さていよいよ、天下分け目の名人戦が開幕! と思ったら、まさかの延期になりました。5月19日20日の第3戦を開幕戦に変更するとのこと。緊急事態宣言を重くみた判断なのでしょう。準備をする事務局の方々の負担もありますので。しかし、家で待機する国民の中には、ネットで将棋の行方を楽しみにしていた方々が多かったと思うので、十分に社会的価値はあったと思うのですが‥。残念ですが、やむなしの判断だと思います。
ところで、名人戦が延期になったので、ここは、藤井聡太七段の動向を振り返っておきましょう。
3月末の棋聖戦トーナメントでは、千日手のあとの激戦を制してベスト4へ進出。残り2戦を勝てば晴れて挑戦者となります。また、王位戦挑戦者決定リーグ白組では3勝0敗で、あと2つ勝てば紅組とのプレーオフ進出となります。王座戦では2次予選の決勝まで進み、ここを勝つと挑戦者決定トーナメント進出へ。竜王戦では、第3組の決勝へ進出しており、師匠である杉本八段とトーナメント出場を賭けての決戦となります。王将戦については、すでに挑戦者決定リーグに残留を決めているので予選はなし。
2年連続の勝率8割超は、けしてダテではありません。各棋戦でも、挑戦者決定リーグや挑戦者決定トーナメントに出るのが当たり前になっております。名人戦予選であるA級順位戦や、竜王戦1組のように、毎年昇級しないと辿り着けない場所もありますが、そこでも順調に昇級を重ねてきており、プロ棋士になってまだ3年足らずでこの実績ですから、やはりとんでもない才能が現れたもの。
今年度は、1つ、あるいは2つ、タイトル戦の挑戦者になるかもしれません。豊島名人対藤井七段、永瀬王座対藤井七段、渡辺明三冠対藤井七段といったキラ星のような対戦を、是非にタイトル戦で見てみたいものです。