すでに非常に有名な話ではありますが、羽生永世七冠には、若い頃から奇妙なクセがありまして、それは将棋の終盤に差し掛かると、駒を指す指が「プルプルと震える」ようになるのだそうで。
あまりに頻繁に指が震えるので、将棋記者たちが「なぜ?」と対局を詳しく調べてみると、それは羽生さん自身が「勝利を確信した瞬間」から、この指の震えが起きることが判明。もちろん、羽生さん自身は何も語っていないので、真実の程は判りませんが、どうも記者たちの推論は正しいと、将棋界では定説になっています。
しかし、相手にとっては堪りませんよね。「まだ勝負は判らない」と頑張っている時に、向かい側にいる将棋の天才が既に、勝ちを確信=勝ち筋を読み切っている、ことが伝わってしまうのですから。羽生さんの指が震えた瞬間に、「あ、負けたのか‥」と感じてしまえば、闘争心も萎えてしまいます。
13日に行われた竜王戦の挑戦者決定トーナメント準決勝でも、羽生さんの指は、終盤戦になって何度も震えていたとのこと。対戦した梶浦六段も、この「伝説的な震え」をどう見ていたのでしょうか。