加藤ちゃんの日々是好日

安達太良山行&芸能ボランティア

神秘の吾妻山神社詣道中記

2013年10月26日 | 吾妻山

10月22、吾妻山を知り尽くした猛者の先達により念願の秘境中の秘境、中吾妻山にある吾妻山神社(吾妻大権現)の参拝を実現した。

 

秋元湖畔の金堀集落から良く整備された秋元湖岸林道(延長4.7km)にはゲートがあり一般の車は入れない。

 

吾妻山神社登山口(標高930m)には、奥姥神を経て吾妻神社奥の院に至る、片道7km、3~4時間、累積標高差700m、1,360m(2.5km)に水場あり。ヤケノママ→藤十郎及び中吾妻山→谷地平は登山道なし。毎年9月頭の「吾妻山神社参拝清掃登山」にて有志による登山道刈り払いを行っております。刈払い前はルート不明瞭となります』 との磐梯吾妻ホットラインクラブの親切なメッセージが。 (9:00)

 

登山口の近くには昭和39年建立の姥神石像が見守る。 (別名 橘姫神社)

 

中吾妻山を源流とする唐松沢を渡渉すると、対岸にはミズナラの巨木にしめ縄が張られた御神木が待ち受ける。  右手に林道跡 (約1時間で行き止り) があり参拝路と誤って迷い込む人も多いと聞く。

 

吾妻山神社歩道、の新しい道標からいきなりダケカンバ林の急直登が始まり先が思いやられる。

 

傾斜が緩くなると植林の手入れがされたカラマツ林の道が真っ直ぐに続く。

 

カラマツ林の道端にはハナイグチが、裏のスポンジを除いて味噌汁にすると美味しい。

 

伐採の後、見事に自然再生した二次林のブナ林の道は、道幅も広く明るく気持ちが良い。

 

ブナの木に、水の文字がある水場はここから右手の沢水を利用する。 奥の院まで4.5kmの標識も。 (10:05)

 

ブナの幹には、真新しいクマの爪痕と、古い爪痕が混在して残る。

 

見上げると、枝がへし折られ枯れたクマ棚があちこちに、ここはクマの住居なのだ。「お邪魔しま~す、クマさん」とあいさつを。

 

足元には真新しいホヤホヤのクマの落し物が、良く観察するとガマズミやナナカマドの赤い実が混じる。 登山道はしばらくクマの置き土産の地雷原となり踏まないようにお互いに声を掛け合い歩くのにも一苦労だ。(苦笑)

 

ブナ林からオオシラビソ(別名、アオモリトドマツ)の林に変わると、吾妻神社を示す古い標識も。

 

ダケカンバと真っ盛りのモミジの紅葉の対比が見事。撮影に追われペースの速い先行者に付いて行くのが大変だ。(汗)

 

シラビソが濃くなると両側のチシマザサの背丈も2m程になり、刈払いが途絶えたら道もたちまち消えるだろう。

 

一旦、中津川側に標高差100mほど下る道は、滑る石と倒木で悪路となり困難を極める。 地図上の点線と実際の道は食い違い、ここで登山路を外したら、GPSを持たない限り、99%は永久に戻れないだろう。 現に行方不明者の手掛かりを求める家族の切実な、お願い文のボロボロのビニール袋も存在する。

 

オオシラビソの原生林の岩場の洞窟に貴重な植物を発見! (10:55)

 

洞窟の奥で黄緑色に光っているヒカリゴケを見ると、中吾妻山のど真ん中だけに神秘的である。 和名は「光蘚」

 

薄暗い原生林のあちこちにゴゼンタチバナの実が。 「葉が6枚にならないと実を付けないんだ」と仲間が教えてくれた。(ナルホド)

 

苔むした倒木に生えたスギヒラタケ、純白の姿は遠くから見つけれる。優秀なキノコで豆腐と味噌汁にするとグー!

