佐世保市鹿町にある標高２３４ｍの長串山の中腹に、この時期赤やピンクの色で覆いつくされる長串山公園がある。
広場の上のほうの山肌には花びらが小さめの久留米ツツジが、下のほうには大ぶりの花を咲かせる平戸ツツジが色を競っている。
開花時期が久留米ツツジのほうが早いので、行った時にはほぼ見ごろを迎えていた。
ツツジも綺麗だが九十九島に浮かぶ島々を、眼下に望むことができる眺望がこれまたすばらしい。
呑山観音寺のハクモクレン、コブシにサクラは咲いているかと,、立ち寄ってみたがハクモクレンは見頃を過ぎていた。
サクラの花もコブシも、今年の天気にはうんざりしているようだった。
国道201号を金出の交差点を左折し、宗像篠栗線を走ると沿道に花が溢れている。
更に力丸ダムを目指して花が溢れる道を走ると、お目当ての旧若宮南小学校がある。
毎年来る度に年を重ねていくように感じられる校舎の建物とは対照的に、サクラは何の変りもなく今年も咲いていた。
校庭に入る坂道の途中にあるハクモクレンは、見頃を過ぎすでに茶黒く変色していた。
昨年は目にすることがなかったブランコが、木の枝からぶら下がっていた。
今年最後の桜は、「桜が咲いたよー、桜だよー」と子供たちの明るい声が聞こえてきそうな廃校の桜にした。
平地の桜は見ごろを終え新緑がわずかばかりに残った花びらの間から、せめぎあうように緑の色を主張し始めている。
少しばかり標高が高いので、まだ見れるかもしれないと考えて宝珠山駅に向かった。
無人駅の改札口を抜けてホームに出ると、かなりの数の鉄撮りカメラマンが三脚を据えていた。
線路脇にいた人にもう電車が来るのですかと尋ねると、そろそろ来ますよと教えてくれた。
ものの２，３分待つと、日田彦山線を走るキハ１４０系の電車がホームに入ってきた。
全体的にくすみ始めた春の花々が、最後の力を振り絞って電車を見送っていた。
