昨日の続きであります。
我が家の三軒隣の家で飼われていたシャム猫のりゅう君が愛した「けやき」。
実は、この「けやき」は、もともと政府系金融機関のグランド内で、多くの木々に囲まれていた細くて若い欅でありました。
このグランドには、地元では有名な桜並木があったほか、樹齢70年は優に超えるという「大けやき」がドンと構えておりました。ここ地域では「神木」に近い存在だったと思います。その「大けやき」から5mほど離れて、細くて可愛い若い欅が生えていて、それが今、残っている写真の「けやき」であります。
今から10年ほど前に、政府系金融機関のグランドが売りに出されて、某不動産会社が買って宅地造成を行いました。地元では神木とも言える「大けやき」の存続に向けた運動が沸き起こって、不動産会社側も「けやき」を残す約束をせざるを得なくなりましたが、結局、残されたのは「大けやき」ではなくて、その横に生えていた、まだ細くて可愛い若い方の「けやき」でありました。
地元住民の失望感は大きかったのですが、合意した「約束」の範囲内でありましたから、口惜しかった訳ですが諦めるしかありませんでした。そして、この残された若い「けやき」は、造営された団地内に作られた「緑地公園」という場所で、唯1本で孤独と闘いながら生き抜いています。
シャム猫りゅう君は生前、この「けやき」の傍で遊んでいることが多かった。また、外に出られずに家の中で療養している時でも、家の2階の窓から、この「けやき」の木を眺めていることが多かったと思います。りゅう君には、何か特別な力があって、この「けやき」と言葉を交わす力があったのかもしれません。
シャム猫りゅう君が愛した「けやき」は、今では相当に大きく育って、この地域を代表する「けやき」になろうとしています。あと20年もすれば「大けやき」と呼ばれて、地域の「神木」と位置付けられるようになるかもしれません。
シャム猫りゅう君は、そんな未来も見据えながら、この「けやき」を元気づけていたのかもしれませんね。
りゅう君、君は偉いね。