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以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

M272エンジンのエンジンチェックランプ点灯放談。。。

2021-11-07 09:46:00 | 日記
W203。。。この世代のメルセデスになると車全体が電気のセンサーやアクチュエーターで管理され、、、ECUに設定された数値の基準許容範囲を超えると不具合の判断をして何らかの警告を出す。。。

エンジンチェック警告灯も車の状態をドライバーに知らせる一つの手段である。
エンジンチェック警告灯点灯はECUにメモリーされたエンジンコントロールにおいて何か問題が発生した事を示しているので当然に無視する事は出来ない。
何故ならばエンジンチェック警告灯を点灯する様な問題の中にはそのまま走行を継続して修理工場迄行っても何ら問題の無いモノからエンジンシリンダーでのミスファイアで不正着火が継続的に発生していて生ガスを大量に発生して悪くすると触媒を燃やす可能性、、、最悪は車両火災に至る可能性も十分に考えられるモノまでエンジンチェック警告灯の原因は多岐に渡る。。。


未だ2000年初頭の頃のメルセデスのエンジンには複雑な機構は用いられていなかった故にエンジンチェック警告灯が点灯する原因何てのはシリンダーでの不正着火を招くO2センサーの不良、エアマスセンサーの不良に因る混合比不良と言ったモノが主流だった。。。😳

ところが、2000年代も2005年以降になるとインテークマニホールドの吸入量をエンジン回転に合わせて可変させる様なタンブルフラップと呼ばれるシステムやそう言ったシステムにメルセデスのお家芸とも言えるバキュームを用いたコントロール方式を用いる様になり、更にそのバキュームコントロール方式が排気ガス浄化システムと絡んで更に故障のシューティングを難しくしている。。。

例えば↑この故障の場合。。。
普通に考えるとP2005はM272エンジンの場合はインテークマニホールドのタンブルフラップの故障である。。。
ところが次の項目、、、P0410が実に曲者な故障コードと言う事を覚えておきたい。。。

この場合、試しに一旦フォルトコードをリセットしてエンジンチェック警告灯を一旦消して再び乗ってみると、、、回転数を上げてもなかなか再びエンジンチェック警告灯が点灯しないケースがある。。。😱
更に再びエンジンチェック警告灯が点灯した状態で再び診断機をかけてフォルトコードをチェックすると今度はP2004やP2006と、確かにタンブルフラップ系の故障ではあるが最初の検出コードP2005と違うコードが検出される事も多い。
更に、相変わらずP0410が検出されて『なんじゃこりゃあ〜⁉️』ってお話になる。。。😱

勿論、M272やM273エンジンではタンブルフラップの故障が定番ではあるがその多くはインテークマニホールド前面に装着されているバキュームアクチュエーターのリンケージの樹脂部分の破損が一般的なので此方は社外品で強化金属部品が手に入る。未だ破損していなくとも未然に交換しておく事も意味のある予防修理ではある。どうせ将来的には破損の可能性が高い部分である。

但し、この部分は普通にインテークマニホールドAssyを下ろす作業が伴う。。。
エンジン上のハーネス類を全て退けて、インジェクターをガイドレールごと抜いて退けて。。。
エアマスを外して、エンジン前面のエアポンプを外して、その右側のインジェクションバルブを外して。。。


インテークマニホールド左右のロックボルト(トルクスネジ)を計8本外して『よっこらしょ‼️』とインマニを前側から持ち上げてインマニ後部のスロアク部分に挿さるハーネスとバキュームホースを抜くと見事に。。。




どうせインマニを下ろすならばインマニ全面に装備されているソレノイド×2ケやホース類も新調、インテークマニホールド後部に左右装着されているタンブルフラップセンサーも交換しておくのも予防整備である。。。結構逝きますのでね。。。😓

さて、この時点で定番のタンブルフラップの樹脂製リンケージの破損が見当たらない事がある。
思い返してみて欲しい。タンブルフラップの樹脂製リンケージ破損であればタンブルフラップは永遠に動作しないので幾らフォルトコードをリセットしてもエンジンを掛けて回転を上げれば即刻エンジンチェック警告灯の再点灯となる筈だがそうはならず、暫く走った後に何かの拍子で『キラッ』と再点灯する様な嫌らしい故障のケース。。。
つまり、其れはP2004,P2005,P2006などの気分で違うフォルトコードが検出されている時点でタンブルフラップを動作させている動力伝達部分の定番故障では無いと言う事になる。。。




しかしですね。。。
インマニ脱着は無駄じゃ無いです。
タンブルフラップの樹脂製リンケージを金属製部品に交換したりソレノイドも結構イカレるのでホースごとキチンとしとく事でインマニ自体に絡む不具合の可能性と将来的な不具合は解消出来るのですからね。。。
システムを構成する上で鬼門となり得る部分は先手を打っておけば後々に嵌らずに済みますからね。。。🤗

新品のインマニガスケット左右分を張り替えて再びインマニAssyを載せてスロアク側のバキュームホースとスロアクのハーネスカプラーを挿してインマニAssyを固定。。。
分解と逆手順でインジェクターを挿して固定して、ハーネスを載せてインジェクターと接続する訳ですが、この時カプラーの接続不良に注意。。。中途半端な接続でもロックは入っちゃいます。ミスファイヤで後々ハマる事にならない様に接続は確実に❗️😝

さて、インマニAssyを載せたらインマニ前側に居るインジェクションバルブとセカンダリーエアポンプの装着ですが、インジェクションバルブもキャブクリーナー等で洗ってあげましょう。

