Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「赤いモレスキンの女」

2023-05-02 08:02:11 | 読書
アントワーヌ・ローラン, 吉田 洋之 訳「赤いモレスキンの女」新潮社 (クレストブックス 2020/12).

おしゃれな小説.原題 La Femme Au Carnet Rouge 赤い手帳の女.邦題でオシャレ感の増幅をもくろんだのかもしれないが,ぼくはミステリかと思った.まぁミステリっぽいところも無きにしも非ず.
Wikipedia によれば,モレスキン(Moleskine)はイタリアのミラノに拠点を置く製紙会社,プロダクトデザイン会社.また,同社が製造・販売する手帳 (図右上) のブランド名でもある.
小説には2匹の猫が登場し,それぞれの名がプーチンとベルフェゴール (図右下の悪魔).

Amazon の紹介*****
男はバッグの落とし主に恋をした。手がかりは赤い手帳とモディアノのサイン本。パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第2弾。*****

ローランの生意気な娘とか,バッグの落とし主の同僚のホモの青年とか,狂言回しが適材適所.
初体験のジャンルで楽しかった.上に第2弾とあるが,第1弾は「ミッテランの帽子」で,時の大統領ミッテランがブラッスリーに置き忘れた帽子が持ち主が変わるたびに彼らの人生に幸運をもたらしてゆくというストーリー.「青いパステル画の男」という作品もある.この「赤い...」と合わせて,著者の手のうちが見えてきたように思える.はまる読者もいるのだろう.
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