浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

アラファト議長服喪明け

2004年12月22日 | Weblog
 21日、故アラファト議長の死後40日の喪が明けました。議長府では、約250人が式典に参加、アラファト氏の後継争い最有力候補のアッバース氏が、「あなたの歩んできた道を歩んでいく」と形式的なスピーチをして盛り上がりもないまま終わりました。半旗が正常の高さにまで上げられ、アッバース体制のスタートが始まりました。  一方、パレスチナ各地では多くの住民が集会に参加しています。特に、北部のナブロスでは約2万 . . . 本文を読む

イスラエルとエジプト実務者協議へ

2004年12月21日 | Weblog
 エジプトの情報機関の幹部は21日、ガザ返還後の治安についてイスラエル当局と話し合うためイスラエルに入ります。  イスラエルはガザ地区をパレスチナ側に返還した後、境界線の治安をエジプト軍に肩代わりさせようとしています。その要請を受けてエジプトは来年5月までに、境界線に750人の精鋭部隊を含む兵士を貼り付け、武器や麻薬の密貿易の取り締まりに力を入れようとしています。 . . . 本文を読む

イスラエル政権合意に暗礁

2004年12月20日 | Weblog
 イスラエルの与党リクードと野党労働党は政権連立に向けて協議を行ったいますが19日、権限分担などについて対立、交渉が暗礁に乗り上げる空気が支配的になってきました。  この日、合意が成立するとみられていましたが、労働党のペレス党首が副首相と首相代行のポストを要求したことで両党の交渉人が互いに譲らず、合意は先送りとなりました。  このポストには、すでにシャロン首相派のオルメルト首相代理兼通産相が就任し . . . 本文を読む

イスラエル・パレスチナ幹部会合

2004年12月20日 | Weblog
 イスラエル政府とパレスチナ自治政府の代表団が19日に会合、1月に行なわれる予定のパレスチナ自治政府議長選挙についての話し合いが行なわれました。また、その席で、イスラエルが170人のパレスチナ人収容者の釈放を伝えました。  選挙についての合意内容は、基本的には、1996年の議長選の内容に順ずるとしました。また、イスラエル側が選挙日の48時間前までに、占領軍を西岸、ガザ両地区の全ての市町村から撤退す . . . 本文を読む

18日のパレスチナ

2004年12月19日 | Weblog
・ガザ南部のトンネルで生き埋めになっていた6人のパレスチナ人救出。 (コメント) この6人が、軍事目的で地下壕に入っていたのかは不明です。 ・イスラエル軍が昨夜、ベスレヘムにある2つの難民キャンプに侵略。 ・トゥルカレムで昨夜、ゲリラがイ軍に発砲。 ・米政府は18日、レバノンの「アル・マナーTV」をテロリスト支援ネットワークに属していると非難。 (コメント) このTV局は、レバノンの急進グループ「 . . . 本文を読む

ガザで多くの死傷者

2004年12月19日 | Weblog
 イスラエル軍のガザへの攻撃で18日、多くの死傷者が出ています。  イスラエルのメディアとパレスチナ側の発表とでは、死傷者の数に若干の差が出ていますが、それはあまり大きな問題ではありません。  双方からの情報を総合しますと、この日もイスラエル軍の戦車群とアパッチヘリを使った攻撃が行なわれ、パレスチナ側に10名を超える死者と30~50名の負傷者が出ています。  イスラエル側の情報では、被害者の多くが . . . 本文を読む

17日のパレスチナ

2004年12月18日 | Weblog
・パレスチナ通信は17日、ハマースの軍事組織、アル・カッサム軍が同日、ガザ南部の入植地を襲撃、11人のイスラエル兵を負傷させたと報道。 ・イスラエル軍は17日、ガザ地区のハーン・ユニスに侵略、難民キャンプの住居を破壊。 ・シャロン氏の演説を受け、アッバース議長は17日、首脳会談を望まないと発言。 (コメント) 会談をしないと言っても、裏で容易に会えますから額面通りに受け取れません。 ・ハーン・ユニ . . . 本文を読む

シャロン演説にアッバースが反論

2004年12月17日 | Weblog
 シャロン首相は16日、自らのパレスチナとの和平案を詳細に説明、「2005年こそ歴史的な好機の年である」と、政財界の指導者が集まる席で高らかに謳いあげました。  その内容は、これまでに折に触れて明らかにしてきた内容の繰り返しであり、新味はありませんが、パレスチナ新指導部の協力を求めた、アラファト氏の死後初めて公式に国際舞台へ向けた声明ですから今後の和平会談へのイスラエル側の強い意欲の表れとして受け . . . 本文を読む

武装闘争の継続宣言

2004年12月17日 | Weblog
 パレスチナ自治政府の次期議長が本命視されているアッバース氏の「武装闘争は誤りであった」とした発言に、過激な作戦を繰り広げてきた各派が猛反発しています。  自爆攻撃でその名を轟かすハマースは、ダマスカス支部の政治局代表であるハーレッド・マシャル氏が「全パレスチナ組織による停戦合意は有りうる」としたものの、「イスラエルとの停戦は時期尚早」と武装闘争の継続を間接的に示唆しました。  また、ハマースと並 . . . 本文を読む

不穏な状況続くガザ

2004年12月16日 | Weblog
 ガザ地区が相変わらず不穏な状況です。  15日、イスラエル軍はパレスチナ人居住区の多くを軍事封鎖して、外出禁止令を一方的に布き、トンネルを使った爆破事件の犯人探しをしています。そして、外出していた住民に銃を向け、死傷者を出しています。  一方、パレスチナ側もイスラエル軍や入植地に対しての攻撃を強め、イスラエル兵や市民に負傷者を出しました。中でもキスフミ検問所近くで起きたゲリラ攻撃では、4人のイス . . . 本文を読む