宗廟とは、朝鮮王朝時代の王と王妃の位牌が祭られている霊廟。朝鮮王朝が漢陽(今のソウル)へ遷都した翌年の1395年、初代国王太祖によって建てられた。1592年の文禄の役(壬辰倭乱)で焼失したが、1608年に再建され、何度か修理を繰り返し現在にいたっている。正面を入ると3本の道があり、真ん中の道は亡くなった王のための道で正殿に続いている。東側は王、西側は王世子のための道で、沐浴して祭祀の準備をする部屋へとつながっている。その奥には祭祀用の食べ物を準備する典祀庁がある。庭を囲むように建物が立ち、塀の中には君主に誠実に仕えた臣下たちを奉った功臣殿がある。建物は、列柱と扉が並ぶ単純な造りで色彩や装飾は極端に抑えられている。扉の奥はそれぞれ独立した19の廟室として太祖他49位の王と王妃が祭られている。毎年5月の第4日曜には宗廟祭礼が行われ、伝統楽器を使った宮中音楽の演奏が行われるとのこと。この宮廷雅楽は宗廟祭礼楽と呼ばれ、2001年に世界無形遺産に登録された。
本殿には、太祖李成桂や第3代の太宗、第4代世宗など功績のあった国王や王妃が祭られている。もう1つの廟である永寧殿には、その他の国王や王妃、皇太子らが眠っている。
【次回は都合により11月9日になります】
宗廟の正門
本殿には、太祖李成桂や第3代の太宗、第4代世宗など功績のあった国王や王妃が祭られている。もう1つの廟である永寧殿には、その他の国王や王妃、皇太子らが眠っている。
正門を入ると3本の道があり、真ん中の道は亡くなった王のための道で正殿に続いている。
沐浴して祭祀の準備をする部屋、奥には祭祀用の食物を準備する典祀庁がある。
大きな功績を残した王の位牌を祭る正殿
永寧殿 1421年に第7代世宗が建設、16室に34位の王と王妃が祭られている。