asahi.comに出ていた書評(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013012000018.html?ref=comtop_list)。
反対派による原発裁判はこれまで2件の勝訴しかない。それも上位審でひっくり返されている。連戦連敗。松下竜一さん流に云えば、「負けた負けた」の連続である。
どうも、その根源は「裁判所と法務省の人事交流」にあるようだ。「法務官僚(訟務検事)に任用された裁判官が、原発訴訟で国側代理人を務めて「原発は安全だ」と主張する。そうした人物が元の裁判官に戻った後、原発の安全性を公正、公平に判断できるのか。人事交流が原発訴訟に「深刻な影を投げかけてきた」」そうだ。
『●忘れられた最高裁国民審査』
『●最高裁「原発安全性」研究会、過去の反省なくして意味をなさず』
『●〝犬〟になれなかった裁判官』
『●『美談の男』読了』
『●マスコミと癒着する「司法・最高裁」の堕落ぶり』
『●原発裁判はどれも完敗: 井戸謙一元裁判官と小出裕章さんの対話』
『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、「司法」にも絶望するよな』
『●東京電力、「お前のモノだろう!」』
『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に』
『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官』
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【http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013012000018.html?ref=comtop_list】
書評
司法よ! おまえにも罪がある [著]新藤宗幸
[評者]上丸洋一(本社編集委員) [掲載]2013年01月20日
■人事交流が投げかける影
原発の安全性をめぐっては1973年に始まった伊方原発(愛媛県)訴訟以来、建設中止などを求める住民らによって、数々の裁判が提起されてきた。しかし、住民側の勝訴は2例しかない。ほとんどの訴訟で裁判所は、行政の判断を支持してきた。
なぜ司法は原発をチェックできなかったのか。本書は、行政側勝訴の判決に共通する論理構造を解き明かし、司法の責任を追及する。
著者が着目した問題点の一つに、裁判所と法務省の人事交流がある。これによって法務官僚(訟務検事)に任用された裁判官が、原発訴訟で国側代理人を務めて「原発は安全だ」と主張する。そうした人物が元の裁判官に戻った後、原発の安全性を公正、公平に判断できるのか。人事交流が原発訴訟に「深刻な影を投げかけてきた」と著者は実名をあげて指摘する。
裁判所は誰のために存在するのか。原発事故は根本的な問いを突きつけた。裁判所は本書にどう応えるだろうか。
◇
講談社・1470円
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