リテラの記事【櫻井よしこが植村隆裁判の不当判決に乗っかり会見で「捏造攻撃」を正当化! ネトウヨは「植村を極刑にしろ」】(https://lite-ra.com/2018/11/post-4389.html)。
《植村氏は今月15日、日本外国特派員協会での会見で「この判決を私は、言論戦、言論の戦いで勝って判決で負けてしまった悪夢のような判決だというふうに思っています」と述べていたが、その通りだろう…しかし、植村氏の控訴を受け、またぞろネットでは、異常としか言いようがない“植村バッシング”が再燃…ネトウヨたちが口走っている「裁判所は植村を捏造記者だと認定した」という話はまったくの事実無根である。しかし驚くのは、櫻井氏側が公の場で、こうしたデマを助長するような発言をしていることだ》。
リテラの記事【捏造したのは櫻井よしこのほうなのに…「慰安婦報道を捏造」と攻撃された元朝日記者・植村隆の名誉毀損裁判で不当判決】(https://lite-ra.com/2018/11/post-4354.html)によると、《元朝日新聞記者の植村隆氏が、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と、櫻井氏の記事を掲載した新潮社、ダイヤモンド社、ワックを相手取り、「捏造」などとされて名誉を傷つけられたとして訴えた裁判で、9日、札幌地裁が植村氏の請求を棄却したのだ(岡山忠広裁判長)》。
すっげぇなぁ~。アベ様やその政権、あるいは、日本会議への忖度か何か知らないが、最「低」裁を頂点とした「三権同一」(目取真俊さん)な司法…職業ヘイト者・デマ者に軍配! またしても司法判断を放棄し、政治判断。異常であり、どうかしています。
『●《あなたが言っていることはまるっきり嘘》な
櫻井よしこ氏が「朝日が書いたことも嘘でしょ」だってさ!?』
「アベ様そっくりな、ウソとインチキ塗れ。そんな櫻井よしこ氏 (櫻井よし子氏、
桜井よしこ氏、桜井よし子氏)は、裁判で、自ら《言っていることはまるっきり嘘》
を認めています」
「《あなたが言っていることはまるっきり嘘》な櫻井よしこ氏が「朝日が書いた
ことも嘘でしょ」だってさ!? どこまで姑息? 「日本会議」や田久保忠衛氏と
ズブズブ、…《極右の女神》。ジャーナリストなんて詐称すべきではなく、
《安倍応援団と極右論壇》の重鎮…とでも自称するべき御人」
『●《あなたが言っていることはまるっきり嘘》な
櫻井よしこ氏による名誉棄損事件…で、札幌地裁の判決は??』
「捏造」の行方(斎藤美奈子さん)はトンデモナイことに…岡山忠広裁判長の罪深さよ…。職業デマ屋・職業ヘイト屋たちのデマ・ヘイトの連鎖がまだ続くのか…。《この歪んだ社会状況》。
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【https://lite-ra.com/2018/11/post-4389.html】
櫻井よしこが植村隆裁判の不当判決に乗っかり会見で「捏造攻撃」を正当化! ネトウヨは「植村を極刑にしろ」
2018.11.24
(16日放送の『櫻LIVE』(言論テレビ)より)
ジャーナリストの櫻井よしこ氏からの「捏造記者」との攻撃に対し、名誉毀損で訴えた元朝日新聞記者・植村隆氏が、今月9日の札幌地裁判決(原告の請求棄却)を不服として、22日、札幌高裁に控訴した。
周知のとおり、植村氏は、2014年の朝日新聞慰安婦報道問題で、朝日が訂正をした「吉田清治証言」とはまったく無関係であるにもかかわらず、元慰安婦の金学順さんに関する記事を書いたことで、右派やネット右翼から総攻撃を受けた記者だ。内定していた再就職先や勤務先の大学に抗議が殺到、さらに家族への殺害予告まで送られるなど、スケープゴートにされた植村氏への“リンチ”は過激化した。
しかし、植村氏は不当なバッシングに沈黙していたわけではない。2015年、自らを「捏造」などと攻撃した右派言論人らに対し複数の裁判を起こした。そのひとつが、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と、氏の記事を掲載した出版3社を相手取った札幌地裁の裁判である。法廷では、原告弁護団の追及により、櫻井氏が「植村記事は捏造」とした根拠のデタラメが次々とあらわになった。しかし、札幌地裁が今月9日に下した判決は、原告・植村氏の請求をいずれも棄却するものだった。
植村氏は今月15日、日本外国特派員協会での会見で「この判決を私は、言論戦、言論の戦いで勝って判決で負けてしまった悪夢のような判決だというふうに思っています」と述べていたが、その通りだろう。札幌地裁判決がいかに「不当判決」であったかは、本サイトの11日付記事(https://lite-ra.com/2018/11/post-4354.html)で詳しく解説したので、ぜひご一読いただきたい。
しかし、植村氏の控訴を受け、またぞろネットでは、異常としか言いようがない“植村バッシング”が再燃している。控訴を伝える時事通信の報道がYahoo!のトップニュースになったのだが、そのコメント欄が、こんな脅迫めいた文言や誹謗中傷、そして悪質なデマで埋め尽くされているのだ。
〈できる事なら国家反逆罪で極刑にして欲しい〉
〈この反日極左売国奴「植村隆」を許すつもりも無ければ、
願わくば惨殺体で発見される事を切に祈るよ。〉
〈間違いなく捏造記者です。あと2回チャンスがありますが
2回とも敗訴して頂かねばなりません。〉
〈むしろ最高裁まで行って、決定的に捏造であることが明らかになれば良い〉
〈あなたは、捏造記者に認定されたんだ。悪あがきはよせ。〉
「極刑」「惨殺体」などという書き込みは、まさに2014年に植村氏とその家族が被害にあった殺害の示唆を彷彿とさせる。そして、コメント欄に多く見られた「植村は捏造記者と認定された」というような話は、完全なるデマである。
