橫濱市泉區のテアトルフォンテで、橫濱能樂堂の主催公演「横浜狂言堂」を觀る。

ヒトが恐れるのはヒトそのものより、そのヒトが持つ“モノ”であることを太刀で象徴的に見せる「二人大名」は“パワハラ”への抵抗と諷刺であり、茶の湯に使ふ清水を汲むやう用事を言ひつけられた太郎冠者が、鬼に化けて主人を脅かしつつ“待遇改善”を要求する「清水」は雇用者と被雇用者の普遍的問題そのものであり、

上演前に解説(おはなし)をつとめた和泉流狂言方の氣の利いたコトバ選びのおかげで、現代風景そのままな感覺で大いに樂しんだひととき。