り込み、ククレジャのアタックもいなしながらペナルティアークに。
そして横パスを受けたフュルクルクがエリア内を突いてシュートを放ちますが、ふかしてしまい決められず。

しかし延長戦を戦うなかで、足を攣らせるというリスクも加わる事で尚も頻発する選手が倒れ込むシーン。
それに対し、主審も直ぐに試合を止めない絵図が目立つため試合は荒れ模様に。
そのため、ドイツはまたしもベンチから異議を飛ばしたウンダブが警告を受けてしまう状況を作る破目となります。
スペインサイドも、延前10分にカルバハルが、延後5分にロドリが警告と蔓延が止まらないカードトラブル。

疲労と荒れ狂う展開により、試合は一発で仕留めたい流れに。
その好機は12分にドイツに訪れ、キミッヒのアーリークロスを、まさに点で合わせるという表現をしたくなるようにフュルクルクが合わせ。
フリック気味に放たれたシュートがゴール左を襲うも、GKシモンがファインセーブでこれを防ぎます。

仕留めきれなかったドイツは、14分にその影を落とすように、自陣での空中戦から収めかけたクロースがボールロスト。
これによりスペインの攻撃へ移り、右サイドでの密集をカルバハルの横へのミドルパスで脱出し、オルモの左手前からのクロス。
これを身体全体での跳躍で合わせたのはメリーノ、渾身のヘディングシュートがゴール左へと突き刺さります。
PK戦突入の可能性が高まった中で、とうとう生まれた勝ち越しゴール。

スペインの歓喜の渦が生まれ、それにより再開が長引いた影響もあり、既に交代となったルイスが警告を受ける事に。
最後までカードトラブルが尽きない、という言葉を発するにはまだ早く。

CB2人も前線に上がり、ドイスボランチ(クロース・アンドリッヒ)が最後方から放り込むという、パワープレイの体制に賭けるドイツ。
しかしフランスもカウンターで好機を作り、トーレスが完全に抜け出してエリア内でGKと一対一に。
ループシュートでGKノイアーの左を抜かんとしますが、逸れてしまい決められず。

以降もフュルクルクのヘディングシュートが生まれる(ゴール右へ外れる)など、最後まで可能性を持って攻めるドイツ。
その姿勢に対しスペインも後手に回ってしまったか、最後の最後で左サイドをドリブルするムシアラに対し、抜かれたカルバハルが後ろから腕で倒す格好での反則。
当然ながら警告で、これで2枚目による退場を強いられます。
しかしドイツもラストワンプレーで殆ど影響は無く、ほぼ退場覚悟といったカルバハルの姿勢。

このFK、GKノイアーも前線に加わり何とかモノにしたいというドイツ。
しかし上がったクロスを、合わせにいったフュルクルクの前で直接GKシモンがキャッチ。
スペインが防ぎきったその刹那、試合終了を告げる笛が鳴り響きます。

激戦を制し、準決勝へと駒を進めたスペイン。
警告塗れの試合により、次の試合の出場停止者を2人出す事となりましたが、まずは120分戦った疲れを癒したい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第21節 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ

2024-07-05 16:39:17 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 神戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 鹿島は、鈴木が累積警告により出場停止。

上の方の試合を観るか、という事で選んだこのカード。
今季のJ1は、新興勢力(町田)にまさかの首位の座を明け渡しているとあり、ちょっとの差で追う立場にある両クラブの必死さは画面からも伝わって来るものであり。

立ち上がり、その思いが溢れ出るような、醜悪とも取れるシーンが目立ち。
前半2分の神戸の攻撃で、山口の左からのクロスを阻止にいった安西が山口と交錯して倒れ込み。
幸い無事だったものの、これにより両軍意固地になってしまった感があり、続く5分にはパスを受ける広瀬が樋口に倒されて反則。
するとリスタートを防ぎに立ち塞がる樋口を山口が押し倒すという具合に、サッカー以外の絵図を目立たせてしまう結果となります。

その流れのなかで、7分に空中戦でチャヴリッチが(トゥーレルに)反則を受けた事により、鹿島は中盤の位置からフリーキックによる放り込み。
これをエリア内中央で名古がポストプレイで繋がんとし、クリアされるも尚も右コーナーキックとセットプレーの流れは続きます。
そしてキッカー名古のクロスを、中央ややニア寄りで合わせたチャヴリッチのヘディングシュートがゴールネットを揺らし。
反則塗れの流れならばお手の物、と言わんばかりに百戦錬磨の鹿島が先制点に辿り着きました。

神戸は立ち上がりから、大迫・武藤をターゲットにしたロングボールでの組み立てと平常運転のスタイル。
それがデュエル・チャージの量産に一役買い、また鹿島優位に進んでいた事にも繋がっていた風であり。
ピッチレベルでもそう感じたか、16分に最終ラインから地上での前進を選択し、中央で扇原→山口→大迫と相手の間を抜くパスの連続。
そして大迫が右へ展開し武藤がクロス、これはブロックされるも右スローインで継続(その後扇原がループシュートを狙うも枠外)と、敵陣に押し込む事に成功します。

そして18分、またもトゥーレルから地上で前進の姿勢を見せると、鹿島サイドがプレスを諦めたのを見るや扇原がほぼフリーの状態でロングパス。
受けにいく武藤は、扇原がボールキープでタイミングを計るなかで、ベストタイミングで綺麗に裏抜けを果たしてGKと一対一に持ち込みます。
そしてエリア内中央からGK早川の右へシュートを蹴り込み、見事に制してゴールゲットし同点に。
長短混ぜ合わせての組み立てで、鹿島ディフェンスもそれに合わせられなかったでしょうか。

その後も地上での繋ぎを一定割合で挟みながら、攻め込む神戸。
酒井や山口が最終ラインから一列前の位置で巧みにパスの引き出し・ボールキープを行う事で、奪い返したい鹿島ディフェンスを引き付けながら隙を作る動きが素晴らしく。
24分、山口のキープでプレッシャーを剥がしたのち前に出た酒井へ縦パス、受けた酒井もキープする事でディフェンスを引き付け。
そして扇原→井出と経由ののち、井出から一気にエリア内へロングパスが供給され、武藤が走り込むという同点のシーンに酷似する状況となりましたがここはGK早川がいち早くキャッチ。

一方、優勢ぶりが雲散霧消となった鹿島。
立ち上がりはあくまで乱戦模様に付け込んだという形らしく、神戸の立ち回りにより落ち着きを齎したのちは見る影も無し……といった所でしょうか。
自身でも最終ラインから繋がんと試みるも、神戸の前線の守備に苦戦は否めず。
大迫がボランチを監視しつつ、両インサイドハーフ(山口・井出)が前に出て最終ラインに掛けられるプレッシャーにより前に運ぶ事に難儀。
仮に前にボールを出しても、素早いトランジションからの守備(特に山口の)を受けて結局好機に繋げられません。

