日蓮聖人のご霊跡めぐり

日蓮聖人とそのお弟子さんが歩まれたご霊跡を、自分の足で少しずつ辿ってゆこうと思います。

千葉山蓮華寺(小田原市千代)

2018-03-13 17:30:12 | 旅行
日蓮聖人のご霊跡を調べるにあたって、僕が基本で参考にさせて頂いているのが
市川智康先生著「日蓮聖人の歩まれた道」(水書房)という本です。
ご霊跡がエリアごとに分けられて紹介されているんですが、各ご霊跡の逸話が詳しく書かれており、本当に助かります。


また最近、身延山久遠寺境内の売店で購入したのが
望月真澄先生著「身延山参詣道を歩く」(せいしん刊)という本です。
各地の法華信者たちが、古くから身延山に詣でるために辿った経路を主に紹介していますが、お祖師様の身延入山の経路を敢えて歩く方も多いようで、そちらについても詳細に書かれています。


この本では、日蓮聖人の身延入山経路として、鎌倉を発った晩に酒匂にお泊まりになり、その翌日、そこから少し北上した場所にもお立ち寄りになった、と書いてあります。
(↑の画像は酒匂のご霊跡に開かれた済度山法船寺)

そこでは多くの住民が日蓮聖人に教化され、現在、千代という場所に「蓮華寺」というお寺がある、とありました。



千代を訪問してきました!曽我の梅林が近いです。もう梅の花はピークを過ぎたかな?
実は千代は僕の生まれ育った国府津の隣に位置しており、馴染みありすぎの場所です。


蓮華寺の山門です。
右側の堅牢な建物は?


このお寺のすぐ隣に小学校があるのです!
休み時間になると子供の声がワイワイ!!
それだけで境内の雰囲気が明るくなります。


山門にお猿発見!
お祖師様のピンチを何度も救ってくれた、偉大な守護者です。


大きな題目法塔。


願主として蓮正寺村と永塚村の講中が刻まれています。
現在も蓮華寺のすぐ近くに永塚という地名が残っています。
また、蓮正寺という地名は現在、酒匂川の対岸にあります。
暴れ川として有名な酒匂川のことですから、その昔、蓮正寺はこっち岸にあったのかもしれませんね。


本堂です。
このお寺のシンボルプランツ、ソテツがいい感じでフレームインしてきます。


寺紋は桔梗ですね~。
以前は中山法華経寺の末寺だったそうで、その名残りで桔梗紋なのだそうです。


てことは・・・
山号の千葉山も千葉氏由来?
ご住職によると、提婆達多品の経文にある「千葉の蓮華」が山号の由来なのだそうです。花びら千枚の蓮の花、って感じでしょうか。キレイな山号ですね!


千葉山蓮華寺らしく蓮がたくさん!
ご住職が一生懸命手入れしていました。


歴代お上人の御廟を参拝。
日蓮聖人は身延入山の際にも下山して池上に向かう時にも、この付近を通ったと言われているそうです。
千代の北側、東大友にあった天台宗寺院がその際に改宗した、というのがルーツです。


その後、日蓮聖人に付き添っていた日弁上人が開山しました。
現在のお寺の場所にはもともと武家屋敷があり、約400年前に信徒の方の寄進を得て移転したようです。


この石板には四十六世のお上人まで刻まれています。
千代での法華信仰の拠点を、守り続けてきたお上人達に感謝しながら、合掌しました。


応対して下さったお上人は、現在の四十七世のお上人のもとで仕事をされている副住職でした。
僕がご霊跡めぐりをしていると話すと、平成23年~26年にわたって神奈川第三宗務所で行われた「日蓮聖人の道を辿る足跡ウォーク」の冊子を下さいました。
実際に歩いて得た生きた情報、それもつい最近の情報が沢山載っていて、ご霊跡めぐりの資料としては出来過ぎです!今後フル活用させて頂きます!!


山門脇に「ゆったり寺ヨガ」の案内が出ていましたよ~
毎週火曜日にヨガの先生を招いて行っているそうです!

お寺の本堂って、もっともっと利用しやすくすればいいのに・・・って思います。
ヨガもそうだし、ボイストレーニングやアコースティックギターなんかも、お寺と相性良さそう。

いい意味で、お寺の敷居を低くしようと頑張っているんだな~と感心しながら、千代のお寺をあとにしました。