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アイルランドのマクドナルド

2006年09月08日 | SF
イアン・マクドナルドは作品は2冊出ています。『火星夜想曲』『黎明の王 白昼の女王』です。
『火星夜想曲』はブラッドベリの「火星年代記」、マルケス「百年の孤独」を中心ネタに、SF作品のオマージュをちりばめた傑作です。著者本人に言わせると「リミックス」だそうです。音楽ネタでポール・マッカートニーも出てますけどね。手法的にはベスターの「虎よ!虎よ!」を思えば近いかもしれません。
『黎明の王 白昼の女王』は19世紀末、20世紀初頭、現代、と3つの時代で、異世界を創造できる能力をもった女性たちが、おのれの力と対決する話。ストーリーテリングのうまさ、キャラクターの立ち方、ディテールの通し方、どれも素晴らしいです。永井豪の「手天童子」ですね。


火星夜想曲
黎明の王 白昼の女王
(イアン・マクドナルド著 ハヤカワ文庫)
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