雲に隠れた吾妻連峰に見送られ、今日は東にハンドルを向ける。 (10:30)
いまどき珍しい時代劇に出てきそうな木造橋をガタガタと渡る。
川面にはカモの群れが人懐こそうに集まってくる。
蓬莱橋を渡り、R114号線を阿武隈川の上流に沿って走る。
道路沿いには約2kmごとに、国土地理院の水準点が設置され測量の標高基準となる。
サイレンの音に眼下を見ると信夫発電所ダムが木立から見える。 田畑を潤おす東根堰の取水口にもなっている。
飯野町に入ると正面にUFOの里で売り出した千貫森がその女性的姿を大きくあらわす。
R114から県道51を北に進むと、偶然女神山を愛する会の会長さんとバッタリ出会い、山談議から人生訓まで一時間あまり立ち話する。
女神山の椚平登山口で小休止、一等三角点のある山頂までは1時間足らずで登れるが、桜が咲く来年の4月20日の山開きが楽しみだ。
正面に目指す一貫森が見え、樹齢500年のエドヒガンサクラの駒ざくら入口まで登ると雪の量も急に増えた。
川俣町と伊達市の峠には、原発事故で設置したモニタリングポストが雪で遮られた低い値の? 0.33μSV/h の空間放射線量を示す。
峠道にチャリをデポし登山道も道標も足跡も無い雑木林に踏み込み、一貫森の山頂を目指す。(14:00)
近年山頂に無線基地が設置され、その電線路が山頂に延びている。
膝までの抜かる雪道の傍らには、ギボウシの実をつけた花柄が寒さにふるえる。
春を告げる淡黄色の花、クロモジ属のアブラチャン?の丸い花芽がユーモラスに迎える。
雑木と杉林の境界、比較的雪の少ない急斜面を小枝に助けられて喘ぎあえぎ (苦)
視界がひらけた北西は雪雲に覆われて展望は期待はずれ。
ユモラスなヤマゴボウの花穂が、お疲れさまと頭をさげる。
電柱に導かれ、ラッセルに疲れようやく山頂に到着。(14:30)
雪を掻き分けやっと見つけ出した、一貫森山頂の四等三角点は標高522m
南東の木立の間に、女神山が端正な姿をかすかに見せる。
狭い山頂を占める無線塔を後に下山開始。(14:45)
鮮やかな緑色のヤママユ、マユ一個から得られる絹糸は500m以上の長さで天蚕糸と呼ばれている。
下山路の途中で姿を現した吾妻小富士。
峠道にデポしたチャリに跨り、往路の坂道を下る。(15:10)
南方には阿武隈の連山が右から木幡山、口太山、左奥が日山。
青空の元、女神山が夕日に輝き、カーブミラーには一貫森も映る。
今は懐かしい半鐘は、里山の女神山に良く似合う。
振り返え見ると一本杉の向こうに先ほどの一貫森が綺麗な姿で見送る。
林道を回り込むと目前に、千貫森のシルエットが浮かび今にも、UFOが出現しそうな雰囲気。
UFOの里の帰路正面には千貫森の孫のような320mの小山もある。
西側から見た千貫森、どの方角から見てもその端正なピラミット姿を崩さない。
夕闇せまる阿武隈川を渡れば家路は近い。遠景は弁天山と信夫山。
自宅に無事到着 (16:30) 本日の走行距離は40kmなり。