 

一旦上り返し、大岩を曲がるとシラビソ林の広場の一角の岩の上に真っ赤な衣装をまとった奥姥神が現世と来世の境を見守る。(11:20)

 

標高1,600mから一気に権現沢に向け100mの高さを転がるように降る。足元は苔むした滑る岩と木の根に集中しないと大怪我の危険が。

 

エ~!!ここを降るの?思わず立ち止まり、意を決して権現沢の谷底を目指す。

 

やったア~~、2時間50分のハイペスで吾妻神社に到達。ヤレヤレ一安心 (11:50)

 

ご神体の岩には、しめ縄が掛けられ、奉納 吾妻山 信夫郡平野村と中野村11名の名前と大正15年3月10日 と記した石碑も。 ご神体の岩の下からは、乳白色の霊泉が神秘的に湧き出ている。

 

昼食休憩の後、全員で吾妻神社参拝の記念写真(証拠写真)を撮影して帰路に。 (12:30)

 

再び奥姥神さまに帰路の安全をお願いして。

 

ブナの「あがりこ」 かって薪や炭の材料に雪の上に出た幹を伐採し、やがて残った幹から萌芽した奇形木。

 

やっぱり紅葉の主役はモミジだ。 見事に真っ赤に色づいたモミジは下山を急ぐ足をも引き止める。

 

人工林の薄暗い杉林を下りるとゴールは近い。

 

再び唐松沢に降りる道は朽ちた木とぬかるみに要注意、此処で転べば水浸し。

 

しめ縄の張られた御神木を回り込んで唐松沢を渡渉すれば、もうゴールは近い安全地帯。

 

無事登山口に下りて、清冽な沢水を蕗の葉で汲み緊張で渇いた喉を潤おせば安心と充実感が。(15:05)

 

今晩の晩酌の一品に、下山路で採ったキノコを土産に。

 

ゲートを閉じ、吾妻山神社に無事参拝を終えた感謝を捧げる。

 

 吾妻山信仰登山のなごり (浄土平ビジターセンター掲示物を引用)

吾妻山は、古くより福島や会津の人々から、神のやどる山としてあがめられていた。

島地方では、平安時代の延喜式名帳に、東屋国・吾屋沼の2神社の名が出ており、

と天候の安定を中心とする農作物の豊作を願う神の山として信仰された。

会津地方では、仏の山として尊ばれ、集落や家族の安全を見守る仏の座と考えられ、

神仏につかえる修験者(山伏)が神仏の加護と霊験を得るにふさわしい、きびしい修業

の場となっていた。

平安末期の戦乱で焼打ちや封鎖にあったが、江戸時代に入って再興された。

江戸時代の中ごろからは、一般の人も山伏の先達のもとに山開きから一か月の間、

信仰登山できるようになり麓には宿坊もできた。

しかし、明治の神仏分離令と修験道の廃止で信仰登山はすっかりおとろえてしまった。

信仰登山のなごりは、今、地名や石塔・石碑などにわずかに残るのみである。

 

 


東吾妻の隠れた秘境麦平

2013年10月20日 | 吾妻山

10月18日、吾妻山の初冠雪に刺激され幕温泉からマイナーコース秘境の麦平と高山を訪れた。

 

吾妻山の初冠雪は平年より6日、昨年より16日早いとか、初雪の一切経山を望み新幹線E5系が快走。

 

野地温泉付近から見た高山1,804m、今日は左の尾根から、あの山頂を目指す。

 

幕川温泉の燃えるような、もみじとブナのコントラス、地面にはブナの実がいっぱい落ちていた。

 

標高1,240mの樹海に包まれた幕川温泉、2件の宿が仲良く軒を連ねている。ここに車を捨て高山を目指す。

 

荒川源流の幕滝、滝の高さは30m、初めて出会った中学二年の夏山登山の時と変わらない感動を覚える。

 

幕滝の手前つばくろ橋から右手、朽ちた丸太の階段が麦平への登山口だ。

 

樹林帯に入ると、巨大なクロベ(黒檜)が歓迎してくれる。

 

豪雪か森の住人の仕業か、案内板が倒されていた。標柱は防腐剤に反応したクマさんにボロボロに

 

秋の味覚クリタケ、地元ではその色からヤマドリとも呼んでいる。優秀なキノコで食感、味とも第一級品。

 

見上げれば青空にモミジの紅葉が疲れを忘れさしてくれるが、近くでガサゴソと大きな獣の気配も!

