エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

マザー・テレサのアイデンティティの根源

2015-02-03 14:28:48 | エリクソンの発達臨床心理

 

 今日のエリクソンは、初期キリスト教徒たちがいかに自分を確かにする道を得たのかについて、記していましたね。それは、自分以上、組織以上の存在を知っているということ。

 マザーテレサはどうして自分を確かにしていたのでしょうか?

 

 マザーテレサは来日したときに、インタヴューに応えて、「豊かな国ほど心の貧しい人がたくさんいます。そして、モノの貧しさよりも、心の貧しさの方が癒しがたい」と述べました。またその時、「貧しい人は神の子です」とも。

 今の日本、まさにマザーテレサが言っていた通りになりました。愛着障害だらけの子どもの群れ。学校教育は事実上、崩壊しています。なんて言っても、「勉強以前の問題がある子どもが、とっても多い」からですね。

 マザーテレサは、修道院を出て、スラム街に暮らすようになります。本田哲郎神父みたいに。何千人分もの食糧を分かち合い、死にゆく人々を引き取って、安らかに死んでいけるように大事にしたんですね。それは日々の、刻々の祈りに支えられていたことは間違いありません。

 マザーテレサが知っていたその神とは何なのか?その神のおかげで、マザーテレサは自分をいつも(永遠に)確かにする(生きている)ことができた。

 それはね、こういう神です。

「たとえ母親があなたを見捨てようとも、決して私はあなたを見捨てない」神です。

 

 

 

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野に咲く百合のごとく 光の道 改訂版

2015-02-03 12:53:03 | アイデンティティの根源

 

 縦の関係に生きる人は、思いやりと信頼に生きることができます。

 Young Man Luther 『青年ルター』のp179の下から13行目途中から。

 

 

 

 

 

初期キリスト教徒たちのような集団が、世界史の中に現れるのは、稀です。それはまるで一本の野に咲く百合のように存在するものです。たとえ、1人のキリスト教徒を誰も一本のゆりに見まがうことなどなくてもね。ただし、パウロはそうですね。キリスト者たちが、集団として、個々人を足し算した以上の存在になったのはなぜでしょうか? それはね、自分以上、集団以上の存在を知っている、という自分を確かにする道です。「コギト エルゴ スム 知るが故に存在する。永遠に」(とデカルトは申しました)。聖パウロはキリスト教徒たちに、まるで眼の前にいる子どもたちに語りかけるように語りました。「あなた方は皆ひとりびとり、お互いに預言者になれます。そうすれば、すべての人は学び、すべての人は慰めを得ることが出来ますから」(コリント信徒への第1の手紙 第14章31節)。このような自分を確かにする道は、脆いものだと思われがちですが、直接いただく確信においてゆるぎなきものです。そしてこのゆるぎない確信のおかげで、良き伝道者、良き殉教者に共通する、イキイキした感じを、その自らを確かにする道にもたらしてくれます。

 

 

 

 

 自分を確かにする道である「アイデンティティ」と通常呼ばれるものを、これ以上ハッキリと、これ以上クッキリと、エリクソンが語っているところは、多分ないしょう。

 

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どこにでも不思議に気付く眼がありますようにね。

2015-02-03 06:54:56 | 間奏曲

 

 私どもは、風の中にも永遠を感じることができます。ギリシャ語で風と魂とは同じ言葉、プネウマであるくらいです。

 『The Sense of Wonder 不思議を感じる心』から p66の8行目途中から。

 

 

 

 

 

あなたは顔に降りかかる雨に感じて、その雨の来し方、行く末を思い、海から空へ、海から大地へとさまざまに姿を変えることに、想いを馳せることさえできますものね。たとえあなたが都市に住んでる人でさえ、何処かへ、たとえば、公園やら、ゴルフコースやらへ赴けば、鳥の不思議な渡り、季節の不思議な移ろいを見つけることができますよ。そうすれば、あなたのお子さんと共に、伸び行く種の不思議をジックリと考えることもできます。たとえその種が、台所の小窓に置かれた植木鉢に植えられた種であってもね。

 

 

 

 

 

 不思議は至る所にある。それに気付く眼さえあれば。

 

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