簡単に振り返っておくが、そもそも札幌地裁の判決は、植村氏の記事を「捏造」と攻撃した櫻井氏の記事には「原告の社会的評価を低下させる事実の摘示や意見ないし論評がある」と認定しながらも、櫻井氏が参考にした資料や社会状況から「真実であると信じる相当の理由がある」として免責したというものだ。
しかし、「真実と信じる相当の理由」を認めること=「真実相当性」を認定することと、摘示事実の「真実性」を認定することは、まったくの別モノである。実際、長い判決文の隅から隅まで読んでも、札幌地裁は「原告の記事は捏造であった」とも「原告は捏造記者である」とも、あるいは「原告は事実と異なることを知りながら記事を執筆した」などとも認めていない。つまり、裁判所は櫻井氏が摘示した「植村氏は捏造記事を書いた」ということについて「真実である」とは、まったく認定していないのだ。
それどころか、裁判の主要な争点のひとつである櫻井氏の“金学順さんは継父によって人身売買されて慰安婦にさせられたのに、植村氏はそれを知りながら意図的に書かないことによって強制連行を印象付けようとした”という主張にかんして、判決文は〈「継父によって人身売買され慰安婦にさせられた」という事実が真実であると認めることは困難である〉と言及している。ようするに、櫻井氏の主張の前提にある「人身売買説」自体の真実性を認めていないと言っていいだろう。
■判決文が植村記者の捏造を認めていないことを否定した櫻井側弁護士
繰り返すが、ネトウヨたちが口走っている「裁判所は植村を捏造記者だと認定した」という話はまったくの事実無根である。しかし驚くのは、櫻井氏側が公の場で、こうしたデマを助長するような発言をしていることだ。
植村氏が会見を開いた翌16日の午後、櫻井氏も日本外国特派員協会での会見に臨んでいた。その質疑応答での一幕でのことだ。まず、北海道新聞の記者がこのように質問した。
「植村さんが捏造したということは、判決では認定しませんでしたけども、
櫻井さんはいまでも植村さんが記事を捏造したとお考えでしょうか」
「櫻井さんは1998年に植村さんの名前を出して、植村さんが『誤報』、
もしくは『混同』しているというふうに批判されました。けれども、
次に2014年になって記事を書かれた時に、突然『捏造した』という記事に
変わりました。なぜ、何を根拠に『捏造』という表現に変えたんでしょうか」
これに対して櫻井氏はこう述べた。
「私は、植村さんの記事については、『捏造したと言われてもしかたがない
だろう』という意見を申し上げたと思います。時間が経つにつれて
いろんなことがわかってきて、植村さんがそのようにしたのではないか
という疑問が、強くなったために、捏造したと言われても弁明できないのでは
ないかと、仕方がないだろうということを書きました。以上です」
櫻井氏は自分が使った「捏造」という言葉のまずさがわかっていたのか、明らかにごまかしながら、しかし、それでも自分の「捏造」攻撃があたかも正当であるかのように強弁した。しかも、そこに櫻井氏の主任弁護人である林いずみ弁護士がこう付け加えたのである。
「一点だけ。いま北海道新聞の長谷川さんが、この判決は捏造を
認めなかったというふうにおっしゃり、昨日の(会見で配布された)
植村さんの判決の要約もそのように書いていると思いますが、
そのようなことはありません」
ようするに櫻井氏の主任弁護士は、裁判所が植村氏を「捏造」と認めなかったことを否定しにかかったのである。これではまるで、「裁判所は植村氏を捏造記者と認定した」なるデマを振りまいているネトウヨを扇動しているようなものではないか。
■櫻井よしこはネットTVで全面勝訴宣言も、植村は控訴
何度でも言うが、判決文のどこにも「原告は記事を捏造した」などとは書かれておらず、ましてや、主要な争点である「人身売買説」については「真実であると認めることは困難である」とハッキリ述べられているのだ。逆に言えば、これは被告・櫻井氏側が「人身売買説」を立証する必要があるにもかかわらず、それができていないと指摘しているのである。当然、“植村氏は金学順さんが人身売買されたという経緯を知りながらそれを書かなかった”という櫻井氏の主張の前提条件が崩れたと解するのが妥当だろう。
しかも、この「人身売買説」に関しては、逆に櫻井氏の記事のほうの誤りが暴露されてきたことは、本サイトでも何度かお伝えしてきたとおりだ。たとえば櫻井氏は「WiLL」(ワック)2014年4月号の記事のなかで、1991年12月に金学順さんが日本国政府を集団提訴した際の訴状を持ち出して、〈訴状には、十四歳のとき、継父によって四十円で売られたこと、三年後、十七歳のとき、再び継父によって北支の鉄壁鎭という所に連れて行かれて慰安婦にさせられた経緯などが書かれている〉とし、〈植村氏は、彼女が継父によって人身売買されたという重要な点を報じなかった〉などと批判していた。ところが、実際の訴状には「継父によって四十円で売られた」なる記載など存在しなかったのである。
なお、法廷で追及された櫻井氏は、金学順さんの訴状に記載されていない記述についての自らの誤りを認め、「WiLL」2018年7月号は訂正文を掲載、また産経新聞2018年6月4日付でも同様の誤りを訂正している。
つまり、櫻井氏のほうが訴状にないことをでっち上げて、植村氏に対し「捏造記者」などと攻撃を繰り返していたのだ。付言すると、櫻井氏が参照した、金学順さんの発言に基づいて書かれたハンギョレ新聞の記事には、櫻井氏が「人身売買説」の根拠とする記述のすぐ後ろに、〈私を連れていった養父も当時、日本人に金ももらえず私を武力で奪われたようでした〉との記述がある。これは日本軍による強制連行の記述だが、櫻井氏はこうした部分については完全にネグっていた。そしてここにきて、弁護士が「判決は植村氏の捏造を認めなかったということではない」という新手の攻撃を加えてきているのである。
