おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。
いま「危機の構造」(小室直樹著)を読んでいます。
【会津野】小室直樹の世界で紹介した、会津出身の小室直樹博士の初期の著作です。
昭和51年(1976年)10月の出版なので、もう40年も前のものです。石油ショック(昭和48年)や田中角栄の起訴(昭和51年8月)が起きた社会的な背景を軸に、日本社会とはどんな構造なのかを考察しています。そして、その構造が引き起こす危機とはどんなものかを論じている、そんな書籍です。
社会学者の宮台真司さんがよくおっしゃる「共同体」という概念が、もっともポイントなのかと感じながら読んでいます。
しかし、この共同体というもの、学校や会社など自分で選んで入るものでも、入る前から「どのような共同体なのか」という本質はなかなか見えないもの。ただ、一員となると、盲目的にその共同体を守る一員となり、他の共同体の利益は考えなくなる。これが、日本の共同体たるもの。
官庁の共同体なら省益、民間会社の共同体なら利益追求と内部留保、学校なら学閥生成と他者排除、地域共同体なら地域エゴ、というようなことにつながる基本的構造が見えてきました。
著者は昭和50年台に、太平洋戦争を経ても日本人の共同体構造は変わらなかったと言っています。平成23年の3.11が起きたとき、私は日本人が変化するかと思いましたが、実際はなかなか変化しないと感じます。
しかし、どの共同体も社会変化とともに、うまくまわらないところだらけ。古き悪き共同体はさっさと見限り、新時代の共同体へ変化しなければならないとつくづく思うものの、日本をとりまく空気に抗うことは、とても苦しいし疲れます。
危機が起きるたびに、切り捨てられるどうしようもないところと、新たに発生や変化する部分をよく認識しながら、その部分へ進んでいく生き方が好ましいのかななどと思いました。
今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
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