Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖

2012年08月04日 00時00分47秒 | Weblog


SPEEDIについての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072802000109.html)。玄海原発のボヤ騒ぎについてのasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/intro/SEB201207270058.html)と、玄海原発1号機の健全性についての記事(http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201207270489.html)。もんじゅにの誤警報についての東京新聞のニュース(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012073002000232.html)。

 原発人災直後の最も重要な時期に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」のデータを公開せずに、多くの人たち、特に、子供を被爆させておいて、何も問題がなかったとでも文科省は言いたげである。ほとんどの人がそんなシステムがあることさへ知らず、しかも、巨費を投じて、「その時」のために開発されたにもかかわらず、結果として何の役目も果たさなかった。誰も責任をとらないし、なあなあでコトを済ませている。我が国に連綿と続く無責任の連鎖の一つ。
 ボヤが起きた九電玄海原発では、漏電の原因になる機械の故障や作業ミスはなく、原因がわからないまま調査をやめたそうだ。早く再稼働したいものね、臭いものには蓋を!! また、経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らずである。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。どこが原子炉が破壊されない「」になっているのか。むしろ、リスクが上がっていることが確認」されたのではないのか。電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない。
 さらに、発電もしていないもんじゅ」にバカみたいなカネがかかり、そのお守りに手がかかっているという、どいつもこいつも無責任な話。これも「警報が作動した原因は不明」だそうだ。「もんじゅは原子炉停止中だが、炉内には核燃料が装荷されており、冷却のために一次系、二次系でナトリウムが循環している」という、物理的・工学的・化学的に本当に本当に恐ろしいことが続いていて、加えて、巨大な投資・建設費だけでなく、1円分も発電していないというこちらも経済的に本当に恐ろしい話がいまも続いている。誰か責任をとったのでしょうか? 自民党の何方かが謝罪の一つでもしたのでしょうか??

   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●パンドラの箱を開けたのは誰だ?

 東京電力原発人災以降も連綿と続く無責任の連鎖、このまま本当に見過ごしていて良いのでしょうか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072802000109.html

非公表 理由示さず SPEEDI いつ、誰が不明のまま
2012年7月28日 朝刊

 東京電力福島第一原発の事故後、政府は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」で放射性物質の拡散方向などを予測しながら、当初公表しなかった問題で、文部科学省は二十七日、同省の対応を検証した最終報告を発表した。だが、誰がなぜ公表しないよう決めたのかなど肝心の部分は明らかにしなかった「無用の被ばく」をしたとされる福島県浪江町の避難者からは文科省の姿勢に怒りの声が上がった。 
 SPEEDIは、昨年三月十五日、午後から翌未明にかけ、放射性物質が原発から北西方向に拡散するとの予測結果をはじき出していた。同じころ、南相馬市や浪江町の住民の中には、北西方向の飯舘村方面に避難しようと動いていた。
 文科省が予測結果を公表していれば、住民の被ばくを防げたのではないかというのが最大の問題点だ。
 文科省は十五、十六日に高木義明文科相(当時)ら政務三役と事務方でSPEEDIについて協議。政府事故調の中間報告は「公表すると無用の混乱を招く恐れがある」と出席者から意見が出た、と指摘した。
 文科省の検証チームは、当時三役だった五人全員から話を聞いたものの、いつ、誰が、なぜ非公表を決めたのか、検証結果が一切示されていない
 わずかに、十五日夕の省内打ち合わせで、「(公表すれば)被災地での医療崩壊、ガソリン・医薬品の枯渇などが進み、救急活動などに悪影響を与えかねない」旨の発言があった、とだけ記述。
 公表していれば、被ばくを防げたのかという点に関しては、「否定することまではできない」と記した。公表方法については「関係機関に何らかの助言を行うことを検討すべきだった」と、自らには直接的な公表の責任はないとの認識を示した。
 SPEEDIは、昨年三月二十三日以降、徐々に公開し始めた。
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http://www.asahi.com/national/intro/SEB201207270058.html

2012年7月28日03時00分
「原因分からない」まま調査終了 玄海原発火災で九電

 九州電力は27日、玄海原発(佐賀県玄海町)で照明用のケーブル管が焦げた火災について、原因がわからないまま調査をやめたと発表した。溶接機から漏電したが、その原因になる機械の故障や作業ミスは「なかった」と主張している。
 火災は6月15日、低レベル放射性廃棄物の処理施設でおきた。九電によると、・・・・・・。
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http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201207270489.html

2012年7月27日20時26分
玄海原発1号機「十分に健全」 老朽化問題で保安院報告

 経済産業省原子力安全・保安院は27日、定期検査で運転停止中の九州電力玄海原発1号機(佐賀県)の原子炉圧力容器が予想以上に老朽化しているとの専門家の指摘に「十分に健全だ」とする検証結果をまとめた。保安院はこの日で専門家会合での確認を終え、8月中に報告書をまとめる。
 圧力容器は核燃料から出る中性子で劣化する。電力会社は運転開始時に圧力容器の中に同じ材質の金属片を入れ、取り出して調べている。運転から36年がたつ玄海1号機は、劣化の目安となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」が1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は98度にまで上昇していた。予測値を14度超えていた。
 保安院は昨年11月から、事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証してきた。09年に取り出した金属片を分析し、圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった。激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した。ただ、「予測精度が十分ではない」として学会に見直しの検討を求めた。
 一方、専門家会合では委員から「データが十分でなく炉の状態を把握できない。健全性には疑問がある」(井野博満・東大名誉教授)との指摘も出た。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012073002000232.html

ナトリウム漏れ もんじゅ誤警報 原因不明
2012年7月30日 夕刊

 日本原子力研究開発機構は三十日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で同日午前三時四十分ごろ、二次冷却系の冷却材ナトリウムの漏えいを知らせる警報が作動したと発表した。実際のナトリウム漏れや環境への影響はなかった。
 警報が作動した原因は不明で、同機構が詳しく調べ、結果を経済産業省原子力安全・保安院に報告する。
 もんじゅは原子炉停止中だが、炉内には核燃料が装荷されており、冷却のために一次系、二次系でナトリウムが循環している。
 警報が作動したのは、原子炉補助建屋にある、二次系配管周辺に設置された検出器の一つ。部品を交換したり、作業員が現場を目視で点検したりしたが、ナトリウム漏れは確認できなかったという。
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●放射線管理区域以上に汚れた世界

2011年11月08日 00時00分58秒 | Weblog


WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/10/26/koube-oct24/#more-2487)。

 立て続けの同所からの引用、すいません。小出裕章さんのこれだけの情報発信量に頭が下がります。3.11人災以前に小出さんのお話に耳を傾け、原発を1基でも多く停めることができていたらと思います。返す返すも残念です。もう引き返すことができない、新たな世界で生きて行くしかなくなりました。小出さんのおっしゃっているように、放射線管理区域以上に汚れた世界に。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/10/26/koube-oct24/#more-2487

1024 1平方キロ当たり6百億ベクレル以上のセシウムへの警鐘 小出裕章(神戸新聞)

2011
年10月24日(月)、神戸新聞が小出裕章氏のコメントを掲載しました。


以下転載。
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原発、もっと学ばないと… 原子炉実験所見学記
 


