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会津の旅人宿 地域との交流・旅人との交流が盛んな【会津野】宿主ブログ

地域の話題、旅人のホットな話題、季節のおいしい食べ物の話題など、会津へ旅する人々への話題中心の宿主ブログです。

【会津野】日本での「POST TRUTH」はどんなこと?

2016年11月19日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨日、【会津野】ポリティカル コレクトネスのことを書きました。

ここでは、我が子の事例をだしただけでしたので、まずポリティカルコレクトレスの定義から確認しておきます。

ポリティカル・コレクトネス: political correctness、略称:PC)とは、政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別偏見が含まれていない言葉や用語のことで、職業性別文化人種民族宗教ハンディキャップ年齢婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現を指す。(出典 Wikipedia

よく聴くことがあるTBSラジオのデイキャッチの昨日の番組で、イギリスのオックスフォード大学が選んだ今年の英単語としての「POST TRUTH」を、話題としていました。

「POST TRUTH」とは、「『ポスト真実の政治』などの形で使われ、真実や事実よりも個人の感情や信念が重視される米英の政治文化や風潮を表現していると評価された。」と、報道が説明しています。

つまり、ポリティカルコレクトネスより感情が重視されるということで、言い換えれば「正しい」より「楽しい」を重視するということ。

これは、世の中で「正しいけど楽しくない」ということが増えてきていることの現れで、これを「楽しくて正しい」とするにはどうしたら良いのかというのが、番組での話題でした。

この放送を聴いて私は、人々との結びつきの程度とも言える空気感を尊重するあまり、その結びつきを阻害させることもある「正しいルール」が議論されることを人々は良しとしないという社会になってきていると感じました。

「楽しくて正しい」ということを見つけることが処方箋である、と、社会学者の宮台真司先生はおっしゃっていました。

日本では、「原発から再生可能エネルギーへ」や「食品をオーガニックへ」という"正しいであろう"事柄の”POST TRUTH”がどのような形で進展するのか?

こういう活動は、「楽しくて正しい」という社会に向かわなければならないのでしょうね。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】ポリティカル コレクトネス

2016年11月18日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨日、小3の娘が、「今日、学校で英語を習ってきたよ!」というので、「何を教えてもらったの?」と聴くと、

 消防士は、fire fighter

 警察官は、police officer

などと言っていました。

そばにいた高3のお兄ちゃんが、「男性と特定されるfiremanやpolicemanは使わないんだよ」と解説。

「おっ! ポリティカル・コレクトネスを実践しているじゃん!」と思った次第。

しかし、今回の大統領選挙では、差別的な用語や暴言を選挙期間中に吐いていた候補が当選しました。ポリティカル・コレクトネスよりも、感情が勝った結果です。

さて、少しづつ読み進めている会津出身の小室直樹博士の書籍に「新戦争論」というものがあります。

絶版になったものが図書館にあり借りてきたばかりでまだ読んでいないのですが、副題に「"平和主義者"が戦争を起こす」とあり、ポリティカル・コレクトネスが大きな問題を起こすことを想起させます。

"正しいこと"を追求することにより、”正しくないこと"が起きてしまう世の中って難しいですね。

ただ、"そのからくり"を知っておきたいと思う、今日この頃です。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】人工知能と旅館業界

2016年11月17日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

毎朝、日経の記事からのことばかりですが、今日も今朝気になった記事から考えてみます。

「訪日旅行 AIが助言 ー KNT、多言語チャット提供」という記事がありました。

これは、多言語で自動的に応答するAIを開発したベンチャー企業「umami」がKNT(近畿日本ツーリスト)と提携し、多言を用いて訪日外国人向けに旅館の予約前のやりとりをAIが担い予約獲得を向上させるというものです。

簡単に言うと、旅館の営業担当者の仕事をAIに担っていただくというもの。

記事によると、AIが消費者からの質問や提案要求にヒトと同じように返答出来る能力は、約70%とのこと。残り30%のAIにできないやりとりは、umamiのヒトによるオペレータが担うサービスとなっています。

旅館にとっては、多言語対応の社員を1人雇うことと同じことで、これを月額2〜3万円くらいの利用料金でのビジネスとしています。

これは、多言語を勉強しコミュニケーションスキルを持つ社員の給与が月額3万円になってしまうことを意味し、ヒトが外国語を勉強する必要性が減少し、外国語スキルは超ディスカウントされることを予感させます。

以前、会津大学発のベンチャー企業社長が、散在している会津地方の観光情報をIT技術で集約し、情報の集積効果を出すシステムを作りたいと、目を輝かせて話されていたことを覚えています。それに近いことが、いま、デジタルDMOとして会津若松市を中心とした7市町村により事業がスタートしています。

いままで聴こえてくる情報を自分なりにまとめると、デジタルDMOは、集積させた観光情報を多言語で観光客のみなさんに適切に情報提供させることが根幹のようで、そこにAIを使ったお客さんとのチャット機能が入るかはわからないものの、umamiのような技術を取り入れ、多言語対応の会津地方観光セールスマンに育つことを願わずにはいれません。

Amazonやトヨタのように、労働者をAIよりコストのかからない機械として単時間あたりの作業効率を高める経営に辟易し、労働者が反発してトランプ大統領を誕生させたのがいまのご時世です。AIにできずヒトにしかできないものとうまく融合させながら、トータルとしてセールス効果を生み出すようなビジネス構築を、旅館業界はしてゆかねばならないのでしょうね。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】airbnbは儲かっているの?