 

足元を見ると、森の住人の落し物、ブナなどの実が消化されずそっくり原型をとどめている物も。

 

シラビソやコメツガの針葉樹から発するフィトンチッドの芳香は、空気を浄化し清々しい爽快感で森林浴を楽しめる。

 

薄暗い不気味な樹林帯からいきなり、チシマザサの明るい平坦地に出ると麦平は近い。

 

麦平の湿原に飛び出るとそこはまるで別天地、地塘に映るダケカンバの白い幹と高山が見事に調和。

 

 

高山南斜面のシラビソは強風をまともに受け根こそぎ倒れ、下には大きな石がゴロゴロと表れている。

 

何とか根が持ち堪えても大きな幹が折られているものも、葉の色と幹の香りからごく最近の強風か。

 

ダケカンバの虫瘤、こんなに巨大な瘤を見たのは初めて。

 

地面にはシラビソの実が。

 

バンザイをした可愛いオオカメの冬芽。この姿で厳しい冬を迎えるのだ。

 

チシマササの群生を越え、振り返ると安達太良の連山が展望できる。

 

風雪に耐え枝が地面を這うように奇形したコメツガの古木。

 

明るい山頂に飛び出ると、そこには自然に似合わない巨大な人工物がデンと山頂を占めている。

 

巨大な人工物の正体を示す銘板。何と一辺が10mもあるのだ。

 

眼下には先はどの麦平、奥には新野地温泉の湯煙がたなびく。

 

西には猪苗代湖と磐梯山の雄姿が望める。

 

北には噴煙を上げる一切経山、頂には初冠雪が見える。左の白い点は酸ケ平の避難小屋。

 

鳥子平への下山路にはゴゼンタチバナの赤い実が輝く。

 

登山路は雨が降ると格好の水路となり山肌は破壊されてゆく。

 

鳥子平、道路が開通する前は静かな仙境の地であったが今は車の騒音でその風情はない。

 

鳥子平の湿原に高山の姿も映る。この湿原が幕滝となる荒川の源流なのだ。

 

愛らしいコメツガの実。

 

スカイラインの道路に飛び出るとそこは、東吾妻山の登山口でもある。

 

道路を南に下るとダケカンバの踊るような白い幹と高山の女性的な姿が似合う。

 

スカイラインから幕川温泉への下山路には、コメツガの洞が、今宵の泊りにはちょっと狭いか?

 

幕川温泉付近まで下りると紅葉前線に追いつく。

 

ブナの黄葉も残り今日のフィナレーに相応しい。

 

水戸屋旅館の自慢の露天風呂をちょっと覗いてみた。

 

夕日に金色に輝くブナの黄葉が見事な水戸や旅館の駐車場に無事到着。

 

 


安達太良山秘境コース

2013年10月16日 | 安達太良山便り

塩沢口、湯川渓谷の八幡滝から廃道の霧降り滝の渓谷を笹平に至る難路コースに挑んだ

 

体育の日、福島郊外から望む快晴の安達太良連峰に心が躍る。

 

塩沢登山口にはすでに20数台の車が駐車していた。 (7:45)

 

綺麗な瑠璃色の実をつけた・・・♪この木何の木♪気になる木。誰か名前を教えて下さい!

 

金剛清水にはブナの実がたくさん落ちていた。ソバグリとも呼ばれ、殻を割って口にするとなかなか美味しい。

 

屏風岩から眼下に女性的な姿に心をうばう、想恋(おもい)の滝。八幡太郎義家が滝の姿に妻を想ったという。

 

湯川渓谷の合流点には八幡滝が岩壁をサラサラと落ち込む。右手の岩をよじ登り滝の上部から難路の沢コースに挑む。

 

滝の上部は一枚岩の滑がつづくが苔で滑るので細心の注意とルート判断を要する。

 

水の流れが固い川床をえぐり、なめるように流れる急流は天に昇る龍のごとし。

 

登りつめた沢の奥に霧降り滝の高さ20mが行く手を阻む。登山路は右手の斜面を捲いて登る。

 

滝の飛沫を浴びて倒木には、おいしそうなムキタケが。

 

滝の上部からジグザグに僧悟台に登りつめると、安達太良山が遠望できる。

 

僧悟台の分岐点に到達、廃道のお知らせとトラロープが張られ進入を阻む。(10:25)

 

僧悟台の紅葉は、3:1で緑の勝ち?