研究用原子炉。円筒形の建屋は直径28メートル、高さ22メートルもある=京都大学原子炉実験所(画像

「今後は放射性物質が付着したがれきや下水、汚泥の問題も出てくる。国や東電の責任の取り方を考えなければ」と話す小出裕章助教=京都大学原子炉実験所(画像

 放射性セシウム、ストロンチウム…。それまで市民に縁遠かった言葉が、あの日から毎日のように報じられる。関西でも危機感を抱く人は少なくないが、その前に私たちはどこまで原子力のことを知っているだろうか。京都大学原子炉実験所(大阪府熊取町)を見学する母親グループに同行した。

 「原発を学び、子どもたちに伝えたい」と企画したのは、NPO法人「『絵本で子育て』センター」(芦屋市)。参加したのは芦屋市や神戸市などから母親ら28人。九州から駆けつけた人もいた。

 京大原子炉実験所は、1963年に核エネルギーの利用と放射線の研究・教育を目的に、共同利用研究所として設置された。住宅地に隣接する広大な敷地に研究用原子炉、放射性廃棄物処理装置などの設備がある。

 原子炉棟に入る時には靴にビニールカバーをつけ、代表者にはポケット線量計が渡された。二重扉の向こうは「放射線管理区域」(1平方メートル当たり4万ベクレル以上の区域)。減圧された内部は耳がつんとする。中央には最大熱出力5千キロワットの研究用原子炉。熱出力は原発の発電炉の約600分の1程度だ。

 原子炉内部では、核燃料(ウラン235)に中性子を当てて核分裂させており、仕組みは原発の発電炉と同様だが、熱出力の規模が小さいため、冷却水が高温になることはないという。

 核分裂で得られる熱エネルギーでタービンを回す原発に対し、実験所は生じる中性子を実験に利用している。例えば、中性子照射によるがん治療が臨床研究の段階だ。脳腫瘍の患者にとって、頭開手術なしに腫瘍だけを壊すことができ、負担は大きく軽減される。

 気圧が戻る。屋外に出る時には、汚染の有無を調べるため、機器でチェック。線量計はゼロのままだった。

 敷地内には、核分裂後の放射性廃棄物を処理する施設もある。実験・研究に使った器具などは容器に収納され、保管される。放射性廃液はレベルに応じ、蒸気過熱や分離装置を使うなどの過程を経て、細心の注意を払い処理されるが、廃棄物そのものがゼロになることはない。

 見学した森ゆり子さんは「トイレのないマンションのよう。処分が難しいものを生み出す怖さを実感した」と話した。

     ■

 見学後、原発の危険性を訴え続ける同実験所の小出裕章助教から福島の現状と今後を聞いた。

 国による航空機モニタリングの結果、福島県や栃木県北部、群馬県北部で、1平方キロ当たり6百億ベクレル以上のセシウムが確認されている。換算すると、放射線管理区域とほぼ同様の条件だ。

 「本来なら必要な人が短時間だけいることができる場所のはず。にもかかわらず、今も数多くの人が逃げずに生活している」と“矛盾”を訴えた。「子どもをこれ以上被ばくさせてはいけない」

 「関西の人たちにとっては、福島の原発事故は遠く感じるかもしれないが、原発を認めてしまった責任は、社会の一員である私たち大人にもある。どうするかを考えなければならない」と小出助教は訴えた。

 行きと違って、帰りの車中は誰もが言葉少なだった。母親の一人がつぶやいた。

 「これまで原発を見ようとしてこなかった。もっと学ばなければ」
(鈴木久仁子)


引用元:http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0004570184.shtml
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●高速増殖炉もんじゅ廃炉

2011年08月20日 00時00分00秒 | Weblog


福島みずほ福島瑞穂)さんのWP(http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/、8月9日)の記事。

 〝熊取6人組〟のお一人、小林圭二さんとの対談。もんじゅの危険性や無意味さについての警告。対談に出てくる驚くべき経費の側面からも、もんじゅなど即刻止めるべきだし、それは核燃サイクルの終結を意味し、発電システムとしての原子力利用の無意味さに行きつくはずだ。

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http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/

小林圭二対談録「高速増殖炉もんじゅを廃炉に!」概要(84日) 
2011 / 08 / 09 ( Tue )


 福島
 こんにちは。今日は小林圭二さんに来ていただきました。小林さんは、もと京都大学原子炉実験所講師でいらっしゃいます。原子炉の専門家でいらっしゃるのですが、きょうはとりわけもんじゅについてお聞きしたいと思っています。高速増殖炉もんじゅ、大変危険だといわれておりますが、もんじゅの危険性について話していただけますか。

