うそつき

いつの間に、こんな嘘つきになっていたんだろう。
びっくりしてしまう。

ことばにするということは、その内の一定量がうそになってしまうことも怖れないということだ。

あぁ、でもわたしが今嘆いている嘘は、言ったうそじゃなくて、言わなかったうそなんだ。

言わなかったら、うそにはならない？
ううん、わたしは無口なうそつきだ。

もともと赤面症だったのが、赤面恐怖症になり、いつの間にかポーカーフェイスの達人になってしまった。
赤くなるのがこわくて、はじめは無表情でごまかし、今では余裕の笑みさえ見せられる。
（まぁ、女性が四半世紀も生きていれば、そうなるのもふつうだが。）

周りの男の子で、すぐ赤面してしまう人がいるけど、すなおだなぁ、と思えて、最近は感心してるくらいだ。

表情はくずさないし、ことばにもしない。

‘会いたい’が言えない。
‘もうすこしいっしょにいたい’が言えない。

もっと心が単純だったもう少し若い頃は、言わないまでも、態度に出てたのに。

態度にも出せない。
わたしの中の何かが許してくれない。
なかったことにしてしまう。
全部なかったことにしてしまう。

心の秘密なんて、人にはわからないものだから。
みんな、それぞれ自分の分の、ことばにならない想い抱えて生きてきてるんだから。

だったら、ことばになりそうな部分はせめて、ことばにして内側から出してしまえばいいのに。

心は日毎に複雑化していく。
ひだを増やし、考えることを増やす。

あぁ、この「心」は"mind"だな。
heartはいつもおいてきぼりだ。

世の中、感情だけで動いてしまって、それで失敗してる人もいるけど、理性ばっかり働いてしまう私は、そういう人と足して二で割りたいところだ。

Why don’t you allow yourself to use your heart this time around?
もうそろそろ、自分の気持ちに従うってことをしてもいい頃だ。

頭ばっか、育ちすぎた。