 

葉をすっかり落とし赤い実が際立つナナカマドと箕輪山。

 

紅葉に彩られた東鴉川の谷間から、福島盆地を見下ろす。

 

安達太良連峰で知る人ぞ知る紅葉のスポット、台風で葉が落葉しその面影もない。

 

虫に喰われたようなムシカリの葉、亀の甲を思わせオオカメノキとも呼ばれている。

 

ツルリンドウは花より赤紫の実が宝石のルビーのような輝きを放つ。

 

東鴉川の源流を越えれば笹平分岐の縦走路は近い。6月末まで大雪渓が残りアイゼン無くしては登れない。

 

ミネカエデの紅葉が映え、遠く阿武隈山系の雲海が見事だ。

 

咲き残りのリンドウも霜が降りると一気にサビ色に変色するのだが。

 

笹平の分岐点には、『塩沢登山口、または笹平よりの僧悟台コースの登山道は今後(12年より)高山植物保護のため山道の下草刈り等の整備はいたしません。コースは笹薮、沢崩れ、窪地の水たまりなど自然状態にもどっております。特に、霧の時など今までも雨水の流れによって迷路の地域があります。地理的判断が出来ない場合は、危険をともないますので入らないで下さい。コースを熟知した先達で入山を要望します』とのハイカーにたいする二本松市の警告板が立つが?

 

笹平から鉄山に向かう途中振り返ると、雄大な箕輪山がその大きな存在感を示す。

 

左奥には西吾妻の峰々、中央には中吾妻、手前のスカイラインには行楽の渋滞で動かない車の行列が望める。

 

鉄山避難小屋は、寒い風を避けて休めるオアシスだ。(12:10)

 

温かいカップメンは手軽に美味しく食べれ、最近の定番になりつつある。

 

雲ひとつ無い青空の奥には、残雪の残る飯豊山も望める。

 

不気味な火口を見せる沼ノ平。1900年7月17日水蒸気爆発し、火砕サージが沼尻鉱山を襲い72名が死亡した。

 

矢筈森の馬の背のザラザラした急斜面はこの縦走路最大の難所。

 

馬の背から見た矢筈森。左のピークは一畳ほどの台形を成し、その上に立つのは至難の業。良い子の皆さんは登らないでくださいネ。

 

緩やかな牛の背を行くハイカーと、黒山の人出の安達太良山頂。

 

山頂直下では、NHKの「小さな旅」の収録が行われていた。11月17日 AM8:00~放送予定。

 

乳首山頂から見下ろす広場には、穏やかな秋を楽しむ大勢のハイカーが憩う。(13:20)

 

紅葉前線が降りた、勢至平コース中腹はは山肌が燃えるように。

 

崩落した鉄山を見上げる台地で、尺八の音色が渓谷に響き渡る。左端に奏者の姿が見える。

 

本日満室のくろがね小屋は、5名のスタッフがテキパキとその準備に追われていた。(14:30)

 

小屋からの下山路は、紅葉がトンネルとなり登山客を送迎する。

 

銀明水の湯川コースの分岐点、29/30 の番号札がカウントダウンしてゴール地点を案内する。

 

湯川渓谷の下山路には、紅葉の妖精が幻想的な踊り姿を見せる。

 

渓谷に架かる6ヶ所の丸太橋の真ん中、三の橋を渡るとこのコース最大の岩場下りの難所が待ち受ける。

 

岩場にはロープが張ってあるが、頼りすぎて体重をあずけると横に振られてバランスを崩す。

 

新しい大きな岩がゴロゴロする落石注意!の危険箇所は足早に通過する方策しかない。

 

数々の危険箇所を過ぎれば雑木林の静かな真っ直ぐな路がゴールを約束する。

 

塩沢登山口に明るいうちに無事下山。広場には下山を待つ車がポツリポツリと。(16:20)

