goo blog サービス終了のお知らせ 

ありゃりゃサンポ

近現代の建築、町並みと橋が好き。
一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域をGPSで塗り潰し中。

千葉大学 亥鼻キャンパス

2021年06月10日 | キャンパス建築巡り
千葉城こと県立郷土歴史館から裏手に回ってさらに少し登った所に千葉大学の亥鼻キャンパスがあります。
全部で5か所ある千葉大のキャンパスとしては2番目の規模で、医学部とその附属病院が敷地の大半を占めています。

昭和11年に建てられた医学部本館。田の字の形で、一辺が100mある堂々たる建物は建築当初は附属病院でした。

玄関車寄せの下が細くなった柱が個性的です。

長い間大切に使われてきたようで時間の重さを感じさます。

本館の少し奥にゐのはな同窓会館。この後の二つは千葉市で見ておくべき建築を紹介するサイトで知りました。
何層にも重なる屋根を見て一見巨大な建造物に見えそうな写真ですが、実際は一辺15m、3階建てののコンパクトなキューブです。
8枚ある白い軒のようなものは屋根ではなく単なる庇。裳階を現代風に再現したものかも知れません。圧縮された多重塔にも見えます。

一番下の窓が透明でその上はスモークガラスの明り取り。

1階の同窓会ホール。この1階フロアだけで4枚の庇がついています。

1959年に建てられた初代の木造の同窓会間を2013年の周年事業で建て替えたもの。設計は同大学所属の鈴木弘樹氏。

続いて看護学部の裏手にあるゐのはな記念講堂。御大、槇文彦設計の設計1964年に完成。
槇にとっては国内で二つ目の作品。1962年に34歳の若さで名古屋大学豊田講堂が日本建築学会賞を受賞したところでまさに若手の気鋭。
少し古いことを調べているとかつての日本では30歳そこそこの若者が非常に大きなプロジェクトを任されていることに驚きます。

コンクリートの表面がきれい。知らなければとても60年近く前に建てられたものとは思えません。
聞けば1993年と2014年の2回、大規模な改修工事を行っているとのこと。それなりの手をかければ貴重な文化遺産が長く使うことができる訳です。
その前に見た1968年築の中央図書館の傷みぶりを思い出すと数百メートル離れた場所で明暗が分かれたと感じます。

設計者のイメージは「鎮守の森にたつ社」。神社を思わせる無骨に突き出た構造が特徴的。屋根の銅板も1964年当時のものです。

横に回ると、正面から見た時に考えていたより奥に細長い形でした。

こちらのコンクリート面もすごくきれい。2014年の改修工事の記録を見ましたがその時点でも劣化が少なく薄く中性化抑制塗料を塗布する程度で済んだそうです。

両サイドの雨樋と同じ断面で照明ブラケットを作っています。偶然ですけど中央図書館の飛び出たグリッドの端と形状が似ています。
これ以上暑くなる前に千葉市にはもう一度行ってみよう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« セブンイレブンのお惣菜 | トップ | 関越自動車道(の横)を往く »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。