 小林
 もんじゅの危険性は大きく分けて4つあります。一般の方が一番よくごぞんじなのはナトリウムの危険性というかたちで皆さんあたまにあると思うんですが、本当に一番危ないのは炉の性質そのものにあるというのがもんじゅの特徴です。
 そこから申しますと、一口に言って、もんじゅは非常に暴走しやすい性質を持っているということです。たとえば軽水炉だと事故が起こって出力が上がり、炉の温度が上がりだしますと、それに伴って核分裂連鎖反応、これは炉の中で原子力がエネルギーを出している反応ですが、この反応が抑えられる方向に自然に働くんですね。そこが軽水炉の一つの特徴なのですが、それに対してもんじゅの場合は、温度が上がって特にナトリウムが沸騰しますと今言った核分裂の連鎖反応がかえって盛んになる
 これはみなさんご記憶があると思うんですが、1986年、ソビエトのチェルノブイリで原発事故が起こりました。これはいわば核爆発事故だったわけですが、これがチェルノブイリがあの低出力で運転しているという条件下では、出力が上がって泡が増えると暴走するという性質を持っていたからなんです。
 チェルノブイリの場合はそういう特殊な条件の下にこの性質を持つわけですが、もんじゅの場合は条件にかかわりなく、ナトリウムが液体から沸騰して泡、気体になりますと暴走しやすいという性質がある、それが一つ。
 それから暴走しやすい性質、もう一つありまして、今回福島でメルトダウンという言葉がよく使われましたが、あれは炉の中にある燃料が溶けて、溶けた塊が合体して液体になり、溶かしながら下へ落ちていくという現象だったわけですが、こういうことが起こりますと軽水炉の場合は、核分裂の連鎖反応が盛んになる方向に行くとは限らず、むしろ衰える方向に行くんですが、もんじゅの場合は核分裂の連鎖反応が盛んになるわけですね。
 ですから、もしもんじゅで今回の福島のような事故が起こったら、福島の場合は溶けた燃料が放射能の一部を外へ出して汚染させるという形でつながっていくんですが、もんじゅの場合は、実はそこが新たな事故の発展のスタートになるんですね。つまり、暴走するさらにたくさんの放射性物質を作り出して、そしてそれを爆発的な反応によって外へばらまくという、こういう状況が生まれるわけです。こういう、まず炉の性質そのものが根本から危険だということですね。
 それから2つ目はナトリウムの危険性ですね。なぜもんじゅは冷却材にナトリウムを使うかというと、もんじゅはプルトニウムを燃料にする原発、その試験炉として開発されたものですが、プルトニウムは天然にないものですから、これを燃料とする原発はあくまでもプルトニウムを人工的に作りながら動いていかなければならないわけですね。そうしますと当然のことながら、天然にないものですから、消費量よりも生まれるプルトニウムの方が少なかったら、こんな原発は存在し得ないわけです。軽水炉が燃料を濃縮ウランにするのはまさに天然ウランが存在するから成り立つわけですが、天然に存在しないプルトニウムの場合は、人工的に作るということがそういうものを燃料にする最大の条件なわけですね。そのためには軽水炉のように核分裂の連鎖反応を起こす中性子のスピードを遅くして燃えやすくしてから動くような仕組みでは、新たな燃料は消費量のほぼ半分くらいしかできませんからこれは成立しない。
 ですから、消費量よりも生産量が増えるように工夫されたのがもんじゅのような高速増殖炉で、高速という意味はまさに中性子が速いスピードでウランなりプルトニウムなりに当たって核分裂を起こすという、中性子のスピードの速さのことを言っているわけですね。決してプルトニウムが高速で生まれるわけではないです。で、増殖というのは、消費量よりも新たに生まれるプルトニウムの方が多いという、それによってはじめてこういう原発が成立するわけですね。そのためには軽水炉のように冷却剤として水を使えないわけです。水を使いますと中性子のスピードが遅くなってしまいます。それでいろいろな冷却剤を探したわけですが、長年の経験からナトリウムが現在、唯一残ったという状況です。しかし、そのナトリウムは非常に危険な物質で、水に触れると爆発的に反応しますし、運転中のような比較的温度の高い状態で空気に触れると火がついて燃える。
 これが1995年に起こったもんじゅの事故ですね。冷却剤ですから大量に使います。もんじゅでも、一次系、二次系合わせて合計1600トンのナトリウムを使います。軽水炉で水漏れなどしょっちゅうありますように、高速増殖炉でも大量に使うナトリウムがどこかで漏れるというのはかなり頻繁に起こるわけです。そのたびごとにナトリウムに火がついて火災になったり、大変な思いをしてきたわけですが、これまで世界で139件ものナトリウムの火災事故が起こっているんですね。高速増殖炉は何基あったかというとせいぜい20基くらいなんですね。
 この139件の中にはアメリカが含まれていません。アメリカはもうとっくに高速増殖炉をやめましたので、統計データがないんです。アメリカを除いた各国のナトリウム漏洩火災事故が139件で、だいたい一つの炉で10件以上起こしているという勘定になります。それほど頻繁に起こる事故で、しかも厄介な事故で、こんなものが将来実用炉になるとはとうてい思えないですね。
 ナトリウムの危険性はまだいっぱいあります。例えばこれは水に比べて熱しやすくさめやすいという性質があります。そうするとどういうことが起こるかというと、原発はたびたび緊急停止することがあります。軽水炉の場合、緊急停止すると冷却剤の水はすぐには冷えない。これは水のいい点でして、原子炉の発熱は100%から一挙に7%まで減るわけですが、水は一挙に下がるわけじゃない、ゆっくりゆっくり下がっていくんですね。これは材料に対して非常にやさしいわけですね。ところがナトリウムは水のような性質を持っていないために、緊急停止しますと炉の発熱が急激に減るのと同時にナトリウムの温度が急激に下がります。すると材料に急激な温度変化が与えられるわけですね。もしこのとき、材料、例えば配管の材料などが比較的厚いものでできていれば、ナトリウムの流れている内側が急激に冷やされるわけです。それに対して、ナトリウムが直接触れていない外側は今まで温められていましたから伸びています。中は急に冷えて縮む、そうすると肉厚の配管の内側と外側で非常に強い引っ張り合いが起こる。これをストレスと言いますが、このときに配管の表面に傷があったりしますと、それをきっかけに配管が一挙に、まるでガラスが割れるように割れてしまうという、熱衝撃の現象が起こります
 こういう事故が起こるわけですから、もんじゅのようなナトリウムを使う高速増殖炉の場合ですと、それを防ぐ為に、内側が急に冷えてもすぐ外側にまで温度変化が伝わるように、配管の厚さを非常に薄くしなくちゃいけない。配管だけでなく、機器類も全部薄く作られます。それによってガラスみたいに破裂する大変な事故を防ぐ仕組みにしているわけです。
 ところがこれは地震に対して非常に弱いわけです。その意味で3つ目の危険性として、地震に対して弱い、本質的に弱い構造になっているということがあります。
 4つ目にはプルトニウムを材料としますから、プルトニウムの取り扱いにかかわる危険性ですね。プルトニウムはアルファ線という、内部被曝をした場合に最も被害の大きい物質でして、これを呼吸と一緒に吸い込みますと微量でも肺がんを発生させるという物質ですので、取扱いは非常に被曝の被害を生みます。以上の4つを、高速増殖炉もんじゅは危険性として持っています。

 福島
 高速増殖炉もんじゅがそれだけ危険性を持っていて、また、福島事故のように地震津波の問題もあると。福井県に高速増殖炉もんじゅがあるので、万万が一もんじゅに大きな事故があった場合には滋賀県などもごく近くですから、琵琶湖の水がめがどうなるかという声も聞きますよね。

 小林
 おっしゃる通りでこれはもんじゅに限らないんですけれども、福井県の沿岸に合計14基の原発があります。このうち1基でも大事故を起こしますと、大量の放射性物質を放出して、特に冬場などは風向きで放射性物質は琵琶湖に直接やってくるという危険性が非常に高いわけですね。この点は私たちも前から訴えてきて、琵琶湖は近畿の水がめですから数百万の人の命の水です。これが汚染されますと、数百万人分の飲料水が絶たれるという事態になりますので、事故は非常に懸念されます。こういった事態を起こしうる可能性が最も高いのが、なかでもとりわけもんじゅであるということが言えます。

 福島
 裁判でもナトリウム火災事故が起きるという指摘があったら、案の定というか、残念ながらナトリウム火災事故が起きた。で、14年半全く動かずに、最近動かし始めたら、今度は原子炉の中で落下事故が起きて、最近ようやく引き上げましたけれど、ナトリウムが入っているので、じゃあ中の原子炉が本当にどうなっているか、見ることすら実はできないんですよね。

 小林
 その通りです。ナトリウムの欠陥の一つとして、透き通らない、不透明ということがあります。これが高速増殖炉もんじゅの運転や維持管理に大変厄介な問題として横たわっています。ですからもし原子炉の中で何かちょっと傷がついたとか、比較的小さなトラブルであっても直接見ることができないわけですからその調査は大変ですし、調査の後の手直しにも大変な時間と手間がかかりますから、トラブルそのものは小さくてもそれ一つで年を超える停止期間が必要になってきます。
 しょっちゅう長期間止まるようなものが商業炉として成立するのかという大きな問題が生まれてきているわけですね。そういう問題を、今度のもんじゅの炉内中継装置の落下事故、その調査と後始末の一連の事態が示したと思っています。

 福島
 14年半動かなかったということでもすごいですし、それからもんじゅは今までいわゆる定量ワット数すら出していないと言われていますね。

 小林
 一度もまだ定格運転を実現していません。私自身も、この状態だともんじゅは一度も定格運転の状態に達しないまま廃炉になる運命にあるんじゃないかと思いますね。ですから、もんじゅを推進した人たちはそれだけはなんとしても避けたいと思って、必要性などは二の次にして、なんとしても動かそうと躍起になっている、必死になっているというのが現状だと思います。

