Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

稽古長屋 音わざ吹き寄せ

2015-01-30 08:34:24 | 読書
奥山 景布子, 文藝春秋 (2014/11)

「BOOK」データベースより*****
元吉原の北、長谷川町三光新道に稽古屋の看板を掲げた音四郎と妹お久。眉目秀麗な兄は四年前まで期待の女形だった。舞台を去る原因となった脚の怪我をめぐる醜聞の真相とは―絃音ひびく江戸情緒あふれる九編を収録。*****

その九編のタイトルは,「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうさき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」.
「ならのかんぬし」は「奈良の神主,駿河の神主...」という,手習いの先生をからかった餓鬼どものはやし言葉だが,16 トンの幼少時代には「奈良の観音,駿河の観音」と言っていた.何れにせよ,「ならぬ堪忍するが堪忍」のもじりである.この手習いの先生とか,「大女」であることに劣等感を持っている手伝いとかが,脇役として登場する.

次の「いぬぼうざき」は犬吠埼,銚子の外れから,調子っぱずれのことだが,この言葉も餓鬼のときから聞いていた.

チャンバラ場面は一切なし.

タイトルから音楽小説を期待したが,こちらに予備知識がないこともあって,著者の薀蓄についていけなかった.でも,それは置いて,楽しめた.

著者のブログ http://okehuko.blog.fc2.com 本書に関わるページもある.著者は落語がお好きらしく,帯には志の輔の推薦があったらしい.「らしい」と言うのは図書館で借用したので帯がなかったため.
コメント
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