櫻井氏は、記者会見のあった16日の夜、自らが主催するネット番組『櫻LIVE』(言論テレビ)で、「わたくしの、全面勝訴です」「全面勝訴で、私も非常に嬉しかったんですね」「ほんとに日本人の名誉とか日本国のこととか、(自分の記事の目的は)公益以外の何物でもない」などと勝ちどきをあげた。
だが、まだ終わっていない。むしろ、札幌地裁の不当判決によって、ネトウヨたちがまたぞろ植村氏の生命と生活を脅かすような異常なバッシングを再開し始めている。札幌での控訴の行方はもちろん、本サイトではこの歪んだ社会状況をも含めてレポートを続けていくつもりだ。
(編集部)
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[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注」した方は、素直に挙手願います!(東京新聞2018年8月27日)↑]
『今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、再びすいません、コピペ・マゴビキさせて頂きました。【本音のコラム 「捏造」の行方 斎藤美奈子】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/11/07/185341)。
《元朝日新聞記者・植村隆氏が…櫻井氏らを札幌地裁に提訴。裁判は今年7月に結審し、その過程で櫻井氏のコラムにこそ「捏造」があったこと、櫻井氏も自らの非を認めたことなどが伝えられている。植村氏の名誉はもちろん、ことはメディアの責任や歴史認識の根本問題にかかわる。9日の判決を報道各社はちゃんと伝えるだろうか。伝えてよね。重大な事案なんだからね》。
『●《あなたが言っていることはまるっきり嘘》な
櫻井よしこ氏が「朝日が書いたことも嘘でしょ」だってさ!?』
「リテラの記事【朝日新聞の慰安婦報道を「捏造」と糾弾していた
櫻井よしこの「捏造」が裁判で明らかに!】」
《周知の通り、連中は事あるごとに「…」などとがなりたててきたわけだが、
改ざんが事実であることが発覚して“捏造”“フェイク”が自分たちである
ことを満天下に知らしめてしまったのだ。しかし、実はこうした構図は
森友文書改ざんだけではない。まさに安倍応援団と極右論壇が「捏造」
「国賊」と叫んで一斉に攻撃していた朝日新聞の慰安婦報道をめぐる
裁判で重鎮・櫻井よしこ氏の嘘とインチキが明らかになった…
自ら誤りを認めた後も、訂正することなく植村記者攻撃を続ける櫻井よしこ》
「アベ様そっくりな、ウソとインチキ塗れ。そんな櫻井よしこ氏 (櫻井よし子氏、
桜井よしこ氏、桜井よし子氏)は、裁判で、自ら《言っていることはまるっきり嘘》
を認めています」
《「ここで弁護士がとどめの一言を言うんです。『あなたが言っていることは
まるっきり嘘ではないですか』と、そう指摘したわけです。櫻井さんは
なんと答えたかというと、『朝日が書いたことも嘘でしょ』。ここで尋問終わり
です(笑)」 この開き直りかた……。もはや唖然とするレベルだが、
いずれにせよ、司法の場で明らかにされたのは、植村氏と朝日新聞を
「捏造」と散々攻撃してきた櫻井氏のほうが実は「捏造」を犯していた
という事実だ》
「《あなたが言っていることはまるっきり嘘》な櫻井よしこ氏が「朝日が書いた
ことも嘘でしょ」だってさ!? どこまで姑息? 「日本会議」や田久保忠衛氏と
ズブズブ、…《極右の女神》。ジャーナリストなんて詐称すべきではなく、
《安倍応援団と極右論壇》の重鎮…とでも自称するべき御人」
ヘイトを生業とする人々(職業ヘイト屋・職業デマ屋)の《“捏造”“フェイク”が自分たち》だった重要案件。
『●「取締役レベルで決定した確信犯的」ヘイト企画・
「差別ビジネス」のツケ…これで幕引きでいいのですか?』
【竹田恒泰が慰安婦像に「鼻クソの刑」ツイートの愚行! ヘイト発言を撒き散らすレイシストを文化人扱いするメディアの罪】(https://lite-ra.com/2018/11/post-4361.html)によると、《旧日本軍の慰安婦問題をめぐって、“ネトウヨのアイドル”こと竹田恒泰が、またもや信じられない愚行をしでかしたという。竹田といえば周知の通り、明治天皇の玄孫(実は旧皇族ではない)を自称しながら、極右的主張と在日朝鮮人攻撃のヘイト発言で知られるタレントだ…まさに品性下劣…在日差別・韓国差別を撒き散らす竹田恒泰を「文化人」扱いし続けるメディア》。
こういう現状やメディア、「文壇」にも問題あり…あの田母神俊雄氏に続いて、あの悍ましきア●の「真の近現代史観」懸賞論文の「ト」な最優秀賞受賞者なのね! [●は「ホ」ではないです]
『●《極右のタニマチ》達の悍ましさ…アノ「安晋会」副会長・
アパホテル元谷外志雄代表とアベ様の深~い関係』
《メディアの責任や歴史認識の根本問題にかかわる…重大な事案》でどうなったか、ってぇ? 信じがたいことがねぇ…。
琉球新報の記事【元朝日記者の損賠請求棄却 慰安婦記事巡り、札幌地裁】(https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-831727.html)によると、《訴状によると、植村氏が朝日新聞記者時代の1991年に韓国の元慰安婦の証言を取り上げた記事を「捏造」「意図的な虚偽報道」などとする桜井氏の記事が、週刊新潮など3誌や桜井氏のオフィシャルサイトに掲載された。植村氏は文芸春秋などに対しても同様の訴訟を起こし、東京地裁で係争中》。
