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時が新しかったころ

2014年04月14日 | SF
原書は1983年発行なんだそうですけど、それにしては古臭い。
ギブスンの「ニューロマンサー」の初版が1984年刊行ですからね。
まるでバローズの火星シリーズの本歌取りみたいな話を80年代に書いていたのかと思っていたら、
1964年に書いた短編を長編に引き伸ばしたものだそうです(解説より)。
SFというには設定や描写がズサンで心配になってしまいますが、
著者が書きたいのはそこじゃないから、まあいいのか。
女は料理と裁縫ができて、男を癒すための生物であると言っているようなもので、
ノーマン・ロックウェルが描くような古きよきアメリカ的な家族感も、ハッピーエンドだからまあいいのか。
編者の中村融がハミルトンの短編集「反対進化」の解説中でいいことを言っていて、
「『審判の日』を読んでいると、編者の頭のなかには手塚治虫や石森章太郎の絵で場面が浮かんでくる」
ヤングの作品もこのとおりで、昔の手塚治虫の絵が見えてくるような気がします。

■時が新しかったころ ロバート・F・ヤング 創元SF文庫
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