ラジオ放送の寶生流「葵上」を聴く。前回放送の「野宮」と同じ、六條御息所が主役(シテ)だが、前回が古き戀から解脱出来ぬ女の悲哀を静かに訴へた曲ならば、こちらは激しくぶつけてくる曲。そんな我が身を淺ましいと自覺してゐながら、抑へきれずに生靈となって相手の女のもとに現れる惨めさ、後シテの般若面こそ、身分を超えて人と運命を狂はせる“戀”なる魔モノの視覺化なのだ。そしてこの厄介な魔モノを心の内 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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