アサヒコムの記事【櫻井よしこ氏らへの賠償請求退ける 慰安婦報道巡る訴訟】(https://www.asahi.com/articles/ASLC965DRLC9UTIL03C.html?iref=comtop_list_nat_n01)によると、《元慰安婦の証言を伝える記事を「捏造(ねつぞう)」と断定され名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者で「週刊金曜日」発行人兼社長の植村隆氏がジャーナリストの櫻井よしこ氏や出版3社に損害賠償や謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決が9日、札幌地裁であり、岡山忠広裁判長は植村氏の請求を棄却した》。
すっげぇなぁ~。最「低」裁を頂点とした「三権同一」(【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/玉城デニー知事の訪米活動に期待する。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/8749e22ed975ad998ba9cbe5b1c48be8)な司法…絶望的な気分だね。ヘイト・デマを自ら認めた職業ヘイト屋・デマ屋の方に軍配を上げる裁判所・裁判官! そこまで櫻井氏の背後のアベ様らや日本会議関係者、ニセウヨクな人々に忖度しないといけないのかね。
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【http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/11/07/185341】
今日の東京新聞
購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。
2018-11-07
本音のコラム 「捏造」の行方
斎藤美奈子
2018.11.7
今週(9日)、注目の裁判の判決が出る。
元朝日新聞記者・植村隆氏が、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と、氏の原稿を掲載した出版3社(「週刊新潮」を発行する新潮社、月刊「WiLL」を発行するワック、「週刊ダイヤモンド」を発行するダイヤモンド社)を相手どって起こした名誉毀損(きそん)裁判だ。
2014年、朝日新聞が過去の慰安婦報道を検証する記事を載せた際、他のメディアが常軌を逸した朝日バッシング報道に走った事件を覚えておられるだろうか。あの前後に「捏造(ねつぞう)記者」として最大の攻撃対象にされたのが植村氏だった。
焦点は1991年8月11日の植村氏による記事(元慰安婦・金学順さんの証言をもとに朝日新聞大阪本社版社会面に掲載)で、金さんが「挺身(ていしん)隊」の名で戦場に連行された、などと伝えるものだった。櫻井氏はこの記事を「捏造」と決めつけた上で、各誌にコラムを書いたのである。
15年2月、植村氏は櫻井氏らを札幌地裁に提訴。裁判は今年7月に結審し、その過程で櫻井氏のコラムにこそ「捏造」があったこと、櫻井氏も自らの非を認めたことなどが伝えられている。
植村氏の名誉はもちろん、ことはメディアの責任や歴史認識の根本問題にかかわる。9日の判決を報道各社はちゃんと伝えるだろうか。伝えてよね。重大な事案なんだからね。 (さいとう・みなこ/文芸評論家)
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[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]
リテラの記事【朝日新聞の慰安婦報道を「捏造」と糾弾していた櫻井よしこの「捏造」が裁判で明らかに!】(http://lite-ra.com/2018/04/post-3921.html)。
《周知の通り、連中は事あるごとに「…」などとがなりたててきたわけだが、改ざんが事実であることが発覚して“捏造”“フェイク”が自分たちであることを満天下に知らしめてしまったのだ。しかし、実はこうした構図は森友文書改ざんだけではない。まさに安倍応援団と極右論壇が「捏造」「国賊」と叫んで一斉に攻撃していた朝日新聞の慰安婦報道をめぐる裁判で重鎮・櫻井よしこ氏の嘘とインチキが明らかになった…自ら誤りを認めた後も、訂正することなく植村記者攻撃を続ける櫻井よしこ》。
アベ様そっくりな、ウソとインチキ塗れ。そんな櫻井よしこ氏 (櫻井よし子氏、桜井よしこ氏、桜井よし子氏)は、裁判で、自ら《言っていることはまるっきり嘘》を認めています。
《「ここで弁護士がとどめの一言を言うんです。『あなたが言っていることはまるっきり嘘ではないですか』と、そう指摘したわけです。櫻井さんはなんと答えたかというと、『朝日が書いたことも嘘でしょ』。ここで尋問終わりです(笑)」 この開き直りかた……。もはや唖然とするレベルだが、いずれにせよ、司法の場で明らかにされたのは、植村氏と朝日新聞を「捏造」と散々攻撃してきた櫻井氏のほうが実は「捏造」を犯していたという事実だ》
《あなたが言っていることはまるっきり嘘》な櫻井よしこ氏が「朝日が書いたことも嘘でしょ」だってさ!? どこまで姑息? 「日本会議」や田久保忠衛氏とズブズブ、…《極右の女神》。ジャーナリストなんて詐称すべきではなく、《安倍応援団と極右論壇》の重鎮…とでも自称するべき御人。
『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に』
《麻生発言は、いったいどういう場で飛び出したのか。この点に関する
報道はほとんどないが、財団法人「国家基本問題研究所」の主催する
シンポジウムの席上のことだった。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が
理事長を務める同法人(2007年設立)は、田久保忠衛氏(政治学者)、