そんな神戸の4局面をフルに使うサッカーに、苦戦の色を隠せなくなる鹿島。
大迫のポストワークに対し、激しく寄せて腕で止めようとする絵図(それでも倒れない大迫は凄いの一言ですが)を幾度も作るなど、再びラフプレーの色が強まって来ます。
迎えた37分、敵陣で扇原がパスカットに成功した神戸、こぼれ球を拾った大迫がチャージされながらボールキープを果たすと、そのまま反転して左サイドを突きに掛かり。
ここからまた溜めを作る大迫、そして中央→右へとショートパスを展開させ、酒井が奥に切り込んでクロスと崩しにいき。
クリアされて右CKになると、キッカー扇原は低いクロスをニアに送りスペースを突くと、入り込んだ武藤がボレーシュート。
これをゴールライン寸前で関川がブロックしますが、跳ね返りをすかさずトゥーレルが押し込んでゴールに突き刺します。
鹿島と違いキチンと組み上げた優勢ぶりの前には、必死のディフェンスも空しいといった勝ち越し点になりました。

しかし攻め続ける最中、36分に酒井が仲間のチャージを足に受けて反則という場面があり。
その影響で42分に限界を迎え、倒れ込んで続行不可能となってしまう酒井。
大迫・山口らと並んで、そのプレーぶりは神戸に欠かせない存在に映っただけに、ただ残念といったアクシデントとなりました。(初瀬と交代)
同時に、こうしたラフプレー混じりで無いとトップレベルを止められないという絵図に、槍玉に挙げられがちな町田だけを責める事は出来ないという穿った考えを浮かべてしまうものであり。

決して褒められたものでは無いながらも、その隙を突かんとする鹿島は45分、最終ラインでの繋ぎからGKへと戻して神戸ディフェンスを引き付け。
そのうえで送られたGK早川のロングフィード、一気に右サイド奥を突いて受けた樋口が溜を作った末にグラウンダーでクロス。
ニアで受けた名古、神戸のブロックをかわしながらシュートを放ちましたが、ゴール左へ外れてしまいこのワンチャンスをモノに出来ません。
一方リードを奪った神戸も、後方からのロングボール中心で前半の残り時間を過ごし。
その中で鹿島のクリアミスも絡み、広瀬がエリア内でシュートを放つ(GK早川キャッチ)場面もありましたが、結局スコアはそれ以上動かず。
2-1で前半終了となりました。

巻き返しを図る鹿島は、ハーフタイムで仲間→藤井へと交代。
藤井の突破力に賭ける事となります。

しかし根本的な所が変わらないと、何時まで経ってもペースを変えられない状態であり。
後半の入りも神戸が攻め上がる絵面となり、大迫のポストワークに対し腕を使って止めにいくもままならない、というシーン(後半2分)も前半と同様。
そんな反則気味のプレーに対し、3分にはチャヴリッチに倒された山口がヒートアップする等、苛立ちを抱えながらペースを保たんとする神戸。

そんな流れを変えようと、神戸の姿勢よろしく、植田のロングフィードを積極的に使いにいく鹿島の攻撃。
5分にその植田が左サイドへロングパスを送り藤井を走らせ、これにより左スローイン→左CKと、前半の立ち上がり同様に繋がるセットプレー。
ここからの二次攻撃で、右から上がった樋口のクロスをニアでチャヴリッチが合わせボレーシュート、しかしゴール左へ僅かに外れて同点ならず。

一方鹿島の守備は、度々フリーの状態でロングボールを送られていたのを受け、前からの圧を強めるという当然の姿勢に。
その甲斐もあり、9分には神戸の最終ライン間でのサイドチェンジを藤井がカットしてショートカウンターと、一定の成果は挙げられましたがゴールには辿り着けません。

神戸はその鹿島の攻撃に押され気味となり、13分には中盤の底でパスミスを犯してしまい鹿島のショートカウンターに。
そして樋口が中央からエリア内を突いてシュート(トゥーレルがブロック)と、ミスも出て来た事で締め直さなければならない状況となり。
その思惑通りに動く吉田孝行監督、16分に井出・広瀬→佐々木・パトリッキへと2枚替えを敢行します。

そしてその直後の17分でした。
右サイドで武藤がボール奪取し、こぼれ球を繋いで佐々木が前進する所、またも鹿島は知念が腕でそれを止めにいく姿勢に。
しかし佐々木は倒れずに進み、逆に知念が振り切られ倒れるという格好になると、カットインでレーンチェンジののちに右ポケットへスルーパス。
奥で受けた武藤のグラウンダーのクロスを、ニアに入り込んでいた大迫が合わせシュート。
GK早川が足でセーブするも、跳ね返りをすかさず追撃した大迫がゴールネットを揺らす事に成功します。
しかしオフサイドを告げる笛が鳴り、スルーパスを受けた武藤のオフサイドを取られた事で、判定はVARに委ねられ。
長らくチェックが行われた結果、ゴールへと判定が切り替わり。
反則アタックでも止められないという神戸の推進の末に、リードを広げました。

厳しくなった鹿島は、20分に関川・樋口→柴崎・師岡へと2枚替え。
こちらも海外から帰還組の柴崎の投入で、神戸に対抗姿勢を取らんとします。
また佐野がセンターバックへシフトし、2点差を追い掛けるべくボールポゼッションの姿勢を強め。(しかしボールを持たされるともいう)

柴崎投入でややクリーンとなった鹿島のサッカーですが、それにより大迫を止められないという事態にも陥り。
23分、中央で大迫がキープののち左へ展開、本多の戻しを受けるとすかさずライナーでエリア内へ縦パス。
急所を突くようにパトリッキに渡りますが、その速いボールは収めきれずクリアされ。
何とか命拾いした鹿島ですが、パサーに回っても大迫の脅威は健在というシーンでした。
鹿島は26分、ボール保持を経て柴崎がロングパス一本で右ポケットを突き。
サイドバックの濃野が一気に走り込み、ダイレクトでシュートを放つ(枠外)という具合に視野の広さを発揮する柴崎ですが、このビハインドの状況を跳ね返すには至りません。

28分、右サイドで武藤のドリブルが藤井に倒されて反則、というタイミングで動く神戸ベンチ。
本多・扇原→菊池・井手口へと2枚替えを敢行し、以降井手口・山口をドイスボランチとした4-2-3-1へシフトします。(初瀬が左SBに回る)
得た右サイドでのFKから、キッカー初瀬のクロスを大迫が合わせヘディングシュートを放つもゴール右へと外れ、4点目はならず。
直後に鹿島もチャヴリッチ→垣田へと交代。

何度か鹿島の押し込みを受けるも、優勢ぶりは揺るがないといった神戸。
しかし33分に、ゴールキックの際にGK前川が遅延行為で警告と、弱腰の姿勢に映る絵図を見せてしまうと以降は一転。
鹿島がひたすら敵陣でのボール保持から攻め込むという流れへ突入します。

傍らから観れば、鹿島が押しているように見えるこの絵面も、神戸にしてみれば最後にやらせなければ良いという状態であり。
その通りに鹿島は外循環を強いられながら、何処でブロックの中を突くかという判断を迫られる攻撃。
36分には左ワイドで持った藤井が、柴崎とのワンツーからのカットインでポケットを突きにいく好機。
しかし彼を担当する菊池が追走し、ショルダーチャージで倒して止める(反則無し)という具合に剥がしきれません。