 福島
 人件費などを除いて約1兆円お金をつぎ込んできたと。14年半動かなくて動かしたら今度落下事故が起きた。にもかかわらず、動かない時も今も、一日に5千5百万円税金がつぎ込まれていると。これは膨大なムダで、事業仕分けの時も財務省などはこういうムダはメスを入れるべきだという考え方だったんですよね。

 小林
 全く正当なごく当たり前の見方で、当然仕分けの対象となり、そこで仕分けした結果として廃炉にいくというのが成り行きだと思っていました。現実に公開された仕分け作業そのものでも、あそこに出てこられた委員の方たちは過半数が見直しを求めたにもかかわらず、もんじゅは1回目の仕分けでは満額を獲得していますし、2回目もわずかに1割削られただけという状態で相変わらず続けられようとしているということは非常に問題ですし、もう一つ言えることは、推進側にとってももんじゅはもう意味のないものになっているということです。
 どういうことかというと、もんじゅはできたのですが、これは建設費が非常に高くて、単位出力あたりの値段で比べると軽水炉の5倍かかっているんですね。この状態だと実用にならないということがはっきりしまして、もんじゅのシステムをもっと簡単なものにして、経済的に成り立つものを新たに考えなくちゃならないということになりました。
 そこで現在推進サイドで描かれている実用化像というのは、今のもんじゅとまるで違う、新規のこれから実証していかなくてはならない新しい技術をたくさん盛り込んだ簡潔なものになっています。もちろんこの裏には安全性を犠牲にして、もんじゅの場合まだ持っていた安全レベルをおおいに削って簡略化したところがあるわけですけれども。そうして描いた像がもうもんじゅとは似ても似つかないものになっているわけです。
 そもそももんじゅは原型炉と言って、実用化の二段階前の試験用の研究炉なんですが、原型炉とは、実用炉に似せて発電設備なども全部そろえたひな型を作り、そこ実用炉のデザインの工学的な実証をやる、工学的に成り立つことを示すのが目的です。ところがもんじゅの場合は新たに焼きなおされた実用炉は現状と変わってしまっているわけですから、いまや実用炉の工学的実証をはかる手段としては役に立たなくなっている。ですから推進する立場に立ってももんじゅは動かす意味の全くないものに成り果てたというのが今の状況です。

 福島
 高速増殖炉もんじゅがもう動かないということになれば、高速増殖炉でプルトニウムを使うんだということで再処理、核燃料サイクルと言っていたのも意味がなくなりますね

 小林
 全くその通りです。六カ所の再処理工場が作られましてまだ試験中で、設計のまずさから止まった状態ですが、あの再処理工場自身が、そもそも高速増殖炉用のプルトニウムを取り出すことを目的に作られたもので、高速増殖炉をやらないのであれば全くいらないわけですね。再処理工場の巨額な建設費も巨額な運転費もいらないわけです。
 もんじゅがいらなくなった、実証炉も展望はない、こういう状況において再処理だけがなぜ必要なのか、きわめていびつな感じで、それを核燃料サイクルと言っているのは全く違うんだということですね。核燃料サイクルというのはプルトニウムを利用するためのサイクルであって、プルトニウムを利用するということは高速増殖炉でプルトニウムを作りながら燃やすということですから、それが破綻している限り、核燃料サイクルは全く必要のない、意味のないものだというのは当然のことです。

 福島
 高速増殖炉も六ヶ所も自らコケてしまった。で、高速増殖炉は誰が考えても廃炉にすべき、だとしたら必然的に核燃料サイクルもいらないわけですね。
 私は先日たまたま、旧動燃、もんじゅをやっているところで働いていた研究者の人と話をする機会があったのですが、彼らも端的に、もんじゅは事故が起きても冷却できないんですよ、と言うんですよ。たしかに水をぶっかけるわけにもいかないし、福島のような事故がもんじゅに起きたら処置なしと見えます。どうでしょうか。

 小林
 その通りで、福島級の事故がもんじゅで起こったら完全にお手上げです。福島の場合は、一口に言うと、これで防げると言っていた安全装置が全部だめになっているんですからね。もんじゅで、これで防げるといっていた安全装置が全部だめになるということを考えたら福島原発どころの被害ではないわけですね。その大きな違いは炉の性質そのものの違いにあるわけです。
 福島原発の事故のなり方は比較的緩やかで、溶けた燃料が他の構造材を溶かし、圧力容器を溶かし、格納容器を溶かし、ということが時間をかけて進展する、その一部が水素爆発のときであったり、ベント(排気)で空気中に出て、それがこれだけ東北・関東一円を汚染したわけですから、それに比べて、そして現状の福島原発の場合は、私の推定ではおそらく90%以上の放射性物質があの施設の中にあって、放出されたのは10%以下かもっと少ないと思うんです。
 それでもこれだけの被害が出るんですね。原発の被害の大きさを何で測るかというと、中にあった死の灰がいったいい何パーセント外へ出されたかで決まるわけで、その外へ出すメカニズム、どういう形で外へ出されるかで決定的に違ってくるわけです。それがもんじゅで起こった場合には、これは核爆発の形で起こるわけですから、外へ出される核分裂生成物、死の灰の量は福島の比ではない、桁違いに多くなるおそれがあります。それを考えてももんじゅは絶対に動かしちゃいけないというものだと考えます。

 福島
 もんじゅを廃炉にということで、実は今日も国会、議員会館で集会をやり、財務省、文科省、機構とそれぞれ行政とも交渉をしました。危険で、お金もムダ、こんなもんじゅを廃炉にしていくように皆さんと一緒に力を合わせたいと思います。
 今日はどうもありがとうございます。

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●尊敬する人は田中正造

2011年08月12日 00時22分26秒 | Weblog


WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/mainichi-jul-4/)の一部。

 小出裕章さんの研究室には、ゲルニカのほかに田中正造さんの写真も。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/mainichi-jul-4/

74 田中正造は私が最も敬愛する人 小出裕章(毎日jp


7
月4日の毎日jpに小出裕章氏のインタビューの記事が掲載されていました。・・・・・・。

以下転載
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<特集ワイド>研究の前線で反原発 住民支える「異端」--京大原子炉実験所・小出助教
2011年7月4日(月)18:00


(※細長い自室に座る小出裕章助教。ついたてには田中正造の大きな写真が=大阪府熊取町の京大原子炉実験所で2011年6月27日、西村剛撮影

 ◇リスク負うのは後世…犠牲少なくする責任ある
 学者の良心とは何か――。福島第1原発事故は、すべての原子力研究者に問いを突きつけた。その一人でありながら、一貫して反原発の立場を取ってきた京都大学原子炉実験所(大阪府熊取町)の小出裕章助教(61)は今、何を思うのか。【宍戸護】

 ◇田中正造「もっとも敬愛する人」
 暑い昼下がり、訪ねた研究室は薄暗かった。蛍光灯もエアコンもスイッチを入れていない。2人一部屋の真ん中をついたてで仕切られた細長いスペースで、小出さんは机に向かっていた。

