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●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》

2023年09月08日 00時00分54秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


(2023年09月04日[月])
小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》。この〝汚染水〟の海洋放出は「廃炉終了」、《廃炉のロードマップの一環》には何の貢献もしない。すでに《経済的実害》を生じさせ、漁業者に対する《二重の加害》(河合弘之さん)。しかも、キシダメ首相らの #全責任持つという無責任
 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【なぜ東電は問題だらけの汚染水の海洋放出に追い込まれたのか/インタビューズ】(https://www.videonews.com/interviews/20230826-kino)。《ゲスト 木野龍逸 (きの りゅういち) フリーランスライター》、《そもそも今回の海洋放出は政府が廃炉のロードマップの一環として政府が認めたものだ。しかし、木野氏はそもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明だと語る》。

 「処理水」か、「汚染水」かについて、再度。「デブリに触れた排水のALPS処理水」を単純に「処理水」と表現してもいいのか。
 「下水処理水」と云う時、有機物の除去率やSSの除去率が95%程度であり、「下水処理水」中に有機物やSSが5%程度残っていることを前提としているし、通常(二次処理)、無機の窒素やリンなどは7割程度が「下水処理水」に残存していることを含意している。その上で、「下水処理水」と呼ぶ。
 「デブリに触れた排水のALPS処理水」を単純に「処理水」と云う時、トリチウムは除去されず残存していること(希釈により濃度を下げていると云う〝引っ掛け〟もあり〝安心感〟も無駄に増量)までは想像できても、(核燃料とは遮断されているので、通常の核発電所排水には含まれない)多様な放射性物質が除去できずに残存していることを人々に想像させない。「デブリに触れた排水」の一部を「ALPS処理」しただけという点も強調されることが少ない。
 濃度ではなく、ポイントは排出される放射性物質の総量。半減期の長いものは、生物濃縮され、内部被ばくのリスクも上昇するから。タンクの貯留水(原水)のトリチウムや各放射性物質のそれぞれの」を明らかにすること。海水でいくら希釈しても、「量」は不変。トリチウムについて、検出限界以下に希釈した「処理水」の濃度を測っても何の意味も無い。検出限界以下となるように大幅に「薄めて」いるのだから。タンクの貯留水(原水)中にはトリチウムだけしかなく、それが検出限界以下なのであれば、希釈して排水する意味がない。海に放流すればさらに希釈されるのだから。
 「想定外」とした、アノ無能な農水相は「汚染水」と口にしてしまい、キシダメ首相から「処理水」と修正するように、お叱りを受けたらしい。馬鹿な話しだ。不毛。あれは、「汚染水」です。「下水処理水」とは意味が違う、#RadioactiveContaminatedWater

   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対
   『●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に
      捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行
   『●《通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体に
     とって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止めることが必要》
    (長周新聞)《カナダでは、重水炉というトリチウムを多く出すタイプの
     原子炉が稼働後しばらくして住民のあいだで健康被害の増加が問題に
     された。調査の結果原発周辺都市では小児白血病や新生児死亡率が
     増加し、ダウン症候群が80%も増加した。またイギリスの
     セラフィールド再処理工場周辺地域の子どもたちの小児白血病増加に
     関して、サダンプト大学の教授は原因核種としてトリチウムと
     プルトニウムの関与を報告している》

   『●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める
      政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●「賠償ではなく、漁業をしたいだけ」…福島県漁連は《関係者》では
     ないのか? ―――「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」?
   『●#zutto_uso_datta、斉藤和義さん「#ずっとウソだった」。そして、「関係
     者の理解なしには、いかなる処分もしない」という約束もウソだった
   『●既に実害…《「汚染水放出は危険・問題派」…汚染水放出そのものが
     すでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》
   『●《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」
        …「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》
   『●息吐く様にウソをつく…「日本の原発でそういう事態は考えられない」、
     菅直人氏についてのデマ「メルマガ事件」、「汚染水漏えい問題はない」
   『●【全責任持つという無責任】…《漁業関係者は…反対…岸田文雄首相が
       「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った》
   『●《30年以上も放出が続けば長い半減期の放射性物質の総量は増え続ける
     ことにならないか。微量でも人体に入れば内部被ばくが起きる可能性》
   『●《万が一にも大事故が起きれば…。そのようないたってシンプルな理由
     から原発の停止を命じた裁判官がいる。元福井地裁判事の樋口英明氏だ》

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https://www.videonews.com/interviews/20230826-kino


