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●ビンラディン暗殺・私刑に喝さいを叫ぶ国民

2011年07月13日 00時41分33秒 | Weblog


綿井健陽さんのWP『逆視逆考PRESS』(http://watai.blog.so-net.ne.jp/)の5月4日の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-05-04)。

 もう忘れ去られたニュース。批判的な視点など、日本では皆無。
 アメリカの叫ぶ正義は唾棄すべきもの。マイケル・ムーア監督は「処刑だ」と批判し、死を祝福する風潮を強く批判したという。

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-05-04

それは正義なのか? OKなのか?

あのビン・ラディンが米国大統領の命令によって、米軍の軍事作戦で殺害されたという。オバマ大統領は演説で、「ビンラディン容疑者が『数千人の無実の男女や子どもを殺害した責任を負う』」「正義はなされた」と述べたようだ。

http://www.asahi.com/international/update/0502/TKY201105020162.html?ref=reca 

喜んでいるアメリカ人に対して聞いてみたいが、この
正義が「OK」「素晴らしい」「よくやった」とすれば、では次のような正義が起きた場合はどう解釈すればいいのだろうか? 子供たちから質問されたときはどう返答すればいいだろうか?

あるアフガニスタン人が、もしくはあるイラク人が、ブッシュ元大統領自宅を急襲して殺害した場合
あるパレスチナ人が、イスラエル首相の自宅を急襲して殺害した場合

どちらの大統領も首相も、イラクやアフガンやパレスチナで、「数千人(実際にはそれ以上)の無実の男女や子どもを殺害」してきた首謀者であるから、彼らを殺害することも正義であり、これも「OK」「素晴らしい」「よくやった」とみなされるのか。

アメリカで暮らす人たちが多数殺害された場合は、国際法も何もかも無視して、米国大統領の命令でいつでもどこでも、その首謀者を殺害できるのか。そんな権限は米国だけにあって、ほかの国には無いのか。ほかの国やどこかの組織が同じようなことを行うと「テロ」となって、米国がそれをすると「軍事作戦」となるのか。

ビンラディンが殺害されたことで、「報復テロを警戒」と報じられていたが、これまですでに米国は9・11同時多発テロ事件の後に、アフガンを「報復攻撃」したではないか。大量破壊兵器の因縁を作り上げてまでイラクに侵攻したではないか。

米国だけは誰でもどこの国にでも「報復」できる権利があって、「ミサイルを撃ち込む」こともOKなのか。オバマが大統領に就任したときの演説に感動・拍手・喝采した人たちは、ビンラディンへの軍事作戦にも感動・拍手・喝采しているのだろうか

ビンラディンを殺害すればもうテロは起きないとでもいうのか。9・11同時多発テロ事件の真相も、アルカイダの内実も、これまで世界で起きてきたテロの背景も、この処刑によって知る機会を失った。そしてさらに、またどこかで、その呼び方は「テロ」か「報復」か「軍事作戦」か「聖戦」かは変わっても、正義の名の下でまた人が殺されて連鎖していくのだろう。ビン・ラディンは死んだのかもしれないが、アメリカの思想や行動が絶対正義である限り、ビン・ラディン的な思想や行動を取る人は今後も世界に現れるだろう。

そんな絶対正義には、今こそ「NO!」と言わなければならない。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [
綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち
公式HP http://www.tongpoo-films.jp/littlebirds/
DVD発売中

月刊「創」『逆視逆考』
http://www.tsukuru.co.jp/
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関連して、「ベイエリア在住 町山智浩アメリカ日記」(http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20110701)から、FOXテレビが果たした役割についての記事(http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20110701)。

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http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20110701

2011-07-01  FOXニュースはいかにアメリカ国民をイラク戦争へと誘導したか

毎週金曜日夜11時半からトーキョーMXテレビで再放送中の『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』、本日と来週の二回に分けて「アウトフォックスト」を放送します。

これはアメリカで一番人気のニュース専門ケーブルTV局「FOXニュース・チャンネル」が間違った報道によって911テロの犯人はイラクであると国民に信じ込ませ、ブッシュのイラク攻撃への世論を形成していったかを検証したドキュメンタリーです。

圧巻は、911テロの犠牲者の息子がFOXニュースに生出演して「911テロとイラクは無関係だ。僕の父の死を利用して戦争をデッチあげないでほしい」と発言したところ、FOX最高の人気司会者ビル・オレイリーが「黙れ!黙れ!」と怒鳴りつけて彼をスタジオから追い出す場面です。
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コメント
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