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ありゃりゃサンポ

近現代の建築、町並みと橋が好き。
一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域をGPSで塗り潰し中。

琵琶湖西南2024春④ミホミュージアム

2024年04月12日 | 美術館と博物館
信楽町でもうひとつ見たかったMIHO MUSEUM。信楽駅から車で15分ほど行った山中にあります。
公共交通機関だとJR石山駅から9時から13時まで1時間に1本直通バスが出ています。乗車時間は50分ほど。過去に行った美術館の中でも最も辺鄙な場所です。

大きな立体駐車場に車を停めてガラス張りのバスの待合室のモニターに「美術館まで歩いて10分」と表示されていたので驚いてしまいました。

駐車場から3分ほど歩くと石の門柱があってそこから美術館に繋がる桜並木の遊歩道が始まります。

やがてトンネルの入り口。トンネル前の紅白のシダレザクラはほぼ見ごろを迎えていて美しかった。

トンネルの中壁は光沢のあるパンチングメタルが間接照明に照らされてなかなかきれい。

トンネルの出口から。ワイヤーの向こうにようやく美術館本体が見えました。

巨大な彫刻作品のようなアーチとワイヤー。

橋の山側は斜めのアーチを主塔とする斜張橋。一番長いワイヤーは橋の下に伸びて、対岸から出たワイヤーと合わせて逆Vの中央でキングポストを支えます。
主桁自体は立体のトラス構造。一つの橋にたくさんの要素が混在しており土木学会の論文では「逆斜張ケーブルを持つ三角立体トラス斜張橋」と表現されていました。
駐車場から徒歩10分と聞いてがっかりしましたが、実際に来てみるとその10分は濃厚な建築と美術の体験の始まりでした。

橋の先の広場の先に美術館本体。ガラス屋根の入母屋ということですが、ここまでの演出と比較すると意外と地味な印象です。小さなお寺みたいじゃない?

ところが中に入るとアトリウムの向こうには雄大な景色が待っていました。二度目の圧縮と開放。

入口から北館、南館の二つの独立した展示室に分かれます。まずは北館。

北館が企画展で南館が常設コレクション展を展示しています。現在の特別展は「古代ガラス =輝く意匠と技法=」展。
古代エジプトからメソポタミア文明、、古代中国、ローマ帝国以降ササン朝ペルシャ時代まで3000年に亘る宝石としてのガラス作品が大量に見られます。

プリツカー賞建築家イオ・ミン・ペイの美術館もすごいのですが、所蔵品もそれに負けないくらいすごくて圧倒されました。

この美術館の母体は神慈秀明会という宗教団体です。熱海のMOA美術館の母体である世界救済教から独立した宗派ですが教祖としているのは同じ人です。
ミュージアムからさらに500mほど山奥に巨大な教団施設があって、それは美術館アトリウムからも頭だけ見えています。
この写真は美術館のスタッフに見せてもらった礼拝堂の写真ですが左のベルタワーはMIHO MUSEUMと同じくイオ・ミン・ペイによる設計です。
日本の至るところにある新興宗教団体の巨大で豪華な施設や所有する美術品を見るたびにどのような経済で成り立っているのか考えてしまいます。

南館の常設展示もすごかった。基本的に創始者である一人の女性が蒐集したものです。
2018年にはルイ・ヴィトンがあの橋の上でショーを行っています。世界的ブランドとカルトとの関係も実に不思議です。深追いはしないけど。

帰りも橋とトンネルを通って。行きに見た桜は帰りも素敵でした。
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