
正月恒例のお墓参りを済ませて、やうやく正月恒例の軌道に乗る。
トウキョウ住まいが地方から戻って来るにはまだ時間があり、街はいくらか静閑を保ってゐるが、“バイ菌持ち”だけはどこにでも徘徊してゐるので、用が済んだらすぐ引き上げるに限る。
特急列車に乗り初め。

値段に見合った快適な移動は、時期と方向を外す工夫をするだけで、確實に約束される。

大勢(ひと)と同じことをするやうなマヌケはゴメンだよ。
夕方に散歩へ行く直前になって、ひとつの創意が閃く。

ひんやりと引き締まった空氣にしばし當り、頭をよく整理しておかう。