8月18日(水)19日(木)に開催された将棋 王位戦七番勝負第4局は、後手番の藤井王位が140手で快勝。これで3勝1敗として、初防衛に王手をかけました。
もともと予定されていた開催場所は、佐賀県嬉野市「和多屋別荘」でしたが、九州北部地域の記録的な大雨による避難指示の発令状況を鑑み、急遽、会場が関西将棋会館に変更されました。大阪を拠点にしている豊島竜王も、名古屋を拠点にしている藤井王位にとっても、本拠地といえる会場ですので、急な会場変更であっても、お互いに問題なしといったところだったと思います。
1日目から戦型は「相掛かり」で始まり、事前の想定範囲の展開に。しかし、1日目の駒組み段階から激しい主導権争いへ入り、封じ手の頃には一触即発状態の戦局に。2日目は、もうお昼過ぎから終盤戦へ突入かと思いましたが、あの豊島竜王が、何と守り主体の駒組みへと舵を切り直します。かつて、森内18代永世名人が羽生永世七冠に対峙する際、まずガードを固めてから攻めさせたように。
こうなると、藤井王位の怒涛の攻めが最後まで続くのか、それとも、足りなくて逆襲に遭うのか、という2つに1つ。結果としては、ここ数戦続いた藤井王位得意の展開となって、徐々にリードを広げて、最後までミスのない指し手で快勝となりました。
豊島竜王としては、ちょっと消極的な内容の将棋になってしまい、これは「スランプ」と言える状態に見えました。豊島竜王は、本来「攻めだるまタイプ」の棋士であり、攻撃主体で、名人や竜王も獲得したはず。
22日には叡王戦第4局、24日25日には王位戦第5局と続きます。そこまでに立て直しが効くか? 注目して参りたいと思います。