【木野龍逸×神保哲生:なぜ東電は問題だらけの汚染水の海洋放出に追い込まれたのか】
 (https://youtu.be/-l5JAPZqMI4


2023年08月26日公開
なぜ東電は問題だらけの汚染水の海洋放出に追い込まれたのか
インタビューズ


ゲスト 木野龍逸 (きの りゅういち)
フリーランスライター
1966年東京都生まれ。88年日本大学経済学部卒業。89年編集プロダクション入社。豪州の邦人誌『日豪プレス』などを経て95年より現職。著書に『検証 福島原発事故・記者会見2―「収束」の虚妄』、共著に『検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか』など。


概要

 東電は8月24日、福島第一原発の汚染水の海洋放出をついに開始した。

 毎日約90トンずつ発生する汚染水をどうするのかという問題はこれまで棚上げされてきたが、今回、漁業関係者などの反対を押し切って海洋放出が始まった

 東電は2013年、汚染水が海に流出していることを発表したところ、世論の激しい反発を受けた。その後、汚染水の処理方法について小委員会が議論を進め、海洋放出のほか、水蒸気にして放出する、コンクリートに固めるなどの選択肢が検討されたが最終的に一番安くて簡単にできる海洋投棄に落ち着いた。ただし、ALPS小委員会の2020年の報告書では海洋放出は他の方法よりはるかに安い34億円とされていたが、原発事故以来、東京電力を継続的に取材してきたフリーライターの木野龍逸氏は、記者会見などでその費用が既に500億円を超えていることが明らかになっていると言う。しかも、その中には漁業関係者への補償などは含まれていないため、今後そのコストが更に膨れあがるのは必至だ

 政府は風評被害対策に力を注ぐといい、マスメディアも風評被害の問題を大きく報じている。確かに風評被害は深刻だ。しかし、問題は風評だけではない。ALPS(多核種除去設備)ではトリチウム以外にも12核種が除去しきれないことが分かっている。世界では他の加圧水型の原発がトリチウム水を海洋に放出しているというが、通常の原発を冷却する過程で発生するトリチウム水と、ドロドロに溶け出した核燃料デブリに直接触れた水を同列に議論できるはずがない。実際、東電は汚染水のサンプリング調査しか行っておらず、すべての汚染水の中にどのような放射性物質が含まれているかが判明しているわけではない

 結局、今回海洋放出をせざるを得なくなったのは、これまで無策のまま汚染水を貯蔵タンクに貯め続けたからだ。それを続ければいずれは原発の敷地がタンクで満杯になり、海に捨てざるを得なくなるというシナリオは、最初から計画されていた意図的なものにも見える。

 また、海洋汚染が基準を超えないよう今後も東電自身がモニタリングを続けると言っているが、木野氏はそのデータは信用できないと言う。木野氏によると、東電はこれまでに何度も検査分析ミスを起こしており、外部の多数の研究者が検査データを広く公開して監視可能な状態にすることを求めてきたが、東電は頑としてデータの公開を拒んできたのだという。結局、今回の海洋放出の是非は、市民社会が本当に東京電力という会社を信用できるのかどうかにかかっていると言っても過言ではないだろう。

 そもそも今回の海洋放出は政府が廃炉のロードマップの一環として政府が認めたものだ。しかし、木野氏はそもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明だと語る。

 フリーランスライターの木野龍逸氏に神保哲生が聞いた。
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●《万が一にも大事故が起きれば…。そのようないたってシンプルな理由から原発の停止を命じた裁判官がいる。元福井地裁判事の樋口英明氏だ》

2023年09月05日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版↑]