石原慎太郎氏(衆院議員、日本維新の会共同代表)、大原康男氏
(國學院大學名誉教授)ら“右翼の論客”が名を連ね、設立以来、
憲法(9条)改正や国防軍設立、TPP推進などを提言してきた。
福島第一原発事故の発生した2011年の11月には、
「選ぶべき道は脱原発ではない」と題する意見広告…
を大手新聞に掲載し原発推進を訴えた。こうしたことから、同法人は、
自民党をいわば右から牽引する位置にあると言えるだろう》
『●「ヘイトの深層」 『週刊金曜日』
(2014年8月29日号、1005号)についてのつぶやき』
「北原みのり氏【メディア仕分け人Vol.97/『朝日』「慰安婦」記事の
「責任」を問う人たち――本当に記事を読んで、理解しているのか?】、
写真キャプション「古屋圭司国家公安委員長
……下村博文文部科学相……櫻井よしこ」
「高嶋伸欣氏【『朝日』叩きに踊る『産経』文化人 その浅はかさを突く】、
《まるで鬼の首でも取ったかのように舞い上がっているのが
『産経新聞』や『週刊新潮』…櫻井よしこ氏や秦郁彦氏たちなどだ。
彼らの共通点は自分には何も非はないとしていることにある…
『産経』にはモラルが決定的に欠落した人物のコメントが掲載されている。
藤岡信勝氏のものだ…同紙でなければ載せない暴論だ。…
櫻井よしこ氏は…96年10月3日の横浜市教委による講演会での
虚偽説明問題で、頬被りをなお続けている》」
『●「表現者が描いてきた「慰安婦」」
『週刊金曜日』(2014年10月24日、1013号)について』
「高嶋伸欣さん【『文春』は必要か。マルコポーロ事件を思い起こせ!】、
「『週刊新潮』…〝嘘つきジャーナリスト〟櫻井よしこ氏に、
「『朝日新聞』は廃刊せよ」と語らせた…。盗人猛々しい限りだ」」
『●『DAYS JAPAN』(2014,DEC,Vol.11,No.11)の
最新号についてのつぶやき』
「斎藤美奈子さん【OUTLOOK 朝日騒動があぶり出した言論が死滅する日】…
《が、そうした落ち度を差し引いても、他のメディアの朝日バッシング、
ネガティブキャンペーンは常軌を逸していた。「国益を損ねた朝日、
反省なし」などの見出しで…お祭り騒ぎ状態になった産経新聞。
この機に乗じて「朝日「慰安婦」報道は何が問題なのか」なる冊子を
販売店経由で配布した読売新聞…「朝日新聞『売国のDNA』」ほか
強烈な見出しで読者を煽った「週刊文春」。「おごる『朝日』は久しからず」
などとうたい、櫻井よしこ、百田尚樹、石原慎太郎ら…右派論客を
総動員して「朝日を潰せ」キャンペーンを張った「週刊新潮」。みなさま、
朝日の失態がよほど嬉しかったらしい…対象が別の新聞だったら、
こうはならなかったはず。朝日の誤報を糾弾する読売や産経とて、
過去に何度も誤報を打っている。…「iPS細胞を使った世界初の
心筋移植手術に成功」(読売…)…とか、「中国の江沢民前国家主席が
死去」(産経…)とか。しかし、ここまでの騒ぎに発展しなかったのは、
読売や産経の信頼度が最初から「その程度」だったからだろう。
一方、朝日…政府の広報誌と化した新聞や雑誌にとっては、
おあつらえ向きの標的である。しかし、報道機関が互いに潰し合いを
演じてくれるほど、権力にとって好都合なことはない。…この騒動で
日本が負った傷は大きい。……言論統制なんかやんなくても、メディアを
委縮させるのは簡単なのだ。ペンで殺して、次はテロ。
それがどんな結果を招くかは、いわなくてもわかるよね》」
『●むき出しの「言論弾圧政党」: 東京新聞社説
「沖縄の二紙のみならず、報道機関全体で抗議すべきこと」』
「山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事
【百田尚樹「沖縄2紙をつぶせ」発言ーー櫻井よしこと共に筆を折っては】」
『●大水害被害者は癒えず……そんな時に
極右ネットテレビに出演して御自身が「癒される」アベ様の神経とは?』
《司会を務めたのは、今年8月6日の原爆投下日にわざわざ広島で
「反核平和70年の失敗」(主催は日本会議広島)というイベントに講師として
登壇した極右の女神・櫻井よしこ。ゲストは日本会議の会長・田久保忠衛という、
安倍首相にとっては最高の布陣。……この人は、どうやらほんとうに自分を
持ち上げてくれるメディアにしか出ないと本気で決めたらしい》
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
《広告では、“右派の女神”こと櫻井よしこが微笑みながらこう主張している。…
この“もんじゅ礼賛”の意見広告を出稿したのは、櫻井が理事長を
務める「国家基本問題研究所」(国基研)なる社団法人だ》
『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる』
『●あの島尻安伊子氏の下、《内閣府副大臣として
沖縄を担当していた人物》松本文明氏の眼には何にも見えて…』
《さらにネット上では、安倍応援団の櫻井よしこが2014年に流した
“名護市は選挙前に有権者が約2000人、不自然に増えている”
“本土から基地反対勢力が住民票を移してきた結果だ”というデマを、
この市長選でもネトウヨたちが拡散させている》
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【http://lite-ra.com/2018/04/post-3921.html】
朝日新聞の慰安婦報道を「捏造」と糾弾していた櫻井よしこの「捏造」が裁判で明らかに!
2018.04.02
(左・『真実 私は「捏造記者」ではない』(岩波書店)
/右・「WiLL」2014年4月号(ワック))
