asahi.com(http://www.asahi.com/paper/editorial20120710.html)。
大飯原発を再稼働させた関西電力は火力発電所を停止するという。バッカじゃなかろうか。原発の再稼働などしなけりゃよかったのだ。東京電力原発人災後に再び事故を起こせば、世界の目はますます冷ややか。敦賀では、断層調査の際に地下の配管を傷つけたそうだ。また、発電機能付き湯沸かし器(しかも3分の2という膨大な熱は海に捨てており、〝海暖め装置〟(小出裕章さん))の影響?か、大量発生したクラゲで出力を低下させるほど。
一方、福島第一原発で人災を起こした東電は電気料金を値上げするそうだ。いったいどんな根拠があるのやら。今までさんざん原発は安いと言ってきていたはずなのに、このザマである。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial20120710.html】
2012年7月10日(火)付
東電値上げ ―原発は原価から除外を
東京電力の家庭向け料金値上げをめぐる審査が大詰めを迎えている。
原発事故で生じた巨額の費用は一定程度、値上げでまかなわざるを得ないが、理にかなった算定なのか、原価を厳しく吟味しなければならない。
東電は平均10.28%の値上げを申請している。経済産業省の専門委員会は先週、9%台前半に圧縮すべきだとする「査定方針案」をまとめ、審査は消費者庁との調整に移った。
消費者団体は「もっと圧縮すべきだ」と主張する。では、原価から何を削るか。
わかりやすいのは人件費だ。
消費者庁は、専門委が妥当とした「年収の2割削減」を、過去に公的資金を受けた企業並みの「3割削減」とするよう求めている。電力会社を選べない消費者の不満はよく分かる。
ただ、事故炉の作業や賠償事務、火力発電所の稼働など、以前より人手がかかる。人材を確保する必要もある。公的資金を受けた日本航空やりそな銀行とは違い、東電には代替できる企業がない。人件費の削減にはおのずと限界がある。
むしろ、福島第一原発の5、6号機と福島第二原発の1~4号機にかかる費用を再考すべきだ。東電は、減価償却費と維持費あわせて900億円を原価に計上している。
福島県は県内の原発すべての廃炉を求めている。政府が脱原発依存の政策を進めるうえで、この6基は廃炉の筆頭候補になるのは明らかだ。
東電自身、利益に相当する「事業報酬」の算定からは、これらの費用を自主的にはずしている。動かない資産を料金原価に含めるのはおかしい。
ただちに全額の除外がむずかしければ、2分の1に削減するなど工夫の余地はある。専門委で、最後まで議論が分かれた項目でもある。
悩ましいのは、原価を削って目先の値上げ幅を抑えたとしても、最終的なツケは結局、国民に回ってくる点だ。
原価算入できない費用は、東電が利益分から捻出せざるをえない。ところが、国が立て替えた賠償資金は利益の中から返済することになっている。料金で回収できない費用が増えれば、そのぶん返済が遅れる。
除染費用なども考えれば、東電にすべてを負担させる今の枠組みは虚構にすぎない。
徹底したリストラを大前提に、必要な費用をどこまで東電の利用者が払い、どこから広く国民で負担するのか。本格的な議論に入るべきだ。
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