金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【2020年 将棋界展望】 豊島VS渡辺 そこに絡む広瀬・木村・永瀬・藤井聡!

2020-01-02 06:51:30 | 将棋

 2019年の将棋界は、何と言っても、豊島名人・竜王の誕生が最大のニュースでした。名人・竜王の同時在位は、それまで谷川・羽生・森内の永世名人資格保有の3名しかいませんでしたので、大変な快挙と言えます。しかし、豊島名人・竜王は、防衛戦として迎えた棋聖戦・王位戦ともに敗れてしまい、「羽生時代の次は、豊島時代!」と宣言するまでには至りませんでした。

 むしろ、羽生時代の終焉とともに訪れた「将棋戦国時代」で、2019年、ほぼ無敵の強さを見せつけたのが渡辺明三冠。年初からの王将戦で久保王将からタイトルを奪取、その直後の棋王戦では、2019年唯一となるタイトル防衛に成功、そのあとは疾風の勢いだった豊島棋聖から棋聖位奪取にも成功。また今期復帰したばかりのA級順位戦では、直近まで6戦全勝で、いよいよ念願だった名人位挑戦へ驀進中です。まさに、豊島名人・竜王の「天下布武」に待ったをかける戦国最強の武田信玄のようです。

 その他では、王将戦でその信玄に立ち向かう広瀬前竜王、46歳で初タイトルを奪取した木村王位、叡王戦・王座戦を勝利して2冠となった永瀬叡王・王座も、今年の将棋界をリードする棋士と言えます。そして藤井聡太七段。王将戦のタイトル挑戦は惜しくも逃しましたが、朝日杯トーナメント2連覇、王将戦挑戦者リーグ残留、王位戦挑戦者リーグ参加決定など、ますます存在感が大きくなってきました。

 2020年将棋界の第1の注目ポイントは、何と言っても名人戦での、豊島将之 対 渡辺明 の激突なるか? この二人がこのまま名人戦でぶつかり、もし渡辺三冠が名人位奪取となれば、これは渡辺時代のスタートと考えても良いと思います。豊島名人にとっては初めて経験する正念場となりますし、その後のタイトル戦でも、この二人による闘いが頻繁に発生しそう。その流れも、次期名人戦七番勝負で決まると思います。

 第2の注目ポイントは、いよいよ藤井聡太七段によるタイトル奪取なるか? 王位戦・王将戦の挑戦者リーグに参加するだけでなく、他のタイトル戦でも挑戦者決定トーナメントを勝ち進み、存在感をアピールする年になると思います。場合によっては、複数タイトルの挑戦権を獲得するかもしれません。

 第3の注目ポイントは、羽生永世七冠の復活なるか? 2019年は明らかに不振の年でした。体調が悪いのか、モチベーションが維持できなくなったのか、あるいは別の目標を持つに至ったのか。何が理由にせよ、このままズルズルいってしまう人物ではありません。豊島時代か渡辺時代かの趨勢がなかなか定まらないと、羽生さんが「それなら、また私が‥」と再度君臨することになるかもしれません。

 2020年も、将棋界は熱い!

 


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