本サイトで連日お伝えしているように、朝日新聞のスクープによる公文書改ざん問題の直撃を受けて、安倍応援団メディアや極右御用評論家のトンデモぶりが次々明らかになっている。周知の通り、連中は事あるごとに「森友問題は朝日のフェイク」「捏造報道の朝日は廃刊せよ」などとがなりたててきたわけだが、改ざんが事実であることが発覚して“捏造”“フェイク”が自分たちであることを満天下に知らしめてしまったのだ。
しかし、実はこうした構図は森友文書改ざんだけではない。まさに安倍応援団と極右論壇が「捏造」「国賊」と叫んで一斉に攻撃していた朝日新聞の慰安婦報道をめぐる裁判で重鎮・櫻井よしこ氏の嘘とインチキが明らかになった。
この裁判というのは、元朝日新聞記者・植村隆氏が起こした裁判。周知のように、植村記者は、2014年、朝日新聞が「吉田証言」に関する従軍慰安婦関連の記事を取り消した問題で、右派メディアやネット右翼たちからスケープゴートにされた記者だ。植村氏は朝日が虚偽だと認めた「吉田証言」とは無関係だが、過去に従軍慰安婦の記事を2度執筆しており、その内容が「事実上の人身売買であるのに強制連行されたと書いた」などとして、右派から「植村は捏造記者だ!」と総攻撃を受けた。そして、非常勤講師を務めている北星学園には脅迫が殺到、さらに本人だけでなく娘にも殺害予告が届くなど、“リンチ”とも呼べる状況が続いたのである。
しかし、その後、植村記者は反撃に転じた。自分の身に降りかかった攻撃の多くが根拠のないことをひとつひとつ実証的に反論し、「捏造記者」などと攻撃した極右言論人と出版社に対し、裁判を起こしたのだ。
今回の裁判はそのひとつで、櫻井よしこ氏と、櫻井氏の原稿を掲載した「WiLL」の発行元ワック、新潮社、ダイヤモンド社を相手取って、札幌地裁に名誉毀損の損害賠償を請求する訴訟を起こしたものだ。
たしかに、これらのメディアで櫻井氏は植村氏のことを「捏造記者」と誹謗中傷していた。たとえば、「WiLL」(ワック)2014年4月号の「朝日は日本の進路を誤らせる」なるタイトルの記事では、〈朝日新聞が日本国民と日本国に対して犯した罪のなかで最も許し難いものは、慰安婦問題の捏造〉〈日本人による「従軍慰安婦」捏造記事〉〈日本を怨み、憎んでいるかのような、日本人によるその捏造記事〉として植村氏を名指しして書き連ねている。
ところが、3月23日に開かれた第11回口頭弁論、被告の櫻井氏の本人尋問で、その根拠がまったくのデタラメであることが暴かれてしまったのだ。どうしようもなくなった櫻井氏が全面的に自らの誤りを認める場面もあった
自ら誤りを認めた後も、訂正することなく植村記者攻撃を続ける櫻井よしこ
櫻井氏が、「捏造」と攻撃したのは、朝日新聞1991年8月11日付大阪朝刊に掲載された「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口を開く」と題する植村氏の署名記事など。挺身隊問題対策協議委員会(挺対協)が金学順さんに聞き取りをした証言テープ等を元に、〈「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」〉の生存などを報じたものである。報道の3日後、金学順さんは実名で記者会見をし、同年12月には日本国を相手に集団提訴。植村氏は弁護士らの元慰安婦からの聞き取り調査に同行し、同12月25日に金学順さんの証言を記事にした。
ところが、櫻井氏は金学順さんが東京地検に提訴した訴状のことをもちだして、前出の「WiLL」記事のなかで、こう書いていた。
〈訴状には、十四歳のとき、継父によって四十円で売られたこと、三年後、
十七歳のとき、再び継父によって北支の鉄壁鎭という所に連れて行かれて
慰安婦にさせられた経緯などが書かれている。
植村氏は、彼女が継父によって人身売買されたという重要な点を
報じなかっただけでなく、慰安婦とはなんの関係もない「女子挺身隊」
と結びつけて報じた。〉
つまり、櫻井氏がいう「捏造」の根拠のひとつは「訴状には金学順さんが継父によって40円で売られ、さらに再び継父によって連れられて慰安婦にさせられた、という記述があるのに、植村氏はこれを無視するという意図的な捏造報道を行った」というものだ。
ところが、実際の訴状には、櫻井氏がいう「継父によって四十円で売られた」なる記述は、そもそも存在していなかった。つまり、櫻井氏のほうが訴状にないことを“捏造”して、植村氏に対し「捏造記者」などという攻撃を繰り返していたのである。
実は、この点は、2016年4月22日の第一回口頭弁論でも植村氏側が指摘しており、櫻井氏はその後の記者会見で「訴状にそれが書かれていなかったということについては率直に私は改めたいと思いますが」(産経ニュース「櫻井よしこ氏会見詳報(2)」より)と、訂正する旨の発言をしていた。だが、これ以降も、櫻井氏は一向に反省した様子はなく、「WiLL」16年7月号は櫻井氏の意見陳述全文を掲載し、「恥なき朝日と植村元記者へ」なるタイトルまでつけて、植村氏を攻撃していた。
しかし、今回の尋問で、植村氏側の弁護士から改めて「継父によって四十円で売られた」という記述が訴状にないことを追及され、櫻井氏はそのことを法廷で認めざるをえなかった。
しかも、櫻井氏への反対尋問では、さらに杜撰な実態が露呈した。櫻井氏は植村氏側弁護士から「継父によって四十円で売られたという話の根拠はなんなのか」と問い詰められ、1992年2月の月刊「宝石」(休刊/光文社)の記事からの引用の間違いだったと釈明した。その「宝石」記事はジャーナリストの臼杵敬子氏によるもので、金学順さんの証言が掲載されている。
ところが、である。実は「宝石」記事の金学順さんへのインタビューにも、やはり「継父によって四十円で売られた」「十七歳のとき、再び継父によって北支の鉄壁鎭という所に連れて行かれて慰安婦にさせられた」なる記述は、どこにもないのである。
櫻井よしこが根拠と主張した記事には、強制連行を裏付ける記述が!
