迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

明日への覺書。

2019-04-30 20:03:01 | 浮世見聞記



⇨『平成』(1989年正月~2019年4月)



①浮世に何も産み出せなかった三十年と四ヶ月。


②作り出されたものは、そのほとんどが「負」の遺産。


③なんら物事の解決が見られなかった時代。


④次の時間へ持ち越しどころか、全ては有耶無耶にされ、人々の記憶から忘却されるのを待つ。


⑤浮世は何一つ平らに成らず、むしろ「格差社会」なる現象を生み出す。



※ただ、強いて言へば、男女の社会的扱ひにおゐては、表面上(うわべ)は“平”らかに“成”る。

ところがその実は、男女均等ならぬ「男女混同」。

男の役割に踏み込み、自分の役割を男に押しつける女を、あらうことか法律が赦す。

それは身体の相違といふ現実的問題になんら対処しないまま条文と理屈だけで施行し、結果として仕事場に、無駄な“ひずみ”を引き起こす。

さうした問題点から生じた事例を、“パワハラ”や“セクハラ”といふ言葉で騒ぎ立て、強行的に始末する現象が横行し、結果として『法律がわたしたちに味方してゐる』と勘違ひする女性を、特に若い年代に多く造り出す。




! 法は萬民を守るためにあるのではない。

縛るためにある。!




⑥「男女がそれぞれの領分を全うすることで、初めて均衡が保たれる」──

江戸川乱歩賞作家の考へ方に、私は賛同する。



⑦育児を他人に任せる事すらままならず、若き夫婦は揃って棲み家を空にして、来る御代にはさて、なに創り出すらん。




⑧退位と即位といふ天皇家の人事異動にかこつけて、ただお祭り騒ぎをしたいだけの有象無象が、休み呆けのうろたへ眼で十日も街を徘徊し、道路を、鉄道を、ことごとく故障させて遅滞を引き起こす「行楽公害」、ただおぞましき乱痴気連休、浮世に得はなかりけり。





⑨帝(ミカド)の代が替はり、元号が改まらうとも、たださうだと云ふだけで、衆庶に何ら関わりなし。



⑩それにかこつけ一儲け企む小商人の、小腹がわずかに膨れるのみ。



⑪酒毒に病みたる者々は、祝意と称してうたひ舞ひ、踊って奏でて騒げども、私にさうした義理はなかりせば、ただ日常(いつも)のままに日を過ごす。




☞月日の行方は何人にも、

御し難きこそ道理なれ。




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