セカンダリーエアポンプも診断機の動作試験で異音が出ていたら即刻交換。同時にセカンダリーエアポンプリレーも交換。。。


















コレにて一旦組立復帰したM272エンジンを再び始動。。。




フォルトコードチェック&リセットを経て再び試走。。。

アイドリングも安定して気持ちの良い加速。。。コリャいい感じ。。。

小平村から目黒区のお客様の駐車場を往復してもエンジンチェック警告灯は点灯せず。。。🤗

コレで完治したと喜んでいたら。。。

後日、、、近所に買い物に出たら信号停止で再び点灯。。。😱

今回は回転が下がった時にキタ感じ。。。😱😱😱

早速フォルトコードを検出。。。P0410にP2006のコンビ。。。ゴールデンコンビ❓❓

タンブルフラップが折れているって、、、金属製のリンケージがそう易々と折れてたまるかってんだい‼️🤣🤣🤣

インマニ前方を覗き込むもリンケージの破損は見当たらない。。。

『じゃあ、何やねん❓』ってお話になります。。。

P0410とはM272エンジンじゃあ定番のセカンダリーエアポンプの動作不良を謳っている事が多いですが、、、念の為セカンダリーエアポンプの動作シュミレーションを診断機で。。。

水温70℃以上で普通にセカンダリーエアポンプは回転したし。。。

つまりセカンダリーエアポンプでは無くフォルトコードの『左バンク』のバキューム不良から追い掛けると。。。





↑この子に行き着きました〜。。。😁

お名前はスイッチオーバーバルブ君。。。

しかもタンブルフラップのバキュームアクチュエーターにエアーを供給している源の部分であって、エンジン左バンクのブローバイルートにも直接繋がっていますね。。。

外すにはラジオペンチとマイナスドライバーが有ればスムーズですね。。。

直接DC12Vを印加しても普通に開閉していたので直接の原因はこの電磁バルブではなくって。。。

↑画像の赤丸で囲んだエアー吸入口のエアーストレーナー。。。
此奴が埃で詰まりかけていたのでタケノコニップルから抜いて口でフーッとしたら埃がピューっと。。。🤣🤣🤣


でも、電磁バルブも消耗品なので素直に交換。清掃済のエアーストレーナーを挿入して。。。

再び装着して完成〜。。。

この電磁バルブ本体がダメな時はオーバーバルブの不良を検出したフォルトコードが出ますが、エアーの吸入不良ではオーバーバルブの不良を検出せずにP0410。。。セカンダリーエアポンプ系統の『空気が入ってね〜よ〜❗️』のフォルトコードになる様であります。。。
更にタンブルフラップのバキュームアクチュエーターにもエアーが行かないので動作不良を検出してその時の動作状態でP2004,P2005,P2006の内何か一番早く検出したフォルトコードを拾ってフェイルセーフ状態に固定するので三つのフォルトコードの同時検出は有り得ないと言うのがオイラが立てた仮説である。。。
三つのフォルトコードが『よ〜い❗️ドン‼️』で徒競走で一番速かったフォルトコードを表示して、その時点で瞬足でフェイルセーフに入るのでタンブルフラップはエアーソレノイドがキャンセルされて完全停止して新たな自己診断は行われないが故に2番、3番の同じ系統のフォルトコードは表示されないと言う原理ですな。。。😳

で、、、空気の源流を治癒させた結果、、、アイドリング中に時折起きていた不穏な振動も消えてくれたので恐らく統一性の無い条件でのエンジンチェック警告灯の点灯条件はこのエアーストレーナーにあったのかと。。。😱

故障は♪大きなモノから小さなモノまで〜
小さな原因でもエンジンチェック❗️😝

まあ、お陰様でこのM272エンジンでは結構色々な事を学ばせて戴きました〜。。。🤣🤣🤣

実際、モノの開発と故障のプロセスを研究している時が寅🐯の至福の時間なのです。。。
変な故障の時こそ面白い。。。正に変態猫の寅🐯。。。
失敗は失敗するやり方を学んだのだから次に成功するやり方を学べばヨイって考えは寅🐯の大好きなお酒の次に大切な栄養剤なのですたい。。。🤣🤣🤣

さて、今日も次のお題のお仕事です。。。

〜お知らせ〜
当方の稚拙なブログに御訪問戴き誠に有難う御座居ます。
お陰様をもちまして2013年のブログ開設以来、本日2924日目の8年目の本記事をもちまして記事数1000件に到達する事が出来ました。
今後も閲覧者の皆様の御参考となります様な記事の更新に努めて参りますので何卒宜しくお願い申し上げます。🙇‍♂️


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (eisan)
2021-11-08 10:45:28
こんにちは。お疲れ様です。
記事1000件おめでとうございます。師匠の努力の賜物でしょう。

トラブルシューティングは手間かかりますが、それを嬉々として取り組むのはまさに変態ですね(褒め言葉w

C36は結局タンク内のホースが損傷していて、左側のリターン室に燃料が溜まって右側に供給されずガス欠になってましたorz
リターンホースも欠品で、カシメを切って新しいホースをつけようかと思案中で御座います・・・。
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Unknown (agpromotion)
2021-11-08 10:51:16
@eisan こんにちは。
有難う御座居ます。m(_ _)m
今後も変態道を邁進致します。。。🤣

ありゃりゃりゃ。。。
燃料リターン側のトラブルですか〜❓
厄介ですねぇ。W124 500Eも最早部品供給が打ち切られている部分ですからね〜。
最終手段は加工対応しか無いですな。。。
頑張れー‼️📣
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