40分に神戸は山口のパスカットで矢印を反転させ、逆に敵陣で繋ぐ状態に。
そしてパトリッキが左奥を突いてクロス、クリアボールを山口がミドルシュートに持っていきますが、ブロックされ跳ね返り逆に鹿島のカウンターに。
神戸デイフェンスの裏を取る毛色の違う好機が生まれましたが、ここも神戸の素早いトランジションを受けて減速。
何とか師岡がエリア内を突き、ディフェンスをかわしながらシュートに繋げました(GK前川キャッチ)がモノに出来ません。

やはり敵陣に押し込んだ状態で、どう崩すかという課題に向き合わなければならない鹿島。(44分に名古→土居に交代)
45分、(GK以外)全員敵陣へ入り込んでひたすらサイドを揺さぶって繋ぎ、左から上がった土肥のクロスをニアでトラップした知念。
そしてそのままボレーシュートとアクロバットに撃たんとしますが、間一髪ヘッドでクリアしたトゥーレルを蹴ってしまう格好となって反則に終わり。

結局これが最後のチャンスらしいチャンスに終わり、アディショナルタイムには神戸が押し込むシーンが膨らみ。
そしてその流れのまま試合終了の時を迎え、上位対決は神戸が制する結果となりました。

川崎・マリノスといった、攻撃サッカーで魅了したクラブが低迷している現状。
そんな中で、エンターテイメント性を高めながら勝つクラブとして、この試合を観る限りでは神戸がその座を射止めても不思議で無いように映り。
空中でも地上でも一定の攻撃クオリティを保ち守備も堅いという具合に、その資格は十分備わったと思いますが、まずは連覇を果たしたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第19節 FC今治vsカマタマーレ讃岐

2024-07-04 16:01:32 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 今治ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • その今治の布陣は、DAZNの予想では三門アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)、yahooスポーツナビでは新井・山田のドイスボランチの3-4-2-1。実際には、山田が前に出ている事が目立ったので3-5-1-1と表記する。

3バック・4バックの間で……だけで無く、フォーメーションが色々と揺れている今治。
相手に合わせての戦いに完全にシフトしたらしく、4-1-2-3や3-3-2-2など様々な変更が行われ。
そしてこの日採った布陣は、ドイスボランチかアンカーか区別しづらいものとなりました。

オリジナルフォーメーションとしては、yahooスポーツナビの予想の方の3-4-2-1の方が正しいようであり。
しかしボランチの片割れと予想された山田は攻撃時・守備時ともに一列高い位置を取り。
どうやら山田は、讃岐ボランチの前川に対しマンマークの姿勢を保っているようであり(攻撃時もその流れで、ヴィニシウスのポストワークを盾に最前線に抜け出す事が多かった)、相手のゲームメーカーを消しに掛かるその体勢はまさに「相手に合わせるスタイル」を象徴しているようでした。

そんな今治の勝負に拘る姿勢がヒシヒシと伝わって来る試合。
立ち上がりからお互いロングボールの応酬で、それぞれ1トップのヴィニシウス・赤星をターゲットとして蹴り込み、主導権を確保しにいきます。

讃岐は前半3分に、そのヴィニシウスとの競り合いを余儀なくされた奈良坂が痛んでピッチ外→復帰と、早速そのバチバチ感の副産物である負傷の危惧に晒され。
そんな中で8分決定機に辿り着き、奈良坂ロングパス→赤星フリックという定番の流れを経て、左ポケットから冨永クロス→クリア→繋いで右ポケットから内田クロスと左右から強烈に攻め込み。
そして跳ね返りをエリア内で長谷川が拾い継続、吉田陣がエリア内中央やや右から放ったシュートをGKセランテスがセーブ。

お互いアバウトな攻撃ながら、上記のシーンのように讃岐の方が敵陣で形になるという優勢な流れ。
しかし12分今治はカウンターに持ち込み、横山のドリブルが長谷川の反則ディフェンスで止められるも、ヴィニシウスが拾った事で継続。
そのヴィニシウスもドリブルで突き進み、エリア内を突いたもののタッチが大きくなった所をGK今村に抑えられ。
直後の13分にも、山田が倒されながらパスを繋いで今治の好機(ヴィニシウスのポストプレイを経て横山がミドルシュート、GK今村キャッチ)と、やはり奈良坂が痛んだシーンは反則スレスレの絵図の応酬という号砲だったようでした。

そんなデュエルの応酬から、14分今治はGKセランテスからの地上での繋ぎへと切り替え。
それが奏功したか、山田のミドルパスで敵陣へ運んだ所ディフェンスで途切れるも、右スローインから梅木のロングスローがクリアされて左コーナーキックと繋がる攻撃。
右→左とサイドを移したセットプレーが影響したか、ショートコーナーを選択した今治に対し讃岐は無警戒で、横山がフリーでクロス。
ニアサイドを低目に付いたそのボールを、ヴィニシウスが頭で跳び込んで合わせると、GK今村の腕を掠めてゴールに突き刺さります。
ハイテンションな展開を得点で締めた今治、リードを奪いました。

尚も前向きな姿勢を隠さない今治ですが、17分にスローインの判定に異議を唱えた山田が警告を受け、これで次節サスペンドと空回り。
続く18分の讃岐の攻撃では、左サイドをドリブルする吉田源に対し前掛かりで止めにいった結果、4人で囲むという状況になったうえそこからスルーパスで逆を突かれ。
そして走り込んだ冨永のマイナスのクロスを赤星が合わせシュート(枠外)と、一歩間違えれば……という絵図を生んでしまいます。

スコアが動いた後も、概ね讃岐の優勢は変わらず。(24分に飲水タイム)
やはり赤星の空中戦の勝率(54パーセント、放送席の談)は大きな武器となり、彼の落としから冨永の抜け出しという脅威が襲い掛かり。
前川に対するマンマークでその地上からの繋ぎを抑制しにいった今治ですが、裏を掻かれた格好で何度もゴール前に迫られ。

そんな讃岐の攻勢を凌ぎつつ、デュエル勝負に持ち込む今治。
31分から5分間、そのぶつかり合いの連続で途切れ途切れの展開になり、そこから乱戦気味に流れを掴まんとします。
しかしそれは果たせず、讃岐は39分の右CKからまたも決定機、キッカー前川のクロスは流れるも拾った吉田源が逆の左からクロス。
これを中央で冨永が合わせ、ヘディングシュートがゴール右を襲ったものの惜しくもポストを叩いて同点ならず。
押され気味な今治は、デュエルという点でも、近藤が森との競り合いで痛んで顔から出血してしまうという具合に被害の方が目立ち。

終盤に突入し、いくらここまで優勢でも、リードを奪われているという事実を抱えている讃岐に焦りが見られる時間帯。
それを突くように、今治は45分に中盤からのフリーキックでの放り込みで陣地を奪い、左スローインからの攻め。
横山の奥からのクロスが跳ね返されるも、尚も拾って左サイドで細かく繋ぐ体勢に入り。
そして小さい浮き球パス・ゴールに背を向けてのヒールパスと小技を使ってポケット奥に持ち込み、走り込んだ近藤がクロス。
これをブロックした吉田陣のハンドをアピールするもノーファウル、逆にこぼれ球を拾いにいった近藤が吉田陣を倒した事での反則を採られ。
この乱戦からの好機が影響したか、アディショナルタイムはお互い敵陣でのボール奪取からのショートカウンターが1度ずつ。
そして讃岐は森のミドルシュート(GKセランテスキャッチ)、今治は横山のミドルシュート(GK今村セーブ)でゴールを脅かすも、スコアは動かず1-0のまま前半終了となります。