「余計なエネルギーは使わない。皆さんぜいたくになり過ぎて、不要なものを使い過ぎています」


 原子力の文献が山積みされて、記者が座るともう身動きがとれない。
 小出さんの専門は放射線計測、原子力安全。愛媛県・伊方原発の設置許可取り消し訴訟で原告側証人となり、99年のJCO東海事業所臨界事故では土壌の放射線を測定し、別の争いでは地域のがん死者数の推計作業も行う――放射性物質の被害を受ける住民を支える活動をしてきた。
 福島第1原発の事故後は新聞、テレビ、ラジオ、講演、あらゆる場で事態の深刻さや政府・東京電力の対応のまずさを指摘し続けている。6月に出版した「原発のウソ」(扶桑社新書)は20万部のベストセラーになった。いまや一分一秒を惜しむ忙しさだ。

  ■

 小出さんは東京都台東区生まれ。私立開成高校卒業後、1968年、東北大学工学部原子核工学科に入学。授業を一回も欠席しない学生だったという。

「あのころ、原子力は未来のエネルギーと信じていました。原爆のものすごいエネルギーを平和利用したいと思い込んでいました」


 東大安田講堂事件をテレビで見た69年、宮城県女川町・石巻市にまたがる女川原子力発電所設置を巡り漁師たちが「電気は仙台で使うのに、なぜ自分たちの町に原発を造るのか」と抗議していることを知った。小出さんは原発のあり方について考え抜き、一つの結論にたどりつく。

「女川原発が事故を起こした場合、地元住民はそこに住み続ければ健康に害があり、健康に害がないようにすれば、その地域に住めなくなる」


 その懸念は42年後、福島県で現実となる
 原子核工学科は、原子力発電を支えるための科学者や技術者を養成する場。「この学問は受け入れられない」と去っていった仲間もいたが、小出さんは「原子力の学問の中にいながら、原子力が抱える問題を指摘し続けるのが自分の歩む道」と決断した。
 京大原子炉実験所が助手を募集していることを「大学院の掲示板で偶然知り」、74年春に採用された。そこには既に、反原発を唱える助手が4人もいた。原発関連の訴訟を支援し、のちに加わった今中哲二助教とともに「反原発の6人組」と呼ばれた。中国の文化大革命を主導した4人組になぞらえての揶揄(やゆ)だ。「反国家的な存在」ともささやかれた。
 実験所は「原子炉による実験及びこれに関連する研究」を目的とし、全国の大学の共同利用施設として63年に設置された。反原発を掲げる小出さんらがなぜ残れたのか。

 「ここの原子炉は、もともと中性子を出すための道具として造られた。物理学、化学、医学のがん治療にも中性子を使って研究したい分野があり、推進も反対も関係ないのです。とはいえ、教員の自由な意思を尊重し、学問を発展させる京都大学の校風もあったでしょうね」

 長年、助教(助手)であることについては「(出身大学からしても)外様ですから」とやんわりかわしたが、研究者の「原子力村」への舌鋒(ぜっぽう)は鋭い。

「猛烈な選別があります。例えば東大ならば国家に協力しない人はダメ。その協力の度合いに応じて出世が待っているのです」


 5月23日の参院行政監視委員会で、参考人として国の原子力政策を批判した小出さんは、インド独立の指導者、マハトマ・ガンジーの言葉「七つの社会的罪」を挙げた。うち二つは「道徳なき商業」と「人間性なき科学」。前者を東電、後者を自らも含めたアカデミズムに当てはめた。

 「一人一人の人間が生きてきた歴史が根こそぎ壊れた。失われる土地、生活、健康を考えれば、これからも原子力が科学の進歩で何とかなるとは、私には到底言えない

 小出さんは静かに言った。

  ■

 ふと目の前にあるついたてを見ると、ひげをはやした老人の顔写真があった。足尾鉱毒事件の被害者救済に生涯をささげた明治時代の政治家、田中正造

「私が最も敬愛している人です」


 日本が列強入りを目指し、日露戦争に突き進もうとした時代。正造は、群馬・栃木県の渡良瀬川流域で起きた足尾銅山からの鉱毒公害を告発し、権力の横暴と闘った。明治天皇に直訴し、自らの命と引き換えに農民たちを救おうとしたことはあまりにも有名だ。
 くしくも震災発生直前の3月8日、正造の晩年の直筆短歌が栃木県で見つかった。

 <世をいとひ そしりをいミて 何かせん 身をすてゝこそ たのしかりけれ>

 そしりを受けて世を恨んでも仕方ない。身を捨てて事に当たればこそ楽しいこともあろう――。

正造さんは国家に見捨てられた農民に最期まで寄り添い続けた。亡くなる時も、自分の病気より鉱毒のことを気にして、住民を叱咤(しった)した。実に潔い生き方だと思います


 鉱毒と原発――。二つの出来事が時を超えて重なる。


 「原発には都会が引き受けられないリスクがある。そのリスクを、都会の住人は社会的に弱い立場にある過疎地の人たちに押しつけている。仮に原発事故が防げても、原子力を使い続ける限り核のゴミ(放射性廃棄物)は増え続けるし、人間はそれを無毒化できない。私たちの世代は、自らの利益のために、選択権のない後世にその『毒』を押しつけているのです

 後世への責任。それは小出さんが常に強調してやまないことだ。

「原子力の場にいる私にも普通の人とは違う責任がある。そして、普通の日本人の皆さんにも責任はあると思う。推進派にだまされたかもしれない。でも、だまされた責任もあるはずです」


 とすれば、やるべきことは何か。

 「原子力を進めてきたのは大人だが、そのしわ寄せを受けるのは、おそらく子どもたちです。子どもたちの犠牲を何とか少なくするために、私は自分なりに責任を果たしていきたいのです」

 この国の原発数は米仏に次ぐ54基。自ら「異端」と称する研究者は、これからの長く険しい闘いを覚悟しているようだった。
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●原発を止める: 首長の決断

2011年07月21日 00時19分05秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0626/SEB201106260056.html)。

 知事決断で止めれる。上関原発祝島の人たち。それに対して玄海は・・・。

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http://www.asahi.com/national/update/0626/SEB201106260056.html

上関原発の埋め立て免許、延長認めない方針 山口県知事
201162730

 中国電力の上関(かみのせき)原子力発電所建設計画(山口県上関町)で、山口県の二井関成知事が予定地の公有水面埋め立て免許の延長を現状では認めない方針を固めた。国がエネルギー政策の見直しを打ち出しており、新規の原発建設自体が不透明になったため。二井知事は27日、県議会の代表質問に対し、その考えを表明する。
 中国電の埋め立て免許は来年10月に期限が切れる。東京電力福島第一原発の事故を受け、予定地海域の埋め立て工事は中断。期限内の完工は事実上不可能な情勢だ。中国電が免許の延長申請をしても、知事が認めなければ埋め立てはできず、中国電が予定している2012年6月の着工も、さらに難しくなった。
 二井知事は5月、免許を延長するかどうかについて「白紙の状態」と述べ、認めないとの判断が知事の裁量でできるかを国に問い合わせていた。県によると、国から、埋め立て免許の可否は知事の判断でできる、と回答があったという。
 二井知事は、福島第一原発の事故を受けて、国のエネルギー政策が見直されることになったことから、新たな原発の建設自体が不透明になっていると判断。この状態が続く限り、中国電から免許延長の申請があったとしても、認めることはできないとの方針を固め、県議会でも表明する意向だ。
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 伊方原発3号機の運転再開を断念(http://www.asahi.com/business/update/0708/OSK201107080075.html)。