2016年11月16日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の日経に、「エアビー300万人」という記事がありました。近頃、カタカナ表記で「エアビー」という文字をみるようになりましたが、これは民泊仲介サイトのairbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)のことです。

今日は、とらぬ狸の皮算用をしてみたいと思います。

記事では、日本での今年1月から10月までの利用が300万人とのこと。利用単価を3000円前後と考えると、日本での年商は約90億円となります。ここでは簡単にするために11月12月を入れ、年商100億円で考えてみましょう。

airbnbの売上は、お客様からいただく予約手数料と宿側から受ける手数料の約6%程度が売上となっています。なので、1年の売上は6億円。

次にコストを考えてみましょう。

採用ページによると、約150人もの募集がされています。少なく見積もっても500人程度の従業員がいる企業でしょうから、世界規模の1割を日本に割いたとしても50人の従業員を食わして行かねばなりません。実際にトラブル対応のオペレータや、事務作業、IT開発作業、訴訟対策などを考えると、これでもかなり少ない人数かもしれません。平均年収を500万円とすると、2億5千万円が人件費に消えます。

airbnbは、宿の提供者の利用者を仲介するとともに、その決済業務もあわせて行っています。お客様から受ける代金はクレジットカード会社を経由して決済するため、カード加盟店の手数料がかかります。ネット信販系のカード手数料は3%前後が主流なので、年商100億として、3億円がお客様からの決済コストに消えます。

次に、宿の提供者へ払うためのコストですが、これは銀行口座間での決済となっています。国際決済は国によってかなり手数料が異なりますが、かなりアバウトに考えても1件あたり100円程度はかかるでしょう。平均宿泊数を3泊と見積もると100万件の送金が必要となり、これだけで1億円の送金手数料がかかります。

ここまでのコストを積み上げると、すでに6億5千万円。もう売上を超えてしまいました。

この他にも、事務所を維持する固定費や、事業の根幹であるネットサーバの維持費、プロモーション活動の費用などが必要です。

決済コストを日本の基準で考えたので、グローバルの決済市場ではもっと低コストの決済機関が存在するかもしれませんが、そうだとしても、黒字が出るんだろうかと心配してしまいます。

記事の中では、民泊の合法化で旅館業界と綱引きしていることが述べられていますが、あまり強く綱を引っ張ると、綱が切れ、どちらもが倒れてしまうような気がしてきました。それは、一番の悲劇です。

宿屋にとっての販売に要するコストは、他の旅行サイトに比べ、airbnbは際立ってローコストです。これを失うことになれば、やはり悲劇です。

世の中では順風のように報じられていますが、本当にそうなのか? 今日は考えてみました。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】スタンドアロンとネットワーク

2016年11月14日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今月はじめに日本語訳が発売されたリンダ・グラットン教授の「LIFE SHIFT」が反響を呼んでいます。

 

グラットン教授の前著「WORK SHIFT」では、リストラなどで職場という共同体からはじき出される人々がこれからの時代に多く発生することを示し、孤独(スタンドアロン)となった人々がギルド(ネットワーク)を組みながら「仕事」をしていくモデルを、2025年の予想として表現していました。

「LIFE SHIFT」は、「仕事」に「ヒトの生涯」という時間軸を加え、「仕事」や「引退後の関係性」などを論じたものです。

この2冊を読むと、「仕事」も「プライベート」も、スタンドアロン型からネットワーク型へ移行することが必須のように感じられます。

1969年生まれの私は、本に出てくるモデルである1971年生まれのジミーに近い生き方となりそう。

日本の1967年生まれの50%は、92歳〜96歳まで生きるとされ、現在47歳である私はちょうど人生の折り返し点ということになります。

残り半分の人生で、新たなことを学び、新たな職に就き、新たな暮らしをするようになるのか。それとも、現在の延長線上が続くのか。

過去からの技量や思考方法は受け継ぐにしても、老朽化した社会の仕組みに依存する部分は、新たなものに転換していかないとなりません。

アメリカも社会の不満が反映されたのか、トランプ大統領誕生により、過去の利権構造にのっかっている人々が淘汰される予感が伝わってきます。

イギリスのブレクジットも、そのような感じですね。

いよいよ日本もそうなるかもしれません。

スタンドアロンでもしっかりと動作し、さらにネットワークで動作を飛躍的に拡大していく、そんな生き方が求められているのかもしれませんね。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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