前半の終盤、今治にとって狙い通りというべきか、讃岐の流れを止めたという格好に。
その影響か、後半立ち上がりは今治の攻勢へと移り変わります。(ハーフタイムでの交代は共に無し)

キックオフからの攻撃、ロングパスによる前進を経て横山のボレーシュートにまで繋げる(枠外)と、続く後半2分はこぼれ球を右サイドで新井→山田→ヴィニシウスと繋いでいきヴィニシウスがドリブルに。
そして斜めに切り込んでポケット奥を取り、マイナスのクロスが中央まで流れた所を新井が合わせシュート。
ゴール右を襲うも、そのゴール前で奈良坂のブロックに阻まれ惜しくも2点目はなりません。

今治はあまり機能しなかった山田のマンマークシフトを取りやめたようで、後半から三門・新井をドイスボランチとして、山田が右シャドーに。
ハッキリとした3-4-2-1へと変更したようでした。
このマイナーチェンジもあり、出方を窺う讃岐をひたすら押し込む展開に持ち込み。

しかしそれも10分と経たずに終わり。
守勢の讃岐は8分、吉田源のラフなロングパスが文字通り窮地を脱するような一本となり、走り込んだ赤星の前でクリアされるも森が繋いで赤星の足下へ。
そしてドリブルに入る所を加藤に倒されて反則・警告となり、FKにより後半初の好機に突入します。

このFKからまたも選手の負傷シーンが発生する事となり、二次攻撃で左から上がった吉田源のクロスに、ファーサイドで合わせにいく赤星の前で跳び出したGKセランテスが何とか弾き。
しかしそのまま着地出来ず叩きつけられるセランテスを尻目に、讃岐は森のダイレクトシュートで追撃するもブロックに阻まれ。
尚もボール保持する讃岐に対し痛みを堪えて守備に入るセランテス、パスワークの末に右から上がった森のクロスをまたもパンチングで防ぎ。
そしてこれがゴールラインを割った所で、痛みをアピールしながら「何で止めてくれないんだ」というアピールを主審に行う事となりました。
おまけに、このCKからの好機も、吉田陣が2連続でシュートを放つ等再三攻め込まれ。
その末に、今度は本格的に痛み倒れ込んでしまうセランテス、治療を受ける事に。
その甲斐あって何とか継続の運びとなり、その間に今治ベンチは山田→日野と別の所で動いてきました。

そんな流れもあり、ロングボール攻勢の交錯も考え物といった結論に達したでしょうか。
19分、左サイドから攻め深めまで進入した今治の攻撃ですが、一旦最終ラインへ戻して中央→右へ展開と地上での繋ぎを続け。
そしてスルーパスを受けた梅木が奥を窺う姿勢から中央へとマイナスのパス、受けたヴィニシウスがエリア内を突いてのキープを経てシュートを放ちましたが、ゴール左へと外れ。
折角のポゼッションによる攻撃も実らず、中々1-0から動かないスコアにリードしている側も苛立ちを隠せなくなったでしょうか。
尚、直後に讃岐もカードを切り前川→江口へと交代、システム的な見所の山田・前川がともにピッチを去る事となり。

そしてそれが噴出する事に。
20分の讃岐の右CK、江口の二度目のクロスを奈良坂が折り返し、赤星が反転しながらボレーシュートの体勢に。
しかし結果はクリアにいったヴィニシウスを蹴ってしまうものとなり、当然反則・警告で終わってしまい。
すると直後の21分、GKセランテスのロングフィードに合わせにいったヴィニシウス、その腕が奈良坂の頭部に入って反則。
そして奈良坂は頭部から出血(ユニフォームにも鮮血が染みる)と、ついに目に見えた被害が現れるようになってしまったデュエル合戦。
そのままピッチ内で止血が行われ、3本ほどに及んだのち奈良坂はピッチ外→復帰。
その間に讃岐はさらに交代カードを切り、森・冨永→川西・下川へと2枚替え。

奈良坂が負傷させられ、ビハインドを跳ね返さんとさらに押し込みを掛ける讃岐。
敵陣に(GK以外)全員が入り込んでパスを繋ぐ状況も何度も作り、ロングスローも交えてエリア内でのプレーを繰り広げるも、1点が遠く。
手負いとなった奈良坂も、30分には同様のシチュエーションで逆にヴィニシウスに反則を犯してしまうという具合に、ぶつかり合いで決して引けを取りません。

キックの名手・江口を使ったセットプレー、主にCKも幾度も得る讃岐。
それに対し、GKセランテスも豪快に飛び込んでパンチングで跳ね返す(37分)など、負傷の影響を感じさせないプレーでスタンドを沸かせます。(ピンチの状況なので悲鳴ともいう)

主にミドルシュートでゴールを脅かす姿勢の讃岐ですが、どうしても点が取れず。
そして39分に最後の交代を敢行し、深港→岩岸へと交代。
センターバック1枚を削った事で4-4-2へシフト、下川・岩岸ががそれぞれ右・左のサイドハーフとなり、赤星・川西の2トップ(川西はトップ下かも……)という布陣に。

直後の40分に、内田の右からのクロスが跳ね返され、二次攻撃を仕掛けようとした所を川西が市原に倒されて反則。
これで絶好の直接FKに持ち込んだ所で、今治は最後のカードを切ります。
梅木・新井→白井・阪野で、壁形成のために長身・阪野をこの段階で投入した節があり。
そしてキッカー江口が放った直接シュートは、その壁を越えるもゴール左へ惜しくも外れてしまいます。

セットプレー守備をやり過ごした今治、市原が右ウイングバック・楠美がボランチへと回り、阪野が左シャドーという具合に3-4-2-1は変えず。
44分に吉田陣が白井に倒された事で再び直接FKの好機が巡ってきた讃岐ですが、今度の江口のシュートはGKセランテスが正面でキャッチ。

負傷シーンの多発もありATは9分と、ドラマを予感させる長丁場に。
攻撃権は当然追い掛ける立場の讃岐で、ロングボールを駆使するパワープレイのように、最後の局面に賭ける体制を採ります。

しかしそれが仇となり、今治のクリアボールを阪野が合わせ、そのまま収めてボールキープの体勢に。
それに対し奈良坂が喰い付いた所に、すかさず裏へのミドルパスが選択されると、抜け出して受けたのは日野でそのまま前進。
そして吉田源のアタックを物ともせずボール確保した末に、エリア内に進入して放たれたシュートがゴールネットを揺らします。
即時奪回を狙った讃岐の逆を突いた、試合を決定付ける(と思われた)追加点で歓喜の渦が形成される今治のホーム・アシックス里山スタジアム。