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http://www.asahi.com/business/update/0708/OSK201107080075.html

四国電力、伊方原発3号機の運転再開を正式断念
2011781323

 四国電力(高松市)は8日、定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、今月10日に予定していた運転再開を見送ると正式に発表した。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の2号機、3号機の再開も4月に予定されていたが、地元自治体の反発が強く、メドが立っていない。
 四電は「現段階で地域の理解をいただける状況でないと判断した。引き続き、地元自治体や地域に丁寧に説明し、一日でも早く運転再開できるよう最善を尽くす」とのコメントを出した。中村時広・愛媛県知事は「再稼働は白紙」という姿勢を崩していない。
 国が新しい安全性評価(ストレステスト)の導入を決めたことで、再稼働の条件や時期が不透明になっていたことも影響した。(島脇健史)
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 玄海原発周辺の動き。九電や佐賀県・玄海町は県境で放射能は防げる、とでも言うのか? (http://www.asahi.com/national/update/0626/SEB201106260039.html

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http://www.asahi.com/national/update/0626/SEB201106260039.html

「島民納得なき原発再開認めない」 長崎・鷹島で決議
20116262238

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)から最短8キロの長崎県松浦市の離島、鷹島(人口約2400人)で26日夜、緊急の島民集会があり、定期検査で停止中の同原発2、3号機について「島民の納得なしの運転再開は認めない」と決議した。経済産業省原子力安全・保安院や九電に、立地自治体並みの説明も求めた。
 集会は、東京電力福島第一原発の事故後、農漁協や自治会の代表らが旗揚げした住民団体「玄海原発と日本のエネルギー政策を考える会」(90人)が主催。住民約120人が集まった。
 鷹島は原発の防災対策重点地域(EPZ)の10キロ圏内だが、松浦市と九電との間に安全協定はなく、原発の運転に住民の意見を反映させる仕組みがない
 参加者の不満はここに集中。地元漁協の前組合長、板谷国博さん(70)は「漁業者にとって原発の存在は死活問題。国や九電に原発からの温排水などの問題を訴えても、鷹島は県外と無視されてきた」と訴えた。
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 いつもの小出裕章さんの頁(http://hiroakikoide.wordpress.com/)で音声ファイル(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/tanemaki-jul-4/)を聞きつつ。
 福島原発に、国や東電は安全性の保証を与えていたのではないか? 国は、どんなことがあっても安全だと言ってきたのではないか? 福島原発人災後、国が安全だ、と言ったからといって、どうして原発を再開・継続運転して良いのかさっぱり分からない。圧力容器そのものが壊れる、ということを言っている方もおられる。中性子を浴びた金属は脆くなっているはず。ガラスのようにパッと割れて、破壊されやすくなる。金属試験片でどれほど「ガラスに近づいている」かどうかを調べつつ、どんどんと運転期間を延長をしている。どこまで運転可能なのか、は明らかになっているのか?

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●反原発という潮流と日本人の反応

2011年06月28日 00時15分00秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/international/update/0614/TKY201106140106.html)。いろんな問題があることは分かっていますが、イタリアやドイツがうらやましい。本来、FUKUSIMAを経験してしまった日本人こそがいち早く世界に脱原発を宣言すべきと思うのですが・・・。やらない方がよいと思っていますけれども、例えば、国民投票を日本でやったとしても、まだ推進派の方が多い結果になるでしょうね、きっと。もう、のど元を過ぎた雰囲気ですし。被災地や放射能汚染地域に住んでいた人たちはどんな思いで、日本の原子力の「平和」利用を、いま、見ておられることでしょう。
 ドイツやイタリアがフランスの原子力発電所から電力を買っているという批難については、電力調整の出来ない原子力発電所を抱えるフランスを逆に助けているという説明もあります。


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http://www.asahi.com/international/update/0614/TKY201106140106.html

原発凍結賛成は94% イタリア国民投票、開票終わる
                                                       2011年6月15日7時0分

 原発再開の是非を問うイタリアの国民投票は14日朝までに開票がすべて終了し、原発反対派の票が9割以上を占めて圧勝した。東京電力福島第一原発事故後に欧州で広がる反原発世論の強さが示された。
 イタリア内務省によると、在外投票分も含めて開票が全て終わり、原発凍結賛成票が94.05%を占めた。凍結反対票は5.95%。投票率は54.79%に達した。
 原発再開を模索していたベルルスコーニ首相は13日夜、「政府と議会は結果を歓迎する義務がある。高い投票率は、自分たちの未来に関する決断に参加したいというイタリア国民の意思の表れで、無視できない」とする声明を発表。「国民投票は複雑な問題を扱うには適さないと信じてはいるが、それでも国民の意思は明らかになった」とし、原発の新設や再稼働を当面断念する意向を表明した。
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 さて、我国の一反応。同所に出ていた記事(http://www.asahi.com/politics/update/0614/TKY201106140605.html)。ト知事の息子さんのさすがな反応。御父さんヒステリー的な差別言動や行動に比べれば、イタリアの人たちはスッゴク素晴らしいと思うのですがね。関電に対する大阪のト知事さんの言動がひどくマトモに見えてしまいます。原発推進で美味しい思いをしてきた自民党の代議士先生方の当然の反応ではあります。

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http://www.asahi.com/politics/update/0614/TKY201106140605.html

反原発は「集団ヒステリー」 自民・石原幹事長

                              20116142255

 自民党の石原伸晃幹事長は14日の記者会見で、イタリアの国民投票で原発反対派が多数だったことについて「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」と語った。福島第一原発事故を念頭に置いた発言で、表現が不適切との批判が出そうだ。
 石原氏は「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、国民投票で9割が原発反対だから、やめましょうという簡単な問題ではない」とも述べた。
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 最後に小出裕章さんの反応(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/13/tanemaki-jun13/)。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/13/tanemaki-jun13/

613 イタリアの原発拒絶は嬉しい 小出裕章 (MBS)

2011
年6月13日(月)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。


番組案内

水野キャスターが東日本大震災の被災地からお伝えします
東日本大震災から3ヶ月、水野キャスターが被災地を取材しています。この3ヶ月の被災地の人たちを見つめました。中継でお伝えします。
原発事故については京都大学の小出さんに聞きます。


録音
いつも録音してくだって、ありがとうございます。
【福島原発】6/13/月★放射性物質その物自体消えることは無い

要約
・(福島第一原発の事故に関わる水道水の摂取制限について、新たに放射性物質が大量に放出されなければ現時点で水道水は安全という報告書が出た。水道水は安全なのか?半減期30年のセシウムが今の技術で除去できるというのは大丈夫なのか?)まず、放射線の被曝について「安全」「大丈夫」という言葉を使わないでほしい。国の基準値より上なら危険、下なら安全ということではない。被曝はどんなものでも危険だ。今回の事故では3月半ばに出た放射能で水道水が汚れたが、今後大量に出なければそれほどの汚染はないということだろう。