まず、「宝石」記事にある金学順さんの証言によると、学順さんが14歳の時、母親が再婚したが〈私は新しい父を好きになれ〉なかったとして、こう振り返っている。
〈その後、平壌にあった妓生専門学校の経営者に四十円で売られ、
養女として踊り、楽器などを徹底的に仕込まれたのです。
ところが、十七歳のとき、養父は「稼ぎにいくぞ」と、私と同僚の
「エミ子」を連れて汽車に乗ったのです。〉
学順さんがいう「養父」とは「妓生専門学校の経営者」のことであって、「継父」(=「新しい父」)ではない。また、金学順さんは挺対協の聞き取りに対しても〈母は私を、妓生を養成する家の養女に出しました〉〈それから母は養父から四十円をもらい、何年かの契約で私をその家に置いて行ったと記憶しています〉(『証言 強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち』明石書店)と、同じような証言をしている。よしんば、櫻井氏が「養父」と「継父」を勘違いしたとしても(それも致命的なミスであることに変わりはないが)記述と言い逃れとのペテン的矛盾は明らかだろう。
しかもきわめつけは、櫻井氏が出典だとする「宝石」記事では、上の引用部の直後に、むしろ強制連行を裏付ける記述が続いていることだ。
〈着いたところは満州のどこかの駅でした。サーベルを下げた日本人将校
二人と三人の部下が待っていて、やがて将校と養父との間で喧嘩が
始まり「おかしいな」と思っていると養父は将校たちに刀で脅され、
土下座させられたあと、どこかに連れ去られてしまったのです。
私とエミ子は、北京に連れて行かれ、そこからは軍用トラックで、
着いたところが「北支のカッカ県テッペキチン」(鉄壁鎭)だったと
記憶しています。中国人の赤煉瓦の家を改造した家です。
一九四〇年春ごろでした。〉(「宝石」での学順さんの証言)
つまり、養父は学順さんを「四十円で売った」とはどこにも書かれておらず、逆に日本人将校らに暴力で脅されて土下座までして、その場から排除されたという証言である。そして、金学順さんは日本軍のトラックで鉄壁鎭に連れて行かれたというのだ。
すなわち、櫻井氏がいう〈十四歳のとき、継父によって四十円で売られ〉〈十七歳のとき、再び継父によって北支の鉄壁鎭という所に連れて行かれて慰安婦にさせられ〉〈継父によって人身売買された〉なる主張は「宝石」記事からはまったく読み取ることが不可能なデタラメであり、逆に、本当にこの証言を出典としたのならば、櫻井氏はわざと日本軍による強制連行をネグったことになる。
ようするに、櫻井氏は、訴状に書かれていないことを「捏造」しておいて、出典を間違えたという言い訳でも自分に都合の悪い「重要な部分」を外していた。にもかかわらず、植村氏を「捏造記者」呼ばわりし、メディアで何度も言いふらして攻撃した。デタラメとしか言いようがない。
嘘だらけ!櫻井よしこは、福島瑞穂と架空の会話をでっちあげた過去も
櫻井氏のペテンの暴露はまだある。櫻井氏は、学順さんが自らを「挺身隊」とは称していないと主張し、植村氏の「捏造」だと主張した。ところが、91年8月14日の会見では、学順さんは実際に「挺身隊」と言っていたのだ。
裁判を傍聴していたジャーナリストの安田浩一氏がネット番組『NO HATE TV』(3月28日放送)で、この部分についての櫻井氏と植村氏側弁護士のやりとりをこう紹介している。
「これは韓国各紙がきちんと報じている。弁護士は、韓国各紙の翻訳を
一つ一つ櫻井さんに見せて、これは認めますね、とやっていった。
櫻井さんはしょんぼりと、はい「認めます」「認めます」というかたちで認めた。
自らの調査、取材のいい加減さ、あるいは認識の甘さというものは、
全部、法廷でもって明らかになったわけです」
さらに、原告弁護士は反対尋問の終わりに、櫻井氏の別の捏造事件についても質問していた。本サイトでも以前取り上げたことがあるが、櫻井氏が1996年の講演会で、まだ国会議員になる前の福島瑞穂氏について、本人が言ってもいないことを「捏造」して吹聴していたのだ。
月刊誌「創」(創出版)1997年4月号で福島氏本人がこう明かしている。
〈1996年12月上旬頃、桜井さんから電話がかかってきた。「福島さんに対して実に申し訳ないことをしました。講演をしたときに、うっかり口がすべって『従軍慰安婦の問題について福島さんももう少し勉強をしたらどうですか』と言ってしまったのです。本当に申し訳ありませんでした」といった内容の謝罪の電話であった。12月29日ごろ、講演録の冊子を見て心底驚いた。
「私は福島さんを多少知っているものですから、あなたすごく無責任なことをしているんではないですか、というふうに言いました。せめてこの本を読み、せめて秦郁彦さんの研究なさった本を読み、済州新聞を読み、そして秦郁彦さんなどの歴史研究家の従軍慰安婦の資料を読んでからお決めになったらどうだろう、吉田清治さんの本を証拠として使うこと自体がおかしいのではないかと言ったら、ウウンまあ、ちょっといろいろ勉強してみるけど──というふうにおっしゃってましたけれども……」となっているのである。
講演や話し言葉のなかで、うっかり口がすべったり、不確かなことをしゃべってしまうことはもちろんある。しかし、この講演で話されている私との会話は、全く存在しない架空の虚偽のものである。〉
ようするに、櫻井氏は論敵である福島氏との虚偽の会話をでっちあげ、さも自分が言い負かしたかのように語っていたのである。安田氏は、この“発言捏造事件”について原告弁護士が櫻井氏を追及したときの光景をこう伝えている。
「ここで弁護士がとどめの一言を言うんです。『あなたが言っていることは
まるっきり嘘ではないですか』と、そう指摘したわけです。櫻井さんはなんと
答えたかというと、『朝日が書いたことも嘘でしょ』。ここで尋問終わりです(笑)」
この開き直りかた……。もはや唖然とするレベルだが、いずれにせよ、司法の場で明らかにされたのは、植村氏と朝日新聞を「捏造」と散々攻撃してきた櫻井氏のほうが実は「捏造」を犯していたという事実だ。結審は7月の予定だが、現段階で完全に「勝負あり」と言って差し支えないだろう。
「日本軍が慰安婦を強制連行」と書き広めたのは、朝日ではなく産経新聞
しかし、忘れてはならないのは、こうしたペテンを駆使して植村氏や朝日を攻撃、「慰安婦問題は朝日の捏造」という印象操作をしかけてきたのは、櫻井氏だけではないということだ。たとえば、この裁判でも櫻井氏側は懲りずに「植村氏は挺身隊と慰安婦を意図的に混同させた」などとがなりたてているが、安田氏も指摘しているように、当時は韓国メディアも市民も慰安婦のことを挺身隊と言って、日本のメディアも一様に「挺身隊の名で連行された」と慰安婦について説明していた。