それでもまだまだ続く長いAT。(日野のゴールは90+2分)
諦めずに讃岐は攻め上がり、何度もCKに持ち込む流れは継続。
2失点目後2度目の左CK、キッカー江口のファーへのクロスを赤星がバックヘッドの形で合わせると、跳び出したGKセランテスの裏へふわりと上がり。
そして下川が押し込みゴールネットを揺らし、ようやく1点か、と思われた刹那オフサイドを告げる笛が鳴り響き。

折角ゴールに突き刺したのに……という思いもそこそこに、尚も攻撃体制に入る讃岐。
最終ラインに対しヴィニシウスが果敢にプレッシャーを掛けるも、終盤故に単騎突撃となり。
それをいなし、フリーの状態で奈良坂から上がったロビングを、赤星がフリックで落として右ポケット奥を突き。
そして角度の無い所ながら、走り込んで放ったシュートでゴールに突き刺したのは川西。
今度はオフサイドも無く、正真正銘の1点を挙げてまだ判らないという空気に戻します。

そしてキックオフの際、中々蹴り出さずに遅延行為でヴィニシウスが警告と、余計なミソ(こちらも4枚目で次節サスペンド)を付けてしまう今治。
讃岐は再びヴィニシウスの単独プレッシャーをいなしてのロングパスで敵陣に持ち込み、そこからロングスロー→右CKとセットプレー攻勢持ち込み。
このタイミングでGK今村が上がる(正直、先程のCKから上がり始めるかと思っていた)というまさに最後のチャンス、江口のクロスが中央に張ると、合わせたのはこの日ずっと1トップで奮闘していた赤星。
しかしこの渾身のヘディングシュートは、ゴール右へと外れてしまい万事休すとなると、そのまま試合終了を告げる笛が鳴り響きます。
2-1で、次節出場停止を2人も出しながら辛くも勝ち点3を得た今治。

これでJ3も丁度折り返しとなり。
他のカテゴリーとは打って変わって、大宮の独壇場という展開となりましたが、その分残りの昇格枠・あるかもしれない降格の争いは今後も盛り上がる事でしょう。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第22節 ザスパ群馬vs藤枝MYFC

2024-07-03 16:46:00 | サッカー視聴記(J2)

※前回の群馬の記事はこちら(17節・秋田戦、1-1)
※前回の藤枝の記事はこちら(15節・秋田戦、1-0)

<群馬スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 放送席の談によると、高澤が(前日までの)トレーニング中に負傷したものの、無事にベンチ入りとの事。
  • 永長が8試合ぶり、山中が6試合ぶりにベンチ入り。

<藤枝スタメン>

  • ウエンデルが累積警告により出場停止。
  • 16節(山口戦、1-2)で負傷交代した梶川の詳細が発表され、全治6~8週間との事で、今節復帰を果たしベンチ入り。
  • 永田の負傷が発表され、6/2に発生して手術実施、全治約6か月との事。
  • 19節(清水戦、0-1)で負傷交代したアンデルソンは以降ベンチ外に。

未だ1勝のみ、勝ち点一桁(9)という低空飛行が続いている群馬。
降格回避どころか、順位を一つ上げる事すら難しくなってきた状況であり。
ここからの残留は、「コールド負け寸前から逆転勝利を果たす高校野球部」を描いた漫画並みの、現実離れした難易度でしょうが奇跡は起こるのかどうか。
酒井の試合前セレモニー(J通算100試合出場)も、記念撮影の際以外では笑顔を見せずと、それ故の緊迫感が滲み出ていたでしょうか。

一方の藤枝も3連敗中で、降格圏に呑まれかねない位置という現状。
とは言っても、その3敗は清水・横浜FC・長崎と、いずれも1~3位のクラブでありあまりに相手が悪く。
この日は一転して最下位クラブとの一戦と、両極端な流れにやり辛さは覚えるでしょうがしっかり勝ちたい所。

ホーム(正田醤油スタジアム群馬)という事もあり、何が何でも勝ちたい群馬。
とはいえボール保持で勝負を挑んでは、藤枝の後塵を拝すのは火を見るよりも明らかであり。
前半3分、中塩のロングパスが跳ね返されるも、拾った天笠の戻しをを経て再び中塩がロングパス。
左サイド奥へ送ったボールを川本が受け、ディフェンスに遭った事でコーナーキックへと移行。
そしてキッカー風間のクロスの跳ね返りを佐藤がダイレクトでミドルシュート(ブロック)と、セットプレーを絡めてのフィニッシュで何とか1点を奪うという姿勢を採ります。

しかしロングボールの配給でも藤枝が上回り。
直ぐに、GK北村も加わっての最終ラインでの繋ぎの体勢に入ると、5-4-1のブロックを敷く群馬を嘲笑うかのようにロングパス中心に組み立て。
地上での繋ぎは、群馬ディフェンスを誘い動かすためのものという姿勢がハッキリしており、サイドチェンジ・裏へのボールを多用して好機を作ります。

こうなっては群馬も委縮するのは必然であり。
12分には敵陣で矢村がボール奪取してショートカウンターと、腰が引けた相手の隙を突くように鋭く攻め込み。
右サイド深めで溜めを作ったのちに前田のクロスが低く入ると、ニアで芹生が脚で合わせてのシュートが左ゴールポストを直撃。
惜しくも決められなかったものの、主導権を握る藤枝。
相手がリトリートの色を強めた所に、シマブクの突破力を駆使し始めるという具合に、あらゆる矛を使ってこじ開けんとします。

この日も苦難の道のりか……という予感が高まる群馬。
8分以降一方的に攻められ続けていましたが、19分に藤枝の攻撃を切ったのち、右サイド深めからエドオジョンが持ち運び。
そしてパスを受けた佐藤もドリブルで前進し、ここは西矢に止められたものの、これにより僅かな突破口が開いたでしょうか。
続く20分、ここもエドオジョンが起点となり、佐藤とのパス交換を経て右ワイドをドリブルで突き進み。
そしてゴール方向への、GKと最終ラインの間へグラウンダーのクロスを送ると、走り込んだ川本が巧に最終ラインの裏を取って合わせます。
シュートは無事にゴールネットを揺らし、必須と言える先制点を挙げた群馬。

ペースを握っていたはずが、リードを許してしまった藤枝は当然ながら苛烈に攻め上がり。
23分シマブクがパスを散らしながら前進し、エリア内へ縦パスを送るもブロックされましたが、こぼれを尚も浮き球で裏へ送り。
走り込む鈴木に対し蓋をしたエドオジョンですが、後ろから突いてボール確保に成功する鈴木、そのまま奥を突いた事で左CKへ持ち込み。
これでエドオジョンの守備対応に難があると踏んだか、その後は一層シマブクの突破力を前面に押し出します。

一方リードした群馬、その弱点を突かれる格好となったものの粘り強く守り。
そしてボール保持時には、佐川をターゲットとしたロングボール攻勢により息継ぎをするように攻撃機会を作り。
その姿勢は一重に堅守速攻の域を出ないものながら、既に戦い方を求める段階で無い状況なのは明白で、勝ち点3を掴むには頷けるものでした。

群馬がリトリートに徹する事で、(GK以外)全員敵陣に入り込んで攻撃スタート、というシーンも激増する藤枝。
そのため最終ラインから縦パスを受けるシマブクも高い位置から前進スタートとなり。
32分には、ワイドで受けたシマブクは縦突破と見せかけてのパスから、芹生のポストプレイを挟んでそのままダイレクトでミドルシュート。(GK櫛引キャッチ)

