プランタン銀座アンティークバザールも今日から折り返し、後半の部が始まりました。そろそろ自宅が恋しくなってきた私達です。
さて、そんな昨日、顔馴染みのお客様にこのマットエナメルのペンダントをお見せして、私が実際に身に着けてみたところ、「素敵！素敵！」の大合唱！（←けっして私自身が素敵なのではなく、「ペンダントが素敵」という意味です。）すっかり気を良くした私は、今日は出勤してからこのペンダントをガラスケースの中から拝借、実際に着けて一日過ごしました。
そう、実際に着けるとこんな風なのです。ホームページの画像よりも実際に着けた方が素敵でしょ？ホームページに掲載のアイテムで実物を見たい方は是非、プランタンでお待ちしております。
クロスしたリボンとガーランドの組み合わせは、マリー・アントワネットが愛した「ルイ・セーズ（Louis Seize）」と呼ばれるルイ16世紀様式。実際のルイ16世は1774年から1792年まで在位した王様ですが、19世紀後期から20世紀初頭にかけて再びこのスタイルがリバイバルし、ルイ・セーズの影響を受けた優美なアイテムが沢山作られました。
彫刻的な装飾が特徴のこのフレーム、トップの薔薇の花輪と、四辺を飾るお花とクロスしたリボンの装飾がルイ・セーズの趣味をよく表しています。素材はブロンズに金メッキ、中には同じ19世紀後期のシルク生地をセットしてみました。同じ時代に作られたウォッチケースとシルクリボンや羽、薔薇の花びらがポケットになったポワンドガーズのハンカチも一緒に貴婦人のサロン風に並べてみました。あぁ、やっぱりフランスの物ってエレガント！そう思われませんか？
今日は今回の新入荷の中から「貴婦人のたしなみグッズ」をご紹介！まず左端のアイボリーは、フランスの“Carnet de Bal (カルネ・ド・バル)”つまり舞踏会の手帳。舞踏会で踊る順番や、逢い引きの予定などを書いたのだそう。淑女の秘密も書き込まれるチャーミングなアイテム、なにより舞踏会で手にされる物だから、それは凝った豪華な細工物です。なんといっても、書き込むメモ帳部分もアイボリーというのが凄いですね。ペンシルで書いたようですが、どうやって消すのかと思ったら、セーム革でこすると消えるのだそう。う～ん、19世紀は奥が深いです。
小さなピンクの小瓶は、イギリスでは“Scent Bottle（セントボトル）”と呼ばれる気付け薬入れ。透明のガラスの上に二層の着せガラス、それをカットした小さくとも手の込んだガラス製品です。常にコルセットで体形を整えていた19世紀後期、女性達の平均ウエストはなんと54cm！そんな無理な体型を維持していた女性達はすぐ気分が悪くなり（演技という説も…当時の淑女達はいかに美しく気絶するかを日々練習していたらしい。）、このセントボトルの中の酢酸の香りを嗅いで正気を取り戻したとか。セントボトルの中に入れられていたのは酢酸の結晶、お酢のきつい香りで気を取り戻すのだから、実際はあまりロマンティックではないのですけどね。当時の淑女達がいつも携帯していた気付け薬入れです。
下に敷いたハンカチは美しいホワイトワークのもの。大きく入れられた複雑なイニシャルのモノグラムも周囲の刺繍も魅力的なそれは美しいハンカチです。これは手を拭くためのハンカチではありませんよ！舞踏会の際に手に持ったり、手に持つための小さな花束をくるんだアクセサリーの一種です。広げた様子も繊細で美しいですよ！
今回も沢山のカードの更新です！特に子どものカードは可愛いものばかりが揃いました。ホームページの画像よりも実物の方がずっと美しいので、実物が見ていただけないのがとても残念。こちらのカードもプランタン銀座アンティークバザール会場でご覧いただけますので、お近くの方は是非！
この女の子ふたりと小鳥のカードの可愛いこと！素敵な冬の情景です。
こちら愛らしい女の子ふたり。子どもらしい表情に惹かれます。
男の子が手にしているのはネコヤナギと卵。“Joyeuses Paques!”イースターのグリーティングカードですね。
ピンクの頬にクルクル巻き毛。パッチリお目々の美人さんです。
王子様と王女様？のペア。周りの薔薇やハートのデコレーションも心憎い演出です。2枚セットで持っていたいカードです。
薔薇の精でしょうか？デリケートな色合いが美しいカードですね。
まるで水彩画のようなカード。絵のように飾っていただくのもおすすめ。
定番のすずらんとレースのカードも入荷しています。書かれている文字も印刷のような美しさです。
ボン・マルシェのダンスのシリーズは、今回4枚揃っての入荷。このまま4枚で額装しても良いですね。
百合はマリア様の象徴。百合に囲まれた美しいマリア様です。
幼子を抱いたマリア様は金彩と淡いブルー系の色合いが魅力的。いかにもフランスらしい雰囲気です。
今日の東京は思いがけず真冬の寒さ、こんな時期は体調を崩しやすいので、皆様気を付て下さいね。明日からはまた暖かくなるようですね。よかった！よかった！
さて、何とか間に合ったプランタンのフェア、会場はこんな感じです。どうぞ画像でご覧下さい。
今回も美しいブロンズ製のフレームやウォッチケースが入荷 。こうしてボックスを並べるのも良いですね。
ここはブルーコーナー。左端のリボンで出来たデコレーション、何だか分からないのですが、何だか可愛らしいのです。
この手前のグローブケース、シルクで出来ていて、ホワホワの手触り。癒し系？グローブケースです。
このフランスのチャイルドジャケットはなんとボネ付。またこのボネが可愛いのです！下に置いてあるボネも今回の買付けの新入荷。こちらもまた複雑で繊細な作りです。
今回はレースに様々な出物が。ハンカチがいっぱいです！下のシルクのランジェリーケースも是非見ていただきたいもののひとつ。
リボン刺繍のハンカチケースも状態の良いシルク製、下のグリーンのグローブケースもクラシックなアイテムです。
今回はロココ見本がいくつか入荷。バラのモチーフや紙製のソープボックスも心躍るアイテムです。
どうぞ実物を見にプランタンまでいらして下さいね！皆様のお越しをお待ちしております。
沢山の方々にご心配をお掛けして申し訳ありません。昨日ブログを更新したのは午後7時半でした。あれからまだまだ渋滞からの逃れることが出来ず（だって、通行止めになった清水インターを降りた一般道の国道一号線も、やはり通行止めだったのです。）、一般道に降りたものの、700ｍ進むのになんと3時間！最終的には、午後10時過ぎに通行止めが解除され、一般道をUターン、再び高速道路にのり、午前1時半にいつもの晴海のホテルに到着しました。
今までも高速道路では何度となく渋滞や通行止めに遭ったことはありましたが、今回のように長時間の渋滞中にまったく動かなかったのは初めて。「ひょっとして東京に着くのは明朝かも？プランタンの搬入は如何に？」とまでも危惧していたのですが、夜のうちに無事東京に着いて本当に良かったです。
普段は5時間あれば優に東京へ到着するのですが、今回は13時間の最長不倒記録！！思わず、「私達何か悪いことしたかしら？」から始まって「私の人生、何か間違っていたかも…。」とまで思ってしまいました。
そんな中、何よりも嬉しかったのは、私が携帯から送ったメールを見た神戸骨董祭に出店中のアンティークディーラー仲間が心配してメールや電話をくれたこと。同じ境遇の私達、皆大なり小なり同じような経験をしているのです。
とにもかくにもプランタンのフェアにも間に合い、心からほっとしています。
