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●「暗黒捜査」による小沢裁判控訴審

2012年07月14日 01時22分38秒 | Weblog


魚住昭さんの『魚の目』の記事(http://uonome.jp/read/2567)。日刊ゲンダイの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/136906)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012062002000120.html)。

 次から次にボロボロと悪事が発覚する特捜。まさに「暗黒捜査」「暗黒操作」である。それに踊らされてきた(踊らされるフリをした? 一緒に踊った?)マスコミ、自ら「捜査」することはなく、意図的に「操作」される「非実在検察審査会の〝面々〟。本件に関しては、小沢一郎氏に非常に同情する。しかも、恥の上塗り、悪あがきの控訴。(『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、冤罪15年間への償いはできるのか?』。再審開始決定、検察の意義を却下した東京高裁小川正持裁判長)控訴審の裁判長も一癖ありそうである・・・。
 指揮権発動について誤解していたようだ。法相の更迭も裏がありそう。

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http://uonome.jp/read/2567

読み物
虚偽捜査報告書問題について思うこと
2012 年 6 月 4 日 魚住 昭

 陸山会事件石川知裕衆院議員の調べを担当した田代政弘さんは、かなり有能な検事だ。真相を見抜く力があり、相手の身になって考える想像力もある。
 石川議員が水谷建設から5000万円を受け取ったという当初の見立ての誤りに最初に気づいたのも田代検事だった。
 でっち上げ捜査の拡大を防いだという意味で田代検事の功績は大きい。ただ一つ、彼に難点があるとすれば上司の意向に逆らえないことだろう。石川議員が「隠し録音」した再聴取のやりとりを読んでそう思った。
 録音は2年前の5月17日、石川議員が東京地検の908号室に入るところから始まる。

 石川「失礼します」

 田代「どうぞ、どうぞ。石川さんさ、録音機持っていない?」

 石川「大丈夫です」

 田代「大丈夫?この前もさ、そういうこと言っててとった奴がいてさ。
     それ(携帯)、まあ電源切ってもらって(携帯を閉じる音)。石川さん大丈夫?」

 石川「はい。大丈夫です」

 田代「大丈夫?下着の中とか入ってない?(録音機が)」

 田代検事はそれから本題に入っていく。石川議員が「今日は調書とるんですか」と聞くと、
「そりゃ調書取れって言われてますよ。現在の石川さんのね。あれ(保釈)から暫く時間がたって、外ではさ、うちの幹部からすればさ、威勢のいいことを言ってると映っているわけよ」
 石川議員は逮捕勾留中に「4億円不記載を小沢一郎氏に報告し、了承を得た」との 供述調書に署名した。にもかかわらず、保釈後はそれを覆す話をマスコミにするのはけしからんと幹部が怒っているというのである。「そこをよく聞いて調書にするのが、一つの今日のミッションなんだけれども」と田代検事。
 続いて田代検事は小沢氏の関与を認めた供述を否定すれば、検察の強硬派が小沢不起訴の既定方針を覆す恐れがあり、検察審査会も小沢氏の圧力だと思うから火に油を注ぐことになると手を替え品を替え力説した。
 だがこの理屈はおかしい。再聴取で小沢氏の関与を認めたら、起訴判断の根拠が増えるだけだ。たぶん田代検事が「石川供述を維持させろ」という上司のミッションを遂行するためにへ理屈を捻り出したのだろう。
 幹部を怒らせると何をするか分からない。素直に従った方が身のためだよ。田代検事は言外にそうほのめかしながら石川議員を精神的に追いつめていく。
 たまりかねた石川議員が「私にとって今日できる事って何なんですかね」と訊いた。「そりゃ、一番無難なのは、さ、従前の供述を維持しちゃうことが一番無難だってー」
 石川議員は何度も反論した。「民主党代表選前に土地取得が明るみ出るのを避けるため本登記を翌年にずらしたのが一番の主眼点です。小沢さんからの4億円が明るみに出るのを避けるためというのは違います」
 だが、この言い分は一蹴された。再逮捕を恐れた石川議員は田代検事に従うほかなかった。
 この再聴取直後に田代検事は上司の指示で捜査報告書を作成した。全文5000字余りの報告書の内容の八割 方は嘘だ。
 石川議員の主張は完全に無視されている。石川議員は素直に小沢氏の関与を認め、田代検事は石川議員の意向を最大限に尊重しながら模範的な調べをしたことに作り替えられている。「記憶の混同」でこんな報告書は作れない。誰が見ても上司の指示による公文書捏造だろう。
 だが、検察当局は今月中に田代検事や上司らを不起訴にして懲戒・訓告処分にするという。
 これは田代検事に温情ある処分に見えるが、実は違う。彼は今後の検察審査会で起訴議決を受ける可能性が大だ。そして彼が真相を暴露しない限り、“黒幕は「知らなかった」と弁明して逃げ切ってしまうだろう。
 本当に悪い奴は法の網をすり抜け、上司の指示に従った者が処罰を受けるこんな不条理が許され ていいのだろうか。(了)  

(編集者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です。)
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http://gendai.net/articles/view/syakai/136906

