問わず語りの...

流れに任せて

カットされたセリフに込められていたこと

2023-05-04 05:06:11 | 怪獣、特撮

 

このセリフをカットするなんて、なんて勿体ないことを!と、個人的には思ってしまいます。

 

 

このセリフこそまさしく、石森先生の世界観そのものですから。

 

 

仮面ライダーはショッカーによって改造された。つまり戦っている相手は、自分と同類なんです。

 

 

これ、石森ヒーローのほぼすべてに共通した要素なんです。石森ヒーローは同類、ある意味「仲間」と戦っているんです。

 

 

だから、敵をすべて倒したとしても、もはや人間ではなくなってしまった彼に、帰る場所はない。

 

彼自身が、唯一生き残ったショッカーということになり、やがて人々は、そんな彼に「恐怖」を抱くようになる。

 

 

それが人というものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

石森作品の一つで、1979年にテレビアニメ化された『サイボーグ009』の主題歌(作詞・石森章太郎)には、そんな石森先生の世界観とヒーロー像がよく表されていますでしょ?

 

 

もうね、「戦鬼」と言われようが「地獄の使者」と言われようが、彼らサイボーグ戦士は「愛」のために、「戦い忘れた人」のために戦うんですよ。涙を流しながら「血の大河」を渡るわけです。明日の平和を夢見ながら「死の荒野」を走るんです。

 

 

なんて壮絶な世界観でしょう?そして石森先生は、歌詞の最後をこんな言葉で結びます。

 

 

【サイボーグ戦士、誰がために戦う】

 

 

なんのために、誰のために戦うのか?

 

 

それは、ただ

 

 

「助けたい」から。

 

 

 

石森ヒーローとは、尊く、そして

 

 

哀しい。

 

 

庵野監督は石森先生の世界観をよく理解しておられる。だからこそのこのセリフなので、だから

 

 

カットして欲しくはなかったなあ。

 

 

この際ですから、「ディレクターズ・カット版」作っちゃいませんか?どんなに長くなっても構わないから。

 

 

観たいなあ、ディレクターズ・カット。

 

 

 

 

 

 

コメント (3)
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