・(雨が流れこんで放射能が濃縮するのか?)それはあるが、今後大量の放出がなければ今まで以上に汚染されることはないだろう。でもそれは安全とは違う。


・(原発の汚染水処理システムがまもなく稼働するがその処理で汚染された泥が出る?)そうだ。放射性物質そのものは消えないから移しているだけであり、水をきれいにすれば別のところに移すことになる。その処理をどうするかが次の問題。

・(処理後の泥の放射能は1立方センチあたり1億ベクレルだが、影響は?)それに近づいたらすぐに急性症状が出るくらいのレベルだ。

・(泥の量は25mプール4〜5杯分というが、それを処理施設でずっと保管できるか?)もちろんできない。暫定的に集中処理建屋に移動しても、そこで終わりではなく、その後ずっと保管は続く。

・(ヨーロッパではドイツに続き、イタリアでも原発を拒絶する可能性が高くなっている。どう見るか?)嬉しい

・(先週末に反原発の動きがあり、小出先生が神戸で登場した時には大きな拍手があった。手応えは?)40年前から原子力を廃絶したいと思いながら、今回の事故を防げないまま今の事態に至っており、楽観的な見通しは語りたくない。でも、違ってきているとは思う。労組などの組織による運動ではなく、この人たちはどうやってきたのだろう?と思うような、自立した人たち一人ひとりで来ていた。新鮮で、ありがたいことだ。

・(キュリウム検出のニュースがあった。どういう物質か?)超ウラン元素のひとつ。ウランが中性子を吸収してプルトニウムになり、それがまた中性子を吸収するとキュリウムになる。使用済み燃料に貯まっていた本来外に出にくいものが環境に出てきているということを示している。

全文書き起こし
6月13日MBSラジオ小出裕章氏「水道水、汚染水処理、世界的脱原発の動き等について」
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●九電玄海原発も廃炉に

2011年06月13日 04時50分28秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB201105270004.html)。

 計画停電という九州電力の脅しに負けてはいけない。川内も含めて廃炉にしても大丈夫。たかが電力のために、放射能で死ぬのはまっぴらごめんだ。子供たちを殺すのはごめんだ。
 なぜ脆性遷移温度を、試験片の98度から80度という危険側に推定するのか? 


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http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB201105270004.html

玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
                                                        2011527165

 九州電力玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器の劣化が想定以上に進んでいる恐れのあることが、九電の資料などからわかった。九電は「安全性に問題はない」とするが、専門家は「危険な状態で廃炉にすべきだ」と指摘。1号機は稼働中で、反原発団体は原子炉の劣化を危険視している。

 原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。

 1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。

 九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している。
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●小出裕章さんの定義する「再臨界」とメルトダウン・水蒸気爆発の連鎖の可能性

2011年04月17日 00時00分00秒 | Weblog


THE JOURNALの高野論説に「原子力事故対応マニュアル」(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/post_752.html)という記事が出ています。長いので引用はしませんが、一読しておく価値があると思いました。

 原子力発電についての、小出裕章さんによる古い資料http://www.scribd.com/doc/52684311/%E6%84%9A%E3%81%8B%E3%81%AA%E6%A0%B8%EF%BC%9D%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%88%A9%E7%94%A8)がリンク先にあります。2007年7月7日の学習会の資料文章のようです。タイトルは「愚かな核=原子力利用」です。「原子力は即刻やめても困らない」など、これまで紹介したYouTubeなどでのお話と共通するものが多い資料です。

 さらに、少し時間が過ぎてしまいましたが、岩上安身さんによる小出裕章さんのインタビューの第2段(http://iwakamiyasumi.com/archives/8211)。第1弾はこちらに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b4f689c5708ac4157ad72c84f4cb7dec)。

   小出裕章助教(京大原子炉実験所) 2011年4月11日
               【http://iwakamiyasumi.com/archives/8211

 本日のブログのタイトルは最悪を想定した上で議論をしておくべき、という趣旨。videonews.comのこの記事http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php)の趣旨と同様、大マスコミにはまったくそういった議論が無いことは大きな問題。本インタビューの中でもその話題が出てきます。ネット上に溢れる小出さんが発した情報は、マスコミでは全くと言っていいほど、取り上げられていません。
 原子力工学の知識がなく、ブログ主の無知・誤解・間違いが予想され、以下は不正確・誤りを含む可能性のあるメモですが、印象に残った点をメモにしておきます。

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 賛否両論で真偽は定まらないが、インタビューの主題は「再臨界」について。

 いまや、「被爆無しの労働」は不可能。原発労働者は、労働時に皮膚をさらしたりせず、また、内部被爆を絶対に避けるべき。

 圧力容器も漏れてるし、格納容器も漏れてる。後者の破損はどうしようもない。原発下部のサプレッションプールから汚染水をくみ上げて、格納容器そのものに循環させて、中途に熱交換器を設ける策を提案。冷却水のかけ流し、汚染水の垂れ流しにならないように、早く循環系・冷却回路の構築が必要。

 
岩上氏「破損が最悪の一歩手前の危機ならば、最悪の危機は再臨界でそれは破局を意味するのか」との問い? 一度止めたウランの核分裂が再度起こることが「再臨界」。「再臨界」の発生を疑わせる根拠の一つは、天然の塩素に中性子が衝突することでしか生成され得ないクロル(塩素)38が検出されたこと。その寿命は三十数分なので、3月の末に東京電力がその存在を公表しており、そのデータにミスがあるとの訂正がなされてはいないことから、震災後ある程度時間が経っているにもかかわらず、半減期の短いクロル38が生成されたことは「再臨界」の発生を疑わせる。ウランの核分裂が続いていることを意味する。東京電力のその公表データが正しかったかどうか、そこはポイント。
 ここで言う「再臨界」が、すぐさま破局につながる、とまでは言えない。ウランが一カ所に高濃度に集積されて初めて臨界に達する。その例が、JOCの臨界事故。
 ジルコニウムの被覆管が溶けてしまうと、小指の先ほどのペレット(「ウランで作った瀬戸物」)が崩壊してきて(プルトニウムが検出されているので、ウランの瀬戸物が溶けたこと・損傷が起ったことは確実)、ウランが「ぶすぶすと燃え続ける」、それを小出さんは「再臨界」と呼んでいる。現状では、激しくウランの核分裂反応が起こる、爆発するという意味では言っていない。小規模に各所で「ぶすぶすと燃え続ける」といったイメージ。


 2800℃以上でペレットの溶解が起る、したがって、原子炉内がそのような高温になっていることを東電は認めたくない。もし圧力容器の底に水がたまっていて、メルトダウン時に溶融したペレットが水に触れると、水蒸気爆発が起こることを小出さんは最も恐れている。それは避けなければならない。メルトダウンと水蒸気爆発が最悪の事態。そうなると発電所の中では何の作業・対処もできないので、福島第一原発・第二原発のすべての原子炉が連鎖的にメルトダウンと水蒸気爆発を起こすことに。使用済み燃料プールまであり、これも破壊。影響は、チェルノブイリの数倍規模では収まりそうもない。チェルノブイリでは風下700kmでも高濃度汚染地域が・・・。国土の狭い我が国では?
 小出さんの言う現状の「再臨界」を止めるには、ホウ素の注入。キチンと「再臨界」の場所にホウ素が到達していれば効果あり。海水の塩分の影響で、ホウ素注入に何らかの支障をきたした可能性を小出さんは疑っている。ホウ素自体も析出する。

