国道3号は福岡市東区を東から西へと走り、博多区千鳥橋付近で南へと向かっている。
その昔、国道3号の北側の海は、名島付近の丘陵地を除いては波が寄せる海だった。
埋め立てが進められ、今ではかって海だったことを示す痕跡を見つけるのさえ難しい。
その埋立地の一部に香椎浜があり、ここには多くのマンションが建ち並びイオンなどの商業施設もある。
ここ香椎浜に、都市高速道路を挟んで約1km程のさくら通りという桜並木の通りがある。
満開になると桜のアーチが延々と続く。
このさくら通りを目当てに、わざわざここを訪れる人は、あまり見かけないのだが地元では桜の名所である。
通りにシートを広げて、花見をする人はさすがにいないが、地元の人たちにとっては待ちに待った桜の季節である。
見頃を過ぎた桜は、折からの強い風にあおられ花吹雪のアーチを作っていた。
花びらが人々の後ろ姿を一人一人慰め励ますように等しく舞っていた。
散る桜 残る桜も 散る桜 (良寛和尚の辞世の句といわれている)