この点について本サイトでも過去に検証したことがある。いい機会なので繰り返しておくが、当時の新聞各紙を見てみると、産経を含む朝日以外も「女子挺身隊」「慰安婦」は同じものだという前提で記事が書かれていた。たとえば1991年9月3日付産経新聞大阪本社版には〈「挺身隊」の名のもとに、従軍慰安婦として狩りだされた〉と、ほとんど植村氏の記事と同じ表現が使われている。これは産経が「誤報」をしていたという意味ではなく、当時の社会認識として「挺身隊」と「慰安婦」が混同されていたということを意味する。
それどころか、当時の産経は金学順さんについて「日本軍によって強制連行された」と、確認できただけで最低2回、ハッキリとそう書いているのだ。うちのひとつ、1993年8月31日付の産経新聞大阪本社版の記事を紹介しよう。
〈太平洋戦争が始まった1941(昭和16)年ごろ、金さんは日本軍の目を
逃れるため、養父と義姉の3人で暮らしていた中国・北京で強制連行された。
17歳の時だ。食堂で食事をしようとした3人に、長い刀を背負った
日本人将校が近づいた。「お前たちは朝鮮人か。スパイだろう」。そう言って、
まず養父を連行。金さんらを無理やり軍用トラックに押し込んで一晩中、
車を走らせた〉
ちなみに植村氏の記事では、「強制連行」という言葉はひとつも出てこない。ようは、「日本軍によって強制連行された」というフレーズは、朝日ではなく産経が広めたものだったのである。
ところが、産経はこうした自社の記事をチェックすることなく、朝日新聞、とりわけ植村氏を“慰安婦問題のスケープゴート”に仕立て上げ、櫻井氏ら極右界隈で一丸となって植村氏を血祭りにあげたのだ。
そして、冒頭に触れたように、朝日バッシングで勢いづいた極右界隈は、「慰安婦大誤報を犯した朝日は信頼できない」「フェイク新聞」などと繰り返し叫び立てることで、慰安婦の存在自体はもちろん、ありとあらゆる朝日報道が虚報であるかのごとく印象操作を続けた。
その意味では、今回、植村氏が起こした裁判で明らかになったのは、櫻井よしこという“極右の女神”の信じられないようなペテンとデタラメだけではない。極右界隈が事実を簡単に捏造し、自分たちに不都合な事実を覆い隠し、さらにそこに安倍首相ら極右政治家がのっかって、朝日新聞というメディアと植村氏を潰しにかかった。その民主主義国家とは到底思えないグロテスクさが、あらためて、白日のもとにさらされたと言っていいだろう。
〈私は「捏造記者」ではない。これからも、闘っていく。決して屈しない。〉
植村氏は2016年の著書『真実』(岩波書店)の最後に、あらためてこう決意を示していた。判決を待ちたい。
(編集部)
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『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号)についてのつぶやき。
酷い2週間・・・。ようやく一息。ついでに、先週の分はブログ上に。
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『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号) / 到着。「「韓と恨」と日本人」、「東北大学前総長の研究費不正問題が泥沼か」、「外務省が年末に公表したイラク戦争検証結果のひどい中身」。片岡伸行氏「規制委検討チーム、電力会社などから4500万円受け取る 4人のメンバー解任を要請」
『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号) / 真野きみえ氏「大阪市民ががれき処理で監査請求 公権力行使に頼る橋下市政」。宇都宮健児さん「風速計 都知事選を闘って」。「谷村智康の経済私考 震災対策で、教訓が活かされているか 「鎮魂」報道の前に、現実を踏まえた報道を」
『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号) / 平井康嗣氏選「本箱」の一つ、『僕たちの時代』青木理・久田将義=著、毎日新聞社。中嶋啓明さん「長官銃撃国賠判決 司法制度の根幹ゆるがす低劣なメディア」。投書のいくつかは、亡くなったベアテ・シロタ・ゴードンさんについてなど
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つぶやけなかった先週号。
『週刊金曜日』(2013年1月18日、927号) / 「本物のニセモノがやってきた 猪瀬直樹都知事に次ぐ」。佐高信さん緊急対談「尖閣を弄ぶな」。
編集部「安倍政権の民意無視の姿勢に危機感 「原発ゼロ見直し」は許されない」。粟野仁雄さん「大阪市体罰自殺事件で学校を擁護する保護者も 橋下氏、教育への介入強化か」。本多勝一さん「風速計 「尖閣」以上に「千島」こそ」。
半田滋氏「繰り返される安倍首相の「ごまかし」 集団的自衛権行使を突破、憲法はなし崩し、失われる自民党の矜持」。
「青島顕の政治時評 戦争体験者が少なくなった今 「戦争否定の切々たる志」をどう引き継ぐかが問われる」。
横田一さんによるインタビュー。桜井よし子氏「凄まじい卑劣さを監視する必要がある」・・・驚き(笑)の猪瀬氏批判! さらに、横田一さん「官僚や道路族議員に擦り寄った「偽りの民営化」 笹子トンネル事件を招き高速整備認めた〝改革派〟」。野中大樹氏「石原前都知事を継承しているようでしていない〝実務家〟 都知事の周辺に漂うこれだけの不協和音」。
「竹信三恵子の経済私考 アベノミクスは高度成長期の張りぼて 一皮むけば「お友達」への大盤振る舞い」。
きんようぶんか「本」、鈴木耕氏書評「未曽有の「うねり」 内部から率直に語る」、『金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える』、野間易通=著、河出書房新社。
企画・構成 矢崎泰久さん『話の特集』。小室等さんの「なまくらのれん/佐高節と小出節」、「福島原発事故の下、現在日本は非常時なのに、その認識が希薄な折も折、小出裕章・佐高信の対談本『原発と日本人』(角川oneテーマ21)がいい・・・」。同書のことは田中正造に絡めて、「金曜日から」で神原由美氏が。
青木理さん「司法を正す 第1回 三井住友銀行の元支店幹部を訴えている林秀子さん 「土地売買の21億円が知らぬ間に消えた」」。
山口正紀さん「大手新聞元旦社説 危険な〈安倍壊憲〉を無視」。高嶋伸欣さん「米国と同じ価値観? 安倍政権の暴走を指摘できない報道界」。
石坂啓さん「初めて老いった!? 第31回/ブラックジャックは年をとらない」。
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