しかしシマブクを使い過ぎた影響か、前半の終盤には群馬もエドオジョン・佐藤の2人掛かりで彼の突破に対応するようになり。
そしてしっかり守ってカウンター、という流れを作り始め。
43分とアディショナルタイムに一度ずつカウンターの機会を得るも、スルーパスが遮断されて実らず。
しかしその後、ミドルパスを川本がカットした事でまたもカウンターが訪れ、今度は自ら持ち運んで左ワイドで溜めを作る川本。
そして菊地のクロスが上がると、ファーサイドで佐川がヘディングシュート。
この渾身の一矢は、GK北村のセーブに遭って惜しくも実らずでしたが、攻撃権を握られるなかで応戦の体制は整った感があり。
そうして前半が終了となります。

1-0と群馬リード、しかも戦い方を間違えればカウンターにより点差を広げられる恐れがあり。
そんな悪い流れを実感した事で、ハーフタイムで2枚替えを敢行する藤枝。
新井・前田→梶川・中川風へと交代し、大曽根が前節のポジションである右ウイングバックへとシフトして後半に臨みました。

その立ち上がりも、藤枝は左からの攻めでシマブクの突破が目立つものであり。
それでもシュートには辿り着けず、逆に群馬は後半4分に佐藤のミドルシュートで(後半の)ファーストシュートに到達。
前半終盤の流れの継続を予感させるものとなりました。

しかしここから藤枝は、交代投入した駒を活かし。
ボランチに入った梶川のゲームメイクを冴え渡らせる、異なる手法に訴え出始めます。
7分に中央から梶川の群馬ディフェンスの間を通す斜めのパス、右ハーフレーンで受けた西矢がまたもレーンチェンジのパスで、ワイドで受けた芹生が細かいタッチでのドリブル。
そしてハーフレーンの中川風へパス→ワイドの大曽根にパスと、巧みにレーンチェンジを駆使する繋ぎを経て大曽根のクロスに辿り着き。(低いボールが入るもクリア)
つまりは前半に比べ、地上での繋ぎの色が高まった感じでしょうか。

副次的に得るセットプレーでも、9分に右からのフリーキック、キッカー西矢のクロスをファーサイドで合わせにいく山原。
クリアされて右CKとなると、またも西矢はファーの山原へのクロスを選択し、放たれたヘディングシュートはゴール左へ外れ。

前半同様、繰り返される藤枝の攻めを凌ぎながら、自身の攻撃で一息つくという群馬のサッカー。
16分の左スローイン、例によって中塩は飛距離の長いスローを送ると、佐川の落としを受けた川本がワイドから左ポケットへ切り込み。
そしてカットインでフィニッシュを狙わんとしますが、梶川のディフェンスに阻まれ撃てず。

ポケットを突くという藤枝の本来の攻撃の姿勢は、群馬のスペースを埋める守備のために中々形にならず。
それ故にワイドからのクロス攻勢に偏りがちとなっていたこの試合。
しかし17分、右サイドでの細かな繋ぎを経て大曽根がポケットへミドルパス。
走り込んだ芹生は収められずも、群馬サイドもセーフティなクリアを選択したため右CKに。
このセットプレーの場面でさらに2枚替えを敢行する須藤大輔監督、川島・芹生→カルリーニョス・榎本へ交代。
そして再開となると、再びキッカー西矢が送ったクロスに、ファーサイドで跳ぶ山原。
しかし合わせたのはその手前の鈴木で、放たれたヘディングシュートがゴール左へと突き刺さります。
先程のセットプレー攻勢の残像を活かしきり、同点に追い付きました。

そして前述の交代は同ポジション同士で、ただシャドーが右に中川風・左に榎本と入れ替わり。
そんな体勢で逆転を狙いにいく事となった藤枝。
一方の群馬も20分にベンチが動き、風間・川本→高橋・山中へと2枚替え。(川本は足を痛めての交代だったようで)
この交代により、高橋がアンカー・佐川と佐藤が2トップという3-3-2-2へとシフトしたでしょうか。
お互い微調整を経て、勝ち越しを狙いにいくという試合展開になります。

しかし双方ぶつかり合った結果、攻撃力に分がある藤枝に針が傾くのはある意味必然でもあり。
群馬が前への姿勢を見せた事で、藤枝はそれを逆手に取るように鋭い縦パスを入れるようになり。
21分にFKからの二次攻撃で、西矢→中川風への縦パスは中川風が収められず。
群馬ボールへと移り佐藤が持つも、中川風のプレスバックで奪って継続し、拾った梶川のスルーパスがエリア内の矢村の足下へ。
そして決定的なシュートが放たれましたが、GK櫛引がセーブ。

何とか防いだ群馬でしたが、これを境に再度藤枝の一方的な展開に。
23分に鈴木が足を攣らせ、ここで早くも最後のカードを使う(中川創を投入)というアクシデントに襲われるも、それで衰える事は無く。

攻撃機会を作る事すらままならなくなった群馬、25分に佐川→高澤へと交代しますが、流れを変える事は出来ません。
30分の藤枝の中央遠目からのFKで、キッカー西矢は意表を突いて横パスを送り、受けた矢村がそのままロングシュートを狙うも枠を捉えられず。
するとゴールキックで素早いリスタートを選択するGK櫛引、敵陣右サイドで高澤が前進する体勢となったものの、カルリーニョスの反則気味のディフェンスで奪われて藤枝の逆カウンターに。(榎本がドリブルで左ポケットに持ち込むも撃てず)
一向に攻められない故の焦りも顔を出し始めます。

その後も藤枝は主体的な攻めのみならず、群馬の前進の遮断・ゲーゲンプレスによる敵陣でのカットも駆使し、群馬を自陣に押し込む流れを継続。
それは1-1となって以降、群馬の攻撃機会は35分の一度のみという凄まじさで、布陣変更による前線からの守備も全く実らずに押し込まれ。

何とか耐えられれば……という流れなのは明らかでしたが、迎えた40分。
直前に左からシマブククロス→群馬ボールを奪い返して右から大曽根クロスという攻勢を続けていた藤枝、さらにクリアボールをカルリーニョスの落としで確保。
ここでもひたすら攻め込む流れを作ると、梶川の右→中央へのパスを受けた矢村、天笠を左にかわしながら角度を付けるという絶妙なワントラップを経て放たれたミドルシュート。
右サイドネットへと豪快に突き刺さり、大攻勢を締めくくるスーパーゴールでついに勝ち越しに成功します。

しかしホーム故に諦めは許されない群馬。
追い掛ける立場となった事で、ここから一転して群馬が攻撃権を独占する流れへ移り変わり。
43分に最後の交代を敢行し、菊地・佐藤→和田・永長へと交代します。
(布陣は不明だが恐らく4-4-2、サイドバックがエドオジョンと中塩で、サイドハーフが右に和田・左に山中、2トップに永長・高澤と推測)