 機械は壊れる、人間は間違う」、したがって、「事故は必ず起こる」。「全電源喪失・ブラックアウトは絶対起きない」と言ってきた、「想定不適合事故」と云ってそういった事故を想定することを避けてきた。「割り切ってきた」訳だ。原発では絶対に事故は起きないと思ってはならない。事故は、必ず起きるという覚悟が必要。その覚悟が無いのならば、原子力発電を選択すべきではなかった。
 プルトニウムをどんどんと生みだすもんじゅの危険性。比熱1の水は冷却材として素晴らしい。放射能も生みださない。もんじゅでは水を使えない。大変危険なナトリウムを冷却材に使う。一方、六ヶ所村の再処理工場には使用済み燃料を大量に抱え込んでいる。冷却のための循環ポンプが止まれば、火事・水蒸気爆発が起こる。

 政府・電力会社の公開データを基に、インタビューの1時間3分以降に、原子力が無くても大丈夫な理由が述べられている。是非見て欲しい。「需要のピークに合わせないとダメだ論、だから、原子力を選択論」について、水力+火力で十分足りる。電力需要ピークとは、夏場の数日のある数時間に過ぎない。対処法はいくらでもある。
 原子力を選択するかぎりバカげた揚水発電所が必要というアホらしさ。揚水発電所を考慮に入れると、原子力はコスト的には全く割に合わない。それを考慮に入れなくても、水力や火力よりも同等か、むしろ高い。揚水発電所を考慮に入れないだけでなく、放射性廃棄物処理のコストが元々考慮されていない。アホらしい。日本人は、ずっとマスコミや電力会社の洗脳に騙されてきた訳。

 この期に及んで、「いまだに、電力が必要だから、原子力をやるという発想があることが信じられない」という小出さんの嘆き。
 経済や雇用問題も含めても、原発は最悪の選択。原子力を選んだがために、電気料金が高くなり、新自由主義経済に走り、経済や雇用が空洞化した。

 最後に、即刻原子力は止めるべき、と小出さんは強く主張
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●原子力発電所暴走によるミドルリスクとワーストケース

2011年04月11日 00時02分05秒 | Weblog


いつもながら、またしてもCMLから。しかも、マゴヒキ(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/008567.html)。本日も小出裕章さんに関連した記事。「吉岡先生」というのは九州大学の先生。追記部分も重要。・・・と思ったのですがうまくコピペできないので、(孫)リンク先をご覧ください。
 東京電力福島原発以外の原子力発電所はこのままでいいのでしょうか? のんきすぎやしませんかね?


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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/008567.html

[CML 008689] [Fwd: [pmn-ml 17225] まともなジャーナリスト 福島原発について]
                                 2011年 3月 31日 (木) 11:20:15 JST

前田朗です。

3月31日
ジャーナリストの木下黄太さんが、福島原発問題について14本ほどブログに書き続けています。
転送です。

-------- Original Message --------
Subject:        [pmn-ml 17225] まともなジャーナリスト 福島原発について
Date:   Thu, 31 Mar 2011 00:02:57 +0900

=====================
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927

長井健司のビデオカメラとテープを取り戻すために

ジャーナリスト、木下黄太のブログ。現在「福島第一原発」について書きつづけています。
原子炉の状態から、今後のシナリオ想定をする

2011-03-30 02:04:32 | 福島第一原発 木下黄太です。個人のジャーナリスト
として書いています。ジャーナリストは何をすべきなのかを、最近、良く考える
ことがあります。もちろん、いろんな答えがあるのですが、よく思うのは大政翼
賛会的な戦前に近い感じの報道状況になった場合、そこに反旗を翻せるかどうか
は、本質的な意味でのジャーナリストであるかどうかということのメルクマール
と僕は考えています。しかも、戦前と同じく、多くの人々に影響がある状況であ
ればあるほど、本質的に自分が取材分析し、できるかぎり皆さんの役に立ち、正
しいと思う中身をきちんと伝えられるかどうかが、ジャーナリストの仕事と思い
ます。今回の場合は、政府や東京電力の言うがままに、「思考停止」に伝える事
ではなく、自分の頭で考えて、いろんな情報を精査し、やるべきことをやるのみ
だと考えています。そういう観点で、お前の取材や言説が、ジャーナリストと名
乗るレベルに届いていないという批判は、甘んじて受けますが、それ以外の理由
で、僕がジャーナリストを名乗るなという単純な脅しには、屈するつもりは全く
ありません。大政翼賛会にはジャーナリストはいなかったのです。戦前のジャー
ナリストは、ジャーナリストであり続けるためには、国家から殺害される可能性
も含めた覚悟が必要でした。21世紀の日本ではそこまでの事はありません。仮
に私益がほとんど失われる事があっても、公益が少しでも多く達成されるなら、
やはりジャーナリストの本来あるべき仕事をし続けるのが、肝要と僕は思います。
僕の友人、長井健司は命を懸けても、ミャンマー大衆の置かれている悲惨な状況
を伝えました。それに比べれば、僕はまだまだだなあと思います。

・・・・・・。(肝心な部分のつづきは、オリジナルを)

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 さらに、videonews.com(4月9日)の小出さんのインタビュー(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001814.php)もご覧ください。なにか神経が麻痺してきているのですが、「再臨界」が起こっているのではないかという疑いが出ており、小出さんの口から語られるそれは説得力があるだけに、本当にどうしたらいいのか途方に暮れてしまいます・・・。「水蒸気爆発の危険性が懸念」という言葉まで出てきます。「ワーストの下、ワーストよりも悪い」状態だなんて・・・。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001814.php

       ニュース・コメンタリー (2011年04月09日)

福島原発で再臨界の疑いが濃厚に
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)

 原子力安全・保安院は、8日、福島第一原発一号機の原子炉格納容器内の放射線濃度が、毎時100シーベルトに上昇したことを明らかにした。これは前日に比べて、3倍以上も高い放射線濃度にあたり、同炉内の温度と圧力も上昇しているという。
 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、放射濃度の急上昇に加え、原子炉の温度や圧力の急上昇していること、更に塩素が中性子に反応して生まれるクロル38という塩素が原子炉内で発見されたことなどから、炉内で再臨界が起きている可能性が高いと指摘する。中性子は核分裂が起きたときに発生する。
 臨界とは放射性ウラン燃料などが核分裂連鎖反応を起こす状態のことを言う。「再臨界」は、臨界状態にあった原子炉が一旦停止して核分裂が止まった後、燃料棒の露出などでウラン燃料が溶け出して、圧力容器の下部に蓄積するなどして、制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる状態を指す。
 再臨界が起きると核分裂反応の制御が困難になり、大規模なエネルギーが発生するため、原子炉内の温度があがり水蒸気爆発の可能性が高くなる。
 小出氏は、水蒸気爆発が発生し、圧力容器や格納容器が吹き飛び、今とは桁違いの放射性物質が流出する最悪のシナリオにも今後警戒していくべきだと述べ、その場合、風向き次第では東京も避難対象となる可能性にも言及している。
 神保哲生と宮台真司が小出氏に、福島原発の現状を聞いた。

今週のニュースコメンタリーは福島原発で再臨界の可能性が濃厚になっていることなどから、通常の更新時間を早めて、9日15時より無料で公開いたします。
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