トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT4 知っていると一寸便利な裏テクニック【1】

2019-02-13 11:57:55 | 投資

 MT4のチャートをいじっていると、思わぬ発見をすることがある。比較的よく知られているものから、そうでないものまで知っているとチャート分析に役に立ちそうなものをシリーズで述べてみたい。 

① フィボナッチ・リトレイスメント(Fibonacci Retracement)

 丸で囲まれたアイコンで高値から安値までドラッグすると、デフォルトのFibonacci Retracementを引くことができる。

 

 週足のドル円チャートに2015.12.06の週の高値と2016.06.19の週の安値を結んだものである。上から順に、100%,61.8%,50.0%,38.2%,23.6%のラインを示し、チャート右端にその表示がされている。それぞれのラインで相場が高値を付けたり、安値を付けたりして反応しているように見える。多くの相場解説者が利用されている理由が分かる。 

 このデフォルトの仕様に少し工夫を加えてみたい。まず、デフォルトには23.6%に対応する76.4%のラインがないので、この線を加えることにする。次に数値表示であるが、デフォルトには%表示はあるが、その価格表示がないので、これを加えることにする。Fiboのプロパティを開く。

 

 追加をクリックして現れた空欄にレベル設定欄に0.764、説明欄に76.4 %$と入力。すでにダイアログボックスにある数値にも説明の後に続けて、スペース%$と入力していくと、次のように%とその価格が表示されるようになる。

 筆者が開発者の一人を務めるMetaGenic社では、多くの実用的なインジケータや自動売買プログラムを公開しております。よろしければお立ち寄りください。

https://metagenicfx.thebase.in/

 


MT4 こんなところに思わぬ情報・・スワップ

2019-02-12 07:32:03 | 投資

 FXでオーバーナイトのポジションを持っていると、スワップ金利の受け渡しが伴う。MT4採用会社では、そのホームページで売り買いスワップの推移について説明しているところはほとんどない。でも、日々のスワップはきちんと徴収される。金利差はかなりあり、支払った金利のみが記憶に残るものだから、「いったいどうなっているの?」と怪訝に感じている方も多い。技術に疎い担当者もいて、電話でも適格な返答をもらえないことが多い。 

 実はこのスワップ、MT4のチャートから簡単に知ることができる。「気配値表示アイコン」→ 通貨ペアを右クリック → 「仕様」を選択するとこの通貨ペアに関する膨大な情報が表示され、その中に受け渡しされるスワップの明細も含まれている。

  FXTF社の2月12日の例であるが、当社のスワップ幅は非常に狭いのでスワップ重視の向きにはお勧めである。

 

 

 


MT4のフラクタルズ(Fractals)をどう使う?

2019-02-11 12:18:00 | 投資

 MT4にはビル・ウイリアムスの開発した6個のテクニカル指標が標準搭載されています。筆者も誤解していたのですが、ビルウイリアムスは有名な%R(Williams’ Percent Range)の開発者ラリーウイリアムズとは別人ということです。%RはMT4の中では「オシレーター」指標群の一つとして搭載されていますが、ビル・ウイリアムスの6個のインジケータはそれとは別に「ビル・ウイリアム」特別ファイルに収められています。 

 6個はいずれもあまねく利用されえているテクニカル指標ですから、実用に耐えるものばかりでしょうが、どう使ってよいのか戸惑ってしまうのが、Fractalsというインジケータでしょう。MT4チャートにFractalsを挿入したのが次に掲げるチャートです。

 

 「一見して逆張り指標だな、上向きの印が出ているところで売り、下向きの印で買えば成功しそうだ」と思ってしまいがちですが、なかなかどうしてそう単純にはいかないのです。 

 現値より2本前のローソク足の上の印がFractal Up、6番目の陰線の下の印がFractal Downと称されるサインです。Fractal Upはその足の高値、Fractal Downはその足の安値の値を持っています。さて、2本前に表れているFractal Upのサインはいつ出るのでしょうか。実は、現在の足の始値で初めて点灯したのです。つまり、サインが出てすぐに市場参入ということは不可能ということです。サインが出るタイミングは、現在の足を含めて過去5本のローソク足の真ん中の足の高値が両脇2本の高値より突出して高くなった時であり、上記チャートの現値でその条件が整ったことになります。整理すると次のようなローソク足の並びとなります。

 

                

 現在のローソク足が終値で上図のような形態となっていれば、それぞれに表れたFractal UpとFractal Downは確定することになります。2本前の足はおろか、1本まえの足でさえサインは出ていないことになるので、現値ですぐに買いとも売りとも判断しかねるのです。 

 そこで登場するのがもう一つのインジケータSupport and Resistanceです。このインジケータはFractalsを母体に作成されているので、とても相性が良いのです。FractalsにSupport and Resistanceを重ねて表示してみました。(USDJPY M30)

  これなら下値支持線、上値抵抗線として使えそうですね。赤と青の線の値はそれぞれのFractalsの値と同じです。現在、上値抵抗線をブレークしています。このチャートにボリンジャーバンドを追加表示すれば、レンジブレークの順張り手法にも使えそうです。 

 現在、筆者はFractalsに関して研究中です。ぜひ皆様からのフィードバックをお待ちします。なお、Support and Resistanceはネットで入手可能となっています。

追記:Fractalsはレンジ相場手法で効力を発揮するスーパーシグナル系インディケータで利用されています。6月12日ブログでは、リペイントしない改良型を公開しております。

https://blog.goo.ne.jp/antnobu/e/42f9f63c0f38aa66bd6e22ea6a1231a8


専業デイトレーダー推薦 取引ペア選別ツール

2019-02-08 01:25:07 | 投資

 既報告のとおり、専業トレーダーSさんからヒントを得て「最適取引ペア選別ツール」2種の開発を終えました。早速、Sさんに試用していただいた結果、好評価のフィードバックもあり、胸をなでおろしている次第です。チャートは、2種のツールをEURUSD及びAUDJPYのMT4チャート上に展開したものです。2019/2/7 11AM 1H EURUSD