44分敵陣左サイドで高澤がボール奪取すると、高橋→永長→和田と中央→右へとレーンを変えながら繋いでいき、右ポケットへ進入する和田。
そしてシュートが放たれますが、GK北村がセーブして左CKに。
ここからも、クリアボールを拾った和田がミドルシュートでゴールを狙いますが、山原が頭でブロックと藤枝も必死で凌ぎ。

攻守交替の流れに乗り、群馬も良い攻めを見せるものの既に時間も残り少なく。
AT突入後も、永長や天笠がミドルシュートを狙うものの枠外に終わり、どうしても2点目が奪えません。

そして力尽きるかのように藤枝へと移る攻撃権。
群馬陣内で行われるパス回しに、ひたすら走らされる状況を迎えて万事休す。
最後は大曽根が右奥まで切り込んでボールキープ、そしてCK獲得というタイミングで試合終了の笛が鳴り響きました。

リードした時間は今季最長(43分間)でしたが、結局勝ち点1すら得られずに終わった群馬。
既に正攻法では無理という状況で、次の試合を前に大胆な補強策を敢行(河田・樺山・瀬畠を獲得)するに至りました。
果たして最後のあがきとなるか、それとも彼らが奇跡を齎す存在になり得るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第22節 ロアッソ熊本vs愛媛FC

2024-07-02 16:01:03 | サッカー視聴記(J2)

※前回の熊本の記事はこちら(17節・山形戦、0-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(19節・水戸戦、1-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(3節、愛媛 2-3 熊本)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 今節で基本フォーメーションを変更、前年までの3-3-1-3を採用する。
  • 藤井の負傷が発表され、20節(岡山戦、0-1)で発生して全治約6週間との事。
  • 14節(水戸戦、0-2)以降欠場していた松岡が8試合ぶりに復帰、ベンチ入り。

<愛媛スタメン>

  • 20節(清水戦、3-0)以降、基本フォーメーションを3-4-2-1へと変更。
  • GK黒川がJFL・FCティアモ枚方へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。

前年から違いを見せようと、新たなフォーメーション(3-4-1-2)に舵を切って今季に臨んでいた熊本。
しかし成績的は前年とあまり変わり映えせず、敗戦数の方が多くなる状況を止められず。
そして前節の大敗(横浜FC戦、0-5)で、その目論見は完全に崩された格好に。
前年まで慣れ親しんだフォーメーションへと戻し、再起を図らんとする一戦となったこの試合。

一方の愛媛は、後半戦に入り清水・甲府と個の力に長けたチームを揃って撃破。
こちらも、3バックへの布陣変更を試みてそれが巧くいく格好となり。
しかしまだ石丸清隆監督の中では、4バックに未練が残っているらしく(清水戦の試合後コメントから)、この日はそれが噴出するような内容となりました。

立ち上がり、愛媛は前半6分までの間に攻撃機会が4度。
その内訳は、反則によるフリーキックでの放り込みが1度・左コーナーキックが1度で、残りは中盤でこぼれ球を拾ってからの縦に速い攻めが1度(CKに繋がる)・敵陣でのカットからのショートカウンターが1度でした。
ノンストップ・フットボールに相応しい縦に速い運びは見られたものの、逆にそれが根底の部分での不安定ぶりを醸し出していた感があり。

そしてその後熊本へ主導権が移り変わり。
8分の右スローインで奥を突き、右CKに持ち込んでから長く続くセットプレー攻勢に。
CK2本ののち、スローインを挟んでさらにCK2本と、自陣ゴール前での凌ぎの時間が長く続く事となった愛媛。

ここまではどちらも流れの中での攻撃が冴えないという展開ですが、以降その評価を変えたのは熊本。
その後は裏狙いのロングパスを適度に混ぜながら、持ち味の地上での繋ぎを展開していきます。
右サイドはウイングバックの大本が、左サイドはウイングの小長谷が奥を突くという左右非対称の姿勢に、3バックにしてから日の浅い愛媛(といっても、パクゴヌが右WBを務める可変式3バックは経験ありますが)は手を焼いていた節が伺えました。
17分には大本が縦突破では無く敵陣浅い位置でのカットインで中央に託し、石川が右ポケットへスルーパス。
受けた伊東がそのまま奥を突いたものの、小川のディフェンスに阻まれ。

それ故に、この後18分過ぎぐらいから愛媛は純正4バックへと変更します。
茂木を右サイドハーフ・曽根田をFWとした4-4-2(守備時、恐らく曽根田はトップ下であろう)を基本とし、果敢なプレッシングで熊本のビルドアップを阻みにいきました。

しかし守備はそれで良いとして、攻撃時はより深刻となり。
マンツーマン基調で激しく寄せて来る熊本に対し、まともに前進出来ない状況に追い込まれます。
頼みの松田が降りてのポストプレイに対しても、センターバック(江崎か岩下)が何処までもという感じで付いて来るため自由にさせて貰えず。
その裏を突くという状況も、タイトな寄せの前に中々やって来ません。

直ぐにボールを失うため、結果的に熊本の攻撃を受け続けるという流れに。
そして27分、ゴールキックでロングフィードを選択する愛媛ですが、江﨑の跳ね返しでまたも熊本の攻撃機会に。
石川のポストプレイを倒してしまい反則、と思われましたが伊東が拾い継続し、今度は小長谷のポストプレイを挟んで切り込む所で谷本に倒され。
今度こそ反則の笛が鳴り、中央やや右寄りながらも距離のあるFKになると、キッカー豊田が横パスで目線を変えたのちに小長谷の放り込み。
石川が松田と競り合い、こぼれ球となった所を倒れながらクリアにいった松田ですが、逆方向へと流れてしまい。
これが愛媛選手に当たり続けるピンボール状態が生まれると、その隙を突いて最後は江﨑がボレーシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
愛媛選手に当たり続けた結果オフサイドとも関係無く、先制を果たした熊本。

雨が降り注ぐなか、セットプレーの連続で集中力も切れてしまった感のある愛媛。
そこから何とか立て直さんとしていた31分でした。
熊本の最終ラインにプレッシャーを掛けるも、左に展開ののち豊田のロングパスで裏を取られ。
小川の裏に2人が走り込むという絶望的な状態となり、竹本のスルーを経て石川に渡り、そのままエリア内を突く石川。
それを小川が反則気味に止めるも、右にこぼれたボールをすかさず大本が折り返し、最後は走り込みを止めなかった竹本が押し込んでゴールに突き刺し。
先制から間も無い追加点と、理想的に得点を重ねます。
愛媛サイドは竹本の動き(最初の抜け出し)がオフサイドと主張するも、判定は覆らず。

反撃に出たい愛媛ですが、僅かなパスのズレにより好機をフイにするシーンが目立ち。
悪天候の影響か、ないしは熊本のプレッシャーの中どうしてもアバウトな繋ぎを余儀なくされる、「ノンストップ」の弊害か。

それでも37分、ハイプレスを嵌めて深澤がボールカットに成功すると、その刹那上村周に倒されて反則。
左ハーフレーンからの直接FKとなり、直接シュートかクロスかの二択という位置から、キッカー茂木はシュートを選択。
ゴール上を襲うボールとなりましたが、GK田代のセーブに阻まれゴールはなりません。

