里見弴,講談社文芸文庫(2012/3)。図書館本。
美貌の天才バイオリニスト、諏訪根自子をピアニストに置き換えた小説。荊棘(いばら)の冠は彼女の名声のことだろう。ただし音楽のことは何も出てこない。いきなり梅毒が出てきて面食らう。周りの大人たちの愛憎が中心。とくに父親は売れない小説家で、娘を持て余した挙句頭がおかしくなる。実際にあった母娘の家出のスキャンダルが後半の中心。
この作家は初めてだが、理屈が多い風俗小説という感じ。著者は音楽のことは何も知らないらしいが、生半可に音楽通ぶるよりはマシかもしれない。
志賀直哉の序文がある。
1934年から3つに分けて中央公論に発表され1935年に出版された。
美貌の天才バイオリニスト、諏訪根自子をピアニストに置き換えた小説。荊棘(いばら)の冠は彼女の名声のことだろう。ただし音楽のことは何も出てこない。いきなり梅毒が出てきて面食らう。周りの大人たちの愛憎が中心。とくに父親は売れない小説家で、娘を持て余した挙句頭がおかしくなる。実際にあった母娘の家出のスキャンダルが後半の中心。
この作家は初めてだが、理屈が多い風俗小説という感じ。著者は音楽のことは何も知らないらしいが、生半可に音楽通ぶるよりはマシかもしれない。
志賀直哉の序文がある。
1934年から3つに分けて中央公論に発表され1935年に出版された。