忘れ人の独り言

明治生まれの両親がさりげなく生きていた姿が今,私に語りかけてくる。

麦の家

2010-05-10 | 生き方を学ぶ

昨日は坂本にある「麦の家」という所の御田植え祭に参加させてもらいました。穀物の豊かな実りを祈願する神聖な行事ですが、私は田植えにこのような行事があることも知りませんでした。近江神宮の神主さんが玉串を奉奠され皆で祭礼して田の四隅を清められるのですがなんと田植えがこのように昔から厳かに始められていたことに感動しました。

友人が昨年貸してくださった「終わりより始まる」百姓菩薩の九十年という本を読んで、この本の主人公の松井浄蓮さんと言う人がこの麦の家を作られた方だと知りました。

この本を読み大変な衝撃を受けた私でした。このような人が存在されたということ、そしてこの生き方こそが人間が本来あるべき姿で今まで私が学んできたこと、やってきたことがガラガラ根底から崩れていくような気持ちさえ抱いたくらいでした。

御田植え祭に参加された方は大学の学長を退官された方、お医者さん、環境学の教授、元新聞記者や放送関係、住職さん、学校の先生、科学技術者、世界各国をまわっておられる方、その他テレビに出られた浄蓮さんの娘婿の山崎 隆さんの人柄にふれ大フアンになったと言って広島から来られたご夫婦、富山や大阪、奈良からと沢山の人達が此処に魅せられて集われました。なんとも言えない穏やかで暖かい雰囲気は浄蓮さんを慕ってこられた多くの方たちの思いがずーっと引き継がれこの場に波動となって現れて残っているような気さえしました。

松井 浄蓮さんは明治32年広島で生まれ、東京で学ばれたあと京都の一灯園に長く居られて活動され、終戦後、滋賀の坂本の地に開墾しながら自給自足の生活者として生きられました。生命を大切にする生き方と農の営みを実践され、その考えに多くの方たちが共鳴され集い、学ばれたそうです。その中でも陶芸家の河合寛治郎さんとの交流は深かったということです。



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