 

(参考) 昭和36年発行のブルーガイドブックスによると今回歩いたコースについて次のようにガイドしている。

・・・たくさんの糸玉が、あやになってころげてゆくかのように見える流れの上部は、二つの沢の合流点、左手の支流には

八幡滝がかかり、そのまた奥には、中滝、霧降りの滝などがつづいている。八幡滝はサラサラと岩壁をはい飛びかいなが

らかろやかに落ちこむ滝だ。階段状の岩をのぼって滝上に立ち、一枚岩を滑るように流れてくる沢のふちをのぼる。

なめるように落ちる中滝をまいて、コースは再び沢の中をたどり、川床をえぐりとるような急流の奥に、霧降り滝が見える。

沢じゅうで一番美しい滝である。幽玄なふんいきのなかに、どうどうと落下する滝しぶきを心ゆくまで浴びることができる。

この滝を最後に沢とも別れ、電光型の道をのぼれば僧悟台である。

そこには、今までの世界とは全く違った高原がひらけ背よりも高いシャクナゲがはてしなくつづいている。・・・


安達太良山 秋の装い

2013年10月11日 | 安達太良山便り

10月8日、さわやかな秋空のもと安達太良山に紅葉を訪ねた

奥岳登山口には学校登山のバスが6台、元気良く子供達が降り立つ

 

高速6人乗りあだたらエクスプレス、標高950m⇒山頂駅1350mを6分で運ぶ

 

迷ったが無理せず乗車。紅葉の週末は7:30からの運行、登山者にはありがたい

 

ゴンドラを降りて、しばらくは整備された木道が続く

 

山頂駅から遊歩道を薬師岳パノラマパークまで散策すれば、抜群の眺望が広がる

 

山頂を望む登山路には、本当の空が青く澄み渡り、ナナカマドの赤い実が揺れる

 

烏川渓谷沿いは、一日の寒暖の差が大きいので、紅葉も一段と艶やかだ

 

仙女平分岐付近からは眺望も得られ、紅葉のスポットを楽しめる

 

ノリウツギの花もすっかりドライ化して秋色に溶けこむ

 

 アカミノイヌツゲ、冬雪の中で赤い実が良く映える。イヌツゲは実が黒い

 

安達太良山は、別名乳首山と呼ばれ親しまれている

 

和尚山もお酒を召したように紅色に化粧衣をまとい

 

山頂の祠にツーリズムの方たちが登山の安全を祈願して

 

山頂直下の広場では、学校登山の小学生達が元気よく歓声を上げる

 

風のない広場では、思い思いに弁当をひろげ楽しいランチタイム

 

山頂から牛の背を北に向かうと、葉を落としたナナカマドも赤い実をビッシリと

 

月の世界を思わせる沼ノ平。平成9年9月の火山性ガス事故以来立入禁止に

 

峰ノ辻から籠山と福島盆地を望む

 

仲良く手をつないで短い秋を謳歌

 

振り子沢の紅葉スポット、岩とハイマツの籠山を背景に紅葉が映える

 

ドウタンツツジの紅葉、緑から真紅に一夜にして化粧する

 

一昨年の9月5日、大崩落した鉄山南岩壁は傷跡が生々しく

 

コシアブラ、新芽は苦味があり天ぷらにすると美味しいが実は?

 

小屋の庭先は鉄山の岩壁とダケカンバの黄葉で一幅の絵を観る指定席

 

日本山岳会福島支部35周年で寄贈された鐘。磐梯山など全部で7箇所に設置してある

 

熱々のコーヒーは小屋番さんの温もりが伝わり特別に美味しい

 

帰路、銀名水を汲んで振り返ると、錦織の山肌が最高の輝きでお見送り

 

八の字のダケカンバにツタウルシが七変化の怪しげな色彩でまとい付く

 

無事奥岳に到着。早く南の島に帰らないと寒い冬が来るよ~

 

 

 

 


