宮地嶽神社の拝殿で、柏手が4回鳴り響いた。
このあたりの神社で参拝する作法は、二礼・二拍手・一礼が一般的である。
出雲大社や宇佐八幡宮では、二拍手のところを四拍手をうつ。
年の頃はは30歳ほどの青年は、神社の脇で低く張りのあるバリトンで祝詞を上げている。
小雨のなか傘もささずにひたすら拝殿に向かい、直立不動の姿でまるで歌でも歌っているかのように社殿に響いていた。
しばらく聞きほれ眺めていたが、本殿の脇に移動しても同じ姿勢で参拝を行っていた。
ハナショウブも雨に打たれながらも、スクッと立ち雨の季節を楽しむようだったが
青年のそれもハナショウブの花言葉のように、凛とした心意気が感じられた。