―――――― (樋口英明さん)《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます



(2023年09月01日[金])
「デブリに触れた排水のALPS処理水」を単純に「処理水」と表現してもいいのか。
 「下水処理水」と云う時、有機物の除去率やSSの除去率が95%程度であり、「下水処理水」中に有機物やSSが5%程度残っていることを前提としているし、通常(二次処理)、無機の窒素やリンなどは7割程度が「下水処理水」に残存していることを含意している。その上で、「下水処理水」と呼ぶ。
 「デブリに触れた排水のALPS処理水」を単純に「処理水」と云う時、トリチウムは除去されず残存していること(希釈により濃度を下げていると云う〝引っ掛け〟もあり〝安心感〟も無駄に増量)までは想像できても、(核燃料とは遮断されているので、通常の核発電所排水には含まれない)多様な放射性物質が除去できずに残存していることを人々に想像させない。「デブリに触れた排水」の一部を「ALPS処理」しただけという点も強調されることが少ない。
 濃度ではなく、ポイントは排出される放射性物質の総量。半減期の長いものは、生物濃縮され、内部被ばくのリスクも上昇するから。タンクの貯留水(原水)のトリチウムや各放射性物質のそれぞれの」を明らかにすること。海水でいくら希釈しても、「量」は不変。トリチウムについて、検出限界以下に希釈した「処理水」の濃度を測っても何の意味も無い。検出限界以下となるように大幅に「薄めて」いるのだから。タンクの貯留水(原水)中にはトリチウムだけしかなく、それが検出限界以下なのであれば、希釈して排水する意味がない。海に放流すればさらに希釈されるのだから。
 「想定外」とした、アノ無能な農水相は「汚染水」と口にしてしまい、キシダメ首相から「処理水」と修正するように、お叱りを受けたらしい。馬鹿な話しだ。不毛。あれは、「汚染水」です。「下水処理水」とは意味が違う、#RadioactiveContaminatedWater

 さて、元福井地裁判事・樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです》。

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【関東大震災から100年の節目に考える地震と原発と日本/マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1168回)】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1168)。《ゲスト 樋口英明 (ひぐち ひであき)元裁判官》、《そもそも原発は巨大地震に耐えられるようには設計されていない。そして、大地震で原発が何らかの形で損傷を受ければ、そこから先は何が起きてもおかしくない。そして、万が一にも大事故が起きれば、取り返しのつかないほどの国富が失われ、おびただしい数の人の人生が根底から狂わせられる。そのようないたってシンプルな理由から原発の停止を命じた裁判官がいる。元福井地裁判事の樋口英明氏だ》。

   『●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)《原発の
     《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから
   『●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽

     原発」「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?
   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
         超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

 樋口英明さんは、以前から、《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と。まともな裁判官が、もっと増えないものか…。《老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない》。高度な工学的知識や科学的な知識は不要だ、だって、《原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱》《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから。《住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法にかかってしまう必要などない
 《毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です》…何の教訓も得ていません。そのためには、最後に、樋口英明さんは《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》と仰っています。

   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対
   『●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に
      捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行
   『●《通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体に
     とって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止めることが必要》
    (長周新聞)《カナダでは、重水炉というトリチウムを多く出すタイプの
     原子炉が稼働後しばらくして住民のあいだで健康被害の増加が問題に
     された。調査の結果原発周辺都市では小児白血病や新生児死亡率が
     増加し、ダウン症候群が80%も増加した。またイギリスの
     セラフィールド再処理工場周辺地域の子どもたちの小児白血病増加に
     関して、サダンプト大学の教授は原因核種としてトリチウムと
     プルトニウムの関与を報告している》

   『●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める
      政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●「賠償ではなく、漁業をしたいだけ」…福島県漁連は《関係者》では
     ないのか? ―――「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」?
   『●#zutto_uso_datta、斉藤和義さん「#ずっとウソだった」。そして、「関係
     者の理解なしには、いかなる処分もしない」という約束もウソだった
   『●既に実害…《「汚染水放出は危険・問題派」…汚染水放出そのものが
     すでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》
   『●《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」
        …「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》
   『●息吐く様にウソをつく…「日本の原発でそういう事態は考えられない」、
     菅直人氏についてのデマ「メルマガ事件」、「汚染水漏えい問題はない」
   『●【全責任持つという無責任】…《漁業関係者は…反対…岸田文雄首相が
       「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った》
   『●《30年以上も放出が続けば長い半減期の放射性物質の総量は増え続ける

     ことにならないか。微量でも人体に入れば内部被ばくが起きる可能性》

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1168


【樋口英明×宮台真司×神保哲生:関東大震災から100年の節目に考える地震と原発と日本【ダイジェスト】】
https://youtu.be/I7qgJGTKPJA


2023年08月26日公開
関東大震災から100年の節目に考える地震と原発と日本
マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1168回)


ゲスト 樋口英明(ひぐち ひであき) 元裁判官
1952年三重県生まれ。京都大学法学部卒業。83年福岡地裁判事補に任官。大阪高裁判事、福井地裁判事などを経て2017年退官。著書に『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』、『私が原発を止めた理由』など。


概要
 9月1日で関東大震災から100年の節目を迎える。関東大震災では10万人以上が犠牲になっているが、日本は今ふたたび、向こう30年の間に8割の確率で関東大震災をしのぐ巨大地震に見舞われることが地震調査委員会によって予測されている。果たしてわれわれは大地震への備えはできているのだろうか。