その後も苦労しながらボールを前に運ばんとする愛媛、44分に自陣での右スローイン、降りてきた松田のポストワークからの繋ぎで逆サイドへ展開。
ここから窪田がドリブルで、大西を剥がして奥に持ち込んでクロスにまで繋げましたが、クリア→谷本落とし→深澤と尚も攻めようとした所ハンドで途切れ。
続く45分にはパスミスを拾われて熊本のショートカウンターとなる(小長谷が左ポケットへ切り込んでシュート、サイドネット外)など、細かな部分でのズレは改善されず。

結局2-0のまま終了した前半。
巻き返したい愛媛は、ハーフタイムで2枚替えを敢行。
谷本・曽根田→菊地・パクゴヌへと交代します。

これにより「パクゴヌシステム」というべき、攻撃時4バック・守備時5バックの可変システムへと移行。
そして菊地はボランチに入ると思いきや、FW気味に立ち位置を取り。
つまりは谷本をアンカーとした3-3-2-2(3-1-4-2)という布陣だったでしょうか。

布陣変更の効果を背に攻めたい愛媛、最初の好機は後半3分。
左サイドからの繋ぎを経て窪田が中央へ縦パス、これを松田が(岩下に)倒されながらポストプレイで繋ぎ、尾崎がドリブルから右へ展開。
相変わらず激しい熊本の寄せを受けながらという、ラグビーにも似た運びを強いられる中、パクゴヌのクロス(ブロック)にまで持っていき。
アドバンテージとなっていたため岩下に警告が出るも、松田はそのまま痛んでしまい1分以上倒れ込む事態となり。
何とか起き上がり継続した松田ですが、徹底マークに難儀するその色を変えられません。

その後も好機を作り続け、5分に山口がミドルシュートを放つ(菊地に当たってこぼれる→GK田代キャッチ)も、前半同様に攻勢の流れは途切れる事となり。
最終ラインからボールを運ばんとしても、サイドに出しては監獄状態を強いられるの繰り返しで、主体的な攻撃を繰り出せなくなります。

一方の守備では、最終ラインに降りるパクゴヌとともに、前線に入った菊地が常時アンカーの上村周をマークするという体制に変更。
それが奏功してか、熊本に中々攻撃機会を渡さない流れが続いていましたが、11分に最初の熊本の攻撃。
浮き球を拾った大西から右サイドを素早く運んでクロス、という単純なものでしたが、このクロスをヘディングでクリアした尾崎に異変が起こり。
接触は無かったものの足を痛めてしまったようで、筋肉系トラブルの疑いも膨らむなかピッチ外へ。
その後無事に復帰を果たしたものの、不安を抱えながらのプレーとなりました。

これを境に、ひたすら熊本の攻撃を受け続ける流れに突入してしまう愛媛。
システムの肝であるパクゴヌは激しい上下動を繰り返すものの、それ故にトランジションの部分で戻るのに間に合わない場面も目立ち。

15分右サイド奥へのロングパスを伊東が収めて好機、一旦は小川の反則気味のアタックで途切れるも、縦パスを大西がカットして継続。
拾った小長谷がパスを散らしながら前進し、左ポケットで彼のパスを受けた豊田がグラウンダーでクロス、中央の竹本に収まり。
ディフェンスに掻き出されるも上村周のミドルシュートで追撃し、小長谷に当たってこぼれた所をさらに豊田がシュート(深澤がブロック)と連撃を浴びせる熊本。
その後も小長谷や竹本がカットインからミドルシュートを放つ(前者はブロック・後者は枠外)など、強烈なフィニッシュ攻勢に一向に反撃の機会が巡って来ない愛媛。
19分に再びベンチが動き、茂木・窪田→舩橋・浜下へと2枚替えを敢行するもさしたる効果は見られません。

21分の熊本、愛媛のプレッシングを引き込んでのGK田代のロングフィードが伊東に収まり。
薄い守備を突かれる事となった愛媛、その伊東に対し小川が反則アタックで止めるも、こぼれ球を石川が拾いアドバンテージ。
そしてその石川をも深澤が倒してしまい反則と、前掛かりにならざるを得ない苦しさが滲み出る展開に。
これで得た遠目からのFK、キッカー小長谷の放り込みから、上空に浮いたクリアボールを左から大西が折り返し。
さらにクリアされた所を伊東がダイレクトでシュート、パクゴヌがブロックするも江﨑が拾ってすかさずシュート、山口がブロックするも竹本が拾うという具合にひたすらボックス内で継続。
そして竹本の右ポケットからのシュートもパクゴヌがブロックし何とか防いだ愛媛ですが、CKで継続と完全な脱出にはまだまだ遠く。

そしてこのCKが2本続き、2本目の右CKで豊田のクロスを中央で大西が合わせヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、蓄積ダメージによりついに決壊というような絵図で3点目が生まれます。

これで勝利はほぼ不可能となってしまった愛媛。
キックオフ直後に何度か攻め込むも、フィニッシュには繋げられずに再び熊本へと戻る流れ。
クロスの跳ね返りを大西がミドルシュート、というパターンを量産と、CBらしからぬ更なるゴールの匂いを醸し出し。

30分に熊本は石川→大﨑へと交代。
FWをフレッシュな選手へと代え、その匂いをさらに強めに掛かります。
一方愛媛の最後の交代は36分で、足を痛めた事を引き摺っていた風の尾崎に変えて谷岡を投入。
追う立場の方が、後ろ向きな交代を強いられるなど苦境は続きます。

そしてその流れの通り、熊本に4点目が齎され。
39分、自陣で大本がボール奪取すると、そのまま右サイドをドリブルで突き進み一気に奥へ進入。
上げられたクロスが(小川のブロックを掠めたのもあり)ふわりとニアサイド・ゴール付近に上がると、GK徳重がファンブルしたボールがポストを叩いて跳ね返り。
すると詰めていた大﨑がヘディングシュートで無人のゴールにねじ込み、止めを刺す事に成功しました。

キックオフの前にさらにカードを切る熊本、大本・竹本→三島・松岡へと2枚替え。
松岡が左WGに入った事により、伊東が右WGに・小長谷がトップ下にと玉突き的にシフトします。
しかしその後小長谷が足を攣らせた事で、神代と交代して(44分)結局伊東がトップ下に戻り。

依然として愛媛は攻撃の手掛かりすら掴めず、守備では(大﨑・神代が前線に入った事で)ロングボール攻勢へと傾倒する熊本のその単純な前進も止められない状況に。
セカンドボールも拾われて、尚も追加点の危機を招き続けます。
44分に大﨑がドリブルで持ち運び、ペナルティアークでパスを受けた神代のシュートをGK徳重が何とかセーブ。
これによる左CKからも、キッカー豊田の大外へのクロスを足下で合わせシュートを放ったのは神代。
グラウンダーでゴール左を襲うもポストを直撃と、短時間でもゴールを目指す姿勢を果敢に示します。

結局4点目以降、愛媛は攻撃機会を一度も掴む事無く、試合終了の時を迎え。
4-0のスコアのみならず、シュート数(熊本18・愛媛3)でも示す通りの完勝で、前節のリベンジはある程度果たされた熊本。
前年まで貫いた基本フォーメーションの下、巻き返しへのレールを築けるでしょうか。

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