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チラシの裏

スミスとティプトリー

2016年04月13日 | SF
今年の3月はコードウェイナー・スミスとティプトリーの2冊が出て歓喜雀躍です。
ティプトリー「あまたの星、宝冠のごとく」は、前半を読んでいる最中、
「騏も老いては駑馬に劣る」ということわざが頭をよぎりましたが、
後半はティプトリー健在なり、と思い直しました。
「もどれ、過去へもどれ」「地球は蛇のごとくあらたに」あたりの救いようの無さは
初期作品を彷彿とさせます。
初期作品と違うところは、ティプトリー自身の最後が織り込まれているところ。
自伝的な、というより、自分自身の越し方さえ皮肉な視点で冷徹に描いているところが精神的マッチョですね。
ところが「いっしょに生きよう」だけが異質な大甘SF。
じつは「グッドナイト、スイートハーツ」(『たったひとつに冴えたやりかた』所収)のようなアナクロSF風の作品もあり、
マッチョの裏にはSFファンの少女が見え隠れするような。
コードウェイナー・スミス「スキャナーに生きがいはない 人類補完機構全短編1」は
なにも付け加えるところはありません。必読。
誰か「まんしょにゃっがーとかーろった・ふぉむあはと」のフィギュアを造ってくれませんかね。
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