 

2019/2/7 11AM 1H AUDJPY

 

上段のインジケータ:Daily OPS(Optimum Pair Selection)

下段のインジケータ:Smoothed OPS(FXTF社のKyojakuに相当)

 Daily OPSの特徴とフィードバック

 主要8通貨(EUR,GBP,AUD,USD,CAD,CHF,JPY)相互間の日中の強弱関係を示します。マーケット開始時点をゼロとして、その後各通貨がどのように展開していったかを4時間足以下のチャートに展開したもの。Sさんがひそかに使用されていたものは、一部のMT4会社でのみ表示することができませんでしたが、これをMT4採用会社全部にて表示できるようにしています。

Smoothed OPS

 Daily OPSだけでは、毎日分断した強弱分布が表示されるため、過去の推移が明確に判断できません。連続した強弱インジケータとしては、FXTF社のその名もずばりFXTF Kyojakuというのがあります。しかし、このKyojaku、ププログラムの内容が公開されていないのとプログラム自体にロックが掛っているため、他社のMT4では利用することができません。同社のホームページに論理構造の概略が記されていたので、そのとおりにプログラム化したのがSmoothed OPSの元となっています。紹介された論理式のみですと非常に鋭敏に振動するインジケータとなってしまいますので、何らかの平滑化が不可欠となります。平滑化の論理式までは表示されていなかったので、やむなく開発者独自の法式をとりました。このため、FXTF社オリジナルKyojakuとSmoothed OPSとでは波形が細かいところまで同一ということにはなりません。オリジナルは波のギザギザがみられますが、Smoothed OPSでは比較的滑らかな波形となっています。 

2個のインジケータの使い方 

 フィードバックしていただいた2種のインジケータの使い方は、開発者が予想していたとおりでした。その使い方は、Smoothed OPSにおいて過去からの通貨間の強弱を掴み、実際に取引に入る時間帯で両OPSをさらに分析して、その日のトレード候補となる通貨ペアを2~3ペアに絞る。更に、S氏のトレード時間帯が東京マーケット終了後の欧米市場の時間帯であることから、Daily OPSのゼロとする基準時間(オフセットタイム)を0ではなく16(日本時間午後3時)にしているとのことでした。夏時間であれば、17ということになります。(下記チャート参照)

2019/2/714:00 GBPJPY 1H

 

 Smoothed OPSについては、日足以上の時間軸での分析も可能です。通貨の強弱を日足ベースでとらえるには、日足(D1)の時間軸を選択します。Daily OPSはチャートから消えますが、下段のSmoothed OPSは引き続き日足としての機能を有しますので、オーバーナイトから中長期の判断にも利用することができます。 

 Sさんからは新たな宿題を頂いています。このOPSの金・原油等の商品や株価指数への応用という問題です。もちろん可能だと断言できますが、通貨群とは質的に異なりますので、インジケータとしては別異の形をとらざるを得ません。FXは単なる通貨間の交換レートに過ぎず、交換レート変動の総和はゼロになるはずですが、商品等の価格変化は絶対的な価値の変動でありますから、時として全商品が一緒に値上がりするという状況が生まれます。その点に留意しつつ新たな宿題に取り組みたいと考えています。MetaGenicFXにて公開されました。

https://metagenicfx.thebase.in/

(注)Smoothed OPSとFXTF Symbol Kyojakuの利用方法は両者共通です。そのため、FXTF社のホームページにあるKyojakuの説明はそのままSmoothed OPSに当てはまります

https://www.fxtrade.co.jp/page-257491

 


FXTF Symbol_Kyojakuもどき完成

2019-02-04 22:10:54 | 投資

 通貨間の強弱の状況を一目で知ることができ、取引すべき通貨ペアの選択が容易になるとして、トレーダー間で人気のあのツール、Symbol Kyojaku のModokiを作成してみました。上に表示されているのが、FXTFのオリジナル、下段は今回筆者が手探りで作成したものです。USDJPYの1時間足にプロットしていますので、USD(赤)とJPY(金色)がハイライトされています。白く見えるのはEUR、緑色はGBPです。 

 FXTF社のKyojakuはプログラム自体が公開されていないのに加えて、プロテクトが掛っているため、他社のMT4上では稼働しません。そこで完成した「もどき」を逆にFXTFの画面に表示させたのが上のチャートです。

 いずれも主要8通貨からベストペアを選択する仕様にはなっていますが、FXTF社では現在CADCHFのペアは提供(Quote)されていません。したがって、いずれのKyojakuの計算でもCADとCHFを計算から除外したものとなっています。チャートには取引の軸となるべき4通貨を表示しており、他通貨は非表示になっています。主役のメイン通貨を選択し、その後、他通貨も表示させて具体的に取引ペアを決めるという段取りです。 

 FXTFやOANDA(東京サーバー)では、通貨ペアの表示が例えばUSDJPYの場合、USDJPY-cdとかUSDJPY.oj5k等7桁以上の表示になっています。このため、通常通り6桁でペア表記されたプログラムは変則表記の業者でのMT4上では作動しません。「もどき」ではこの問題もなんとか解決しました。 

 前回のブログで触れた専業トレーダー愛用のデイトレ専用インジ(下記)も同時に表示しておけば鬼に金棒です。GBPUSD 1H、全通貨表示、XM社MT4

 近々、MetaGenic社にて公開の予定です。