 日本は地震大国であると同時に世界有数の原発大国だ。国内にある57基の原発のうち、現在稼働している原発は11にとどまるが、休止中の原発の中にも核燃料は保存されており、大地震の際のリスクは残る。また稼働中の原発も、大地震が起きると燃料棒の中に制御棒が挿入され自動的に緊急停止するよう設計されている。しかし、原発が止まった後も核燃料は冷やし続けなければならない。しかし、原発自体は発電を停止しているため、引き続き冷却システムを稼働させるためには原発以外から電源を確保する必要がある。福島第一原発の場合も原子炉は正常に緊急停止したが、周辺一帯も停電していたことに加え、バックアップ用のディーゼル電源が津波で水没し使い物にならなかったために、核燃料を冷やし続ける方法がなくなってしまい、メルトダウンという最悪の事態に至ったのだった。

 そもそも原発は巨大地震に耐えられるようには設計されていない。そして、大地震で原発が何らかの形で損傷を受ければ、そこから先は何が起きてもおかしくない。そして、万が一にも大事故が起きれば、取り返しのつかないほどの国富が失われ、おびただしい数の人の人生が根底から狂わせられる

 そのようないたってシンプルな理由から原発の停止を命じた裁判官いる。元福井地裁判事の樋口英明氏だ

 福井地裁の裁判官だった樋口氏は2014年5月21日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止め訴訟において、運転を差し止める判決を下している。その理由はいたってシンプルだ。判決の中で樋口氏は、原発の耐震基準が実はとても低いという事実に基づき、耐震基準を超える地震が来る可能性が否定できない以上、原発を動かすことを認めることはできないと結論している。

 国策である原発政策に水を差す判決を裁判官が下すのは決して容易なことではない。しかし、樋口氏はそれは難しい話ではないと平然と言ってのける原発裁判では高度に科学的、技術的な評価が求められると考えられているため、専門家ではない裁判官は自身では踏み込んだ判決を出そうとせず、政府や規制当局が設定した基準を満たしていればそれでよしとする判断に傾きやすい。しかし、難しい科学論争に引き込まれれば、一般市民の常識的な判断が働かなくなると樋口氏は言う。市民感覚で普通に考えた時におかしいものをおかしいと言い切れる感性が、裁判官には必要だと樋口氏は言うのだ。

 樋口氏が原発を止める判断をした根拠は明確だ。まず、日本の原発は意外にも耐震性がとても低い。これは実際のデータに基づいている事実だ。原発の近くである程度の大きさの地震が起きると、簡単に耐震設計基準を超えてしまう。日本では震度6強に相当する1,000ガル程度の地震は珍しくないが、例えば大飯原発の2018年段階での耐震基準は、856ガルとされている。関東大震災や阪神淡路大地震、そして東日本大地震規模の震度7クラスの地震は1,500ガルを超える。正式な耐震基準からみても、日本のどの原発もスペック上、そのクラスの地震に耐えられるようになっていないのだ。それがわかっていながら、原発の稼働を継続させる判断を下すことの方がおかしいというのが、樋口氏の立場だった。

 実際、日本の原発の耐震基準はいずれも1,000ガルまでだ。ところが日本では震度7、1,500ガル以上の南海トラフ巨大地震が30年以内に発生する確率が70~80%と見積もられている。降水確率が80%と言われれば、普通の人は傘を持って家を出るのではないだろうか。

 今、福島第一原発では、破損した原子炉内の溶け出した核燃料デブリに触れた汚染水が毎日90トンペースで増え続け、今週はいよいよそれを海に放出しなければならなくなっている。ALPSという機械を使って放射性物質の大半は取り除かれ、更に汚染水は安全基準以下に希釈した上で放出しているというが、ALPSではトリチウムのほか12種類の放射性核種が取り除けないこともわかっている。

 事故から12年たった今日にいたっても、福島第一原発では廃炉はおろか溶け出した核燃料デブリを1グラムたりとも取り出すことができていないし、取り出せるメドもまったくたっていない。原発は一度事故が起きると取り返しがつかないことは、われわれが現在進行形で経験しているはずだ。

 樋口氏の指摘を待つまでもなく、地震大国の日本で原発を続けることのリスクは計り知れない。樋口氏はなぜ原発を止めたのか、そしてなぜ樋口氏にはそれができたのか、それでも日本の裁判官がなかなか原発を止められないのはなぜかなどについて、元裁判官の樋口英明氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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