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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

一人豊か

2015-02-21 13:32:57 | 間奏曲

 

 夜明けの悦びを知って生きたいものですね。

 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p85の4行目途中から。

 

 

 

 

 

 最初のさえずりが聞こえてくるのは、夜明け前。この最初の、一人豊かな歌い手の声を拾うのは難しい話じゃぁない。透明な目覚めの声を、2~3羽の猩々紅冠鳥が発します。それはまるで犬でしょ。

 

 

 

 

 

 夜明けを前にして、私は闇の中一人たたずみます。それは一見一人ぼっちに見えますが、決して寂しい時ではありません。むしろ、一人静か、一人豊かな時間です。この時、人は初めて自分自身に出会えるのですね。

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自分自身と向き合う恵み

2015-02-21 12:08:26 | アイデンティティの根源

 

 過去と現在を結びつけて未来を見通すときには、東向き、光を仰ぐのです。

 Young Man Luther 『青年ルター』のp184最初から。

 

 

 

 

 聖アウグスティヌスが、人間のトータルな破滅に対する、悲しげな言葉にもかかわらず、アウグスティヌスは、自分の記憶の中で、自分自身と正面から向かい合うことを、むしろ、悦んでいる感じです。それにもかかわらず、アウグスティヌスが自分自身と向かい合うことができたのは、神の恵みの賜物なんですね。

 

 

 

 

 自分自身と向かい合うことが日常化している人にとっては、自分の向かい合うことは日常的です。しかし、それはここに記されているように、神様の恵みです。しかし、自分と向き合う習慣がない人には、「そんな難しいことは…」となるでしょうね。

 そう、自己内対話、内省は、自分一人でやることなのに、自分一人ではできない。二律背反ですね。それは、子どもが、一人遊びを一人でできないのと同じです。子どもは母親に見守られているからこそ、一人遊びを遊べるのです。

 同様に、私どもは、神の恵みのおかげで、自己内対話を、1人ででするのですね。

 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

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神様のユーモア 自由な息吹としての笑い 改訂版

2015-02-21 06:36:00 | エリクソンの発達臨床心理

 

 神様のユーモア。この視点をくださったのは、東北大学で長く政治学を講じておられた宮田光雄先生です。中でも『キリスト教と笑い』です。また、先生の信仰著作集『宮田光雄集〈聖書の信仰〉』Ⅰ~Ⅶもさらに、その視点を養ってくださいました。先生自身、西ドイツに留学した際に、カール・バルトの講義を聴いて、予想外にクラスが爆笑の連続だったこと、それが、同時期に聴いたカール・ヤスパースの講義の重苦しい感じの授業とコントラストをなして、印象に残った、と述べておられます。バルトの講義は、それだけ面白かったんですね。ウキウキとドキドキとジィーンとがいっぱい。

 その先生の著作を読み漁っていて、ユーモアに関する参考文献も、ついでに読み漁っていて、大物、すなわち、Richard G. Cote, 1986, Holy Mirth, A Theology of Laughter に出合いました。邦訳も、木鎌安雄神父の訳で『笑いの神学』聖母文庫 で出ています。誠実な訳出です。

 どの章もいいんですが、なかんずく その6章。この章のタイトルも「笑いの神学」です。そのエピグラフもまた良い。

 「笑いには何か共通するものがありますね。信仰やインスピレーションという古い息吹と共通する何か…。笑いのおかげで、人々は自分を超えた存在の前で、自分に対する囚われから解放してもらえます。それは(冗談についても言えることですが)、抗しがたい存在でもありますもんね。」

 信仰やインスピレーションの息吹と共通する笑い。

 今の日本の学校で一番足りないもの。

 そして、今の日本の学校の子どもたちが最も必要としているもの。

 それこそ、信仰とインスピレーションの息吹と共通する、大らかで、謙遜で、それでいて自由と相亘る笑いです。

 

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