一切経山難ルート記

2013年10月04日 | 吾妻山

かって、スカイラインが開通する前は、高湯温泉から一切経山に至る登山路は五色沼の畔を通る現在のコースと不動沢を渡りラクダの岩尾根を登りつめ頂上へ行く新コースが存在した。崩壊と火山性ガスの危険がある新コースは何時しか忘れられ廃道となり自然に回帰する姿を追った。

 

不動沢Pには筑波大学の方が慶應山荘に荷揚げの準備をしていた (10:10)

 

土石が流れ溝状の登山路にはツルシキミの赤い実が、つられて口にしたら大変なことになる

 

賽の河原の分岐点、今はKO山荘の管理人が入口を閉鎖したので見つけ難い

 

潅木の林を抜けると溶岩がコロゴロした台地に出る、ここがほんとうの賽の河原

 

不動沢に転がるように降り、二つの沢の合流点を渡渉して対岸の樹林帯に取り付く (11:20)

 

コメツガ、ヒメコマツなどの針葉樹林は下草がなく歩きやすいが踏み跡はない

 

白い岩屑の中天狗の中腹を捲くようにして上天狗に向かう

 

50年前に整備された標識、日立ランプとスポンサー名が微かに読める

 

上天狗から見たシモフリ山と奥が吾妻小富士 (12:20)

 

不動沢源流を越えシモフリの上部に這い上がるとラクダが頭をあらわす

 

日当たりの良い斜面には気の早いイワカガミが春を先取り

 

シラタマノ実も土壌が合うのか丸々と大きい

 

隣りではガンコウランも負けじと黒い実をアピール

 

三種混合の山の恵みを一気に口に含むと高原を渡る爽やかな風の如し

 

ラクダ越えは崩壊が激しいので尾根を細心の注意で確実に急斜面を直登で攻落

 

最初のピークを連続で越えるとコブの谷間で深呼吸

 

ラクダ中央の山頂は、ゴツゴツした黒い溶岩塊で覆われている

 

真ん中のコブを振り返り、一応危険地帯を脱出

 

大震災でも落下を踏みとどめた大岩の絶妙なバランスに敬服

 

今年は、当たり年なのかたわわに実を付けたクロマメの実は渇いたのどを潤す

 

 尾根に鎮座する大岩、上面が平らで吾妻の天狗が宴会でもしたのだろうか

 

遮る物がない砂礫地では岩の風下にイワカガミが群落をつくる

 

崩落地帯を登り詰め吾妻小富士のビューポイントで遅い昼食タイムを

 

頭上にはホシガラスが厳しい冬に備えて松の実を捕食する姿が

 

真東から溶岩岩屑の緩い斜面を登りきると一切経山頂に到着 (15:05)

 

たった一人の山頂で今年6度目の魔女の瞳と再会を果たす

 

鎌沼に陽が眩く反射し、さざ波がキラキラと光り輝く

 

酸ヶ平の紅葉と草紅葉、バックは前大巓

 

マルバシモツケソウも艶やかな化粧姿で仲間入り

 

真っ赤に色付いたナナカマドは、紅葉の先陣を切る主役か

 

噴煙を上げる一切経山と青空に映えるダケカンバの黄葉

 

本日、浄土平では盛りだくさんのイベントがひらかれ賑わいを見せていた  (15:45)

 

浄土平から不動沢橋まで約8キロを歩いて下りる、正面には先ほど歩いたラクダ山が

 

ガスが流れ始めた天狗の庭は冷気が漂い幻想的に

 

オレンジの灯りが夜霧を照らす不動沢橋Pに無事ゴールイン (17:50)

 

 

(回想その1)中二の夏休み、学校登山で土湯温泉から歩き、幕川 温泉で一泊、一切経山に登りシモフリ山から今回のコースを高湯温泉に下山した。 スカイラインはその年11月に開通したが以前は吾妻山は近くて遠い存在だったのだ。

(回想その2)30年前、ぬる湯温泉から沢沿いに一切経山に直登し、帰路はラクダとシモフリの尾根からスカイラインに下り、ぬる湯温泉にたどり着いた疲労こんぱいの思い出がある。

(回想その3)16年前、不動沢橋から今回のコースをシモフリを越えてスカイラインに降り、秋の行楽で大渋滞の車を横目に浄土平まで歩いた。