指揮権発動」発言の真相 小川敏夫前法相直撃インタビュー
2012年6月6日 掲載

「記憶が混同」の言い訳は通用しません
<地に落ちた検察の信頼はこのままでは回復しない>

 東京地検特捜部による小沢事件の捜査報告書捏造問題。小川敏夫前法相が4日の退任会見で、突如「指揮権発動」を検討していたことを明らかにし、大騒ぎだ。小沢嫌いの大新聞は「政治介入」と批判的な論調一色だが、「ちょっと待て」だ。このままでは、検察は“捏造検事”を「不起訴処分」にし、組織的犯罪にほおかむりして幕引きを図るつもりなのは間違いない。そうさせないために法的根拠にのっとった“強権発動”は、検察改革に役立つのなら結構なことだ。小川前法相を直撃し、真意を聞いた。
 捜査報告書を捏造した田代政弘検事は、「逮捕中のやりとりなどと記憶が混同した」と故意を否定し、検察当局もそれを「合理性がある」と認めようとしている。しかし、小川前法相はそこに疑念があると言う。

   「捜査報告書の“架空”部分を見れば、『記憶違い』などあり得ないことは
    明らかです。石川議員が録音したやりとりと照らし合わせて
    確認しましたが、まず、捜査報告書では『石川議員が調書を取ることを
    拒否しているため説得した』としています。が、実際は石川議員は
    調書を取ることに『分かりました』と答えている。さらに、『検事から
    “ウソをつくようなことをしたら、選挙民を裏切ることになる”と
    言われたことが効いた』という実際になかったやりとりは報道でも
    有名ですが、架空部分はこの一節だけではない。この部分に関わる
    報告書2ページ以上にわたるやりとりが全て作り話でした。
    『記憶違い』というのは、どう弁解しようとも通用しません」

 この捏造問題については、小沢裁判の1審判決で裁判所も、検察の体質を厳しく批判し、作成経過や理由についての徹底調査を求めている

   「裁判所は(検察)組織の問題だと言ったのです。検察はそれを無視している。
    そもそも『記憶違い』という前提で捜査を進めること自体が間違い。
    田代検事が意図的に捏造したという前提でどこまで捜査をやったのか。
    裁判所の指摘を認めてしまうと大変なことになると、検察は逃げた。
    これでは地に落ちた検察の信頼は回復せず、国民にソッポを向かれて
    しまいます」

 裁判官、検察官、弁護士の経歴を持つ小川前法相が野田首相に「指揮権発動」を相談したのは5月11日とみられる。その日は了承を得られなかったが、継続して首相を説得するつもりだったという。

   「検察が内部の問題で何かかばっていたり、躊躇(ちゅうちょ)している
    ようであれば、それをやらせるのが法務大臣の役割であり責任です。
    『指揮権発動』は法相の専権事項。総理の了承がなければ、
    自分の判断で政治生命をかけてでもヤル気でした。退任会見で
    明らかにしたのは、問題提起が必要だと思ったからです」

 検察は先月中に、田代検事を不起訴にし、「戒告」など行政処分だけでお茶を濁そうとしていた。この問題を少しでも早く闇に葬りたいのだろうが、なかなか処分が決定しないのには小川前法相の存在も関係していたようだ。

   「捜査は検察の専権ですが、人事上の処分は法務大臣の権限です。
    (不起訴と行政処分を)同時にやろうとすれば、僕がOKしなければ
    できなかった。マスコミのリーク情報で『処分は5月末』としていましたが、
    5月中には出ないワケですよ。今後は、法務委員会で追及していきます。
    捜査については聞けなくとも、人事上の処分については、
    どういう不祥事があったのか国会で質問できますからね」

 前法相がここまでハッキリ問題を指摘しているのだから、検察は“無傷”で生き延びられるはずがない。新任の滝実法相は、重大に受け止めるべきだ。大臣が交代して、すぐ大甘処分が出たとしたら、滝新法相は完全にナメられていることになる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012062002000120.html

【私説・論説室から】
暗黒捜査」ではないのか
2012年6月20日

 検事による虚偽の捜査報告書問題について、小川敏夫前法相が十九日の参院法務委員会で法務省を徹底追及した。刑事局長は捜査中を理由に事実確認を拒んだが、身内に甘い処分を決めるようでは、とても検察立て直しどころではない
 問題の報告書はインターネットで流出している。私も入手して読んでみたが、ひどいものだ。全部がデタラメと言っていい。
 たとえば冒頭で「あなたは被告人の立場だから取り調べに応じる義務はないと伝えた」と記している。ところが、調べられた石川知裕衆院議員(小沢一郎民主党元代表の元秘書)の録音記録によれば、調べた田代政弘検事は石川氏に隠し録音していないかどうか尋ねただけだった。
 その後で一月の取り調べ状況のやりとりなどが記載されているが、これも録音記録には一切、出てこない。架空の記述である。
 それだけではない。当時の東京地検特捜部長に宛てた副部長名による別の報告書も虚偽部分を引用している。報道によれば、この報告書を書いたのは実は特捜部長自身だったという。
 前法相は質疑で田代報告書自体も田代検事以外の別人によって手が加えられていた可能性を示唆した。
 これでは二重、三重のデタラメではないか。「暗黒捜査」の怖さを感じる。法務・検察当局はどう始末をつけるつもりなのか厳正な捜査に基づく法的処分が必要だ。 (長谷川幸洋)
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